縄文時代から愛されてきた「鬼ぐるみ」。食べて良し！塗っても良し！捨てるとこなしの注目のエコ食材

Chu! PRESS

2023.02.04

トントントントン…リズミカルな音が響くのは、会津坂下町の斎藤金五郎商店。100年以上続く「むきくるみ」の専門店だ。

JR会津坂下駅からすぐのところにある

一つひとつ手作業で素早く、かつ丁寧に行われる「くるみの殻むき」作業。取材に訪れたリポーターの母心・関あつしも、くるみ割り職人たちの華麗な手さばきに「ずーっと見ていられる！」と感心！「くるみの殻むき」は、かつては農閑期の冬の手仕事だったが、今は1年を通して行われている。

職人さんは現在8人

このくるみは、縄文時代から食べられてきた日本古来の在来種「鬼ぐるみ」。表面のゴツゴツが鬼の顔のように見えることから、こう呼ばれるようになった。

「西洋ぐるみ」より小さくて、殻が固いのが特徴

実は、流通しているほとんどは「西洋ぐるみ」で、「鬼ぐるみ」は1%以下という貴重なもの。3代目の齋藤政信さんによると、「西洋ぐるみ」より小さくて殻が固く、高たんぱく・低カロリーで渋みが少ない、濃厚な味わいだという。

くるみはSDGsにピッタリの食材！

斎藤金五郎商店で扱う「鬼ぐるみ」は、会津を中心とした国内産。煎った後に釜茹でで殻を柔らかくするが、なんとその燃料もくるみの殻！捨てるところがないエコな食材といえる。

右側に立っているのが、3代目の齋藤政信さん

せっかくの機会なので、関も職人技に挑戦！石の上でくるみを押さえて、トントントン…ぱかっと割ると、くるみ本来のキレイな形が。「師匠、今までで一番いい感じにむけてますね！」と言いながら慎重に作業を進めて…実を崩さずに殻をむくことに初めて成功〜！

「初めてできた！」と大興奮！

職人技を体験して興奮冷めやらぬ中、次は「むきくるみ」とその加工品の販売店へ。「鬼ぐるみ」は県内外の加工所に卸しているほか、斎藤金五郎商店でさまざまな商品も作っている。

殻むきの作業場から、加工品の販売店へ

いろいろな商品のアレンジを提案しているのは、3代目の妻・久美さん。

右側が3代目の妻・久美さん

まず紹介したいのは、そのまま食べてもOK、お菓子や料理に活用もできる「むきくるみ」。健康を意識して最近くるみをよく食べているという関も、「うまっ！」と叫んでしまうほどのおいしさ！苦味がほとんどなくて甘味が強く、食べやすいと話す。

「鬼ぐるみ」そのままの味と形を堪能できる！

自分でくるみを割って食べたい方には、炒りくるみに道具が付いたセット商品「炒りくるみ割ってくなんしょ」がおすすめ。

割って楽しい！食べておいしい！

割り器にくるみを挟んでぐっと力を入れるだけなので、簡単！

くるみは良質な脂分を含んでいることから、「食用油」や「ドレッシング」にも加工。「くるみ油」は、栄養素を壊さないようにじっくり時間をかけて絞っている。スプーン1杯ほどをそのまま飲んでもいいが、久美さんのおすすめは卵かけご飯に少し垂らすこと！

不飽和脂肪酸がたっぷり！

会津産コシヒカリと生卵を用意していただき、早速やってみると…まろやかな甘味が加わって、いつもの卵かけご飯がちょっと高級な味わいに！

卵かけご飯に、くるみ油をひと回し！

そして、今年、新しく登場したばかりの商品も！それが、会津山塩をコーティングした「鬼くるみ塩キャラメル」。あまりのおいしさに「パクパク食べちゃうから、子どもには味わわせたくないね〜」と思わず本音が飛び出ちゃう…。

口に入れた途端、「あ〜うんまっ！」

さらに、食べるだけにとどまらず、美容オイルまで開発！「鬼ぐるみ」の油100%であるため、顔や身体、髪の毛など全身に使える優れもの。家事をやるようになって荒れ気味だという関の手も、すべすべしっとりに！すーっと肌に馴染む感じと癒される香りも、体感してみたい。

乾燥が気になる時期におすすめ

このほか、うどんや蕎麦、ラーメンなどの麺類にちょい足しする「ペースト」や、ぱぱっとかける「クラッシュ」も。鉢植えやプランターなどの飾りに使う「マルチング材」などもあり、今後もさまざまな商品を増やしていく予定だという。

食べる、塗る、飾る…万能！

まさに、一材万食。身体にうれしい「鬼ぐるみ」の可能性は広がるばかり！捨てるところがないエコな食材に、今後も注目が集まりそうだ。

Chu!PRESS編集部