アナウンスルーム

アナウンサーブログ

徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
惜別・ムネカタ女子ハンドボールチーム
 日記を更新するのは、超久しぶりです。前回の日記は9月で終わっていますから、およそ半年振りです。これでは日記じゃありませんね。申し訳ございません。確か7か月前の日記は自動的に削除されてしまう筈ですから、何とか前回の日記が残っている内に更新でき、ほっとしています。

 春は別れの季節、旅立ちの季節でもあります。
 福島県では34年の伝統を持つ女子ハンドボールチーム「ムネカタ」が、3月3日の日本リーグの最終戦をもって解散しました。私はチームを取材し、ムネカタの足跡と最終戦の模様をきのう放送しました。今回はそのこぼれ話を書こうかと思います。
 創部当初からの監督、田口侑義さんは今から34年前ムネカタの女子チームを作る際に招聘された方です。
 「本当は最初の5年くらい面倒を見るつもりが、いつの間にか今までになりましてね。」
 ムネカタ1年目はチームとして成り立つぎりぎりの7人でスタートしました。まだ日本ハンドボールリーグの無い当時の目標は、「東北予選に勝って国体に出場する事」でした。その頃の田口監督の苦労は、選手に勝つ自信をつけさせる事だったと言います。
 「最初は、みんな『勝てない。』って言うんですよ。今まで東北で勝った事が無いから。でも『きちんとした練習を積んでいけば勝てるんだ。』って説得して、それはそれは厳しい練習をしましたよ。」
 当時は盆も正月も無い練習漬けに、選手の親御さんが驚かれたそうですが、目標よりも早く東北チャンピオンになり、19回連続で国体に出場するなど輝かしい歴史を築いてきました。

 3月3日、栃木県での最終戦当日。
 今でも私の目に焼き付いているのは、試合開始1時間前に選手がウォーミングアップを始める中、一人コートを歩き回る田口監督の姿でした。取材やお世話になった方の挨拶に応対する合間、田口監督は自らの足でハンドボールのコートの感触を味わうように歩いていらっしゃいました。その姿からはムネカタやハンドボールへの愛着が伝わってきました。
 試合は前半に14点のリードを許す、まずい展開。ハーフタイムを取材しようとベンチ脇に進むと、田口監督は私を見つけるなり、
「みんな『最後の試合』っていうのを意識しちゃって、2割の力しか出せてないよ。まぁ意識するなって言っても難しいでしょうけどね。」
と苦笑されていました。
 後半は力が出せたのかもしれません。後半だけを見ると、スコアは11対12でほぼ互角でした。
 そして試合後、ムネカタの選手たちが体育館の中央に整列した時の事です。アナウンスが流れました。
 「ムネカタの皆様には、栃木県の高校女子チームが強化合宿などで大変お世話になりました。厚く御礼を申し上げます。」
 ムネカタは、福島県内は勿論、お隣栃木県のジュニアの育成にも一役買っていたのです。栃木のファンからも温かい拍手が送られ、福島県民としては誇らしくも嬉しいシーンでした。
 試合後、田口監督は「まだチームが終わったって気持ちになれないねぇ。あしたも練習があるような気持ちなんですねぇ。」とおっしゃっていました。監督の人生の半分以上をムネカタで過ごされていたのですから、それも頷けます。
 一方、選手の今後ですが、3日に聞いた時点では様々です。移籍して続ける道を模索する人、ほかのスポーツをやってみようと思う人、大会を目指す為のハンドボールからは退く人、地域のクラブに入って続けていく人…。そんな選手たちに「今何がしたいですか?」と尋ねたら、こんな答が返って来ました。
 「ゆっくりしたい。」「寝たい。」「食事がしたい。」などなど…。
 そして、こんな答も。
 「(部員の)みんなと遊びたい。」
 ハンドボールを通じて過ごす時間はあっても、ハンドボール以外の事で一緒に過ごす時間がとれなかったんですね。
 ムネカタ女子ハンドボールチームの皆さん、本当にお疲れ様でした。もうカメラがお邪魔するのはここまで、それぞれの道を歩む前に素敵な時間をお過ごし下さい。

