2003.03.28
福島東高校サッカー部、ベスト8への道6
3回戦は2回戦の翌日にあります。放送スタッフは会場と宿との間を専用バスで行き来するのですが、私は2回戦が終わった後バスに乗らず直接、福島東の宿舎に取材に向かいました。大分・武南と強豪を続けて破った福島東、これは偶然ではありません。勝因について、齊藤監督はディフェンスと精神面の強さをあげていらっしゃいました。
「この2試合に限って言えば、ディフェンスががんばっていると思います。クロスボールは真ん中のDFが跳ね返しているので、ゴール前は競り勝っていると思うんです。サイドのDFもシュートコースに入っていますし、ボランチも絞るところを絞るなど、基本的なことが今のところ比較的出来ているんではないでしょうか。
特に集中が切れていない、反応が80分続いているのが、良いんでしょうね。」
そんな齊藤監督も新潟・北越戦の持つ意味を、十分に分かっていらっしゃいます。
「あす(北越戦)が大事ですよね。あすも勝つ事が大事なんです。」
齊藤監督の持論は「福島県代表が常にベスト8に顔を出すようになれば、福島県の高校サッカーが変わる。」その先鞭をつけられるかどうかが、福島東だけでなく、福島県の高校サッカー界にとって重要だと位置づけていたのです。
続けて齊藤監督は、北越の印象をこう語りました。
「北越さんは守りがしっかりしていると聞いています。特にGKの反応が良くて、選手のボールタッチが柔らかい感じがしますね。
これはJ2を普段から間近に見ているというのが、大きく影響していると思うんですよ。やっぱり地元にJ2のチームがあるかないかは、大きな差があると思います。今までの新潟県の代表以上に、速さと強さがあるチームではないでしょうか。」
1月3日試合当日、選手たちに気の緩みはありませんでした。ロッカールームで天野太輔(あまのだいすけ)副キャプテンは「ここ2戦、先発出来たのは嬉しいですけど……宍戸(雄一郎選手。県大会の決勝は彼が先発だった)とか一緒にがんばってきた3年生や後輩の代わりにピッチに立っていると思うと、いい加減な事は出来ませんから。」と、出られない選手を思いやっていました。
長澤キャプテンは右目の周りに青いあざが…。
「ああ、選手とぶつかって出来たみたいなんですけど、こんなの平気です。」
そして、「油断しないで、きょうも勝ちます。」と力強い言葉を残してくれました。
雪の降るのを見て、萬代選手は一言、「県大会の決勝みたいだな…。」
そして試合直前、齊藤監督は檄をとばしました。
「先に点をやるな。点をとられたら苦しいぞ。粘り強く、きょうも走ろう!」
試合はお互い守って勝ちあがっただけに、前半0−0で折り返します。
齊藤監督は、今までのハーフタイムとは違った口調(諭すようなというか、語りかけるようなというか)で選手に言いました。
「みんな、本当にがんばっているか?3試合目で体力がきついのは当たり前。でも楽をしようとしていないか?今までの2試合のように、もっと必死に、ひたむきに声をかけてプレーしようよ。」
多分、先の2試合と同じように選手はプレーしていたのでは?と私は思っています。寧ろ緊張感を持たせる為の言葉だったようにお見受けしました。
後半も両者がっぷり四つに組んで、なかなか得点が入りません。
しかし31分、またもこの時間に福島東がやりました。ボランチの新関拓也(にいぜき・たくや)選手からのフィードボールに萬代選手が反応、GKとの競り合いに勝ってヘディングシュート、それがゴール右隅へ!!
