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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
his favorite photo spots with Tadami Line 2
 只見線135㎞全線再開通のきょう、中テレでは『只見線を135倍楽しむテレビ~未来へつながる135km~』を放送し、私は只見線の写真を撮り続ける星賢孝さんと「只見線が映える撮影スポット」を一緒に巡ってきました。そのロケ時のこぼれ話の続きです。

前半「1年360日、30年間只見線を撮り続けた星さんが教える撮影スポット」は、こちらをクリック。
 第一只見川橋梁、早戸駅と眼鏡橋という撮影スポットを教えて頂き、続いて向かったのは金山町にある第七只見川橋梁です。11年前の新潟・福島豪雨で只見線は、この第七只見川橋梁を含め4つの橋梁を流失し、会津川口駅(金山町)と只見駅(只見町)との間は、今年の9月まで11年以上代行バスが繋いでいました。
金山町にある「第七只見川橋梁」。後ろの山も綺麗に入る。
金山町にある「第七只見川橋梁」。後ろの山も綺麗に入る。
ここは鉄橋を渡る只見線を真正面から撮影できる。
ここは鉄橋を渡る只見線を真正面から撮影できる。
「11年前に只見線が豪雨で被災して、却ってそれで『大変な事になった』と注目され、地元の人も含めて只見線の事をどうすべきか深く考えるようになったと思います。もし豪雨で被災しなかったら、そのまま只見線が意識されないまま最後は無くなっていたんじゃないかと思うんです。」
新しくなった橋脚が、11年ぶりの再開通の場だと感じさせる。
新しくなった橋脚が、11年ぶりの再開通の場だと感じさせる。
直線の後のカーブで、横からの車両も撮れる場所。
直線の後のカーブで、横からの車両も撮れる場所。
 そんな中、5年ほど前からインバウンドの人(外国からの観光客)が来るようになりました。

「国道や県道に人がいなかったのに、只見線を撮りたいからと外国から訪れ、集団で歩く人の姿を見かけるようになったんです。別の季節の景色も見たいからと、台湾などからは年に4回来る人もいるんです。年に4回も観光客が来る鉄道なんて、ほかに無いんじゃないですか?」

 30年前に只見線の良さに気付いた星さん、5年前に只見線の良さに気付いた来日観光客…。星さんにしてみれば、25年がかりで只見線が魅力的な存在だと証明できたという想いだった筈です。
第七只見川橋梁に向かってくる只見線(試運転時)。
第七只見川橋梁に向かってくる只見線(試運転時)。
車体が大きく見えるにつれ、わくわく感が高まる。
車体が大きく見えるにつれ、わくわく感が高まる。
 また赤字路線という見方についても、一家言持っています。

「ここに来る観光客の多くは、只見線を利用しません。でも只見線があるから、観光客が来ます。只見線単体だと赤字ですが、只見線の手前までは鉄道を使っています。また台湾からの観光客の中には、只見線だけでなく、来日ついでに別の観光地を回って来る人もいます。 来ればお土産も地元で買っていきます。そういう経済効果も含めて、只見線の必要性を分かってほしいですね。」
車両が只見川を何度も渡る…。
車両が只見川を何度も渡る…。
この只見線の走る自然豊かな風景が、人を会津に誘い、経済効果を生むと星さんは言う。
この只見線の走る自然豊かな風景が、人を会津に誘い、経済効果を生むと星さんは言う。
 因みに星さんは、撮影の際に三脚を使いません。

「なぜなら三脚を立てると移動が出来ないのと、縦と横の写真を両方撮る事が出来ないからなんです。」

 単線で本数の少ない只見線、星さんは素早いモーションで列車のアップから景色込みの画像、縦横サイズを一本の列車が通過する間に撮影してしまいます。
後半のカーブで、徐々に車体の横の姿が…。
後半のカーブで、徐々に車体の横の姿が…。
私がこの辺りを撮影していると、星さんは素早く移動して別の角度から撮影を始めた。
私がこの辺りを撮影していると、星さんは素早く移動して別の角度から撮影を始めた。
 そして鉄道写真の撮り方を変えたという自負もあります。