追記 ムネカタは日本リーグの9チームの中で最も警告等が少ないフェアプレー賞に輝きました。ムネカタとしては初の受賞で、有終の美を飾りました。
全文を読む
コメントを投稿してよろしいですか?
利用規約

中テレ会員サービス(以下「本サービス」)は、株式会社福島中央テレビ(以下「当社」)が提供する、ホームページ、各種ネットサービスを対象とします。
ユーザーは本規約の内容をよくご確認頂いた上で、本サービスをご利用ください。
当社は、ユーザーが本サービスをご利用されることにより本規約の内容を承諾したものとみなし、以後ユーザーと当社との間にて本規約が適用されるものとします。

1.    本サービスのご利用にあたって
本サービスへの登録は無料で行えますが、ユーザーの端末機からのアクセス、メッセージなどの受信に必要な通信費はユーザー自身の負担となる他、一部コンテンツは有料でご利用いただくものになります。ユーザーが本サービスの利用に際して行った一切の行為、その結果および当該行為によって被った損害について、当社は何等の責任も負わないものとします。

2.    個人情報の取り扱いについて
ユーザー情報は、当社からのサービス提供または利用者のサービス向上を図るための資料(個人が特定されない統計資料)等、当社の正当な業務遂行上必要な範囲に限定して利用し、その範囲を超えた個人情報の取扱い(目的外利用)を行いません。ユーザー情報自体の取り扱いについては、別途当社が定める「個人情報保護基本方針」に従い、適切に扱います。

3.アカウントの管理について
ユーザーは、本サービスのログインパスワード等の会員アカウント情報について、自己の責任において管理及び保管するものとし、第三者に開示あるいは貸与、譲渡、売買等をしてはならないものとします。アカウントの管理不十分または第三者の使用等によりユーザーに損害が生じた場合、その責任は故意・過失の有無にかかわらずユーザーが負うものとし、当社は一切その責任を負いません。

4.登録の変更・退会について
ユーザーは、登録情報に変更が生じた場合や、退会を希望する場合、当社が指定する所定の方法によって登録情報を変更または退会の手続きを行うことができます。

5.未成年による利用について
未成年者のユーザーは、本サービスの利用の一切につき、親権者等の法定代理人の同意のもと利用しなければなりません。未成年者のユーザーが、法定代理人の同意がないにもかかわらず同意があると偽り、または年齢について成年と偽って本サービスを使用した場合、その他行為能力者であることを信じさせるための詐術を用いた場合、本サービスに関する一切の法律行為を取り消すことはできません。本規約の同意時に未成年であったユーザーが成年に達した後に本サービスを利用した場合、当社は、当該ユーザーが本サービスに関する一切の法律行為を追認したものとみなします。

6.知的財産権について
本サービスに関する一切の特許権、実用新案権、意匠権、著作権、商標権等の知的財産権(それらの権利を取得し、またはそれらの権利につき登録等を出願する権利を含みます。以下「知的財産権」)は全て当社または当該権利を有する第三者に帰属します。ユーザーは、本サービスを利用するにあたって、一切の権利を取得することはないものとし、当社は、ユーザーに対し、本サービスに関する知的財産権について、本サービスを本規約に従ってユーザーの端末機においてのみ使用できる譲渡不能の権利として許諾するものです。したがって、ユーザーは個人で楽しむ目的(著作権法第30条第1項の範囲での私的使用)でのみ本サービスを利用できます。また、ユーザーは本サービスについて当社から提供された状態でのみ利用するものとし、本サービスに関する情報の全部または一部を、当社の了解を得ずに、複製、改変、貸与、配布等により転用してはなりません。

