2023.02.09
with a camera in Minamiaizu Town 2-1
見事なつららが軒先に伸びる、南会津町。一部は内側に反っている。 |
立派なつららだ。 |
南会津町は会津の南部にあり、栃木県と接する町で、人口14150(今年2月現在)、面積886.5平方キロ、9割が森林の町です。米は勿論ですが、アスパラガスやトマトの生産が盛んなだけでなく有名です。冬はスキー・スノーボード客で賑わい、また800年以上の歴史を持つ夏の会津田島祇園祭にも、多くの観光客が訪れます。
町中は、歩道に雪が積もっていた。 |
青い空に雪に埋もれた田畑、そこに迫る山並みが冬の終わりを待っている。 |
まずは会津鉄道「会津田島(あいづたじま)駅」前をぶらぶらしていると、散歩途中の地元の方と出会いました。
「1日30分位でしょうか。健康の秘訣は散歩ですかね。」
地元南会津町の魅力を聞くと、
「祇園祭のような歴史や伝統がある事ですかね。」
特に新型コロナの影響でここ数年、お客さんを盛大に集めては出来ていないので、早く元のように出来る事を願っているそうです。
「1日30分位でしょうか。健康の秘訣は散歩ですかね。」
地元南会津町の魅力を聞くと、
「祇園祭のような歴史や伝統がある事ですかね。」
特に新型コロナの影響でここ数年、お客さんを盛大に集めては出来ていないので、早く元のように出来る事を願っているそうです。
南会津町の中心部、会津田島駅から旅をスタート。 |
旧田島町で生まれ育った男性(実は私と同い年だった)。 |
更に駅近くの通りをぶらぶらしていると、レンタカー店の店先で、車を磨いている方が。
「きょうお客様が利用するレンタカーを拭いていました。」
冬は特にレンタカーの需要が多いそうで、
「スキーなどをしにいくのにも、仕事で出掛けるのにも、会津田島駅を拠点にして車で出かけた方が便利なんです。しかも関東からレンタカーで来ると、タイヤを冬仕様に変える分高くつくんです。それなら鉄道でここまで来て、(冬タイヤ装着済みの地元の)レンタカーを利用した方が安いんです。」
因みにここのレンタカーでスキーを楽しむお客さんには、或る傾向があると言います。
「最近はあまり知名度が高くない、結構ニッチなスキー場へ行く傾向がありますね。」
「きょうお客様が利用するレンタカーを拭いていました。」
冬は特にレンタカーの需要が多いそうで、
「スキーなどをしにいくのにも、仕事で出掛けるのにも、会津田島駅を拠点にして車で出かけた方が便利なんです。しかも関東からレンタカーで来ると、タイヤを冬仕様に変える分高くつくんです。それなら鉄道でここまで来て、(冬タイヤ装着済みの地元の)レンタカーを利用した方が安いんです。」
因みにここのレンタカーでスキーを楽しむお客さんには、或る傾向があると言います。
「最近はあまり知名度が高くない、結構ニッチなスキー場へ行く傾向がありますね。」
レンタカーの店は、営業の準備中。 |
冬こそレンタカーの需要は高まるそう。 |
その雪国南会津町ですが、現在は雪が少ない方だそうで
「この時期これなら、(雪が)無いようなものですよ。普通は店の前に除雪した雪があって、その雪をよけないと店を開けられないんですよ。そう言えば去年の311は降ったなぁ。」
3月11日は2011年に東日本大震災が発生した日なので、この日だけは「さんいちいち」と言う言い方をする場合もあります。スマホの写真を見せて頂きました。
「これですもの。一晩でドカ雪が降ると、翌朝、ため息が出ますよ。」
こうなると、朝から雪かきです。
「実家と自宅と職場の3か所の雪かきですから、この時期は10時オープンです。車が出せないので、お客様に迷惑がかかりますから。」
