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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
final in 2013
 全国高校サッカー選手権県大会の決勝が、やや風が強いものの秋晴れの下行われた。その結果。

富岡 2−1 尚志
(富岡は5年振り2度目の優勝)

 今日は決勝の生中継。実況アナに必要なメモやフォローをする「サブアナ」として臨む。
 前半は風上の富岡が優勢。サイドを使った攻撃で再三シュートチャンスを作る。対する尚志は、凌いだあとのゴールキックなどが風でかなり戻される。もう少し前のポジションで起点を作りたかったに違いない。更に富岡の寄せが速く、尚志のトラップが少しでも大きめになれば即ボールを奪いに行き、尚志に思うようにチャンスを作らせない。
 お互いゴールネットを揺らさず迎えた前半34分、富岡の佐藤大悟選手のドリブルが尚志のファウルを誘い、ペナルティエリアのやや外、左45度からのセットプレーのチャンスを掴む。すると、解説の元日本代表DF都並敏史氏が
「これ(壁が)2枚だから狙えるんじゃない?直接。」
と指摘をする。その都並氏の言葉をなぞるかのように、黒澤健太選手のキックがそのまま綺麗な弧を描いてゴールポストを巻くようにゴールに吸い込まれる。先制は、押していた富岡。新人戦・夏のインターハイ予選、いずれも決勝で尚志相手に先制点を取れなかった富岡が試合を動かし、黒澤選手は右足に2度のキスというパフォーマンスを披露した。
 後半は、風上に立つ尚志が序盤畳みかけるような攻撃を展開し、尚志「らしさ」を感じさせる。しかしこの時間帯に同点に出来ない。すると徐々に富岡が尚志の攻撃を寸断し、風下ながらチャンスを増やしていく。そして後半37分、尚志が前線へ供給しようとするボールが、前線からプレッシャーをかける富岡の選手に引っ掛かり、拾った佐藤大悟選手が黒澤選手へ絶妙なスルーパス。黒澤選手がドリブルでペナルティエリアの中に入ると、シュートと見せかけて、上がってきた内山翔太選手へ横パス。内山選手が尚志のディフェンダーをかわすようにトラップをし、左足を振り抜きシュート。尚志のディフェンダーもシュートコースに足を投げ出すが、その足をかすめてゴール。これは本当は尚志がしたかったプレーなのでは?と思うような見事な組み立てから、富岡が尚志を突き放した。
 しかし尚志も高さを生かし、後半39分、稲村知大選手のロングスローを佐藤翔太郎選手、久保田孔了選手がヘッドでダイレクトにつなぐ。その久保田選手の、ゴールに背を向けたヘッドは意図したシュートだった。ボールがキーパーの頭上を越えてゴールに吸い込まれ、土壇場で1点差。アディショナルタイムの表示は3分と出た。
 間もなく、富岡のクリアボールを尚志の佐藤誉晃選手が前線へ大きく出す…と見せかけ、ディフェンダーを交わしてドリブル突破。ペナルティエリアへギアチェンジして入ろうという所でファウルを受け、フリーキックのチャンスを得る。ボールの所には、高慶汰選手、田鹿富夢選手、そして2点目を取られた際に投入した中村駿介選手の3人が揃った。蹴ったのは高選手…富岡の青い壁に弾かれた。
 そのまま富岡が逃げ切り、2度目の選手権出場を決めた。

 富岡の佐藤弘八監督は、涙ながらに
「選手が勝ちたいという気持ちを前面に出して本当によくやったと思います。選手に感謝します。」
と選手を褒め称えた。
 富岡高校のある富岡町は、震災の津波に加え原発事故で避難を余儀なくされた所だ。富岡イレブンは、その「富岡町を背負って」というプレッシャー等とも戦わねばならなかった。
「でもね、選手たちは震災後に入学したのだし…」
と、そういうプレッシャーから選手を解放する事を、佐藤監督は考えたという。きょうの決勝のピッチに送り出す際の言葉は、「笑顔でプレー」だった。
「能力の高い選手たちだし、自分たちで考えてサッカーをさせていた。」
と選手の育成を振り返った佐藤監督は、全国大会の目標を聞かれ、
「やっぱり尚志のベスト4に並びたいですね。」
とライバル校の名を引き合いに出した。
「初出場の時は、会場が埼玉スタジアムだったんですよ。器(=会場)が大き過ぎましたね。『初出場で、こんな凄い場所でやるの?』って感じでした。日本代表がプレーした所ですからね。でも今度はもう1回あそこでやってみたいですね。」
 会場の素晴らしさに圧倒された初出場から5年、大舞台で富岡イレブンはどんなプレーをするのか?選手権初勝利は勿論、福島県代表史上2校目の「国立競技場でプレーする高校」になって欲しい。

 バックスタンドに挨拶に行った後、佐藤監督は胴上げをされた。宙を舞った気分は
「最高ですね。」
と一言に集約した。宙を舞った回数に就いては、
「…(名前が)弘八だからでしょ?」
 創部8年目、赴任8年目の弘八監督が、歓喜に沸く福島の空に8回舞って県大会を締め括った。
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