2007.10.13
best 8 (the first day)
きょうから全国高校サッカー選手権福島県大会が再開した。4回戦の結果。
尚志4−1湯本
相馬4−0葵
昌平0−0(PK7−6)郡山商業
双葉1−0勿来工業
尚志対湯本は4回戦屈指の好カード。会場の西部サッカー場には、多くの観客が訪れた。
立ち上がりは、お得意のパスワークで崩そうとする尚志と、前線の2トップとサイドの俊足を生かしてディフェンスの背後やサイドを狙っていく湯本ががっぷり四つに組む。そして前半20分、湯本の香車とも言うべき座間啓太選手がサイドを縦に抜けると、逆サイドに綺麗なクロスボール。ここで鈴木優太選手がシュート…に行かず、更に折り返したのが良かった。半沢大典選手がボレーで決めて、湯本が先制する。
しかしその3分後、尚志はコーナーキックから西田潤選手がヘディングで決めて同点として前半を折り返すと、後半5分には田中真之選手と内山俊彦選手のワンツーでディフェンスラインを崩して逆転。更に14分には内山選手がゴール前にふわりと上げたボールがオウンゴールを誘い、3−1。22分には再び内山選手がフリーキックを直接決めて4−1として勝負を決めた。
尚志の仲村監督は「うちの特徴を湯本がよく研究していて、そこを突かれて先制されてしまった。ただすぐ追いつけたのは良かったし、追いつくと信じていた。(尚志にとって)初戦が湯本だったので、却って(大会に向けて)良い準備が出来たと思う。正直湯本に勝ててほっとしました。」と安堵の表情を見せていた。対する湯本の櫛田監督は「先制したまでは良かったが…。」と唇を噛み締めた。
尚志の同点ゴールを決めた西田選手は「湯本は予想以上に良くて焦った。(同点ゴールは)ボールが良かったので当てるだけだった。湯本からは絶対に点を取ると(試合前に)言っていたので、取れて嬉しかった。」と喜び、決勝ゴールを含め2ゴールを挙げた内山選手は「先制点は自分のミスから取られてしまったので、自分が点を取れて良かった。次も勝つだけです。」と、責任を感じながらの試合だった事を打ち明けた。
対する敗れた湯本の佐藤良太主将は「自分達のサッカーが出来なかったのが悔しい。湯本の3年間は良い仲間と出会えて楽しかった。悔いが無いと言えば、嘘になるかも。(尚志には)湯本を破った分、頑張って勝ち進んで欲しい。」とスポーツマンらしくエールを送って3年間の高校サッカー生活を締め括った。
とにかく4回戦で当たるには惜しい組み合わせ、素晴らしい内容の試合だった。
郡山商業と昌平の試合は、丁寧にパスをつなぐ事を心がけた郡山商業がシュートチャンスを多く作るが、シュートが弱かったりGKの正面だったりでゴールを割れない。対する昌平は、スペースの見つけ方が巧い試合運びをするのだが、その時間帯が長く続かない。後半終了間際に決定的なチャンスをつかむもボールがうまくトラップできずにゴールネットを揺らせない。そのまま延長でも決着がつかずにPK戦に。先攻の郡山商業は3人目が昌平のGK遠藤裕選手に止められてしまうが、後攻の昌平の3人目がゴールの枠を外してしまう。サドンデスで6人目、郡山商業がまたもGK遠藤選手に止められるが、キックの前にGKが動いたとの判定でやり直してゴールを決める。更に7人目、郡山商業がポストに当ててしまうが、昌平の7人目もクロスバーを越してしまい、PK戦ももつれにもつれた。しかし郡山商業の9人目が三度遠藤選手に止められ、万事休す。昌平の9人目、奥山雅男選手がきっちり決めて、準々決勝進出を果たした。
昌平の吉田監督は、「きょうは全然動けていなかったですね。どうしちゃったの?という感じでした。」
「では、きょうの試合を見ても、参考にはなりませんか?」と私が聞くと
「全く参考にならないと思います。」と自信を見せた。「運動量、メンタル、粘っこさでは負けません。」
