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2023.01.12

女性人口の流出で全国1位は福島県!進学や就職で故郷を離れた女性の思いと夢の実現

女性人口の流出で全国1位は福島県!進学や就職で故郷を離れた女性の思いと夢の実現
新型コロナウイルスへの対応で世の中に“テレワーク”が広まり、職場に出勤しなくても自宅で仕事ができる時代となりました。その効果からか、生活費が多くかかる都市部ではなく地方へ移住する人も増えています。私の住む福島県では、2021年度の移住世帯は1532世帯に上り、前年度の723世帯から倍増し調査開始以来最多を更新しています。

その一方で福島県からの女性人口の流失が著しい状況になっています。総務省のまとめによりますと、転出者が転入者を上回る「転出超過」が2021年までの直近10年間で4万1283人に上り、都道府県別で1位となっています。その原因はどんなところにあるのでしょうか?

福島県いわき市出身の私も就職のために22歳で福島県を離れた1人です。地元では就職先の選択肢が少なかったのが理由です。地方都市にはよくあることかもしれませんが、進学や就職のタイミングで故郷を離れるというパターンが定着していて、ずっと地元に残るという人は少ないと感じています。

そんな私は、結婚出産を経た27歳の時に夫の転勤に合わせて福島県にUターンしました。福島に戻って今年でちょうど10年になりますが、この間に福島では震災や原発事故の影響を引きずりながらも、復興は目まぐるしく進みました。新しい企業が進出し、新しい街並みが生まれ、徐々に人が戻ってきたという印象が強く、逆に4万人を超える女性が流出していたとは、とても信じられませんでした。

そんなある日、高校時代の同級生が県外から地元いわき市に戻り陶芸工房を開いていることを知りました。彼女は一体どんな想いでUターンを選んだのか、久しぶりに会って話をきかせてもらうことにしました。

■なぜ福島で開業?進学と就職と夢の実現と

福島県いわき市にある陶芸工房「kusano utsuwa studio」。海を思わせる澄んだ青色と実際のサンゴで模様を付けた『珊瑚』シリーズの器や花瓶などが人気を集めいます。この陶芸工房を2017年にオープンさせたのが草野奈保子さん(37)です。ある時、インスタグラムで見かけたこの『珊瑚』シリーズのカップに目を奪われ、作者を調べると高校時代の同級生だったのです。高校卒業後は私と同様に福島県を離れて沖縄県の美術大学に進学した草野さんでしたが、いわき市にある実家の敷地内に工房を開いていることを知り驚きました。
ーーーなぜ、沖縄に?
「陶芸を学べる進学先の候補自体がそれほど多くは無かったのですが、ありがたいことに両親の反対も無かったので、どうせ行くのならなるべく遠いところにしようと。誰も知らない所で1からチャレンジしてみたかったんです。いわき市にも身近に海があったし、海つながりで親近感が湧いたのもありました。」
ーーー卒業後に福島に帰ってきた?
「いいえ。まずは新卒で採用してもらえる会社を探して東京で就職しました。大学卒業後は在学中から製作してきたオリジナルの『珊瑚』シリーズを商品化するために、活動拠点として地元の福島県に戻ろうと考えていました。ところが、県外に出るときはすんなりと送り出してくれた両親でしたが、卒業後に地元に戻って陶芸をしたいと話すと、“新卒は一回しかない。1度は違う仕事に就いて世の中を知ってからにしろ”というんです。“戻ってくるのはいつだってできるから”と。確かに、親として現実的な意見ですよね。」

