2022.02.10
with a camera in Nishigo Village 3
「ぶらカメ」西郷村篇その3です。
その1「立春過ぎても雪景色 遊ぶ姉妹に、雪が似合う観光名所の名物店主」はこちらをクリック。
その2「展望台はどこ? ご主人に急遽来てもらうと…」は、こちらをクリック。
その1「立春過ぎても雪景色 遊ぶ姉妹に、雪が似合う観光名所の名物店主」はこちらをクリック。
その2「展望台はどこ? ご主人に急遽来てもらうと…」は、こちらをクリック。
ご主人のダジャレが面白い。普段は静かだそう…。 |
雪割橋は西郷村の観光名所の1つ。 |
西郷村に来たついでにおととし取材した松永窯に寄る事にした我々、住所を頼りに行ってみると…あれ?見た目が記憶と違います。今の松永窯は手前に駐車場があって、何かお洒落。
以前の松永窯は、奥に長い建物が並んでいたような…。以前撮った写真を見ても、印象が違いますよね。
因みに松永窯は、11年前の東日本大震災・原発事故の影響で浪江町(なみえまち)から西郷村に避難して、国の伝統的工芸品でもある大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)を作り続ける窯元の一つです。
以前の松永窯は、奥に長い建物が並んでいたような…。以前撮った写真を見ても、印象が違いますよね。
因みに松永窯は、11年前の東日本大震災・原発事故の影響で浪江町(なみえまち)から西郷村に避難して、国の伝統的工芸品でもある大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)を作り続ける窯元の一つです。
ロケで訪れた松永窯。お洒落な雰囲気。 |
おととし訪れた時の松永窯。撮影位置は違いますが…あれ?ここで良いの? |
恐る恐る?入ってみると、以前取材した時の奥様がいました。ここで間違いないようです。
「あれから建て直して、去年の3月にリニューアルオープンしたんです。あ、主人もいますよ。」
奥からご主人が出て来てくださいました。
「あれから建て直して、去年の3月にリニューアルオープンしたんです。あ、主人もいますよ。」
奥からご主人が出て来てくださいました。
中は広々として、照明や展示方法もお洒落だ。 |
ご夫婦と再会。ここで間違いありませんでした。 |
こちらでは色々な方に自由に大堀相馬焼をデザインしてもらった「KACHI-UMA」といった新たな取り組みもしています。
(おととし松永窯を取材した時のエピソードは、こちらをクリック。)
するとご主人が、
「工房を見ていきますか?」
と誘ってくださいます。
(おととし松永窯を取材した時のエピソードは、こちらをクリック。)
するとご主人が、
「工房を見ていきますか?」
と誘ってくださいます。
こちらが一昨年紹介した「KACHI-UMA」。 |
大堀相馬焼の特徴の1つ、馬を自由にデザインしてある。 |
是非にとお願いして、店の奥の工房へとお邪魔します。すると前回の取材ではお会いしなかった方がろくろを回しています。
「地域おこし協力隊で福島に来た、吉田さんです。」
「地域おこし協力隊で福島に来た、吉田さんです。」
工房には土の器から、焼きあがったものまで並ぶ。 |
こちらの方は…? |
吉田直弘さんは、兵庫県姫路市出身。インターンシップで松永窯に来たのをきっかけに、地域おこし協力隊として大堀相馬焼を学びに来福、3年の修業を積みました。
「吉田さんは朝、何も言わないのに掃除から始めるんです。それが素晴らしい。技術も高くて、これからはライバルですよ。」
師匠としては、吉田さんの腕だけでなく人柄も評価しています。そして吉田さんは昨春に職人として独立しました。ちょうど松永窯リニューアルオープンの頃です。
「吉田さんは朝、何も言わないのに掃除から始めるんです。それが素晴らしい。技術も高くて、これからはライバルですよ。」
師匠としては、吉田さんの腕だけでなく人柄も評価しています。そして吉田さんは昨春に職人として独立しました。ちょうど松永窯リニューアルオープンの頃です。
福島で修業を積んだ、吉田さん。若手のホープ。 |
師匠の見つめる中、ろくろを引く。 |
「今では吉田さん目当てのお客さんがいる位。実際コーナーを店内に設けているんですよ。」
この日も次々と土から器を作っていきます。そんな吉田さんは、ご自身の大堀相馬焼を『空想窯』という独自のブランドとして売り出しています。
この日も次々と土から器を作っていきます。そんな吉田さんは、ご自身の大堀相馬焼を『空想窯』という独自のブランドとして売り出しています。
”師匠”も、吉田さんの成長を喜んでいる。 |
