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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
his favorite photo spots with Tadami Line 1
 東日本大震災の起きた2011年、福島県はもう一つ甚大な被害を受けました。7月に襲った新潟・福島豪雨です。会津を中心に雨は4日間続き、4日間の総雨量が711.5㎜、特に29日の雨量は1日で430.0㎜を観測、会津を走るJR只見線も4つの橋梁が流失するなどし、不通区間が発生しました。

 その後少しずつ不通区間は狭まりましたが、4つの橋梁を流失した金山町・只見町の会津川口駅と只見駅の間は、その後代行バスでの利用を強いられました。

 しかしその橋梁も復旧し、きょう10月1日、会津若松駅と新潟の小出駅との間で、只見線は全線再開通を果たしたのです。中テレではきょう午前10時半から『只見線を135倍楽しむテレビ~未来へつながる135km~』の特番を編成し、私はヘリコプターに乗り込み、上空から再開通記念で走る臨時列車の様子をお伝えする手筈…でした。

幻のヘリコ中継のこぼれ話は、こちらをクリック。
11年前の豪雨で流失した第七只見川橋梁(金山町)。橋脚が新しいのが分かる。
11年前の豪雨で流失した第七只見川橋梁(金山町)。橋脚が新しいのが分かる。
復活した橋梁を渡る車両(試運転時)。
復活した橋梁を渡る車両(試運転時)。
 そんな只見線の魅力は、四季折々豊かな自然を縫うように走る風景との相性が抜群という事。そこで番組では、以前「ばんえつ横断お国自慢」のコーナーのロケでご一緒した、霧幻峡の渡しの船頭でもあり、只見線の写真を撮り続ける星賢孝さんから、「只見線が映える撮影スポット」を幾つか教えて頂き、一緒に巡ってきました。そのロケ時のこぼれ話です。

星さんが「霧幻峡の渡し」の船頭としての顔を見せて下さった、只見線沿線癒しのスポットは、こちらをクリック。
渡し舟の船頭・只見線の走る風景をこよなく愛する写真家、星賢孝さん。
渡し舟の船頭で、只見線の走る風景をこよなく愛する写真家でもある、星賢孝さん。
橋の上には、秋の空と雲が浮かぶ。
橋の上には、秋の空と雲が浮かぶ。
 ロケ当日、最初に向かうのは三島町の「第一只見川橋梁」のフォトスポットです。「道の駅 尾瀬街道みしま宿」で星さんと待ち合わせますが、深い霧が立ち込めています。

「この霧では予定していた場所から見えない可能性があるので、別の場所に行きましょう。秘密の場所…。」

と、急遽ロケ地点を変えていきます。

 道の駅を出て数分、山の途中の駐車スペースで車を止めた星さんは林へと入って行きます。かろうじて道と分かる所をずんずん進んでいきますが、足が速い。それもそのはず、星さんは日本山岳会会員で山岳ガイドもしているからです。星さんが知っているフォトスポットは幾つあるのでしょう?

「無数ですね。1年360日30年回っているんですよ。」
道の駅で待ち合わせた星さん、この霧に判断は早かった。
道の駅で待ち合わせた星さん、この霧に判断は早かった。
予定と別の場所へ向かい、林の中へ。
予定と別の場所へ向かい、林の中へ。
 林を抜けると、突然目の前が開けます。

「ここは霧がかからない、困った時の神頼み的な場所です。」

 撮影する際のポイントを幾つか伺い、列車が来るのを待ちます。時計とダイヤを見比べて待っていると、遠くから列車の走る音が聞こえます。それでは星さんから伺った撮影する際のコツとともに、第一只見川橋梁を走る只見線をご覧いただきましょう。
神頼み的なポイントという場所。第一只見川橋梁が、くっきり見える。
神頼み的なポイントという場所。第一只見川橋梁が、くっきり見える。
この日は川も穏やかで、水面に橋が綺麗に映る。
この日は川も穏やかで、水面に橋が綺麗に映る。
「最初はアップで撮っても良いですが、最後は全体が写るように。その際に、川面にも車体が写るのでそれを入れるのをお忘れなく。
言われた通り、最初はアップで…
言われた通り、最初はアップで…
橋の上に全車両が見えたら、川面込みで一枚。
橋の上に全車両が見えたら、川面込みで一枚。
脇を締めて、カメラを支える(左)腕を一脚がわりにします。あとはどのサイズで撮るのか、事前に練習しておくと良いでしょう。」
ここが水面に全車両が映るぎりぎりのところ。
ここが水面に全車両が映るぎりぎりのところ。
水面がきれいで、そのままのサイズで只見線を見送った。
水面がきれいで、そのままのサイズで只見線を見送った。
 続いて向かったのは、第一只見川橋梁が反対側から望めるスポット。

