2023.01.26
with a camera in Tamura City 3-2
『地域交流スペース ―シップ― ship』で『ヱビス食堂』を勧められ、出会いを探しがてら「栄町サンロード」を南にぶらぶら歩いていくと、3階建てのビルがあります。これが『ヱビス食堂』です。すると食堂の前に車が停止しています。挨拶をすると、
「あ、徳光さん! いつも見ています。」
ヱビス食堂のご主人でした。
「中は結構古いんですよ。見て行って下さい。」
ラッキー♪
「あ、徳光さん! いつも見ています。」
ヱビス食堂のご主人でした。
「中は結構古いんですよ。見て行って下さい。」
ラッキー♪
こちらがレトロで素敵だと言う「ヱビス食堂」。 |
開店前に、偶然ご主人と遭遇。 |
開店前にお邪魔すると、奥様が店内を掃除中。厨房からは寸胴のスープでしょうか、煮立てる音と食欲をそそる匂いが五感を刺激してきます。
席の奥には炬燵が。
「あそこでも食べて頂けます。」
きょうのような寒い日には有難いですね。そしてメニューの品ぞろえも、さすが“ザ・町の食堂”。ご飯に麺類と、ずらりと並びます。
席の奥には炬燵が。
「あそこでも食べて頂けます。」
きょうのような寒い日には有難いですね。そしてメニューの品ぞろえも、さすが“ザ・町の食堂”。ご飯に麺類と、ずらりと並びます。
1階はテーブル席が2つと、奥に炬燵席が。 |
町の食堂は、多くのニーズに応えてくれる。 |
更には、2階席もあります。
「どうぞ、上がってみて下さい。」
階段を上がっていくと…
「どうぞ、上がってみて下さい。」
階段を上がっていくと…
中2階のような感じで、2階席が見える。 |
上がっていくと… |
テーブル席と、小上がりが! 懐かしい造りです。嗚呼、昭和の町の食堂はこのテーブルと椅子でなくっちゃいけません。
テーブル席と小上りが。 |
このテーブル、この椅子…。これぞ昭和。 |
椅子を引くと、コンクリートの床をひきずって「がらがらっ」と大きな音が響きます。う~ん、ノスタルジー…。
「このビルは前やっていた場所から移転したもので、昭和37(1962)年に建てました。」
「このビルは前やっていた場所から移転したもので、昭和37(1962)年に建てました。」
椅子を引く時の音も、昭和だ。 |
店員の少ない食堂は、呼び鈴も無いのだ。直接注文。 |
3階建てのビルの食堂は、当時は珍しかったのではないでしょうか。しかも外観をよく見ると、1階の上部には月と星がデザインされていて、かなりお洒落なものだったと推測されます。
1階には三日月と星のデザインも…。 |
星には…換気口が隠れていた。 |
これだけあるメニューの中でお勧めは何でしょう?
「やはり中華そばですかね。」
と笑顔で答えます。
「やはり中華そばですかね。」
と笑顔で答えます。
2階にも同じくメニューがずらり。 |
「お勧めは中華そば。」 |
「私で3代目ですが、祖父が東京で修業した時に習ってきた味です。500円で出しているんですよ。いま小麦も光熱費も上がっていて苦しいんですが、週に3日も4日も来て下さるお客さんもいるんですよ、その方にこれを550円って言えないですよ。」
ラーメンは1コインで頂ける。 |
しかし昨今の価格高騰に、頭を痛めている。 |
以前はここヱビス食堂のほかに「大黒」と名の付いたお店もやっていたそうです。七福神の2つを冠した、縁起の良いお店だったんですね。
さてご主人の後を追って1階に下りて行って改めて見ると、いやぁ昭和の匂いがぷんぷんする“お宝”が他にもあるじゃないですか!
「そうそう、ここにコーラなどを入れておくと、お客さんが左の扉を開けて『ジュース1本貰うね』なんて言いながら取り出して、
さてご主人の後を追って1階に下りて行って改めて見ると、いやぁ昭和の匂いがぷんぷんする“お宝”が他にもあるじゃないですか!