「この時期これなら、(雪が)無いようなものですよ。普通は店の前に除雪した雪があって、その雪をよけないと店を開けられないんですよ。そう言えば去年の311は降ったなぁ。」
3月11日は2011年に東日本大震災が発生した日なので、この日だけは「さんいちいち」と言う言い方をする場合もあります。スマホの写真を見せて頂きました。
「これですもの。一晩でドカ雪が降ると、翌朝、ため息が出ますよ。」
こうなると、朝から雪かきです。
「実家と自宅と職場の3か所の雪かきですから、この時期は10時オープンです。車が出せないので、お客様に迷惑がかかりますから。」
例年の雪の南会津の写真を、スマホで探す。 |
一晩で雪に埋もれる事も(見辛くて済みません)。 |
そんなご主人が店を始めたのが、12年前。東日本大震災の直前です。
「いやぁ店を始めた途端ですから、本当に大変でした。」
それだけでなく、奥様の実家が茨城の海沿いという事で、食べ物など物資を積めるだけ積んで飛んで行ったそうです。
「実家の目の前に高級車があるんですよ。聞いたら『津波で流されたんだ』って。光景が全く変わっていました。こうなるんだって…。」
津波で町全体がグレーになった印象が残っているそうです。また始めた店も、震災で一時はお客さんが激減しました。
「それでもやって来られたのは、お客さんのお陰かな。」
「いやぁ店を始めた途端ですから、本当に大変でした。」
それだけでなく、奥様の実家が茨城の海沿いという事で、食べ物など物資を積めるだけ積んで飛んで行ったそうです。
「実家の目の前に高級車があるんですよ。聞いたら『津波で流されたんだ』って。光景が全く変わっていました。こうなるんだって…。」
津波で町全体がグレーになった印象が残っているそうです。また始めた店も、震災で一時はお客さんが激減しました。
「それでもやって来られたのは、お客さんのお陰かな。」
このレンタカー店も、順風満帆ではなかった。 |
裏にも、稼働を待つ車がたくさん。 |
では地元のお勧めスポットなどはありますか?
「今の時期ですか? 春や秋なら桜のトンネルに入って行く道路などがあるんですが…、ちょっと厳しいですね…。」
あら~、残念。これは足で稼ぐしかありませんね。お仕事中、有難う御座いました。
「今の時期ですか? 春や秋なら桜のトンネルに入って行く道路などがあるんですが…、ちょっと厳しいですね…。」
あら~、残念。これは足で稼ぐしかありませんね。お仕事中、有難う御座いました。
車を磨く手が止まらない。 |
お仕事中なのに、ご対応有難う御座いました。 |
駅前から少し離れて或る集落をぶらぶらしていると、家の前に容器を積んであるお宅があり、そこには
「どうぞ! もってって良いです。好きなだけ!!」
と書かれたカードがあります。近くに人がいたので、話しかけてみました。すると
「どうぞ! もってって良いです。好きなだけ!!」
と書かれたカードがあります。近くに人がいたので、話しかけてみました。すると
家の前(と言っても屋根の下ですが)に、器の山が。 |
ただで貰えるらしい。 |
「3年前に脱サラして、ここで将来的にりんごのお酒を造って販売していこうと思っています。すぐそこを工場にしようと思っているんです。見ていきますか? 良かったらどうぞ。」
と言って下さるではないですか!
と言って下さるではないですか!
りんごのお酒を造る計画があるそう。 |
未来の工場を見せてくれると言う。 |
男性についていくと、すぐ近くの白い建物へ。入口には「只今準備中」の札が。何かのお店だった所でしょうか?
