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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
A lifter, the national record holder, left messages to junior high and high school athletes.
 きょうの『ゴジてれChu!』第3部では、『君らしく、まえへ』というコーナーで、ウエイトリフティング男子67kg級日本記録保持者の近内三孝選手(三春町出身)のメッセージを放送しました。このメッセージは、新型コロナウイルスの影響で大会に出る機会が減っている中高生選手に向けて、福島県出身や福島県ゆかりのアスリートから言葉をかけてもらおうという趣旨でお送りしているコーナーです。以前私が近内選手を取材した縁で県内選手へメッセージをお願いしたところ、忙しい中快くリモートインタビューを引き受けて下さいました。 
 きょうのブログでは放送できなかった分も含めて、近内選手のメッセージを文字にしてお送りします。中高生の皆さんへのメッセージや、アスリートとして所謂自粛期間中どう過ごしていたのか、そして選手として五輪を目指す中での苦悩などをお話下さいました。近内選手の今、そして温かいメッセージを是非ご覧ください(Q=徳光、「 」内が近内選手の答。6月3日の取材内容です)。


近内選手にリモートインタビューに答えて頂いた。
近内選手にリモートインタビューに答えて頂いた。
新型コロナウイルスの影響 ~モチベーション維持の難しさ~

Q 緊急事態宣言が出された中、近内選手はどう過ごしていたんですか?
「基本、自分の部屋と練習場の行き来だけでした。施設(練習場)がもう(住まいの)すぐ隣にあるので、使用は出来ていました。」
Q 新型コロナウイルスが流行する中、練習環境はどうだったのでしょう?
「時間を短くしたり人数を少なくしたりと、まぁ少しやり辛い環境ではありました。」
Q 普段の練習を100とすると、その期間の練習ではどの位の事が出来ましたか?
「60%位の練習だったかなと思います。」
Q それはどういう点で6割程の内容になったのでしょう?
「いつも通りの練習ではあるんですけど、人数も少ない分あまり盛り上がらなかったりしたので、気持ちの乗る練習は出来なかったのかなと思います。」
Q いつもだと何人位で練習するんですか?
「普段であれば、20…30人前後で練習していました。」
Q それが、期間中は?
「ま、まちまちだったんですけど、5人とか6人で練習ですね。だいぶ寂しかったですね。」
Q そんな中での練習は、どんな気持ちだったんですか?
「大会(の日程)も決まってはいなかったんですけど、ま、いつ決定するのか分からないので、いつでも準備できるように、気持ちを切らさないように(いつあるか分からない)大会に向けて練習していました。世間も今オリンピックどころではないので、どこに照準を合わせて練習をしようか、すごく迷いがありましたね。」
Q よくアスリートがSNS等で「家トレ」の様子を流していましたが、近内選手は何か「家トレ」はしたんですか?
「トレーニングというよりは、時間があった分、身体のケアであったりはしていました。ストレッチであったり、いつもはしていないチューブを使ったトレーニング等を部屋で行っていました。」


近内選手、五輪マークの入ったシャツで登場。テレビの事を分かってくださっている…。
近内選手、五輪マークの入ったシャツで登場。テレビの事を分かってくださっている…。
今の3年生選手へ ~やって来た事が楽しかったと思える3年間にして~

Q 今回新型コロナウイルスの影響で、中高生の全国大会等が中止されました。近内選手が勤めている日本大学には系列校も多いと思いますが、生徒たちの様子は如何でしたか?
「休校とかもあったので(系列校の生徒と)会ってはいなんですが、周りの高校生からは自分の大会や引退試合がない中、すごくやり切れない気持ちがあるな、というのは感じました。」
Q ご自身がその立場だったら、どうだったでしょう?
「想像できないですよね。もう誰に当たって良いのかも分からない状況じゃないですか、大会も無くて…。正直卒業までに替わりの試合を開いてもらえるかも知れないですが、一方で大会が開かれずにそのまま卒業という可能性もあるので、『今まで何をしてきたのか』という気持ちに少しはなるのかなと思います。」
Q そんな選手達に、メッセージをお願いします。
「はい。高校生の皆さんは今まで3年生は3年間やってきた事を出す場が無くなってしまってすごく悲しい、自分には分からない位すごく辛い気持ちだと思うんですけど、少しずつ学校も始まって、部活動も段々始まっていくと思うので、どの競技でも3年間やって来た事、やってきた競技って、楽しかったんだなって思えるよう、すぐ諦めてしまうのではなく、もう少し部活動に顔を出しながら、楽しかったなって思える3年間にしてほしいなと思います。」


