アナウンスルーム

アナウンサーブログ

徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
with a camera in Nishigo Village 3
ご主人のダジャレが面白い。普段は静かだそう…。
ご主人のダジャレが面白い。普段は静かだそう…。
雪割橋は西郷村の観光名所の1つ。
雪割橋は西郷村の観光名所の1つ。
 西郷村に来たついでにおととし取材した松永窯に寄る事にした我々、住所を頼りに行ってみると…あれ?見た目が記憶と違います。今の松永窯は手前に駐車場があって、何かお洒落。
 以前の松永窯は、奥に長い建物が並んでいたような…。以前撮った写真を見ても、印象が違いますよね。
 因みに松永窯は、11年前の東日本大震災・原発事故の影響で浪江町(なみえまち)から西郷村に避難して、国の伝統的工芸品でもある大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)を作り続ける窯元の一つです。
ロケで訪れた松永窯。お洒落な雰囲気。
ロケで訪れた松永窯。お洒落な雰囲気。
おととし訪れた時の松永窯。撮影位置は違いますが…あれ?ここで良いの?
おととし訪れた時の松永窯。撮影位置は違いますが…あれ?ここで良いの?
 恐る恐る?入ってみると、以前取材した時の奥様がいました。ここで間違いないようです。
「あれから建て直して、去年の3月にリニューアルオープンしたんです。あ、主人もいますよ。」
 奥からご主人が出て来てくださいました。
中は広々として、照明や展示方法もお洒落だ。
中は広々として、照明や展示方法もお洒落だ。
ご夫婦と再会。ここで間違いありませんでした。
ご夫婦と再会。ここで間違いありませんでした。
 こちらでは色々な方に自由に大堀相馬焼をデザインしてもらった「KACHI-UMA」といった新たな取り組みもしています。

(おととし松永窯を取材した時のエピソードは、こちらをクリック。)

 するとご主人が、
「工房を見ていきますか?」
と誘ってくださいます。
こちらが一昨年紹介した「KACHI-UMA」。
こちらが一昨年紹介した「KACHI-UMA」。
大堀相馬焼の特徴の1つ、馬を自由にデザインしてある。
大堀相馬焼の特徴の1つ、馬を自由にデザインしてある。
 是非にとお願いして、店の奥の工房へとお邪魔します。すると前回の取材ではお会いしなかった方がろくろを回しています。
「地域おこし協力隊で福島に来た、吉田さんです。」
工房には土の器から、焼きあがったものまで並ぶ。
工房には土の器から、焼きあがったものまで並ぶ。
こちらの方は…?
こちらの方は…?
 吉田直弘さんは、兵庫県姫路市出身。インターンシップで松永窯に来たのをきっかけに、地域おこし協力隊として大堀相馬焼を学びに来福、3年の修業を積みました。
「吉田さんは朝、何も言わないのに掃除から始めるんです。それが素晴らしい。技術も高くて、これからはライバルですよ。」
 師匠としては、吉田さんの腕だけでなく人柄も評価しています。そして吉田さんは昨春に職人として独立しました。ちょうど松永窯リニューアルオープンの頃です。
福島で修業を積んだ、吉田さん。若手のホープ。
福島で修業を積んだ、吉田さん。若手のホープ。
師匠の見つめる中、ろくろを引く。
師匠の見つめる中、ろくろを引く。
「今では吉田さん目当てのお客さんがいる位。実際コーナーを店内に設けているんですよ。」
 この日も次々と土から器を作っていきます。そんな吉田さんは、ご自身の大堀相馬焼を『空想窯』という独自のブランドとして売り出しています。
”師匠”も、吉田さんの成長を喜んでいる。
”師匠”も、吉田さんの成長を喜んでいる。
吉田さんは次々と土から器を形作っていく。
吉田さんは次々と土から器を形作っていく。
「お客さんが料理を作って大事な人に私の作った器を使って出す時に、どんな器によそおうか、こんな器なら喜ぶかな、って事を想像しながら作っています。自分の器によそってもらって楽しんでもらえたら、という事を『空想』して作っているので、そう名付けました。」
想いを込めて作る。
想いを込めて作る。
話をしながらでも、手は止まらない。
話をしながらでも、手は止まらない。
 松永窯の店内にある、吉田さんの『空想窯』のコーナーです。こちらには一般的な大堀相馬焼のイメージとはすぐには結び付かない作品も並んでいます。
松永窯の一角、吉田さんのコーナー。
松永窯の一角、吉田さんのコーナー。
形も色も様々ある。
形も色も様々ある。
「こちらは『飛行機』です。」
 ひびの模様が入っているところは大堀相馬焼らしさがあります。
「入道雲が湧く空に、飛行機が飛んでいるところです。」
 金色のあたりインパクトもありますし、また飛行機が空で陽光を浴びきらっと光っているようにも見えます。
吉田さんの作品「飛行機」。
吉田さんの作品「飛行機」。
大堀相馬焼のひび、湧く雲、金色の飛行機がアクセント。
大堀相馬焼のひび、湧く雲、金色の飛行機がアクセント。
 一方、こちらは或る技法を使っています。
「『つつがき(筒描き、か)』といって、竹の筒に泥を入れて線を描く技法があるんです。ただそれが難しい技法で、一度途絶えてしまって…それを復活させたいんです。」
 大堀相馬焼と言えば馬のデザインですが、つつがきで描く馬も味わいがありそうです。今後、吉田さんの作品からは、今までなくなってしまった技術の新たな発見があるかもしれません。
こちらは一度途絶えた技術が使われている。
こちらは一度途絶えた技術が使われている。
若い作家が、技術の掘り起こし・再現をしている。
若い作家が、技術の掘り起こし・再現をしている。
 そのほか新しくなった松永窯の店内には、大堀相馬焼以外の展示スペースもあります。因みにこの時は松永窯の奥様が作ったひな人形が展示されていました(ブログをあげている2月10日には終了しております、ご注意ください)。
「ちょうど桃の節句が近かったので…。大堀相馬焼同様、伝統工芸を飾るスペースを設けているんです。次回は飯舘村(いいたてむら)の地域おこし協力隊としても活動している方の、ボタニカルキャンドル(花などの植物が入った蠟燭)を展示します。」
松永窯には、伝統工芸を応援するスペースもある。
松永窯には、伝統工芸を応援するスペースもある。
この時は雛を展示していた。
この時は雛を展示していた。
 飯舘村も、原発事故で避難を余儀なくされた自治体の一つ。浪江町から避難した松永窯と、通じる部分があるのかも知れません。そういえば以前浪江への想いも話して下さったったご主人ですが、店をリニューアルしたという事は、暫く西郷村に腰を据えて作陶に励むという気持ちの表れなのかも知れません。
店内で焼物を見ていると、時間がゆったり流れている気がする。
店内で焼物を見ていると、時間がゆったり流れている気がする。
まだ木の香り漂う店内だった。
まだ木の香り漂う店内だった。
 松永窯は、県道281号から保健福祉センターのある交差点を東方向に折れると、左側にあります。
 お洒落な店舗はデザインを外部に依頼したそうで、
「デザインした人からはこんなに商品をつめておかないようにデザインしたと言われるんですが、ついつい置いちゃうんですよね…。」
 売るほどあるんですから、良いのではないでしょうか?(つづく)