吉田さんは次々と土から器を形作っていく。 |
「お客さんが料理を作って大事な人に私の作った器を使って出す時に、どんな器によそおうか、こんな器なら喜ぶかな、って事を想像しながら作っています。自分の器によそってもらって楽しんでもらえたら、という事を『空想』して作っているので、そう名付けました。」
想いを込めて作る。 |
話をしながらでも、手は止まらない。 |
松永窯の店内にある、吉田さんの『空想窯』のコーナーです。こちらには一般的な大堀相馬焼のイメージとはすぐには結び付かない作品も並んでいます。
松永窯の一角、吉田さんのコーナー。 |
形も色も様々ある。 |
「こちらは『飛行機』です。」
ひびの模様が入っているところは大堀相馬焼らしさがあります。
「入道雲が湧く空に、飛行機が飛んでいるところです。」
金色のあたりインパクトもありますし、また飛行機が空で陽光を浴びきらっと光っているようにも見えます。
ひびの模様が入っているところは大堀相馬焼らしさがあります。
「入道雲が湧く空に、飛行機が飛んでいるところです。」
金色のあたりインパクトもありますし、また飛行機が空で陽光を浴びきらっと光っているようにも見えます。
吉田さんの作品「飛行機」。 |
大堀相馬焼のひび、湧く雲、金色の飛行機がアクセント。 |
一方、こちらは或る技法を使っています。
「『つつがき(筒描き、か)』といって、竹の筒に泥を入れて線を描く技法があるんです。ただそれが難しい技法で、一度途絶えてしまって…それを復活させたいんです。」
大堀相馬焼と言えば馬のデザインですが、つつがきで描く馬も味わいがありそうです。今後、吉田さんの作品からは、今までなくなってしまった技術の新たな発見があるかもしれません。
「『つつがき(筒描き、か)』といって、竹の筒に泥を入れて線を描く技法があるんです。ただそれが難しい技法で、一度途絶えてしまって…それを復活させたいんです。」
大堀相馬焼と言えば馬のデザインですが、つつがきで描く馬も味わいがありそうです。今後、吉田さんの作品からは、今までなくなってしまった技術の新たな発見があるかもしれません。
こちらは一度途絶えた技術が使われている。 |
若い作家が、技術の掘り起こし・再現をしている。 |
そのほか新しくなった松永窯の店内には、大堀相馬焼以外の展示スペースもあります。因みにこの時は松永窯の奥様が作ったひな人形が展示されていました(ブログをあげている2月10日には終了しております、ご注意ください)。
「ちょうど桃の節句が近かったので…。大堀相馬焼同様、伝統工芸を飾るスペースを設けているんです。次回は飯舘村(いいたてむら)の地域おこし協力隊としても活動している方の、ボタニカルキャンドル(花などの植物が入った蠟燭)を展示します。」
「ちょうど桃の節句が近かったので…。大堀相馬焼同様、伝統工芸を飾るスペースを設けているんです。次回は飯舘村(いいたてむら)の地域おこし協力隊としても活動している方の、ボタニカルキャンドル(花などの植物が入った蠟燭)を展示します。」
松永窯には、伝統工芸を応援するスペースもある。 |
この時は雛を展示していた。 |
飯舘村も、原発事故で避難を余儀なくされた自治体の一つ。浪江町から避難した松永窯と、通じる部分があるのかも知れません。そういえば以前浪江への想いも話して下さったったご主人ですが、店をリニューアルしたという事は、暫く西郷村に腰を据えて作陶に励むという気持ちの表れなのかも知れません。
店内で焼物を見ていると、時間がゆったり流れている気がする。 |
まだ木の香り漂う店内だった。 |
松永窯は、県道281号から保健福祉センターのある交差点を東方向に折れると、左側にあります。
お洒落な店舗はデザインを外部に依頼したそうで、
「デザインした人からはこんなに商品をつめておかないようにデザインしたと言われるんですが、ついつい置いちゃうんですよね…。」
売るほどあるんですから、良いのではないでしょうか?(つづく)
つづきの「最中(もなか)の新たな楽しみ方」は、こちらをクリック。
お洒落な店舗はデザインを外部に依頼したそうで、
「デザインした人からはこんなに商品をつめておかないようにデザインしたと言われるんですが、ついつい置いちゃうんですよね…。」
売るほどあるんですから、良いのではないでしょうか?(つづく)
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入口にはボード(看板)も。 |
店は午前10時~午後5時まで(水曜定休)。カフェではないのでご注意を。 |
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