3年ぶりに有観客開催！「木幡の幡祭り」で注目が集まる二本松市木幡地区の3大おすすめトピックを紹介

Chu! PRESS

2023.01.16

福島県二本松市が全国に誇る冬の風物詩「木幡の幡祭り」が3年ぶりに有観客で開催された。970年の歴史を持つ伝統ある祭りの舞台裏を中心に、里山ならではの見どころ満載の注目トピックをリポーターの鈴木美伸が紹介する。

【TOPIC 1】伝統の幡祭り、17歳の少年が成人儀礼に登場
伝統ある木幡の幡祭りに初めて参加する「権立（ごんだち）」として、厳粛な成人儀礼に臨むのが齋藤武尊さん（17）。

未知なる舞台への挑戦を前に、ちょっと緊張気味の齋藤さん

まずは本祭り前夜である12月3日、「水垢離（みずごおり）」と呼ばれる神事に挑む。神事に携わる男たちが隠津島神社の境内の清水で心身を浄める。
なんと、この日の夜の気温はわずか3℃！
一番に池に飛び込み「今年も冷たかった！」と語るのは、隠津島神社第62代宮司・安部匡俊さん。
続いて齋藤さんも全身でしっかりと清水を受け止める。17歳の若者らしいはつらつとした姿を見せた。

今年もやりきった！と充実感もいっぱいの様子

清水を浴びる齋藤さん

翌朝、いよいよ本祭り。前夜の水垢離でひと皮むけた表情の齋藤さんは、宮司らとともに「お山かけ」を開始。五色の幡をはためかせながら山間の道を練り歩き、隠津島神社の本殿を目指す。

宮司の背を追いながら、山道を力強く歩む

宮司の背中を追いながら険しい山道を練り歩いた齋藤さん。いよいよ成人儀礼「胎内くぐり」に挑む。巨岩の間を自力でくぐり抜けることで、木幡地区では大人として認められる。
「生まっちゃぞ〜！」と凛々しい声がこだました。

巨岩の間をくぐり抜けて、大人の階段をひとつ登った

無事に大人として認められた齋藤さんは、「これからも参加していきたいし、幡祭りが続いていくのを願っています」と立派にコメント。
この言葉を受けた安部さんも、「地元愛を持った子たちが大きくなってきていることに、幡祭りを継承してきた意味を感じる」と語った。
昔ながらの伝統を守る形で大人と認められた齋藤さんは、大学進学後に地元に戻ってくる予定だ。

宮司と並んで歩きながら、成人儀礼を全うする

【TOPIC 2】オール二本松産のこだわりワイナリーに突撃！
続いて鈴木リポーターが足を運んだのは、「ふくしま農家の夢ワイン」というクラフトワイナリー。「地域の元気を取り戻したい」と、震災後に農家たちが休耕地に自ら苗木を植えて、第一歩を踏み出した。
20軒ほどの農家がタッグを組み、小高い丘の上に広がるぶどう畑から年間2万本のワインを製造している。

農家有志により立ち上がったオール二本松産のワイナリー

ラインナップも充実

代表の本多一美さんは、ぶどうづくりのポイントを「ぶどうたちの表情を見て、会話をしながら育てている」と語り、鈴木レポーターを醸造所へと案内する。

期待通りの言葉が返ってきて、鈴木リポーターもご満悦！

手塩にかけて育てたぶどうたちは、こだわりワインに変貌を遂げる

醸造から販売まですべてのプロセスを地元農家が担っている、オール二本松産のワイン。4月〜6月に飲みごろとなるまで熟成中のワインを見せてもらうと、マスクをしていても芳醇な香りが…。

ワイン熟成中のタンクの中を覗き見

また、黒ぶどうで白ワインを造るなどユニークな取り組みにもチャレンジ中。さまざまな魅力があるオリジナルワインを、特別に売店で試飲させていただけることに！

鈴木リポーター、しっかりと味わっております

写真左から
「マスカットベリーA・赤・2021（2970円／720ml）」は、いちごのような香りとスッキリとした飲み口が特徴の赤ワイン。
「マスカットベリーA・白・2021（2970円／720ml）」は、最初の口ざわりが甘いのが特徴。その甘さは、例えるなら「わたあめのような感じ」とのこと。 
また、地元産のりんごを100%使用した「シードル（1320円／500ml）」も人気だ。

手作りの素敵な味わいに、ほっこり心が和むひと時が過ごせそうだ。

地元の味が詰まったワインがズラリ

【TOPIC 3】身体にやさしいがコンセプト、こだわりの秘密基地「木幡ベース」とは？
続いては、木幡地区の中心部へ。道すがら見つけた小さな看板には「木幡ベース」。その先にはとある民家が…。店名からして秘密基地っぽさが漂うが、果たしてその正体やいかに…。

外観からはどんな店だかわからないが…

かつては呉服店だった店内には、自然派食品やおしゃれな雑貨がびっしりと並ぶ。

店主選りすぐりの商品が所狭しと並ぶ

二本松産の雑穀

店主の島村さなえさんによると、衣・食・住すべてをカバーする「体に優しい暮らし」がコンセプト。
お母さんが大病を患ったり、お子さんが重度のアレルギーに苦しんだり…と、身の回りに起こったことが木幡ベースを開店するきっかけに。
「食事のあり方を根本から見直したい」という強い思いがあった。

店主の島村さなえさん

品揃えに関しては、なるべく自然派の商品を集めることを重視。食品についてはすべて自ら味見をして入荷するかどうかを決めるという徹底ぶりだ。二本松産の雑穀、カカオ74%含有のチョコレートなど、取り扱う商品ラインナップも幅広い。
鈴木レポーターは、地元・羽山高原で採れたりんごジュースを特別に店内で試飲することに！

紅玉など品種ごとに作られたりんごジュース

こだわりカカオのチョコレート

また、屋外で紹介してくれたのは、ワークショップでお客さんと一緒にゼロから作り上げた小屋。大胆にも庭の土を掘り返して古屋の土壁に利用するなど、「協力すれば身近なもので小屋も作れる」を実体験で証明してみせた。

ワークショップで作り上げた小屋にびっくり！

オープンから3年半。市外からやってくるお客さんも増加傾向にある。木幡ベース発信の「体に優しい暮らし」に注目だ。

Chu!PRESS編集部

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