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Chu! PRESS

2023.05.10

【神尾佑 酒に交われば】自給自足で自然と共存し「日本の田んぼを守る」木や生き物そして酒を育てる郡山市の「仁井田本家」

【神尾佑 酒に交われば】自給自足で自然と共存し「日本の田んぼを守る」木や生き物そして酒を育てる郡山市の「仁井田本家」
福島県出身の俳優・神尾佑(ゆう)さんが県内の酒蔵を訪ね、日本酒を酌み交わし、その酒蔵にまつわる物語を紐解いていく番組「神尾佑 酒に交われば」。

日本酒王国福島県には、50を超える酒蔵がある。このうち、1回目に訪れたのは郡山市田村町の「仁井田本家」だ。
下がり藤と蛙が、この酒蔵のトレードマーク
下がり藤と蛙が、この酒蔵のトレードマーク
まず出会ったのは、家紋の下がり藤に、田んぼを守る象徴である蛙をあしらったマーク。
杉林を横目に、じっくりと一歩ずつ酒蔵に向かう
杉林を横目に、じっくりと一歩ずつ酒蔵に向かう
そこから続く坂道、杉林に沿ってゆっくり歩みを進めると…
木立に囲まれた、隠れ家のような酒蔵
木立に囲まれた、隠れ家のような酒蔵
江戸時代から300年以上にわたって酒を醸し続けている老舗酒造「仁井田本家」は、のどかな里山に溶け込むように坂の上に佇んでいる。

酒造りの責任者=杜氏も兼ねる、十八代目蔵元、仁井田 穏彦(やすひこ)さん。自然と共存した酒造りを目指し、時に厳しく、時に穏やかに酒と向き合う。
使命は「日本の田んぼを守る」酒蔵にすること
使命は「日本の田んぼを守る」酒蔵にすること
物語の始まりである「鳳蔵(おおとりぐら)」は、200年前の蔵を先代が移築したものだ。天然の防腐防虫効果がある「柿渋」で磨き上げられている。
手入れの行き届いた、歴史を感じる蔵
手入れの行き届いた、歴史を感じる蔵
床は柿渋で黒くなっている
床は柿渋で黒くなっている
ここに、仁井田さんの自慢の道具がある。それが手作りの「木桶」だ。
酒造りの道具も、自分たちで作る
酒造りの道具も、自分たちで作る
酒蔵に続く道沿いにある自社山は、適度に人の手が入った里山である。そこに、先々代は先を見越して杉の木を植え、育てた。その80年前の木を使って手作りしたという「木桶」。これも、仁井田さんが目指す「自給自足の蔵」の一つの形だ。
酒蔵には木の道具が欠かせない
酒蔵には木の道具が欠かせない
さらに、自社山は、酒造りに必要な水の確保もしてくれる。「先代も先々代も、『次の代に何を残してあげようか』と常に考えながら蔵を守ってきたと思う」と仁井田さんは語る。
自社山の恵みがもたらしてくれる酒造り
自社山の恵みがもたらしてくれる酒造り
これから10年ほどかけて、蔵の中のタンクをすべて「木桶」へ。「木桶」には微生物が棲みつくため、この酒蔵の唯一無二の味を醸してくれる利点もある。
「次の代に何を残すか」という思いが受け継がれ、形になる
「次の代に何を残すか」という思いが受け継がれ、形になる
一方、「木桶」にならなかった杉の端材は、蔵の片隅で、また別の役割を果たす。それが…
巣箱を置いたら、ニホンミツバチが入ってくれた
巣箱を置いたら、ニホンミツバチが入ってくれた
巣箱を作って始めた養蜂だ。自然豊かなこの地区では、まだニホンミツバチの姿が。この日本古来の在来種を増やすため「役に立ちたい」という思いから始めたものだ。ハチミツが採れたら、蔵のスイーツも提供していきたいという。
2022年にやっとニホンミツバチが巣箱に。まだまだこれから!
2022年にやっとニホンミツバチが巣箱に。まだまだこれから!
さらに、「生き物を育てる」という観点では、日本古来の生き物であるカブトエビも飼育している。その理由は…
下の土をかき混ぜながら泳いでいる
下の土をかき混ぜながら泳いでいる
酒米も自分たちで作っているから。カブトエビは雑草の芽を食べたり、泳いで水を濁らせることにより雑草の光合成を妨げたりするため、草取りの助けになるという。
敷地内のビニールハウスで、酒米を作っている
敷地内のビニールハウスで、酒米を作っている
その苗を植える田んぼも、代々受け継がれてきたものだ。農薬や化学肥料、有機肥料を使わない「自然栽培」をずっと続けている。養分は稲わら、もみ殻、あぜ道の草など、田んぼが育んだものだけで作っている「自然米」だ。「『日本の田んぼを守る酒蔵になる』というのが仁井田本家のミッション」だと仁井田さんは力強く話す。
次の世代につないでいく自然栽培田
次の世代につないでいく自然栽培田
蛙の鳴き声が響き渡り、夏にはホタルが飛び交う。そんな自然栽培の元気な田んぼを、一枚でも多く残す。これも次の世代へ渡すバトンの一つだ。