つづきの「最中(もなか)の新たな楽しみ方」は、こちらをクリック。
入口にはボード(看板)も。
入口にはボード(看板)も。
店は午前10時~午後5時まで(水曜定休)。カフェではないのでご注意を。
店は午前10時~午後5時まで(水曜定休)。カフェではないのでご注意を。
全文を読む
コメントを投稿してよろしいですか?
利用規約

中テレ会員サービス(以下「本サービス」)は、株式会社福島中央テレビ(以下「当社」)が提供する、ホームページ、各種ネットサービスを対象とします。
ユーザーは本規約の内容をよくご確認頂いた上で、本サービスをご利用ください。
当社は、ユーザーが本サービスをご利用されることにより本規約の内容を承諾したものとみなし、以後ユーザーと当社との間にて本規約が適用されるものとします。

1.    本サービスのご利用にあたって
本サービスへの登録は無料で行えますが、ユーザーの端末機からのアクセス、メッセージなどの受信に必要な通信費はユーザー自身の負担となる他、一部コンテンツは有料でご利用いただくものになります。ユーザーが本サービスの利用に際して行った一切の行為、その結果および当該行為によって被った損害について、当社は何等の責任も負わないものとします。

2.    個人情報の取り扱いについて
ユーザー情報は、当社からのサービス提供または利用者のサービス向上を図るための資料(個人が特定されない統計資料)等、当社の正当な業務遂行上必要な範囲に限定して利用し、その範囲を超えた個人情報の取扱い(目的外利用)を行いません。ユーザー情報自体の取り扱いについては、別途当社が定める「個人情報保護基本方針」に従い、適切に扱います。

3.アカウントの管理について
ユーザーは、本サービスのログインパスワード等の会員アカウント情報について、自己の責任において管理及び保管するものとし、第三者に開示あるいは貸与、譲渡、売買等をしてはならないものとします。アカウントの管理不十分または第三者の使用等によりユーザーに損害が生じた場合、その責任は故意・過失の有無にかかわらずユーザーが負うものとし、当社は一切その責任を負いません。

4.登録の変更・退会について
ユーザーは、登録情報に変更が生じた場合や、退会を希望する場合、当社が指定する所定の方法によって登録情報を変更または退会の手続きを行うことができます。

5.未成年による利用について
未成年者のユーザーは、本サービスの利用の一切につき、親権者等の法定代理人の同意のもと利用しなければなりません。未成年者のユーザーが、法定代理人の同意がないにもかかわらず同意があると偽り、または年齢について成年と偽って本サービスを使用した場合、その他行為能力者であることを信じさせるための詐術を用いた場合、本サービスに関する一切の法律行為を取り消すことはできません。本規約の同意時に未成年であったユーザーが成年に達した後に本サービスを利用した場合、当社は、当該ユーザーが本サービスに関する一切の法律行為を追認したものとみなします。

