2023.02.09
with a camera in Minamiaizu Town 2-2
土蔵で営業していた元バーを改装し、地元のりんごを使った酒造りを兄弟で始めようとしている男性に出会いました。
バーがあった土蔵で、酒造りを計画中。 |
こちらの男性が、中を案内してくれた。 |
「行く行くは、ここで醸造・販売が出来るよう手続きを進めていきたい。」
と話していた時、
と話していた時、
バーカウンターは残して、営業を再開。 |
バーカウンターの反対側が、未来の醸造所になっていた。 |
未来の“醸造所”にある冷蔵庫から持ち出してきたものは、
そして冷蔵庫から |
何かを持って戻ってきたら… |
同じ会津のワイナリーで製法を指示して造ってもらった完成品、南会津産りんごのシードル(2種類)でした。
「このバーに来たお客さんに、『食品』として提供しています。」
法律的な事は詳しくは分からないのですが、バーでの提供販売のみ許可が得られているそうです。
このラベルの男性は?
「このバーに来たお客さんに、『食品』として提供しています。」
法律的な事は詳しくは分からないのですが、バーでの提供販売のみ許可が得られているそうです。
このラベルの男性は?
既にシードルが造られていた! |
しかも2種類のシードルだ。 |
「これは私達兄弟の挑戦を後押ししてくれた父がモデルなんです。左は父がうちに植えられている桜を、右は夕日を沈む様子を眺めているのをイメージしています。」
シードルの名前は?
「『f#1(エフ・いち)』と『f#2(エフ・に)』です。fは父の名前の頭文字で、
後押ししてくれた父への恩返しのつもりで付けました。飲んでみます?」
はい!! お願いします!!
シードルの名前は?
「『f#1(エフ・いち)』と『f#2(エフ・に)』です。fは父の名前の頭文字で、
後押ししてくれた父への恩返しのつもりで付けました。飲んでみます?」
はい!! お願いします!!
f#1には、家の桜を見上げるお父さん。 |
f#2には、夕日を眺めるお父さん。 |
「発泡系の酒の中には、作った酒に炭酸を後から入れるものもありますが、うちのは中で二次発酵させたものなんです。だから途中熱を加えて発酵を止めた状態にしてあります。」
キンキンに冷えたりんごのシードルf#1の王冠を栓抜きで外します…が、一気に外さず、本当にちょびっとだけしか動かしません。
「これ、測ってもらったら、ドンペリ位のガス圧になっているんだそうです。なので一気に開けると、半分くらい中身が吹き出ちゃって、F1で優勝した時のようになっちゃうんです。だからゆっくり開けて、中のガスを徐々に抜いていくんです。…それにしてもこの中の酵母は活きが良いな。」
キンキンに冷えたりんごのシードルf#1の王冠を栓抜きで外します…が、一気に外さず、本当にちょびっとだけしか動かしません。
「これ、測ってもらったら、ドンペリ位のガス圧になっているんだそうです。なので一気に開けると、半分くらい中身が吹き出ちゃって、F1で優勝した時のようになっちゃうんです。だからゆっくり開けて、中のガスを徐々に抜いていくんです。…それにしてもこの中の酵母は活きが良いな。」
王冠は一気に開けず、最初は隙間を開ける程度。 |
それでも瓶の上に炭酸が上がってくる。 |
すると、少し王冠をずらした所で
「あ~っ」
という声が。中からシードルが溢れてしまい、すぐさまタオルで拭きます。
「このタオルも、手の熱を瓶に伝えないようにする為なんです。」
そんな酵母を使ったシードル造りだけに、酵母の敵は菌です。
「禁菌なんです。なので私は納豆を断って6年になります。納豆大好きなんですけどね。」
酵母菌より納豆菌の方が強い為に、日本酒の酒蔵などで酒造り期間中の関係者は納豆を食べないのは有名な話です。長野での修業時代から、納豆断ちをしているんですね。
「あ~っ」
という声が。中からシードルが溢れてしまい、すぐさまタオルで拭きます。
「このタオルも、手の熱を瓶に伝えないようにする為なんです。」
そんな酵母を使ったシードル造りだけに、酵母の敵は菌です。
「禁菌なんです。なので私は納豆を断って6年になります。納豆大好きなんですけどね。」
酵母菌より納豆菌の方が強い為に、日本酒の酒蔵などで酒造り期間中の関係者は納豆を食べないのは有名な話です。長野での修業時代から、納豆断ちをしているんですね。
中の圧力に押されて、中身がこぼれだす。 |
それでも少しずつ王冠と瓶の隙間を広げていく。 |
5分以上かけて、漸く王冠が取れました。この開栓途中から既にりんごの爽やかな香りが漂い、マスク越しにも分かります。これがこちらのバーでのみ提供、まだ市場に出回っていない南会津産りんごシードル「f#1」です!
