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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
with a camera in Otama Village 2-1
 きょうの『ゴジてれChu!』、「ぶらカメ」のコーナーでは大玉村に行ってまいりました。「ぶらカメ」、久し振りです。約3か月ぶりでしょうか。新型コロナウイルスの影響で、暫くお休みしていたのですが、このコーナーの前日から当日にかけての夜は決まって寝つきが悪いか早く目覚めてしまいます。緊張しているんでしょうね、このロケの朝も4時40分過ぎに起きてしまい、まんじりともせずそのままロケへと向かいました(年齢による早起きではありませんので、念のため。年齢によるそれは早くて5時台です←何度も経験済み)。

安達太良山を田んぼから望む。残念ながら「ほんとの空」(『智恵子抄』より)は雲の向こうだ。
安達太良山を田んぼから望む。残念ながら「ほんとの空」(『智恵子抄』より)は雲の向こうだ。
 大玉村をぶらカメで私が回るのは、去年に続いて2度目(2019年4月26日・25日のブログに、前回の大玉村のこぼれ話を書いております)。新たな出会いに恵まれると好いのですが…。
 そう思いながら歩いていると、最初に目についたのは「営業中」の幟。何が営業中なのかと思って近づいてみると、果樹園でした。看板のそばでは車がひっきりなしに出たり入ったりしています。

大玉村の「菊地果樹園」。さくらんぼを求める客が朝からひきもきらず。
大玉村の「菊地果樹園」。さくらんぼを求める客が朝からひきもきらず。
 農家直接販売のさくらんぼを買い求める人たちが次々にやってきているのです。そして外のテーブルで何かを書き込んでいる人もいて、その一人に話を伺うと、
「県外の人に送るんで…。」
 宅配便の宛名を書いていたのです。
 ここに買いに来るお客さんが口を揃えて仰るのは、
「ここのさくらんぼは甘い。」


県外にここからさくらんぼを送る人も…。
県外にここからさくらんぼを送る人も…。
 リピーターも多く、「年に一度は買いに来る」という人も少なくありません。中には、さくらんぼをはじめフルーツラインと呼ばれる果樹農家が建ち並ぶ街道がある福島市から買いに来た人もいる位です。
 代表の菊地さんに話を伺います。

この果樹園のさくらんぼを土産にお出かけだそう。お気をつけて。
この果樹園のさくらんぼを土産にお出かけだそう。お気をつけて。
「さくらんぼを育て始めたのは、2000年位からなんです。でも実がついたのは震災の頃(2011年)なんですけど、原発事故があったでしょ…。」
 色々ご苦労があったようです。実のなっているところの撮影をお願いすると、
「どうぞ。良かったら食べていってください。」
と快く案内してくださいました。

代表の菊地さん。果樹園だが、マスクはお魚さんだ。
代表の菊地さん。果樹園だが、マスクはお魚さんだ。
 現在はさくらんぼ狩りも行っていて、天井がビニール、周囲がネットで囲われたハウスに入ると、色々お話して下さいます。
「今年は豊作なんです。去年は一部実のならない部分もあったんですが、今年は上から下までびっしり実をつけて…。でも今年は新型コロナウイルスの影響があったでしょ。」
と言って指さしたのが、ずいぶん濃い色のさくらんぼ。

美しい緑の中に、さくらんぼの赤が映える。
美しい緑の中に、さくらんぼの赤が映える。
「早生のさくらんぼで本当はオレンジ色っぽい実がなったんですけど、狩り取られないから、干しブドウみたいになっちゃったものもあって…。」
 早生の“完熟”のさくらんぼ、とでも言いましょうか。新型コロナウイルスの影響が無ければ、オレンジ色の実の内に多くの人の舌を喜ばせていた筈です。


こちら、”完熟”さくらんぼ。残念ながら摘み取られなかった。
こちら、”完熟”さくらんぼ。残念ながら摘み取られなかった。
「手の届く所はさくらんぼ狩りでお客さんに召し上がって頂いて、高い所は私達が収穫して販売に回しています。」
 朝は4時起きで収穫、というのも温度変化に弱い為に、気温が上がる前に摘んでしまう必要があるのだそうです。その日のとれ立てが、先程の直売店等に並びます。

お客さんの手の届かない所は、農家が摘んで販売用に…。
お客さんの手の届かない所は、農家が摘んで販売用に…。
 結構低い所にも枝が伸びていますが、
「地元の幼稚園児に、無料でさくらんぼ狩りを体験してもらっているんです。」
 村の子ども達は、地元に美味しいさくらんぼ農家がある事を、舌で覚える事でしょう。そして代表の口から衝撃の事実が!