「そうそう、ここにコーラなどを入れておくと、お客さんが左の扉を開けて『ジュース1本貰うね』なんて言いながら取り出して、
改めて、ご主人についていって1階を見回すと… |
懐かしい! 瓶ジュースの冷蔵庫が!!(栓抜き付き) |
ここで王冠を抜いてね…。」
右の楕円の所に瓶の頭を入れて、奥に王冠を引っかけて下に倒すと、王冠が取れて飲めるようになる仕組み。下に抜けた王冠が溜まっていきます。
「今は冷蔵部分が壊れちゃったんだけど、今は珍しいから取ってあるんです。」
中は斜めに傾いていて、冷えたものから取り出せるようになっている訳です。
右の楕円の所に瓶の頭を入れて、奥に王冠を引っかけて下に倒すと、王冠が取れて飲めるようになる仕組み。下に抜けた王冠が溜まっていきます。
「今は冷蔵部分が壊れちゃったんだけど、今は珍しいから取ってあるんです。」
中は斜めに傾いていて、冷えたものから取り出せるようになっている訳です。
昭和の話に花が咲く。 |
中も見せて下さった。一番長く冷蔵庫にあった瓶が手前に来る仕組み。 |
そしてジュースの冷蔵庫の上には、酒樽が…。しかも陶器製です。私も酒樽を模した陶器は初めて見ました。
「この中に日本酒を移して、下の栓を抜いて升に注いだんです。…いえいえ私でなく、親父が作ったものじゃないですかね?」
そして先程のジュースの冷蔵庫の左に見えたものは、岡持ちですか?
「この中に日本酒を移して、下の栓を抜いて升に注いだんです。…いえいえ私でなく、親父が作ったものじゃないですかね?」
そして先程のジュースの冷蔵庫の左に見えたものは、岡持ちですか?
酒樽は陶器製! 店名も入ったオリジナル。 |
本物の酒樽同様、下から栓を抜いて升に注ぐ。 |
「そうです。これ、背負ったんです。」
ええっ⁉ 背負うんですか?
「そうですよ、昔のお蕎麦屋さんが自転車に乗って蕎麦を何段にも肩に積んで出前していましたが、うちは背負ったんです。」
(蕎麦屋の出前の話が分からない方は、『昭和 蕎麦屋 出前』で検索してみてください。蕎麦の段積みタワーの画像が出てきます。)
ええっ⁉ 背負うんですか?
「そうですよ、昔のお蕎麦屋さんが自転車に乗って蕎麦を何段にも肩に積んで出前していましたが、うちは背負ったんです。」
(蕎麦屋の出前の話が分からない方は、『昭和 蕎麦屋 出前』で検索してみてください。蕎麦の段積みタワーの画像が出てきます。)
木の岡持ち。まだ電話番号が町内だと3桁で通じた時代。 |
岡持ちに背負い紐⁉ |
「これを背負って、バイクを運転して配達していました。」
まだバネのついた「出前機」が無かった時代は、岡持ちを傾けないようにバイクを運転していたそうです。
まだバネのついた「出前機」が無かった時代は、岡持ちを傾けないようにバイクを運転していたそうです。
背負う時にも、中の物をこぼさないように…。 |
このままバイクで配達に行ったという。背筋が伸びる…。 |
「この岡持ちは、主に丼ものですね。」
3人前ずつ3段、最大9人分の丼を配達出来ました。
(木の岡持ちを見たのは、本宮市の「ぶらカメ」以来。あの時は氷水を売り歩く為のものでした。その時のエピソードは、こちらをクリック。)
3人前ずつ3段、最大9人分の丼を配達出来ました。
(木の岡持ちを見たのは、本宮市の「ぶらカメ」以来。あの時は氷水を売り歩く為のものでした。その時のエピソードは、こちらをクリック。)
開けてみると… |
3人前ずつ3段で固定できるようになっていた。 |
年季の入った鏡には番号が1桁で通じた頃の店名が入っているなど、まだまだ昭和レトロファンにはたまらない“お宝”が店内にひしめいています。まさに“宝箱”です!
お店は11時開店という事で、後程お勧めのラーメン等を食べに参ります!! (つづく)
お店は11時開店という事で、後程お勧めのラーメン等を食べに参ります!! (つづく)
背負える岡持ちは、初めて見た。 |
この肉店(電1番)は、町内で初めて電話をひいたのだろう。 |
『ヱビス食堂』開店まで約1時間という事で、最初に訪れた『地域交流スペース -シップ―』で聞いた、お人形様のミニチュアを買う事が出来るお店『六角』へと向かいましょう。
その3「作家は6人・売り上げの一部は地域貢献 小さなお人形様の奇跡の物語」はこちらをクリック。
その3「作家は6人・売り上げの一部は地域貢献 小さなお人形様の奇跡の物語」はこちらをクリック。
こちらも開店前に、店主と出会えた。 |
お人形様がいっぱい♪ |
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