7.ユーザーによる情報の提供やアップロードについて
ユーザーは、本サービスの利用にあたってアップロードする文章、画像、動画、音声、音楽その他の情報(以下総称して「ユーザーコンテンツ」)について、その行為における適法な権利を有していること、及びユーザーコンテンツが第三者の知的財産権、所有権その他の権利を侵害していないことについて、当社に対し表明し、保証するものとします。ユーザーコンテンツに関する著作権は、当該投稿等を行ったユーザー自身に留保されるものとし、事前に著作権譲渡について当社がユーザーから許諾または同意を得たものを除き、当社は当該ユーザーコンテンツに関する著作権を取得することはありません。ただし、当社は、本サービスの提供、維持、改善またはプロモーション等に必要な範囲において、ユーザーコンテンツを複製、翻案、自動公衆送信などを、無償、無期限かつ地域非限定で行うことができるものとします。ユーザーは、当社及び当社から権利を承継または許諾された物に対し、著作者人格権を行使しないものとします。

8.禁止行為について
ユーザーは、本規約の他の条項に定めるものの他、本サービスの利用にあたって、以下の行為またはそのおそれのある行為を行ってはならないものとします。
(1)他のユーザー、当社または第三者に不利益または損害を与える行為
(2)公序良俗に反する行為
(3)法令に違反する行為
(4)当社の書面による事前の承認を得ずに、本サービスに関連して営利を追求する行為
(5)当社による本サービスの運営を妨害する行為
(6)本サービスの信用を失墜、毀損させる行為
(7)当社の承認した以外の方法で本サービスを利用する行為
(8)本サービスを譲渡、貸与、公衆送信、使用許諾する行為
(9)本サービスを複製、翻案、編集、改変する行為
(10)コンピュータウイルス等を本サービスで利用し使用をしたり、第三者に提供したりする行為、あるいはそのおそれのある行為
(11)その他、当社が不適切と判断する行為 

9.免責事項について
当社は、本サービスに関する情報およびデータの正常性、信頼性、正確性を保証するものではありません。本サービスにかかる情報によりユーザーまたは第三者に損害が生じた場合であっても、その損害についていかなる責任も負いません。また、当社は、本サービスの利用に起因するソフトウェア、ハードウェア上の事故、ユーザー間またはユーザーと第三者の間において生じたトラブル、その他の事故等による全ての損害についても、いかなる責任も負いません。

10.損害賠償について
本規約に違反して権利侵害等の問題が発生した場合、ユーザーは、自己の負担と責任においてかかる問題を解決するとともに、当社に何等の迷惑または損害を与えないものとし、仮に当社に損害を与えたときは、当社に対して当該損害の全てを賠償していただきます。

11.当社による本サービスの提供中止について
当社は、ユーザーが本規約に違反した場合、当該ユーザーに対してあらかじめ通知することなく、本サービスの全部または一部の内容の提供を中止することができるものとします。当該中止についてユーザーに損害が生じた場合であっても、当社はいかなる責任も負いません。

12.本サービスの変更・一時中断・廃止について
当社は、本サービスの内容を必要に応じて変更することがあります。また、メンテナンスや内容更新のため本サービスの提供を一時中断、あるいは本サービスの廃止を行う場合があります。当該変更または一時中断、廃止によってユーザーまたは第三者に損害が生じた場合であっても、当社はいかなる責任も負いません。

13.本規約の改訂
当社は、随時本規約を改訂できるものとします。当社は本規約を改訂した場合、その都度、改定後の本規約を掲示することによってユーザーに告知するものとし、改定後の本規約は当該掲示の時点で効力を生じるものとします。

14.準拠法、協議、管轄
本規約の解釈および運用は日本法に準拠します。 本サービスに関連してユーザー、当社ないし第三者との間で疑義、問題が生じた場合、その都度誠意をもって協議し、解決を図るものとします。 協議によっても疑義、問題が解決しない場合、これらに関する紛争は当社の本社所在地を管轄する地方裁判所または簡易裁判所を第1審の専属的合意管轄裁判所とします。
 
附則
本規約は2022年9月30日から実施します。