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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
with a camera in Minamiaizu Town 1
 『ゴジてれChu!』毎週木曜恒例、県内各地をカメラ片手にぶらり旅する「ぶらカメ」のコーナー、今回は南会津町(みなみあいづまち)でした。そのこぼれ話です(2日前の日付から使わせてもらいます)。
 南会津町にはひめさゆりの群生地があります。ひめさゆりとは、福島・山形・宮城・新潟に跨る山にしか自生しないと言われている貴重な花です。まずはその群生地に向けて、郡山の中テレ本社を朝5時半に出発しました。
 群生地は、南郷(なんごう)地区の高清水自然公園内にあります。舗装された山道を看板に従って進むと、標高850mにある群生地に出ます(1人300円の入場料がかかります)。
 「よぐきゃったー(ようこそいらっしゃいました、の方言)の看板をくぐると、その奥には…

南会津町のひめさゆりの群生地へ…「よぐきゃったー」
南会津町のひめさゆりの群生地へ…「よぐきゃったー」
 すり鉢状というかVの字状の地形をした7ヘクタールの緑の中に、ピンクのひめさゆりがいまを盛りとばかりに咲き誇っています。東西200m、南北130m程に渡って、木道も整備されています。この群生地を管理する責任者の方に話を伺うと、全体では100万本のひめさゆりがあり、
「北側の斜面は南から太陽が先にあたるので、咲くのが早いんです。反対の南の斜面は後から咲くので、今が見頃です。」

7ヘクタールに100万本のひめさゆりが…(手前が南側斜面)
7ヘクタールに100万本のひめさゆりが…(手前が南側斜面)
 なるほど、地形のお陰で咲く時期にずれがあるので、長く楽しめるという訳です。群生地には所々に苔むした岩があったり、白樺がぽつんぽつんと不規則に生えていたりして、場所によって景色に変化が加わりアクセントとなっています。
 するとこんな事を教えてくださいました。
「白いひめさゆりが咲いているんですよ。」

昨夜の雨粒をまとったひめさゆり。
昨夜の雨粒をまとったひめさゆり。
 確かに、ピンクのひめさゆりが咲き競う中に、真っ白ではありませんが、ピンクがかなり淡いひめさゆりが咲いているのが分かります。どうも突然変異のようです。全部で5か所位だけに、この白いひめさゆりが見られるそうです。私も今回初めて知りました。恐らく知らないと見過ごしてしまう事でしょう。なお休日などにはボランティアのガイドがいる事もあるので、ガイドの方に話を伺うと、咲いている場所なども分かるかもしれません(八重のひめさゆりも、あるらしいですよ)。

たま~に咲いている、白いひめさゆり。
たま~に咲いている、白いひめさゆり。
 我々スタッフは朝8時、オープンと同時に撮影に入ったのですが、ほかにも早い時間帯からひめさゆりを楽しむ方が続々と訪れます。
 こちらは16年ぶりに訪れたという埼玉の3世代ご家族。
「前回は花の時期には早すぎたので、今回は天気が悪くても(見頃の時に)見に来ようと思って来ました。」

埼玉から来たご家族。お孫さんを除いて16年ぶりの群生地。
埼玉から来たご家族。お孫さんを除いて16年ぶりの群生地。
 お孫さんは今回が初めてのひめさゆりの群生地。
「(花の)色が綺麗だと思いました。」
と感想を話してくれました。
 またお孫さんも含め、ご家族の皆さん「空気が美味しい」と仰っていました。自然豊かな会津の良さを満喫していたようです。

良い写真は撮れたかな?
良い写真は撮れたかな?
 群生地の斜面から降りて来たご夫婦にも話を伺うと、これまた埼玉からいらしたとの事。昨日は「車中泊」だったそうで、そのあと道の駅で
「たまたま『来て』っていう福島県のパンフレットを見たら、ここのヒメサユリの群生地が載っていて、『これ、綺麗だね。見に行こう』という事で来ました。」
との事。因みに福島県観光ガイドブック(表紙が「来て」の2文字と安達太良山の写真)は、インターネット上でも見る事が出来ます。

こちらも埼玉から。ご主人が奥様の肩に手を置くのは久しぶりだそう…。
こちらも埼玉から。ご主人が奥様の肩に手を置くのは久しぶりだそう…。
 埼玉にきょう帰るか明日帰るかも決めていないというお二人、「群生地に寄ってみて好かった。想像以上に素敵な所ですね。」と感動していらっしゃいました。
 「またきてけやれ(またいらしてください、の方言)」の看板に見送られ入場口を出ると、周りには、前に触れたボランティアガイドの詰め所や、幾つかの店が並んでいます。