開栓に5分以上かかり、少々お疲れの様子(済みません、ロケの為に…)。 |
中身が少し溢れた後も、暴れん坊な炭酸だった。 |
味は…、すっきりしていてりんごの風味がしっかりしていますが、甘みは抑えめ。酒好きには飲みやすいのですが、
「ワインのような飲みやすさを求める方には、このf#1はふじで造っているのですが、
ひめかみで作ったりんごジュースがあって、これで割ってあげると飲みやすくなるんですよ。」
「ワインのような飲みやすさを求める方には、このf#1はふじで造っているのですが、
ひめかみで作ったりんごジュースがあって、これで割ってあげると飲みやすくなるんですよ。」
ついにf#1がベールを脱ぐ! |
こちらが店内でのみ飲む事が出来るf#1。 |
実際に少し足して頂いたものを頂くと、りんごの風味・甘みが強まって、全くの別物。それでいてりんごの味わいが強いので、飲みやすい♪ ひめかみは甘さ・酸味のバランスが良い事もあって、口当たりも更に円やかになりますし、辛い系のお酒が苦手な方には、この方がぐっと飲みやすく感じるでしょう。
更に通好みなのは…
更に通好みなのは…
りんごジュースを足すと、味わいが変わると言う。 |
逆さにして、濃度を均一にしてから加えていく。 |
「酵母が生きていたので、下にちょっと濁って“澱(おり)”が沈むんです。普通はその上の澄んだ部分を飲むんですが、お客さんの中には上の部分を知り合いに振る舞って、最後の澱の部分を楽しみに飲む方もいらっしゃいます。」
澱の部分は透明度が一気になくなりますが、りんごの濃厚さ、ちょっとした苦さが加わって、これはこれで最後のお楽しみ的味変とも言えます。
将来的に醸造の許可がおりれば、この土蔵でシードルを造りたいと考えています。
澱の部分は透明度が一気になくなりますが、りんごの濃厚さ、ちょっとした苦さが加わって、これはこれで最後のお楽しみ的味変とも言えます。
将来的に醸造の許可がおりれば、この土蔵でシードルを造りたいと考えています。
最後、澱が残る。これが好きな人も…。 |
将来は、このタンクで醸造が始まる筈。 |
「土蔵の良さは冬は寒いのですが、夏は外がバカ暑くても、土蔵の中ってそんなに暑くならないんです。温度管理がしやすいんですね。」
現在は味わいの違う2種類があり、f#1は魚に、f#2は肉に合うような味わいだとか。ワインの白と赤のようですね。そうすると酒の肴はどうなっているのでしょう?
現在は味わいの違う2種類があり、f#1は魚に、f#2は肉に合うような味わいだとか。ワインの白と赤のようですね。そうすると酒の肴はどうなっているのでしょう?
温度計も、醸造時に大切な情報を伝える日を待つ。 |
こちらのシードルは赤王冠が魚に、緑王冠が魚に合う味わいだそう。 |
メニューを見ると、シードルに合いそうなものばかり。牛タンシチューなんて、良さそう♪
「シチューは4日間煮込みます。すごく手間がかかるんです。」
そして豚みそは?
