雨の日も好きになる!?地元愛にあふれた珍メニューが味わえる五感が喜ぶ空間！川内村の古民家カフェ「秋風舎」

Chu! PRESS

2023.06.30

#古民家カフェ

#モリアオガエル

「6月の川内村といえば、元気いっぱいに活動中の”あの生き物”に出会えるはず！」

駐車場から約180m、山の中を数分歩くと…

両生類や爬虫類が大好きな加藤さわアナウンサーが意気揚々と向かったのは…

雨の季節にピッタリなスポット

標高842mの平伏山（へぶすやま）山頂にある「平伏沼（へぶすぬま）」。モリアオガエルの繁殖地として国の天然記念物に指定されている場所だ。

運が良ければ、産卵の様子が見られる

ここで、毎年6月から7月の繁殖期に見られるもの。それが、木の枝に産み付けられた、白い泡状に包まれた卵塊（らんかい）。沼の上にある白いフワフワ…とても神秘的な光景だ。約2週間でオタマジャクシにかえって池に落ちるという。

モリアオガエルの卵塊

同じ川内村に、この生態系をテーマにしたドリンクが楽しめるカフェがあるということで、早速お邪魔してみることに。

周りに民家などはなく、ポツンと一軒

カフェ&ギャラリー「秋風舎（しゅうふうしゃ）」。店長の志賀風夏さんの両親が移築した、築200年の古民家だ。陶芸家の両親が器や絵画の創作活動に励んでいた場所で、店内には父親が趣味で作っていたイスやテーブルが並ぶ。

廃材や、伐採された木を使っている

器やカップ、川内村のマラソン大会で使われている参加賞のメダルなど、志賀さんの陶芸作品も展示されている。

村のシンボルのカエルが描かれている

ここで生まれ育った志賀さんは、高校進学を機に川内村を離れて相馬へ。高校一年生の時に被災、川内村も全村避難になってしまったため、家族と一緒に神奈川県の鎌倉に避難した。

相馬高校に通っていた頃の志賀さん

帰ってきた際には「地元でも入れない場所がある」、「”人が住んでない”ってこういうことなんだ」と知り、「人が住んでいて、明かりがあって、生き生きと見えていたんだな」と感じたと話す。約10か月後に帰村宣言が出され少しずつ村に人が戻ってきているものの、いまも約170世帯・400人が避難している。

真っ暗な状態の地元を見て…

大学卒業後、再び村に戻った志賀さん。村の名誉村民となった蛙の詩人・草野心平さんを記念して建設された「天山文庫」の管理人として働いている時に、来館者との会話からカフェを思いついた。

カフェがお休みの火水木は、現在も管理人として働く

「”村のご飯が出せるところ”だったり、”人が集えるところ”だったり…何かできる場所が必要。人と人をつなげることができる場所がほしい」という思いから、助成金などを活用して古民家をリノベーション。カフェとして蘇らせた。美術や文学好きが高じて、カフェの一角にはこんな素敵な空間も。

カフェとは思えないスペース

誰でも自由に本を手にして、ゆっくりくつろげる隠れ家のようなスペース。棚には、「天山文庫」にはあまりない草野心平さんの書籍のほか、川内村や福島県に関する書籍をメーンに置いている。

志賀さんの私物の本を自由に読める

川内村をこよなく愛した草野心平さんの世界へ。どっぷり浸かってみるのもおすすめだ。

しっとりと読書にふける過ごし方も

隣接するギャラリーでは、父親の作品の展示販売も行っている。お気に入りの一点物を見つけてみるのも、良い休日になりそうだ。

一点物の器やカップがズラリ

そんな見どころ満載のカフェ&ギャラリー。手作りの器で提供されるカフェメニューをいただこう。
まずは、定番のおすすめメニュー、チキンがゴロッと入った「青とうがらしとココナッツのチキンカレー」。

青とうがらしがピリピリとアクセントに

子どもでもお年寄りでも食べやすいように、スパイスが入っているもののマイルドな辛さに仕上げている。添えてある野菜は、すべて旬のもの。その時採れたものを多めに使っているため、日替わりや週替わりで楽しめる。村の方が「これ使えない？」と持ってきてくれる野菜もあるといい、人とのつながりも詰まったカレーだ。

行くたびに違うメニューに出会えるのはうれしい！

定番料理のほか、「ちらしずし」など週替わりのメニューも。そして、地元愛にあふれすぎた話題の創作メニューが…

地元への想いが詰まった一品

天然記念物の「平伏沼」の生態系をリアルに再現したドリンク「平伏沼メロンソーダ」。下には沼をイメージしたメロンソーダ、その上にモリアオガエルの卵塊をイメージしたホイップクリーム、カエルの卵をイメージしたチアシードを。さらに、カエルの形のグミをトッピングしている。

インパクトがすごい…！

志賀さんの地元愛ゆえに、少し暴走している感も否めないドリンク（笑）。こちらのカフェには、震災後5年ほどしてからモリアオガエルが毎年来てくれるようになり、そこから着想を得てできあがったという。

こだわりのトッピングを混ぜると…

卵塊をイメージしたホイップクリームを混ぜて飲んでみると…メロンソーダのシュワッと感、クリームのフワフワ感、チアシードのツブツブ感が一度に味わえる楽しい食感！

出会えたらラッキー!?

さらに、運が良ければ…「サンショウウオ」の形をしたコンニャクにも出会えるかも!?
福島大学の学生と聖光学院の生徒が敷地内の畑で栽培したハーブティーも販売しているなど、魅力はほかにも。

創作メニューを満喫できる、モリアオガエルが棲む居心地の良い古民家カフェ。志賀さんのみずみずしい感性で発信する村の魅力が、たくさんの人に届いている。

Chu!PRESS編集部

全文を読む

次の記事前の記事