そんな「仁井田本家」が力を尽くす最高の一杯をいただこう。

まずは、代表銘柄「にいだしぜんしゅ」の夏の季節酒「なつゆき」。シャンパンと同じ製法で造っていて、瓶の中で酵母が生きているためシュワシュワしている。
フタを開けると、プシュ〜…と良い音が響き渡る
フタを開けると、プシュ〜…と良い音が響き渡る
「天然菌の野趣あふれる面がある一方で、自然栽培の米のピュアさがスッキリ感を出してくれる」と話す仁井田さん。甘い香りを感じながらひと口いただくと、香りと同じような甘さが口の中に広がる。スッキリとした飲み口で清涼感があるため、夏にキンキンに冷やして飲みたい一杯だ。
発砲が、飲みやすさを加速させる
発砲が、飲みやすさを加速させる
続いての自信作は、美しいボトルで熟成中。富山県で活動するガラス作家のピーターアイビーが、蛍光灯をリサイクルしたエコボトルだ。今後、蔵で量り売りする際の「通い瓶」としても活用できる。
独特な形で、環境にやさしいボトル
独特な形で、環境にやさしいボトル
この美しいボトルの中で、ほんのり琥珀色を放つのは…「にいだのぐらんくりゅ」という酒。自分たちの田んぼの自然米を使い、自社山の杉の「木桶」で天然の微生物により醸した、「これぞ仁井田」という個性的な逸品だ。
「仁井田本家」でしか生み出せない個性と魅力が詰まっている
「仁井田本家」でしか生み出せない個性と魅力が詰まっている
精米歩合は88%で、玄米に近いものを使っている。これまでの酒造りで最も磨いていないが、「あえて精米をしない米で最高峰の酒を造りたい!」という思いで仕上げたという。
ひと口味わえば、木の香りと酸味に加え「米本来の力を引き出そうとしている。甘やかしていない感、力強い感じがすごくする!」という感動が待っていた。
あまりの力強い味わいに「うおぉ!」と声が漏れ出る
あまりの力強い味わいに「うおぉ!」と声が漏れ出る
先代が遺してくれた環境だからこそできる酒造り。「少しでもブラッシュアップして、子どもたちに渡したい」と話す仁井田さん。そうすることで、100年後も200年後も酒造りが継承されていくだろう。
100年先、200年先を見つめる
100年先、200年先を見つめる
そして、カカオを使わず米糀で作る、蔵オリジナルの和風スイーツもある。それが「こうじチョコ」。糀の特性をしっかりと引き出した斬新な甘味料だ。
糀をいかして作った甘味料
糀をいかして作った甘味料
「糀の甘酒をギュッと固めたイメージ」というが、いただくと、まさに糀そのもので甘い。「自給自足を目指していくうえで、甘味料も自給したい」と仁井田さんは意気込む。
糀そのものの味は、しっかりと甘い
糀そのものの味は、しっかりと甘い
十八代目蔵元があしらった下がり藤と蛙のトレードマーク。そこには、「自給自足の酒蔵を目指し、自然を守り育てていく」決意が表れている。
自然を守り育てていく決意は、最初に出会ったマークにも込められていた
自然を守り育てていく決意は、最初に出会ったマークにも込められていた
自然栽培の米、自社山の杉、そこから得られる「木桶」と仕込み水、蔵の微生物…自然との共存を目指している「仁井田本家」だからこその魅力。手間暇を惜しまず丁寧に向き合うから、素材の味が生かされた酒に仕上がっていく。

「また帰ってきたくなる」。そんな酒蔵が、ここにある。

Chu!PRESS編集部
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