2022.03.11
After 11 years-2
2022年3月11日、震災から11年の今年は、震災当時『ゴジてれChu!』のMCだった大橋アナと私が、震災前や直後に出会った人に会いに行く、という企画を放送しました。その取材&こぼれ話の後編です。
前編「震災から11年 貴重な震災当時の記憶を若女将が語る」は、こちらをクリック。
という事で、相馬市はホテルみなとやの若女将と再会した私、折角なので味の思い出にも浸ろうと、松川浦の美味しい料理も頂く事に。今回は「松川浦膳」(3日前までに予約が必要)を用意して頂きました。これで2000円ですよ!!地の物だから輸送費がかからないとは言え、安い!
松川浦で獲れたカレイの煮魚、アサリを炊き込んだ釜めし、刺身は、やりいか・炙った太刀魚・タコ、地元青のりを使った茶碗蒸し、汁物はこの日はカニ汁です。
前編「震災から11年 貴重な震災当時の記憶を若女将が語る」は、こちらをクリック。
という事で、相馬市はホテルみなとやの若女将と再会した私、折角なので味の思い出にも浸ろうと、松川浦の美味しい料理も頂く事に。今回は「松川浦膳」(3日前までに予約が必要)を用意して頂きました。これで2000円ですよ!!地の物だから輸送費がかからないとは言え、安い!
松川浦で獲れたカレイの煮魚、アサリを炊き込んだ釜めし、刺身は、やりいか・炙った太刀魚・タコ、地元青のりを使った茶碗蒸し、汁物はこの日はカニ汁です。
これがホテルみなとやの「松川浦膳」(2000円。3日前までに予約。水揚げによって中身は変わる) |
「カレイは大きいのが入ったので、しかも子持ちです。アサリの炊き込みご飯は、お好みでバターを加えて下さい。カニ汁は雌のカニです。メスとオスでは味が違うんですよ。」
まずは私の手のひら2つ分位はありそうな、カレイから。身がほろほろで、また煮つけの汁が程よい甘さで、それでいてしつこくない、旨味しっかりなのに後味さっぱり系、その汁が染みていて、まぁ美味しい事。また内子は卵ならではの濃厚さが煮つけの汁に負けない旨さを出していて、いやぁ絶品。
「カレイはひれが美味しいんですよ。泳ぐときに筋肉を使うので。身が大きくても小さくても、ひれは美味しいんです。」
骨は細かいですが、皮がぷるっとして身は適度な締まりがあるんです。
まずは私の手のひら2つ分位はありそうな、カレイから。身がほろほろで、また煮つけの汁が程よい甘さで、それでいてしつこくない、旨味しっかりなのに後味さっぱり系、その汁が染みていて、まぁ美味しい事。また内子は卵ならではの濃厚さが煮つけの汁に負けない旨さを出していて、いやぁ絶品。
「カレイはひれが美味しいんですよ。泳ぐときに筋肉を使うので。身が大きくても小さくても、ひれは美味しいんです。」
骨は細かいですが、皮がぷるっとして身は適度な締まりがあるんです。
大きなカレイの煮つけ。今回は子持ちが手に入ったという。 |
刺身は、タコは柔らかく、イカは身が透き通っていて甘みがあり、ねっとりとした食感がたまりません。特に絶品だったのが、太刀魚の炙り。
「太刀魚は珍しいんですよ。」
太刀魚の旨味が炙った分だけ強まり、そこに皮の香ばしさが加わって、最高の一品です。さすが地元の方は、美味しい食べ方を知っています。
「太刀魚は珍しいんですよ。」
太刀魚の旨味が炙った分だけ強まり、そこに皮の香ばしさが加わって、最高の一品です。さすが地元の方は、美味しい食べ方を知っています。
刺身も、旬のものが並ぶ。 |
釜めしは、とにかく炊き込んだアサリの身が硬くならないところにびっくり。旨味もたっぷりご飯に出ています。
「ホッキ飯は時期が限られるんですが、アサリはほぼ年間通して出しますね。」
そして傍のバターを載せて頂きます。おおおお、バターのコクが加わってアサリバター飯は二度おいしい。
「今後若い人や、インバウンドで入ってくる外国人客の事も考えて、添えてみました。」
和と洋の融合を楽しんで頂けそうです。
「ホッキ飯は時期が限られるんですが、アサリはほぼ年間通して出しますね。」
そして傍のバターを載せて頂きます。おおおお、バターのコクが加わってアサリバター飯は二度おいしい。
「今後若い人や、インバウンドで入ってくる外国人客の事も考えて、添えてみました。」