「実は元はバーだったんです。30年位前にやっていたので、昭和の香りがすると思います。そこを一部残して、醸造所にしようと改装しています。どうぞ。」
階段を下りていくと、
階段を下りていくと、
元バーを改装したと言う。 |
確かにバーっぽい。 |
中は6人ほどが座れるカウンターがありますが、いやいや素敵で、現役のバーにも見えますよ。
「ここは土蔵だったんです。それをバーにしていたんですが、その後閉店しまして、それでカウンター側を一部残して、反対側を醸造所に改装したんです。それを機に、地元の人にはバーの方に来てもらっているんです。
「ここは土蔵だったんです。それをバーにしていたんですが、その後閉店しまして、それでカウンター側を一部残して、反対側を醸造所に改装したんです。それを機に、地元の人にはバーの方に来てもらっているんです。
一部残したバー。その右側が”醸造所”。 |
カウンターの中から撮影。奥に”醸造所”が見える。 |
その時に前の店で残っていた器をただ捨てるのは勿体ないので、『持って行って』と置いておいたのが、先程ご覧になった所なんです。あれでもだいぶ少なくなったんですよ。」
なるほど、現在は酒造りの準備を進めつつ、地域の人の憩いの場にもなっている訳でした。
そのりんごのお酒造りは、弟さんの呼びかけで始まったと言います。
なるほど、現在は酒造りの準備を進めつつ、地域の人の憩いの場にもなっている訳でした。
そのりんごのお酒造りは、弟さんの呼びかけで始まったと言います。
今は新たな器・酒等も並ぶ。 |
だいぶ持っていかれた後だそう。 |
「ここ南会津町は、りんごの生産が盛んだったんです。でも流通の関係で作ったものが全部売れない、在庫が余ってしまう等あって、やめてしまう農家さんが多いんです。そこで地元のりんご作りを残しつつ、何か地域に貢献できないかと…。」
そこでこの土蔵の持ち主であるお父さんの後押しもあって、りんごのお酒造りを始める事にしました。
そこでこの土蔵の持ち主であるお父さんの後押しもあって、りんごのお酒造りを始める事にしました。
バー側から見た、未来の醸造所。 |
醸造用タンク等が準備されている。 |
「最初は長野のリンゴ農家に行って、この冬の時期から枝切りが始まるので、そこから始めて収穫までを学んで、次の年はりんごのお酒造りを学びました。」
そんな男性は、元々県内のホテルで勤務していたそう。
「徳光さんの事は、フラダンスのイベントでお見掛けしています。」
そんな男性は、元々県内のホテルで勤務していたそう。
「徳光さんの事は、フラダンスのイベントでお見掛けしています。」
長野でりんご作りから学んだ。 |
長野修業の成果が、奥の醸造所だ。 |
私はフラダンスが趣味なのですが、そのフラダンスの教室の年末のイベント(内輪のお食事&発表会的なもの)を男性の働いていたホテルで開催していて、その時に私も参加していたのです。
「ここで再会出来るとは思わなかったですね。」
世の中は狭いものです。
「ここで再会出来るとは思わなかったですね。」
世の中は狭いものです。
実は男性とは、別のホテルの宴会場で会っていた。 |
ホテルマンから、未来の醸造者を目指し準備中…。 |
将来の“醸造所”には、200リットルのタンクが2つあります。
「ここで醸造・(このバー以外での)販売が出来るよう手続きを進めて行って、あと2年を目途に、でも早ければ今年の終わり位にはシードルの醸造・販売が出来るようになれば。年に6000リットル位造りたいですね。そうなれば1年中フル稼働です。」
「ここで醸造・(このバー以外での)販売が出来るよう手続きを進めて行って、あと2年を目途に、でも早ければ今年の終わり位にはシードルの醸造・販売が出来るようになれば。年に6000リットル位造りたいですね。そうなれば1年中フル稼働です。」
醸造に向けて歩を進めているそう。 |
土蔵の中は温度変化が外気ほどでなく、フル稼働も可能だと言う。 |
すると突然、“醸造所”側に走っていくと、冷蔵庫の中から何やら取り出してきました。もしかして…
醸造所の冷蔵庫を開け… |
何やら持って戻ってくる。 |
「まだうちでは醸造の許可がおりていないので、同じ会津のワイナリーで造り方を伝えて、造ってもらったものです。」
何と、既にりんごのお酒が造られていたのです!!(つづく)
その2「会津らしさ溢れるりんごのシードル&バーでの楽しみ方」は、こちらをクリック。
何と、既にりんごのお酒が造られていたのです!!(つづく)
その2「会津らしさ溢れるりんごのシードル&バーでの楽しみ方」は、こちらをクリック。
製法を伝え、別のワイナリーでお酒は完成していた! |
早く飲みたい~~♪ |
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