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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
with a camera in Kunimi Town 3
(9月26日・25日のブログの続きです)

 また天井も高いので、窓ガラスも非常に縦長の物。よく見ると、今のような完全な平らのガラスではなく、手延べならではの歪みがあります。このガラスを通して見る外の景色の見え方も、まさに大正ロマンです。

窓も縦に長い。昔ながらの手延べのガラス。
窓も縦に長い。昔ながらの手延べのガラス。
 窓の下についたレバーは、防火用シャッターを下ろす為のものとのこと。大正時代に、個人宅にシャッターがついていたんですね。地震だけでなく、火事にも強い洋館…どれだけハイカラで先進的だったのでしょう。
 調度品も和と洋が混在する、それでいてしっくり建物に馴染み雰囲気を醸す、まさに大正ロマンと何より御当主奥山氏のセンスの良さを伺わせます。

右下のレバーで、防火用シャッターを閉めたという。
右下のレバーで、防火用シャッターを閉めたという。
 今回初めて中に入った女性は、
「国見に嫁いできて四十年になるけど、そばはいつも通って見てはいたけれど、こんなに素晴らしいものがあるとは知らなかったです~。」
と感動しきり。全く同感です。

表札。「電話一番」、町で電話が初めてひかれた事が分かる。
表札。「電話一番」、町で電話が初めてひかれた事が分かる。
 一方のお孫さんは、恐らく見学している人の飼い犬でしょう、外に繋がれていたワンちゃんと仲良しになっていました。
 何でもヒーローものが好きだそうで、特にウルトラマンが大のお気に入り。私が
「怪獣が襲ってきたらどうする?がおー」
とゆっくり襲う真似をしたら、私のお腹に手加減をしたグーパンチが飛んできました。さすが正義の味方、参りました。

ウルトラマンが大好き。スペシウム光線が飛んできそうだ。
ウルトラマンが大好き。スペシウム光線が飛んできそうだ。
 洋館を後にした私たちは、行列の出発する神社前、たつみや肉店の近くまで行きます。行列開始30分前なのに、既に人がかなり集まってきています。
 東京から来たという女性は、
「今年は台風が来ていたので迷ったんですが、朝6時半の新幹線で来ました。台風で今年は来るのを迷った人は結構いるんじゃないですか、例年よりは少ない気がします。」
との事。その手元を見ると…

東京から毎年義経公行列を見に来ている方。カメラをよく見ると…
東京から毎年義経公行列を見に来ている方。カメラをよく見ると…
 写真用のカメラと動画用のカメラの2本立て仕様。これは本格派…義経まつりの“猛者”と言っても過言ではない?
「毎年来ています。4年前は土砂降りで、カメラが壊れました。」
 その時は幸いデータは大丈夫だったそうです。今回はどういう風に撮影するのか伺うと、
「義経公を撮ったら先回りしてまた撮って、また先回りして…って撮っていきます。」
「肉眼とファインダー、どっちを優先します?」
「肉眼です。」
 ふと後ろを見ると既にすごい人垣です。
動画と写真が同時に撮れるよう、2つ重ねてあった。
動画と写真が同時に撮れるよう、2つ重ねてあった。
 そして道路に行列の皆さんがずらりと並び始めます。警備員から見物客に
「行列を妨げないよう、(道路の)中央の線から出ないようにして下さい」
と繰り返し注意が促されます。

いよいよ行列の準備が…。
いよいよ行列の準備が…。
 そして神社の階段の上には、兜をかぶり甲冑を身に着けた奥野壮さんの義経公、和服に身を包んだ真由さん静御前、更には弁慶等、役者が揃いました。
 そして義経公が大きな声で「えいえいおー」と出陣を促すと、お客さんから拍手が起こります。

まさに「役者が揃った」。
まさに「役者が揃った」。
 義経公は馬に跨り、先頭でほら貝が吹き鳴らされ、いよいよ行列の開始です。
 ぱかぱかという蹄の音とともに、義経公が近づいてきます。声がかかると、笑顔で見物客に手を振ります。黄色い声が飛びます。いやぁ奥野さんの義経公、男の私から見ても、格好良いですね~。右に左に視線を向け、にこやかに手を振る義経公。ただ馬の歩みは意外に早く、あっという間に目の前を過ぎます。すると私の周りの人の密度が一気に低くなります。義経公の「追っかけ」が始まりました。
 
「えいえいおー!」出陣だ。
「えいえいおー!」出陣だ。
 私はもう一人の主人公、静御前を待ちます。車の上の人となった静御前も、にこやかに手を振ります。周りからも「綺麗!」等の声があがります。
 ついに私の目の前に来ました。しかし反対側の見物客に手を振っています。ちょうど前が詰まって、車が止まりました。シャッターチャンスが欲しかった私は、
義経公は、馬上から声援に手を振って応える。
義経公は、馬上から声援に手を振って応える。
「こっちもお願いしま~す。」
と直接的なお願いの声掛けをすると、余りこういう言い方をする人がいないのか、多少の笑いが起こります。真由さん静御前、こちらに気が付くと、長めに手を振ってくれています。後で聞くと、私だと分かってシャッターチャンスを長めに作ってくれたそうです。有難う御座います。