木道のそばまでひめさゆりが迫る。
木道のそばまでひめさゆりが迫る。
 こちらの刺し子や手芸品の並ぶ店は、よねこさんが雪深い冬を中心に、こつこつと作ってきた刺し子の服や小物などの雑貨が並んでいます。これでもかなり売れてしまったそうで、特に今年はバッグが人気だったという事です。

群生地入場口脇の「よねこの店」
群生地入場口脇の「よねこの店」
 トンボのデザインの刺し子もあります。
「トンボは『勝ち虫』って言って、『前にしか進まない(後退しない)』ので兜の前立てに使われた事もある縁起の良いものなんですよね。」
 受験生などに贈っても良いかも知れませんね。

店主のよねこさん。素敵な手芸品が数多く並ぶ。
店主のよねこさん。素敵な手芸品が数多く並ぶ。
 よねこさんの着ている作務衣のお腹の部分には、ひめさゆりをデザインした刺し子が!南郷自慢の花をあしらうなんて、素敵ですね。
 この時期ならではの自然を満喫したところで、南会津町の旧南郷村の地域を、あてもなくぶらり旅します。

刺し子でひめさゆりを表現。
刺し子でひめさゆりを表現。
 下山して暫く行くと、年配の方々が集まっています。何をしているのでしょう?
「直売所を作っているところなんですよ。」
 取材した日が土曜日(6月29日)だったんですが、翌日が雨になりそうだという事で、この日の内に直売所を作ってしまおうと、農家の皆さんが集まっていたのです。使わなくなった板やシートなどの廃材を再利用して、骨組みの上に屋根を作っていきます。

板を運ぶ皆さん。何をしているのかというと…
板を運ぶ皆さん。何をしているのかというと…
 60代以上の方々が、力を合わせて作業をしていきます。
「この分厚いシートがあると、日光の熱をしのげるのよ。」
 板の上にシートを固定し、「売り場」が確保できました。
 こちらの直売所で人気があるのは、これからの時期はトマトです。旧南郷村はトマトの産地で、桃太郎という品種が大変美味しく育つ地域です。今では「南郷トマト」は商標にもなっているほど、いわばブランド化したトマトなんです。確かにこの地区のトマトは、本当に美味しいんですよね~。やはりトマトの旬にはまだ早く、
「トマトは7月中旬だね。また来たら良いわよ。」
なんて声を掛けられます。正確に言うと、こういう趣旨の言葉を、方言で話してきます。例えば「ごき」とは食器(漢字で「御器」と書くそう)、「みんじゃ」は台所(「水舎」「水屋」か。水を使う所の意だそう)です。私は福島に来て29年余になりますが、まだまだ知らない方言がありますね。

直売所作りでした。力を合わせて屋根をのせ…
直売所作りでした。力を合わせて屋根をのせ…
 女性の皆さんに趣味や特技を伺っていると、その内の一人が踊りが上手との事。
「踊ってもらえますか?」
とお願いすると、「嫌だ~~」と恥ずかしがって踊ってくれません。すると別の女性が
「しなだらが歌ってけやったら…」
と仰います。実は「しなだ」とは「あなた(様)」という方言。一方このコーナーのもう一人のリポーターが、お笑い集団「ふくしまボンガーズ」のしなだマン(名字が「しなだ」さん、なのです)。しなだマンでなく、私らスタッフを指して「しなだら(あなたさん達)が歌ってくれたら、踊ってくれるかもね」と言っていたのです。面白い偶然ですね。

女性だって力仕事を手伝います。
女性だって力仕事を手伝います。
 その農家の方の一人が、間もなく旬を迎えるトマトを見せて下さいました。ビニールハウスのような所で育てています。正確に言うと、上は雨除けのビニールになっていますが、両脇は「寒冷紗(かんれいしゃ)」という、空気の通る網目状の覆いです。
「蝶が入ってこないようにしているんですよ。」

南郷のトマトは、まだ成長中
南郷のトマトは、まだ成長中
 蝶が産卵すると、青虫が葉を食べて育たなくなってしまうからなんだそうです。また実に栄養が行くように一部の新芽を摘んだり受粉させたり(大規模な畑を持つ農家だと、中で蜂を飼って受粉させるそうです)、手間暇かけて育てています。トマトの実は小さく青く、もう少し日がかかりそうです。

※こちらの直売所の方が、「直売所を作っている途中で帰ったから、全体像が分からなかったのでは?」とわざわざ翌日曜日に直売所の写真を撮影して、放送に間に合うように送ってくださいました。岩渕さん、有難う御座いました。(つづく)

今月中旬には、直売所に真っ赤なトマトが並ぶ…。
今月中旬には、直売所に真っ赤なトマトが並ぶ…。
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