和と洋の融合を楽しんで頂けそうです。
釜めしは、炊き込んだのにアサリが硬くない。 |
カニ汁は雌蟹という事ですが、
「メスは濃厚でオスとは違う味わいがあります。殻の一部をそいであるので身をほぐしてから召し上がって下さい。」
その身からは旨味がたっぷり出ているのに、なおも優しい甘い味が残っています。甲羅には内子もついていて、汁に溶けた味噌が濃厚です。汁物というより完全におかずです。
「メスは濃厚でオスとは違う味わいがあります。殻の一部をそいであるので身をほぐしてから召し上がって下さい。」
その身からは旨味がたっぷり出ているのに、なおも優しい甘い味が残っています。甲羅には内子もついていて、汁に溶けた味噌が濃厚です。汁物というより完全におかずです。
カニ汁は、カニの旨味たっぷり。おかず級の汁物だ。 |
茶碗蒸しは、地元松川浦と言えばの青のりをたっぷりと入れてあります。卵の中にしっかり香りが閉じ込められていて、窓を閉めていても磯の香りが漂う感じです。
「松川浦の青のりは、火を通すと香りが増すんですよ。」
それで口いっぱいに香りが広がるんですね。
「松川浦の青のりは、火を通すと香りが増すんですよ。」
それで口いっぱいに香りが広がるんですね。
茶碗蒸しには、松川浦特産の青のりがたっぷり入っている。 |
「刺身も煮つけもそうですが、白身の魚が並んでいますよね。こういう白いのが並ぶ時は、松川浦の魚が揃ってきたなと思いますね。美味しいって食べて頂くのが一番うれしいのですが、うちは魚を料理して出すだけなので、松川浦の素材が凄いんですね。」
いえいえ御謙遜を。海の町としての知恵と経験があるからこその料理です。贅沢な時間です。
いえいえ御謙遜を。海の町としての知恵と経験があるからこその料理です。贅沢な時間です。
白身の魚の数々を頂く。 |
「昔は都会からJRで列車出来てもらって、2~3時間で食べてもらわなきゃならなくて、最後雑炊を食べて頂くんですけど、時間が無くて食べている最中にご飯入れちゃったりして。本当はゆっくり召し上がっていただきたかったですね。」
美味しさに笑顔。震災前もこういう笑顔が広がっていた。 |
そんな若女将には、最近聞いて嬉しい“音”があると言います。ホテルの前の道路を横切る側溝の上を、車が通る音です。震災による段差のせいか、ホテル側の車線の側溝の網のみ、車が通ると“がちゃん”と結構な音がします。
「ホテルの奥にいても聞こえるんですが、これが聞こえると『あ、松川浦にお客さんが来ている』と分かって、私には心地よい音なんです。最近はこの音が増えて来て、松川浦にお客さんが戻ってきているんだなと思えます。私には決してうるさい音ではないんです、幸せな音なんです。」
「ホテルの奥にいても聞こえるんですが、これが聞こえると『あ、松川浦にお客さんが来ている』と分かって、私には心地よい音なんです。最近はこの音が増えて来て、松川浦にお客さんが戻ってきているんだなと思えます。私には決してうるさい音ではないんです、幸せな音なんです。」
2階食堂から見える側溝。ここを車が通ると、音が鳴る。 |
ホテルの奥にいても聞こえる“がちゃん”は、松川浦の人にとっては交流人口が増えた事を知らせてくれる福音でもあります。震災から11年、松川浦に住む人は、美味しい海の幸を食べに来てくれるのを待っています。新型コロナ対策をしつつ、或いは収束したら、是非訪れて欲しい場所です。
「これからもお客さんを増やして、松川浦の海の幸の美味しさを知ってほしいですね。まだまだこれからです。」
「これからもお客さんを増やして、松川浦の海の幸の美味しさを知ってほしいですね。まだまだこれからです。」
美味しい魚が獲れる海をバックに。 |
津波の後片付けの時に見た、網を探す漁師の姿に若女将が背中を押されたように、ホテルみなとやの復活に背中を押された人もいた事でしょう。そうした復興に向かう人の姿が、次に復興に向かおうとする人の背中を押して、一歩一歩復興が進んでいるんだと感じました。
ホテルみなとやの復活も、誰かの背中を押したに違いない。 |
余談だが、港に白鳥がいた。時々来るらしい。 |
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