6.知的財産権について
本サービスに関する一切の特許権、実用新案権、意匠権、著作権、商標権等の知的財産権(それらの権利を取得し、またはそれらの権利につき登録等を出願する権利を含みます。以下「知的財産権」)は全て当社または当該権利を有する第三者に帰属します。ユーザーは、本サービスを利用するにあたって、一切の権利を取得することはないものとし、当社は、ユーザーに対し、本サービスに関する知的財産権について、本サービスを本規約に従ってユーザーの端末機においてのみ使用できる譲渡不能の権利として許諾するものです。したがって、ユーザーは個人で楽しむ目的(著作権法第30条第1項の範囲での私的使用)でのみ本サービスを利用できます。また、ユーザーは本サービスについて当社から提供された状態でのみ利用するものとし、本サービスに関する情報の全部または一部を、当社の了解を得ずに、複製、改変、貸与、配布等により転用してはなりません。

7.ユーザーによる情報の提供やアップロードについて
ユーザーは、本サービスの利用にあたってアップロードする文章、画像、動画、音声、音楽その他の情報(以下総称して「ユーザーコンテンツ」)について、その行為における適法な権利を有していること、及びユーザーコンテンツが第三者の知的財産権、所有権その他の権利を侵害していないことについて、当社に対し表明し、保証するものとします。ユーザーコンテンツに関する著作権は、当該投稿等を行ったユーザー自身に留保されるものとし、事前に著作権譲渡について当社がユーザーから許諾または同意を得たものを除き、当社は当該ユーザーコンテンツに関する著作権を取得することはありません。ただし、当社は、本サービスの提供、維持、改善またはプロモーション等に必要な範囲において、ユーザーコンテンツを複製、翻案、自動公衆送信などを、無償、無期限かつ地域非限定で行うことができるものとします。ユーザーは、当社及び当社から権利を承継または許諾された物に対し、著作者人格権を行使しないものとします。

8.禁止行為について
ユーザーは、本規約の他の条項に定めるものの他、本サービスの利用にあたって、以下の行為またはそのおそれのある行為を行ってはならないものとします。
(1)他のユーザー、当社または第三者に不利益または損害を与える行為
(2)公序良俗に反する行為
(3)法令に違反する行為
(4)当社の書面による事前の承認を得ずに、本サービスに関連して営利を追求する行為
(5)当社による本サービスの運営を妨害する行為
(6)本サービスの信用を失墜、毀損させる行為
(7)当社の承認した以外の方法で本サービスを利用する行為
(8)本サービスを譲渡、貸与、公衆送信、使用許諾する行為
(9)本サービスを複製、翻案、編集、改変する行為
(10)コンピュータウイルス等を本サービスで利用し使用をしたり、第三者に提供したりする行為、あるいはそのおそれのある行為
(11)その他、当社が不適切と判断する行為 

9.免責事項について
当社は、本サービスに関する情報およびデータの正常性、信頼性、正確性を保証するものではありません。本サービスにかかる情報によりユーザーまたは第三者に損害が生じた場合であっても、その損害についていかなる責任も負いません。また、当社は、本サービスの利用に起因するソフトウェア、ハードウェア上の事故、ユーザー間またはユーザーと第三者の間において生じたトラブル、その他の事故等による全ての損害についても、いかなる責任も負いません。

10.損害賠償について
本規約に違反して権利侵害等の問題が発生した場合、ユーザーは、自己の負担と責任においてかかる問題を解決するとともに、当社に何等の迷惑または損害を与えないものとし、仮に当社に損害を与えたときは、当社に対して当該損害の全てを賠償していただきます。

11.当社による本サービスの提供中止について
当社は、ユーザーが本規約に違反した場合、当該ユーザーに対してあらかじめ通知することなく、本サービスの全部または一部の内容の提供を中止することができるものとします。当該中止についてユーザーに損害が生じた場合であっても、当社はいかなる責任も負いません。

12.本サービスの変更・一時中断・廃止について
当社は、本サービスの内容を必要に応じて変更することがあります。また、メンテナンスや内容更新のため本サービスの提供を一時中断、あるいは本サービスの廃止を行う場合があります。当該変更または一時中断、廃止によってユーザーまたは第三者に損害が生じた場合であっても、当社はいかなる責任も負いません。

13.本規約の改訂
当社は、随時本規約を改訂できるものとします。当社は本規約を改訂した場合、その都度、改定後の本規約を掲示することによってユーザーに告知するものとし、改定後の本規約は当該掲示の時点で効力を生じるものとします。

14.準拠法、協議、管轄
本規約の解釈および運用は日本法に準拠します。 本サービスに関連してユーザー、当社ないし第三者との間で疑義、問題が生じた場合、その都度誠意をもって協議し、解決を図るものとします。 協議によっても疑義、問題が解決しない場合、これらに関する紛争は当社の本社所在地を管轄する地方裁判所または簡易裁判所を第1審の専属的合意管轄裁判所とします。
 
附則
本規約は2022年9月30日から実施します。