静御前となった真由さん。笑顔も素敵で、和装が似合っています。
静御前となった真由さん。笑顔も素敵で、和装が似合っています。
 さぁ今度は義経公を遅ればせながら追いかけます。義経公を乗せた馬は幸い止まっています。しかしここがシャッターチャンスとばかりに集まる人で、義経公との距離を詰められません。義経公、動き始めます。周りの人の塊も動き始めます。既に満足して追わない人が多少ながら出始めるので、その間隙を縫うように義経公との距離を縮めます。
 そして再び義経公が止まると…

義経公笑顔の図。この笑顔に参っちゃう女性は多かろう。
義経公笑顔の図。この笑顔に参っちゃう女性は多かろう。
「本日まつりに集う皆々様方に申し上げる。源義経、只今参上!」
 期せずして拍手が起こります。
「お出迎え、恐悦至極に存じまする。これより、観月台に向けて、進軍致~~~す!!」
 決まった!!盛り上がる見物客。たまにこういうセリフを、義経公らしく披露してくれるんですね。

「進軍致~す!」。格好良い…(溜め息)。
「進軍致~す!」。格好良い…(溜め息)。
 更に「追っかけ」を続けていると、先程の東京から来た女性を発見。義経公の先回りを巧くしているようです。
 撮影が終わると走る、走る…
 再びベストポジションから義経公を撮ります。そして…

ファンは、先回りの為に走る!
ファンは、先回りの為に走る!
 …2度目の口上です。また拍手が起こります。
 また義経公の歩みと共に、人が動きます。その東京からの女性と目があいました。
「ばっちりです。あの口上は行列で2回しか言わないんです。今回は2回とも撮れました。」
と満面の笑み。私も2度とも立ち会えたのは運が良かったのだと、この方から教わった気がします。さぁ観月台に行列が上って行って、ゴールとなります。

ベストポジションからシャッターを切る。
ベストポジションからシャッターを切る。
 静御前も到着し、車から下りて行列と歩みます。終始笑顔の静御前です。


静御前も、観月台に到着。最後は一緒に行列で歩く。
静御前も、観月台に到着。最後は一緒に行列で歩く。
 令和最初の静御前こと、真由さんに話を伺うと
「とても楽しかったです。皆さん温かい人達ばかりだと思いました。芸能人になったみたいでした。鬘は初めてなので、(前髪部分の)釣られる感じが不思議でした。」
と三度目の正直を、心底楽しんだようです。

「芸能人になったみたい♪」静御前を満喫したようだ。
「芸能人になったみたい♪」静御前を満喫したようだ。
 そして奥野さんにも、お話を伺うことが出来ました。馬上の気分を伺うと、
「高い所からお客さんを見渡すのは、“王様気分”でした。」
 ……この言葉を聞いて喜んでいる人は、仮面ライダーファンの方ですね。殿様気分でなく、王様気分なのがポイントです。この言葉選びも、ファンサービスなのでしょう。馬上では兜に甲冑でしたがやはり重かったようです。そういえば馬上で途中、首をくるっと回す仕草を、何回か見せていましたものね。
「兜も重かったです。心が折れかけたんですが、皆さんの声援で最後までやり通せました。」
とお客さんに感謝の言葉を述べた奥野さん、福島の印象を聞くと
「空気が(都会より)美味しい気がします。あと駐車場が広いですね。」
 確かに、緑と土地がふんだんにあるのが福島県です。福島県の食べ物をあまり食べる時間は無かったようで、逆に

「王様気分でした」←仮面ライダーファンにはたまらない一言。
「王様気分でした」←仮面ライダーファンにはたまらない一言。
「お勧めは何ですか?」
と聞かれました。桃・梨等の果物、これからは新米に新蕎麦、お酒…は、まだ奥野さん19歳なので、来年以降はお酒も、と伝えておきました。視聴者の皆さんにメッセージをお願いすると、
「福島にまた来ますので、その時も温かい声援で迎えてくれたら嬉しいです。またね~~。」
とカメラ目線で笑顔で手を振ってくれました。次に福島にゆっくり来る機会があったら、ぜひ美味しい福島の食べ物を楽しんでいってくださいね。
 3連休の最終日、3万人以上もの人が訪れた義経まつり、私は多くの人とお話をし、美味しい蕎麦を食べ、でも義経コロッケは食べ損ね、立派な洋館で大正ロマンに浸り、鼓笛隊パレードに義経公行列を楽しみ、撮影の為とは言え走り回りました。仕事ではあるのですが、何だか休日を満喫したような気分でした。土日が屋内の仕事(社内のデスク業務)だっただけに、余計にそう感じたのかも知れません。皆さんはこの3連休、如何でしたか?

奥野さんの義経公をもう一枚。
奥野さんの義経公をもう一枚。
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