ーーー東京ではどんな思いで仕事を?
「東京での就職は社会経験を積むことだけが目的ではなく、開業資金を準備のためでもありました。営業職としてがむしゃらに7年間ほど働きましたが、早く自分の陶芸がしたくて、預金通帳とにらめっこの日々でした。仕事の合間に陶芸教室に足を運んで自分の技術が落ちていないかを確認し、土に触れることで自分を鼓舞していました。途中で東日本大震災があり、当初の目標より時間はかかってしまいましたが、結果的に資金の準備以外にも営業職として歩き回るうちに度胸や人と話すスキルも身について、両親が願っていた“世の中を知る”ということを経験できました。」
ーーー沖縄も東京もどちらも魅力的な場所ですが、福島に帰らないという選択肢は考えなかった?
「確かにどちらの生活も福島には無いものばかりでとても楽しかったです。でも、それは大学4年間や資金が準備できるまでの間という限定された期間だったからかもしれません。言葉にすると難しいのですが、沖縄や東京は大好きですが“遊びにでかける楽しいところ”という感覚です。私の考える住む場所はやはり、ここ福島ですね。進学や就職で県外へ出ることは当たり前の選択肢の一つなので、その場合はそこでしか学べないことを大いに学んでくるのがいいと思います。外から福島を見て気付く事も多いはずです。県外に出るということをマイナスに捉えずに、自分は外から福島に何ができるか、何を持ち帰ることができるのかということを考える方が大切なのではないかと感じます。」
ーーー戻ってきた地元はどうでしたか?
「いわき市に戻ったのは2016年で、震災後の混乱が少し落ち着いた頃でした。ちょうど周りでも新しいビルやお店が建ち、街のイベントなども多かったんです。私も同時期に参入できたのでイベント出店などを通して自然と馴染んでいけたように思います。それと、実家を活動拠点にしたことで、家族や友人など周りの人の応援もあって私はやりたいことに思う存分にチャレンジできます。私がいわき市で陶芸にチャレンジをすることで、新しい福島県の魅力を知ってもらい地域に貢献できたらと思っています。県外の人から“おもしろいことを色々やっていていいところ!”と思ってもらえたら嬉しいです。Uターンする側も戻った先の地域も、互いにwin-winの関係になれるとしたら戻る人がもっと増えるのかなと思います。」

■マイナスをプラスに変えて福島を「夢を実現できる場所」に!

夢は地元ではなく外で叶えるものと考えていた私は、草野さんへの取材を通して気付いたことがありました。それは、結婚後から無意識に家族や家庭など目の前にある現実を優先する場面が増えたことでした。妻や母という立場になり、以前ほど自分個人の夢や目標について考えることが少なくなった代わりに「自分は夫や子どもの運命共同体」という考えが次第に強くなったのです。家族や家庭を大事にしたいという気持ちそのものが、いつの間にか自分の夢や目標に置き換わったのだと思います。
 

草野さんは「夢は県外ではなく福島でも実現できるということを知って欲しいです。まずは、自分の身近な人に自分はどんなことをしてみたいのか想いを口に出して伝えることからチャレンジしてほしいです。それを続けていくうちに、自然と周りの協力が自分を後押ししてくれる力になります」と話します。

福島県では震災10年を契機に「ひとつひとつ実現するふくしま」を新たなスローガンに掲げました。それまでのスローガンだった「ふくしまからはじめよう」から一歩進んだことを意味しています。女性人口流失が全国ワースト1という状況にあって、県外に出ていく人に目が行きがちですが、福島県内では草野さんのように自分の夢を実現し活躍している女性が増えてきています。私も昔の夢と今の夢は全く変わりましたが、福島県に住む女性の一人として家族を大切にしながら自分らしく生きることを目指していきたいと思います。そして、若い世代や子どもたちに「ふるさと」=「夢を実現できる場所」だということを考えられるようになって欲しいと思っています。それこそが女性人口を取り戻すチャンスだと信じています。
 

【取材・執筆】ケイリーパートナーズ 髙木まなみ

※この記事はケイリーパートナーズと福島中央テレビの共同連携企画です。
福島中央テレビでは、テレビ番組やイベント、webサイトで福島県内で活躍する働く女性の姿や声を発信する女性活躍推進を目指すキャンペーン【MyLife~はたらくで、かがやく~】を展開中です。 ▼『My Life~はたらくで、かがやく』特設サイトはコチラ
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