「味噌漬けした豚肉を、油で“茹でる”んです。」
油で“茹でる”というのは面白い表現ですが、低温でじっくり火を通すのだそうです。
「私が勤めていたホテルで教わった作り方なんです。」
ご飯が合いそうですが、
「そうお客さんから言われるので、ご飯も用意しています。」
一番下にありました。これは下戸さんでも楽しめそうです。
「シチューは4日間煮込みます。すごく手間がかかるんです。」
そして豚みそは?
「味噌漬けした豚肉を、油で“茹でる”んです。」
油で“茹でる”というのは面白い表現ですが、低温でじっくり火を通すのだそうです。
「私が勤めていたホテルで教わった作り方なんです。」
ご飯が合いそうですが、
「そうお客さんから言われるので、ご飯も用意しています。」
一番下にありました。これは下戸さんでも楽しめそうです。
メニューにも、シードルに合いそうなものが…。 |
「ご飯もありますよ。」 |
そして男性は、メニューの次のページを見せてくれ
「ここには何も書いていないでしょ? 表のページには書いてあるので、ここは…『裏メニュー』です。」
では適当に指さすと…
「お出ししますよ。ただ何が出るかはお楽しみですが。見える人には(裏メニューが)見えるんじゃないですか。」
洒落たメニューです。
「ここには何も書いていないでしょ? 表のページには書いてあるので、ここは…『裏メニュー』です。」
では適当に指さすと…
「お出ししますよ。ただ何が出るかはお楽しみですが。見える人には(裏メニューが)見えるんじゃないですか。」
洒落たメニューです。
ページをめくると、白紙だが… |
裏メニューもあると言う。何が出るかは、お楽しみだ。 |
「まだ費用がかかっているんですが、もう原価くらいの(1本)3000円で出しています。今は南会津町だけでなく、会津全体で幾つかりんごを提供してくれる農家を見つけています。今後は南会津と言うより会津全体で盛り上がっていければと思います。」
りんごシードルへ掛ける意気込みを聞きながら飲むf#1は、格別でした。ご馳走様でした。
りんごシードルへ掛ける意気込みを聞きながら飲むf#1は、格別でした。ご馳走様でした。
いまは1本3,000円で提供中。 |
南会津産大人のりんごジュースは、度数約8~9%。 |
因みにこのラベル、地元の画家の方に描いてもらったそう。もしかして、お会いできたりするのでしょうか?
「電話してみましょうか?」
何と男性が連絡を取ってくださいました。
「これから伺う、で宜しいですか?」
はい、勿論です!!
「では近くなので、ご案内しましょう。」
「電話してみましょうか?」
何と男性が連絡を取ってくださいました。
「これから伺う、で宜しいですか?」
はい、勿論です!!
「では近くなので、ご案内しましょう。」
このラベルも、地域の画家が描いたそう。 |
御本人とコンタクト。 |
外に出ると、
「これがラベルの桜ですよ。」
と教えてくださいました。大きくて立派な木ですね。
「樹齢60年位のソメイヨシノです。」
あと3か月もしない内に、花を咲かせる事でしょう。またその時期に来てみたいですね。そしていずれはここで、会津りんごのシードルが生産される事でしょう。その夢もまた花を咲かせて下さいね。(つづく)
「これがラベルの桜ですよ。」
と教えてくださいました。大きくて立派な木ですね。
「樹齢60年位のソメイヨシノです。」
あと3か月もしない内に、花を咲かせる事でしょう。またその時期に来てみたいですね。そしていずれはここで、会津りんごのシードルが生産される事でしょう。その夢もまた花を咲かせて下さいね。(つづく)
土蔵の外に、大きなソメイヨシノがある(写真に入り切らず。下手)。 |
ここで花見をしたら最高だろうなぁ…。 |
男性の案内で、ラベルを描いた方のお宅へ。すると戦後の大変な時期のお話や絵との出会いのエピソードを伺う事が出来ました。
その3「ラベルを描いた人は、苛烈な戦後を生き抜き あの“神様”の絵に導かれた」は、こちらをクリック。
その3「ラベルを描いた人は、苛烈な戦後を生き抜き あの“神様”の絵に導かれた」は、こちらをクリック。
車で道案内をして頂いた。 |
ラベルの絵を描いた方に出会えた! |
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