そしてPK戦を凌ぎきったGK遠藤選手については「1年生から使ってきたGKですし、ピッチの中に入ると頼もしくなるんですよ。DFもその分、安心して守れるんじゃないでしょうか。」と2年生GKを高く評価した。
昌平はおととしベスト8、去年ベスト4と着実に力をつけているチーム。そこで、私が
「8、4、と来たら、今年は2(=決勝)が最低目標ですね?」
と尋ねると、
「去年は尚志に敗れてベスト4だったので、今年は尚志に負けたくありません。」
と吉田監督は決意を語った。昌平が尚志と対戦するとすれば、奇しくも去年と同じ準決勝である。
一方、郡山商業の和田監督は「チャンスが多かったのはうちの方だったのに…。PK戦も止められたのがやり直しになったりして、流れは来ているのかと思ったんですが…。」と言葉少なに悔しさを滲ませた。
相馬対葵は、相馬の徹底したサイド攻撃が功を奏し、前半28分に栗村悠平選手のゴールで先制すると、後半開始早々にオウンゴールを誘い2−0。その後も高橋晃平選手、氏家俊太郎選手のゴールで葵を突き放し、完封で勝利した。
葵は旧会津女子高校。会津の進学校の1つだ。5年前の共学化と同時にサッカー部が出来、3年前には初めて会津地区予選を突破して夏のインターハイ県大会に出場。齋藤真人監督が赴任して益々力をつけ、今年初めて選手権のベスト16に進出した。雪のハンディを克服し、この4回戦の16チーム中、3チームが会津勢。伝統校の相馬に敗れはしたが着実にレベルを上げているだけに、今後も会津の有力校として注目だ。
双葉対勿来工業は、双葉がディフェンスラインの裏へのスルーパスに対して、勿来工業がラインコントロールで対抗する展開。前半26分に中島透選手の先制ゴールを守りきってベスト8に進出した。
明日も2会場で4試合が行われ、来週の土曜日の準々決勝に進出するベスト8が決まる。尚、月曜日は新聞休刊日。日曜日の速報はこのブログで!
尚志4−1湯本
相馬4−0葵
昌平0−0(PK7−6)郡山商業
双葉1−0勿来工業
尚志対湯本は4回戦屈指の好カード。会場の西部サッカー場には、多くの観客が訪れた。
立ち上がりは、お得意のパスワークで崩そうとする尚志と、前線の2トップとサイドの俊足を生かしてディフェンスの背後やサイドを狙っていく湯本ががっぷり四つに組む。そして前半20分、湯本の香車とも言うべき座間啓太選手がサイドを縦に抜けると、逆サイドに綺麗なクロスボール。ここで鈴木優太選手がシュート…に行かず、更に折り返したのが良かった。半沢大典選手がボレーで決めて、湯本が先制する。
しかしその3分後、尚志はコーナーキックから西田潤選手がヘディングで決めて同点として前半を折り返すと、後半5分には田中真之選手と内山俊彦選手のワンツーでディフェンスラインを崩して逆転。更に14分には内山選手がゴール前にふわりと上げたボールがオウンゴールを誘い、3−1。22分には再び内山選手がフリーキックを直接決めて4−1として勝負を決めた。
尚志の仲村監督は「うちの特徴を湯本がよく研究していて、そこを突かれて先制されてしまった。ただすぐ追いつけたのは良かったし、追いつくと信じていた。(尚志にとって)初戦が湯本だったので、却って(大会に向けて)良い準備が出来たと思う。正直湯本に勝ててほっとしました。」と安堵の表情を見せていた。対する湯本の櫛田監督は「先制したまでは良かったが…。」と唇を噛み締めた。
尚志の同点ゴールを決めた西田選手は「湯本は予想以上に良くて焦った。(同点ゴールは)ボールが良かったので当てるだけだった。湯本からは絶対に点を取ると(試合前に)言っていたので、取れて嬉しかった。」と喜び、決勝ゴールを含め2ゴールを挙げた内山選手は「先制点は自分のミスから取られてしまったので、自分が点を取れて良かった。次も勝つだけです。」と、責任を感じながらの試合だった事を打ち明けた。