「それまでは、鉄道写真は車両が主人公。周りの景色は切り取られるんです。でも私は鉄道の周りの風景も入れて撮ります。だから私の写真は鉄道が付属品、小さいんです。」
もっとひけば、手前の田んぼも画角に入る。
もっとひけば、手前の田んぼも画角に入る。
このカメラの持ち主の撮り鉄さんの姿は、もうない。正面が狙いのようだ。
このカメラの持ち主の撮り鉄さんの姿は、もうない。正面が狙いのようだ。
 ただ観光客が只見線の良さを伝えるだけでは足りないとも感じています。

「地元の良さは、地元の人が伝える事が大切です。そこからコミュニケーションが生まれますから。」

 コミュニケーションから奥会津の歴史や文化、自然が育んだものへ話や理解が深まるのかも知れません。
最初はこの角度から撮影した星さん。
最初はこの角度から撮影した星さん。
角度を変えれば、橋脚込みの撮影も可能なポイントだ。
角度を変えれば、橋脚込みの撮影も可能なポイントだ。
 そして星さんが教えて下さったもう一つのスポットが、只見駅の隣、只見町の会津蒲生駅に近い「真奈川橋梁」です。

「橋梁の背後に、奥会津のマッターホルン・蒲生岳が見えるんですよ。」

 しかしここはこれまで、撮影スポットとしては知られていなかったと言います。その理由は?
ここが新スポット、「真奈川橋梁」(左に立っている星さんと比べると、スケール感が分かる)。
ここが新スポット、「真奈川橋梁」(左に立っている星さんと比べると、スケール感が分かる)。
こちらの切り株は…?
こちらの切り株は…?
「木(の切り株)が見えるでしょ? 実は河原沿いに高木が何本も生えていて、去年まで橋梁が見えなかったんです。で、何度も只見町にお願いして切ってもらったら、これだけの景色が広がりました。この11年間、誰も撮影に来ていなかったところですから、まだ知る人は少ないと思います。隠れていた絶景、再開通区間を代表するようなビューポイントの一つとして、訪れる人が増えると思います。」
川の土手や河川敷に高木が生え、奥の橋梁が隠れてしまっていたという。
手前の土手や河川敷に高木が生え、奥の橋梁が隠れてしまっていたという。
高木を切ったので、只見線と蒲生岳(と蒲生川)が一枚に収められる。
高木を切ったので、只見線と蒲生岳(と蒲生川)が一枚に収められる。
 星さんは、今回の只見線の全線再開通について、こんな想いを持っています。

「ようやく再開にこぎつけましたが、ここがゴールではなくスタートラインだと思っています。やはりここに来てもらうのが目的で、地域を活性化する為に絶景と只見線の写真を出しています。これからも撮影は続きますし、見た方々には、自然も豊かで食べ物も美味しいので是非いらして頂きたい。」
全線で再開通した只見線。
全線で再開通した只見線。
これだけ景色の変化に富んだ路線も珍しい。
これだけ景色の変化に富んだ路線も珍しい。
 星さんの、奥会津の自然と故郷を愛する気持ちの強さと熱さ、そしてそれを守り発信し続けて来た矜持を感じました。

 福島県は全国3番目の大きさの県土に、海・山・川・湖・雪といった自然の魅力が詰まった場所です。更に自然からの恵みである食べ物や水の美味しさも堪能できます。空気も水も空も綺麗です。是非福島県に来て、堪能してほしいと思いますし、地域色も豊かなので県民である私も色々な地域を楽しんでいきたいと思いました。
実りの秋の後は、厳しい冬が待つ。
実りの秋の後は、厳しい冬が待つ。
これからタイミングが合えば、紅葉に囲まれ、また落葉の舞う中走る只見線が見られる。
これからタイミングが合えば、紅葉に囲まれ、また落葉の舞う中走る只見線が見られる。
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