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2021.10.22

福島県はごみの排出量が多い!ワーストからの脱却に向けて私たちができることは?|SDGsリポート

福島県はごみの排出量が多い!ワーストからの脱却に向けて私たちができることは?|SDGsリポート
最初にみなさんに質問です。

「ごみが多い都道府県は?」と聞かれたら、どこだと思いますか?

たばこの吸い殻やペットボトルだけでなく、最近では感染予防対策で使用するマスクが路上に落ちているのが目立ちますが、特にどこの県が多いかを聞かれても、思い浮かばない人が多いかもしれません。強いて言うなら都会はごみが多そう…そんな印象でしょうか。
最近ではモラルも向上し、ポイ捨てを目撃する機会も減った気がしますね。

福島中央テレビでは、今年6月と9月に福島・郡山・いわき・会津若松・南相馬の県内5か所で、一斉清掃活動を行いました。これは、日本財団と環境省が推進する海洋ごみ対策事業「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で開催したものです。その活動の中で私たちは、公園や河川敷にバーベキューや花火などをした後のレジャーごみが散乱している様子やペットボトルや食品トレーなどの生活ごみが海岸にまで流れ出ている惨状を目の当たりにし、地域のごみの問題に強い関心を持つようになりました。そうした中で驚いたのが、私たちが住む福島県のごみ問題の深刻な実情です。
■ごみの排出量が多い都道府県は?
最初の問いに戻りましょう。
環境省が行った調査で、1人あたりのごみの排出量が一番多いのは富山県、そして、福島県は何と2番目に多い県だったんです!「福島県も富山県もどちらも自然が豊かでごみが多い印象はない」と思う人も多いのではないでしょうか。私もそう思っていました。
福島県は1人1日あたり1035gのごみを捨てているそうです。「毎日1kgも!?」と驚きますよね。
【資料】福島大学 沼田大輔准教授 作成資料より(以下も同じ)
【資料】福島大学 沼田大輔准教授 作成資料より(以下も同じ)
「どうして福島県はごみの排出量が多いのか?」を知るため、私たちは10月5日に専門家を交えた社内勉強会を行いました。講師は、福島大学経済経営学類の沼田大輔准教授。環境問題について様々な研究を行い、廃棄物管理やごみ問題に関して自治体のアドバイザーなども務めるごみ問題のスペシャリストです。

沼田先生によりますと、全国的にはごみの排出量は年々減少傾向にあると言います。しかし、福島県は東日本大震災があった2011年に大きく増えた後、現在も震災前の水準まで戻っていない現状があります。それを聞くと、福島県がワースト2位なのは、震災関連のごみが多いからではないかと思ってしまいますが、そうとは言い切れないんです。
【写真】沼田准教授とのリモート勉強会|福島中央テレビSDGs推進チーム
【写真】沼田准教授とのリモート勉強会|福島中央テレビSDGs推進チーム
沼田先生は「ごみ問題を理解するために廃棄物について正しく認識する必要がある」と説明します。廃棄物には一般廃棄物と産業廃棄物の二種類があり、一般廃棄物は「生活系ごみ」と「事業系ごみ」に分類されますが、福島県がワースト2位なのは「生活系ごみ」。一方で、工場や店舗、学校、病院などの事業所から出される「事業系ごみ」の排出量は全国30位とワースト10位にも入っていません。

この事実を、皆さんはどう考えますか?

そして、沼田先生は私たちに“もうひとつの現実”を教えてくれました。私は最初に「都会はごみが多そう」と書きましたが、下のグラフを見て下さい。東京都にある八王子市は中核市にも関わらず、全国平均を大幅に下回るごみの排出量です。勝手なイメージで失礼しました。
一方で、同じ中核市の中で比較すると、郡山市はワースト3位、福島市はワースト4位という現状です。
■福島県で生活系ごみが多い理由とは?
では、なぜ福島県は「生活系ごみ」の排出量が多いのかを突き詰めていきます。家庭から出ているごみの内訳を、福島市の焼却施設を例にみてみましょう。ごみ排出量が全国で最も少ない長野市と比較すると、福島市は圧倒的に「厨芥(ちゅうかい)類」が多いことが分かります。厨芥類とは、主に“生ごみ”のことです。食べ残しや調理くず、賞味期限切れの食材など台所からでる生ごみが福島市は目立って多いということです。
ではこの「厨芥類」=“生ごみ”を減らすにはどうしたら良いでしょうか。
まずは、食品を必要以上に買いすぎないことや食べきれない量を作らないこと、また、消費期限や賞味期限内に使い切ることが重要です。私たちはあの未曽有の大災害を経験したことで、日常から危機意識が高まり、もしかしたら万が一のためにと必要以上の食品を買う習慣がついているのかもしれません。しかし、その結果、食品ごみを増やすことに繋がっていないか、改めて生活を見直す必要があります。

そして、“生ごみ”を減らす方法として沼田先生が例として挙げてくれたのは、「コンポスト」というものです。
近年、核家族化やマンション居住者が増えたことで目にする機会も少なくなりましたが、かつては多くの家庭で、生ごみをごみとはせずに「コンポスト」という容器にためていました。微生物の働きを活用して食べ残しや調理くずなど
発酵・分解させて、畑のたい肥として再利用していました。
その「コンポスト」の利用が年々増えているんです。特に最近では、コロナ禍で家庭菜園を始めた人たちの間でブームとなり、たい肥を作るだけでなく家庭からでる生ごみの減量にも貢献していると言います。
■私たちにできることは?
資源保護や環境対策のキーワードとしてあげられる3つのRがあります。
無駄なごみをできるだけ少なくする「リデュース(Reduce)」、
一度使ったものをごみとせずに何度も使う「リユース(Reuse)」、
そして、ごみを資源として再利用する「リサイクル(Recycle)
この中で最も重要なのは、ごみの量を増やさないための「リデュース」と沼田先生は話します。沼田先生は「もし、将来もこのまま家庭からのごみの排出量が減らなければ、自治体が指定ごみ袋を有料とするなどの『ごみ有料化』を導入し、私たちの家計にも直接的な影響が及ぶ可能性がある」と言います。
私たち福島中央テレビでは、捨てられたごみを拾う活動を積極的に展開するとともに、ごみを減らしていくにはどうすればいいかをテレビ放送やイベントなどを通じてみなさんと一緒に考え、積極的に行動に移していきたいといきたいと思います。

福島中央テレビSDGs推進チーム 岩沢圭一郎
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