「実は大玉村でさくらんぼを育てている農家は、うちだけなんですよ。」

 何と、そんな珍しい果樹園に偶然出会っていたのです。
「大玉村は米どころでしょ。」

なんと、菊地果樹園は村唯一のさくらんぼ農家だと言う。
なんと、菊地果樹園は村唯一のさくらんぼ農家だと言う。
 確かに大玉村でさくらんぼのイメージはなく、実際すぐ隣も周りにも広がるのは多くが水田です。
 巣ごもりで周囲の景色をじっくり眺める機会も少なかったのですが、気がつけば水田の稲もすくすく伸び、水面が容易には見えない位に成長しています。ご実家が福島市でさくらんぼを育てているそうですが…。
「福島市で苗をもらったのがきっかけなんです。」
 その苗から育った木の一つがこちら。太くて立派なさくらんぼの木です。

隣は田んぼ。大玉村は米どころだ。
隣は田んぼ。大玉村は米どころだ。
「さくらんぼはミツバチが蜜を集める事での交配が巧く行かないと、実がなかなかつかないんです。最初はうまく実を付けなくて…。ほんの何個か実をつけたのが最初で、『お父さん、やっと実がなったよ。』なんて喜んでいました。」
 植え始めて十余年、震災の頃に実を付けるようになったのですから、桃栗三年柿八年より時間がかかったのです。それでも根気よく育て続けた結果、実を結んだ訳です。まさに継続は力なり、です。

初めの一歩となった元苗木の下で。幹回りは私の腕がやっと回る位太くなっている。
初めの一歩となった元苗木の下で。幹回りは私の腕がやっと回る位太くなっている。
 いまが旬、たくさん実っているのはご存じ「佐藤錦」です。実際に私も食べさせて頂きました。
 ……買いに来るお客さんの言う通り、甘い!程よい酸味が爽やかさを増し、果汁たっぷり。食リポしていると、ややもすると果汁がどんどん喉に流れ、下手に息継ぎすると気管支に入るのでは、という感じです。
「同じ品種でも、木によって味が違うんですよ。」
 へぇぇ、木にも個性があるんですね。同じ品種でも食べ比べが出来るのが、さくらんぼ狩りの良さですね。
 それにしてもこの甘さ、肥料などに工夫があるのでしょうか?
「ちゃんと摘果する事ですね。」

濃い甘さに程よい酸味。果汁もたっぷりで、豊作でも大味にはなっていない。
濃い甘さに程よい酸味。果汁もたっぷりで、豊作でも大味にはなっていない。
 実がなり過ぎるとそれだけ栄養分が分散して1個1個の甘みが弱くなるので、美味しく育つ数になるよう若い内に実を摘み取って全体の数を減らすのです。この摘果によって1個1個に十分な栄養が行き渡り、毎年変わらぬ甘いさくらんぼとなるのです。摘果の割合には、味を損なわず、獲り過ぎず、絶妙なバランスがあるのでしょうね。

経験からくる程よい摘果が、美味しさアップへと繋がっている。
経験からくる程よい摘果が、美味しさアップへと繋がっている。
 苦労はほかにもあります。
「霜が降りる、ってなるとその日は夜に霜対策用のヒーターがあって、それを一晩中つけて回るんです。」
 品質維持の為に欠かせない、辛い作業です。でもそれがあって、あの甘くて赤い宝石が出来上がるのです。
「今、店頭で販売するさくらんぼの箱詰め作業をしていますよ。」
霜の被害もなく、今年はほっと胸をなでおろす。
霜の被害もなく、今年はほっと胸をなでおろす。
 店の裏の作業場では、女性陣が中心になって箱詰め作業をしています。その中には代表の娘さんもいます。箱詰めのポイントを娘さんに伺うと、

朝摘んだばかりのさくらんぼを箱詰めしていく。
朝摘んだばかりのさくらんぼを箱詰めしていく。
「傷が無いかは勿論ですが、実の大きさと色の良さが揃うように、綺麗に詰めていく事ですね。」
 びっしり2段重ね、これで5000円の贈答用箱詰めの出来上がりです。

赤い宝石箱や~。大玉村の至宝ですなぁ。
赤い宝石箱や~。大玉村の至宝ですなぁ。
 代表のお孫さんもお母さんの近くにいますが、恥ずかしがってカメラを向けると顔を隠してしまいます。それでも家のさくらんぼは「美味しいです。」と可愛く答えてくれました。


唯一顔が正面で撮れた。カメラは恥ずかしいんだ!
唯一顔が正面で撮れた。カメラは恥ずかしいんだ!
 作業場を後にしようとすると、店の前でさくらんぼ狩りをしたがっている男の子がいました。何でも先程話のあった幼稚園のさくらんぼ狩り体験をした事があるのだそう。男の子とお母さんとでさくらんぼ狩りをするそうなので、私達もお邪魔することに。

詰めても詰めても、さくらんぼは売れていく…。
詰めても詰めても、さくらんぼは売れていく…。
 そうそう、さくらんぼ狩り体験希望者はその場で検温をした上で、体温に問題が無いと手指を消毒して、種を入れる紙コップをもらい30分のタイマーを渡され、さくらんぼ狩りが出来る仕組みです。
 しばらくさくらんぼ狩りを楽しんで、休憩に入った頃に伺いました。すると…
「手を出して~」。アルコール消毒で、予防策OK!
「手を出して~」。アルコール消毒で、予防策OK!
 お母さんがインタビューに答える間も、男の子は摘んだ佐藤錦を次々に口に運んでいました。この果樹園のさくらんぼの美味しさを、男の子が証明してくれているようです。
 こちら大玉村の「菊地果樹園」のさくらんぼ狩りは、30分で中学生以上が1300円、3歳以上が900円(税込み)です。(6月24日のブログに続く)


お母さんに話を伺っている最中も、男の子はさくらんぼを頬張り続けた。美味しいと止まらないですよね。
お母さんに話を伺っている最中も、男の子はさくらんぼを頬張り続けた。美味しいと止まらないですよね。
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