一昨年の選手権大会の様子。
一昨年の選手権大会の様子。
東京五輪に向けて ~モチベーションを維持する難しさ~

Q 東京五輪が延期になりました。
「(五輪の日本代表を決める)選考会なども自分はまだ終わっていないので、新型コロナウイルスの影響で開催できなかったので、五輪延期はあるかなとは思っていたのですが、思っていたより自分のモチベーション維持にはすごく大きなダメージがありました。」(筆者注、東京五輪への最終選考会となる4月16日~25日開催のアジア選手権が中止になった。近内選手は男子67kg級で出場予定だった。)
Q それは、どういうところからダメージが来たのでしょう?
「1年後試合が確定している訳では無いので、あるかどうかまだ分からない試合に向けて頑張っているので、このまままた次流れたら中止という発表もされているので、いつどこに向けて(頑張れば良いのか)というのがすごく大きい所でした。」
Q 日程が分かっているかどうかって、大事ですよね。
「確実にこの日、無観客でも試合をやるというのであれば気持ちも上がるんですが、コロナ収束がまだまだ見えてこないので、まずは普通の生活を戻すところからなのかなと思います。」


練習風景(一昨年)。メニューも自主的に組んだ内容も取り入れていた。
練習風景(一昨年)。メニューも自主的に組んだ内容も取り入れていた。
東京五輪の延期 ~厳しい環境でも見えた“光”~

Q 逆に、延期になってプラスに考えられる点はありますか?
「ま、今年であれば、まだメダルの色は銅メダル位しか狙えないとは思うんですが、この一年間しっかりと力を付けられれば、メダルの色も段々良い色に変えられる期間が出来たのかなと思います。」
Q そして階級分けが五輪前に変更になって、今までの69kg級から67kg級になりました。今までより更に体重を2kg落とさなければいけないのは、正直大変なんじゃないですか?
「少ししんどい所もあるんですけど、来年のオリンピックくらいであれば体重を落とすのもそんなに苦労はしないので、67kg級で行けるのかなと思います。」
Q では、来年の東京五輪に向けて、目標をお願いします。
「一番は金メダルを目標にして、どんな結果になるか分からないですけど、目指すは金メダルで頑張っていきます。」
Q ずばり確率は?
「…半々ですかね(笑)。」
Q 私、実は男子67kg級のFINALのチケット、当たったんです。必ず応援に行きますから、金メダルとって下さいね。
「宜しくお願いします、頑張ります。」


一昨年取材時の写真。やたら風が強い日だった…。
一昨年取材時の写真。やたら風が強い日だった…。
 階級分けが変わり、男子は69kg級が無くなって67kg級が出来ました。すると近内選手は去年、早速67kg級で9月の世界選手権でスナッチ143kg、12月のIWFワールドカップでクリーン&ジャーク175kg、世界選手権でトータル317kgの日本記録を打ち立てました。まさに男子67kg級では日本の第一人者です。体重を減らすという事は筋肉量や体作りにも影響が及ぶ訳で、1年延期になった事で、2kg減った事に対応する期間が延びたと捉える事も出来ます。五輪で狙えるメダルの色が「今年だと銅」という発言は、今年の夏までには金メダル獲得に向けて足りない何かがあると自覚している事の表れであり、延期になったから言えるまさに本音なのでしょう(今年五輪があったら、近内選手は絶対カメラの前では「金を狙う」と語ったと思います)。一方でご本人も話した通り、「メダルの色も段々良い色に変えられる期間が出来た」との言葉からは、近内選手が延期を前向きに捉え挑戦していくんだという強い意志を感じます。。
 現在は母校日本大学で働きながら、選手としてのトレーニングを積んでいます。田村高校で頭角を現し、日本大学で花開いた近内選手が、慣れ親しんだ母校で着々と力を蓄えています。私達が少しずつでも日常を取り戻していって、来年には是非世界の頂点を目指す選手が気兼ねなく実力を発揮できる舞台を、皆で作っていきたいと思います。
 近内さん、メッセージ有難う御座いました。そして益々のご活躍を祈念しております。

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