対する敗れた湯本の佐藤良太主将は「自分達のサッカーが出来なかったのが悔しい。湯本の3年間は良い仲間と出会えて楽しかった。悔いが無いと言えば、嘘になるかも。(尚志には)湯本を破った分、頑張って勝ち進んで欲しい。」とスポーツマンらしくエールを送って3年間の高校サッカー生活を締め括った。
とにかく4回戦で当たるには惜しい組み合わせ、素晴らしい内容の試合だった。
郡山商業と昌平の試合は、丁寧にパスをつなぐ事を心がけた郡山商業がシュートチャンスを多く作るが、シュートが弱かったりGKの正面だったりでゴールを割れない。対する昌平は、スペースの見つけ方が巧い試合運びをするのだが、その時間帯が長く続かない。後半終了間際に決定的なチャンスをつかむもボールがうまくトラップできずにゴールネットを揺らせない。そのまま延長でも決着がつかずにPK戦に。先攻の郡山商業は3人目が昌平のGK遠藤裕選手に止められてしまうが、後攻の昌平の3人目がゴールの枠を外してしまう。サドンデスで6人目、郡山商業がまたもGK遠藤選手に止められるが、キックの前にGKが動いたとの判定でやり直してゴールを決める。更に7人目、郡山商業がポストに当ててしまうが、昌平の7人目もクロスバーを越してしまい、PK戦ももつれにもつれた。しかし郡山商業の9人目が三度遠藤選手に止められ、万事休す。昌平の9人目、奥山雅男選手がきっちり決めて、準々決勝進出を果たした。
昌平の吉田監督は、「きょうは全然動けていなかったですね。どうしちゃったの?という感じでした。」
「では、きょうの試合を見ても、参考にはなりませんか?」と私が聞くと
「全く参考にならないと思います。」と自信を見せた。「運動量、メンタル、粘っこさでは負けません。」
そしてPK戦を凌ぎきったGK遠藤選手については「1年生から使ってきたGKですし、ピッチの中に入ると頼もしくなるんですよ。DFもその分、安心して守れるんじゃないでしょうか。」と2年生GKを高く評価した。
昌平はおととしベスト8、去年ベスト4と着実に力をつけているチーム。そこで、私が
「8、4、と来たら、今年は2(=決勝)が最低目標ですね?」
と尋ねると、
「去年は尚志に敗れてベスト4だったので、今年は尚志に負けたくありません。」
と吉田監督は決意を語った。昌平が尚志と対戦するとすれば、奇しくも去年と同じ準決勝である。
一方、郡山商業の和田監督は「チャンスが多かったのはうちの方だったのに…。PK戦も止められたのがやり直しになったりして、流れは来ているのかと思ったんですが…。」と言葉少なに悔しさを滲ませた。
相馬対葵は、相馬の徹底したサイド攻撃が功を奏し、前半28分に栗村悠平選手のゴールで先制すると、後半開始早々にオウンゴールを誘い2−0。その後も高橋晃平選手、氏家俊太郎選手のゴールで葵を突き放し、完封で勝利した。
葵は旧会津女子高校。会津の進学校の1つだ。5年前の共学化と同時にサッカー部が出来、3年前には初めて会津地区予選を突破して夏のインターハイ県大会に出場。齋藤真人監督が赴任して益々力をつけ、今年初めて選手権のベスト16に進出した。雪のハンディを克服し、この4回戦の16チーム中、3チームが会津勢。伝統校の相馬に敗れはしたが着実にレベルを上げているだけに、今後も会津の有力校として注目だ。
双葉対勿来工業は、双葉がディフェンスラインの裏へのスルーパスに対して、勿来工業がラインコントロールで対抗する展開。前半26分に中島透選手の先制ゴールを守りきってベスト8に進出した。
明日も2会場で4試合が行われ、来週の土曜日の準々決勝に進出するベスト8が決まる。尚、月曜日は新聞休刊日。日曜日の速報はこのブログで!
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