2019.12.03
with a camera in Nihonmatsu City 3
(12月5日・4日分のブログの続きです。)
落ち葉があると、結構踏ん張りがききません。そんな山道を、氏子の総大将・大将を先頭に進んでいきます。
落ち葉があると、結構踏ん張りがききません。そんな山道を、氏子の総大将・大将を先頭に進んでいきます。
権立達は、落ち葉が積もる山道へ。幡行列は、下の舗装道路を進む。 |
権立の4人は、太刀の重さ分、余計に大変そうです。
太刀が重く、バランスもとりづらく、余計体に堪える。 |
話し声は消え、荒い息遣いと山道を登る音だけが山の静寂に広がります。
胸突き八丁の山道が続く…。 |
何度か休憩をとりながら冬なのに汗だくになって登っていくと、目の前に大きな岩が現れます。ここが「儀式」の場所です。
胎内くぐり岩に到着。岩の前に佇む権立4人。さぁ「儀式」だ。 |
総大将・大将に言われるまま、権立は重い重い太刀と袈裟を岩の前におろします。
岩の前に、”奉納”よろしく太刀を置く。以前の太刀も残っている。 |
そして岩を回り込むようにして更に上へと登っていきます。
大きな岩の間には、狭い隙間があります。権立は一人ずつその隙間を通っておりてきます。
大きな岩の間には、狭い隙間があります。権立は一人ずつその隙間を通っておりてきます。
岩を回り込むように、登っていく。 |
ここを抜けて出てくれば、
狭い隙間を下りてくる。 |
成人として「生まれる」事になります。
一人ずつ…。少し難儀していそう。 |
いわば「産道」という訳です。
通過できれば、成人としての生まれ変わりだ。 |
出て来た後は、上と下にいる総大将・大将らがお互い、誰が生まれたのか、〇〇が生まれたと問答をして、出生を知らせます。これは「胎内くぐり」と呼ばれています。
出て来た後は、総大将らの名乗りを経て、胎内くぐりを終える。 |
「胎内くぐり」を終えると、一行は少し山道を登った所の、また別の岩の前に進みます。ここが羽山神社です。
更に進むと、”神社”がある。 |
ここで権立は「食い初め」を行います。
赤飯で「食い初め」を行う。 |
そして羽山神社を背にして拝み(これを「背拝み(はいおがみ)」と言う)、続いて神社を右手にして拝み(「横拝み」)、最後に神社に正対して拝み(「正面拝み」)、3年分の参拝を済ませて、「お山かけ」と呼ばれる成人の「儀式」を終えます。
これが背拝み(後ろに神社が見える)。1年目に負ぶわれてお参りする様を表す。 |
御神酒を頂けば、まさに成人の仲間入りです。
これで成人の仲間入り。東和地区の一人前の大人となった。 |
こちらの女性は、権立の一人のおばあちゃん。古希でありながら、男のお孫さんは今回の権立が最後だからと、直登コースを登ってきました。
「ちっちゃい頃から写真を撮って来たから、権立の姿もどうしても見たかった。」
山登りが好きだというおばあちゃん、健脚も、頑張りも、お孫さんへの愛情も素敵です。
「ちっちゃい頃から写真を撮って来たから、権立の姿もどうしても見たかった。」
山登りが好きだというおばあちゃん、健脚も、頑張りも、お孫さんへの愛情も素敵です。
70歳のおばあちゃんも、権立のコースについてきた。襦袢を着た権立の祖母。 |
そこから一行はなおも山道を進み、
まだ登る。権立もさすがにしんどそう。 |
三重塔の前でもお参りします。大将の話だと昔は「五重塔」だったそうですが、昔の台風で崩れ、三重塔が建て直されたそうです。旧東和町は決して大きな町ではないのですが、これだけ立派な塔を再建するあたり、町民の信仰の篤さや歴史と伝統を守る気持ちの強さが伝わってきます。
立派な三重塔。嘗ては五重塔だったという。 |
最後の上り、急な石段を進むと、本殿です。
いよいよ大団円。 |
ここでお参り・報告をし、幡行列と合流して万歳三唱をして、全ての祭りは終わります。
権立4人は、無事本殿にお参りした。 |
4人の権立は、
「やっと来たという感じです。」
「達成感が味わえて、とても貴重な経験が出来ました。」
「辛かったけど、何とかやり切れて好かった。」
「(おばあちゃんに撮られて)恥ずかしかったけど、嬉しかった。歴史と伝統のある祭りに参加できて、良かった。」
と、それぞれの想いを話してくれました。祭りの前より、何だか大人びた感じに見えましたよ。
「やっと来たという感じです。」
「達成感が味わえて、とても貴重な経験が出来ました。」
「辛かったけど、何とかやり切れて好かった。」
「(おばあちゃんに撮られて)恥ずかしかったけど、嬉しかった。歴史と伝統のある祭りに参加できて、良かった。」
と、それぞれの想いを話してくれました。祭りの前より、何だか大人びた感じに見えましたよ。
権立の4人。よく頑張りました。お疲れ様でした。 |
これが本堂そばからの景色です。奥には左手に『智恵子抄』で有名な安達太良山や、右手に吾妻連峰が望めます。こんな高い所までよく登ってきたものだと感心しつつ、この景色が頑張ったご褒美にも思えました。
ニュースでは見た事があった「木幡の幡祭り」ですが、直に見たのは初めて。しかも権立の成人の「儀式」も拝見する事が出来て、二本松市の歴史の豊かさにも触れる事が出来ました。
ニュースでは見た事があった「木幡の幡祭り」ですが、直に見たのは初めて。しかも権立の成人の「儀式」も拝見する事が出来て、二本松市の歴史の豊かさにも触れる事が出来ました。
本殿近くからの二本松市内。この高さを皆が登った。 |
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