「ここに来る途中に携帯電話の電波塔があるので、“ドコモポイント”と呼んでいます。」

 反対側は霧が出た状態。同じ橋の、ほぼ同じ時間帯なのに、気象状況も違います。では再び星さんの撮影のコツとともにご覧ください。
実際の車両は見えているが、川面の車両は隠れた状態。
実際の車両は見えているが、川面の車両は隠れた状態。
同じ橋梁でも、撮影場所が違うと霧のかかり具合も全く違う。
同じ橋梁でも、撮影場所が違うと霧のかかり具合も全く違う。
「最初はアップを撮って、田んぼがあるので、最後に田んぼ込みの写真にすると良いですよ。もう少ししたら、黄金色になるんですがね。
ここも最初はアップで…
ここも最初はアップで…
少し川面の橋も入れてみた(でも中途半端)。
少し川面の橋も入れてみた(でも中途半端)。
ここは日の射す角度によっては虹色になる事もありますよ。只見線が走り去った直後に虹がさした事もありましたね。」
川面と右側の田んぼを、両方入れてみた。
川面と右側の田んぼを、両方入れてみた。
最後も寄り(中途半端)。
最後も寄り(中途半端)。
 続いて向かったのは、同じく三島町のJR早戸駅近くにある「霧幻峡の渡し」の船着き場へ。渡し舟だからこそ映せる只見川上からの撮影スポットです。

しつこいようですが、霧幻峡の渡しのエピソードはこちらをクリック。
霧幻峡の渡しの船着き場。早戸駅から徒歩3分程。
霧幻峡の渡しの船着き場。早戸駅から徒歩3分程。
星さんは渡し舟の船頭の顔も持つ。
星さんは渡し舟の船頭の顔も持つ。
 早戸駅に入線・停車する只見線や、上流部の眼鏡橋(会津水沼駅側)を川面に映る列車込みで撮れるのは、渡し舟の上ならではです。
只見川から望む早戸駅。
只見川から望む早戸駅。
只見川の舟上から見る眼鏡橋(揺れる川面にも影は映る)。
只見川の舟上から見る眼鏡橋(揺れる川面にも影は映る)。
「経済が先細りする中、奥会津の財産はこの絶景しかない。その絶景を伝えるのに、只見線が欠かせない事に気が付いたんです。
午前9時前後は上り・下りが20分以内に来るので、2度シャッターチャンスがある。
午前9時前後は上り・下りが20分以内に来るので、2度シャッターチャンスがある。
眼鏡橋も水面に映る。
眼鏡橋も水面に映る。
鉄道が風景にあると、見る人がそれぞれの思い出・郷愁、例えば鉄道に乗って故郷を離れた時の事を思い出すとか、100人いれば100人の物語がそれぞれに広がっていくんです。
眼鏡橋から早戸駅までも、まだシャッターチャンスあり。
眼鏡橋から早戸駅までも、まだシャッターチャンスあり。
道路との立体交叉。只見線が道路をくぐるようにして出て来る。
道路との立体交叉。只見線が道路をくぐるようにして出て来る。
鉄道が無いと、風景が綺麗なだけで終わっちゃう。それに30年前に気付いたから、只見線を含めた風景を1年360日撮影し続けています。
列車の手前左が渡し舟の船着き場。右手には釣りを楽しむ人も。
列車の手前左が渡し舟の船着き場。右手には釣りを楽しむ人も。
減速して早戸駅(右半分)へ。
減速して早戸駅(右半分)へ。
これ、バスじゃ駄目なんです。バスはどこでも走っているから。」

 確かに鉄路という専用帯を走る交通手段は、特別な存在かも知れません。
早戸駅に停車中の只見線(木で1両目が見えづらい…)。
早戸駅に停車中の只見線(木で1両目が見えづらい…)。
撮り鉄の方が、渡し舟を利用する手も”あり”かも知れない。
撮り鉄の方が、渡し舟を利用する手も”あり”かも知れない。
 また星さんはこうも話します。

「奥会津の良さを伝えたいから写真を撮っているのであって、写真が特段好きという訳でも、鉄道が好きというわけでもありません。
遠くに、早戸駅から出発した下り線を追う。
遠くに、早戸駅から出発した下り線を追う。
今度は加速して来るパターンだ。
今度は加速して来るパターンだ。
ですから会津鉄道や磐越西線を、地元を離れて撮りに行ったりもしないんです。奥会津の良さを伝える為に撮っているから、全てSNS等で発信して、お金も取らないんです。」

 更に星さんの熱い想いは、11年前の新潟・福島豪雨で流失した第七只見川橋梁に場所を移しても溢れます。(つづく)

つづきの「新潟・福島豪雨で再認識 & 海外からの観光客に見る只見線の魅力」はこちらをクリック。
眼鏡橋へと向かう只見線。
眼鏡橋へと向かう只見線。
眼鏡橋も、自然豊かな周りの風景に馴染む。
眼鏡橋も、自然豊かな周りの風景に馴染む。
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