今でもビデオを見返すのですが、あの雪の舞う中での萬代選手の両手を広げたガッツポーズは画になりますねぇ。美しいシーンですよ、手元にある方は是非御覧あれ。
これが決勝点となり、福島東は19年ぶり2度目のベスト8進出(しかも選手権3連勝は県勢史上初!!)を果たし、萬代選手は「後半31分の男」とスタッフの間で呼ばれるようになったのです。
因みにこれは余談↓
新聞は各社、萬代選手のゴールシーンを大きく載せているのですが、カメラマンがシャッターを切る瞬間がほんの少しずつずれていて、それぞれを並べると連続写真として楽しめます♪
確か、河北新報〜日刊スポーツ〜福島民友新聞〜福島民報〜読売〜福島民友新聞だったと思います。(つづく)
「この2試合に限って言えば、ディフェンスががんばっていると思います。クロスボールは真ん中のDFが跳ね返しているので、ゴール前は競り勝っていると思うんです。サイドのDFもシュートコースに入っていますし、ボランチも絞るところを絞るなど、基本的なことが今のところ比較的出来ているんではないでしょうか。
特に集中が切れていない、反応が80分続いているのが、良いんでしょうね。」
そんな齊藤監督も新潟・北越戦の持つ意味を、十分に分かっていらっしゃいます。
「あす(北越戦)が大事ですよね。あすも勝つ事が大事なんです。」
齊藤監督の持論は「福島県代表が常にベスト8に顔を出すようになれば、福島県の高校サッカーが変わる。」その先鞭をつけられるかどうかが、福島東だけでなく、福島県の高校サッカー界にとって重要だと位置づけていたのです。
続けて齊藤監督は、北越の印象をこう語りました。
「北越さんは守りがしっかりしていると聞いています。特にGKの反応が良くて、選手のボールタッチが柔らかい感じがしますね。
これはJ2を普段から間近に見ているというのが、大きく影響していると思うんですよ。やっぱり地元にJ2のチームがあるかないかは、大きな差があると思います。今までの新潟県の代表以上に、速さと強さがあるチームではないでしょうか。」
1月3日試合当日、選手たちに気の緩みはありませんでした。ロッカールームで天野太輔(あまのだいすけ)副キャプテンは「ここ2戦、先発出来たのは嬉しいですけど……宍戸(雄一郎選手。県大会の決勝は彼が先発だった)とか一緒にがんばってきた3年生や後輩の代わりにピッチに立っていると思うと、いい加減な事は出来ませんから。」と、出られない選手を思いやっていました。
長澤キャプテンは右目の周りに青いあざが…。
「ああ、選手とぶつかって出来たみたいなんですけど、こんなの平気です。」
そして、「油断しないで、きょうも勝ちます。」と力強い言葉を残してくれました。
雪の降るのを見て、萬代選手は一言、「県大会の決勝みたいだな…。」
そして試合直前、齊藤監督は檄をとばしました。
「先に点をやるな。点をとられたら苦しいぞ。粘り強く、きょうも走ろう!」
試合はお互い守って勝ちあがっただけに、前半0−0で折り返します。
齊藤監督は、今までのハーフタイムとは違った口調(諭すようなというか、語りかけるようなというか)で選手に言いました。
「みんな、本当にがんばっているか?3試合目で体力がきついのは当たり前。でも楽をしようとしていないか?今までの2試合のように、もっと必死に、ひたむきに声をかけてプレーしようよ。」
多分、先の2試合と同じように選手はプレーしていたのでは?と私は思っています。寧ろ緊張感を持たせる為の言葉だったようにお見受けしました。
後半も両者がっぷり四つに組んで、なかなか得点が入りません。
しかし31分、またもこの時間に福島東がやりました。ボランチの新関拓也(にいぜき・たくや)選手からのフィードボールに萬代選手が反応、GKとの競り合いに勝ってヘディングシュート、それがゴール右隅へ!!
今でもビデオを見返すのですが、あの雪の舞う中での萬代選手の両手を広げたガッツポーズは画になりますねぇ。美しいシーンですよ、手元にある方は是非御覧あれ。
これが決勝点となり、福島東は19年ぶり2度目のベスト8進出(しかも選手権3連勝は県勢史上初!!)を果たし、萬代選手は「後半31分の男」とスタッフの間で呼ばれるようになったのです。
因みにこれは余談↓
新聞は各社、萬代選手のゴールシーンを大きく載せているのですが、カメラマンがシャッターを切る瞬間がほんの少しずつずれていて、それぞれを並べると連続写真として楽しめます♪
確か、河北新報〜日刊スポーツ〜福島民友新聞〜福島民報〜読売〜福島民友新聞だったと思います。(つづく)
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