2023.12.07
高校野球振り返り③~取材メモで振り返る甲子園~
冬になりましたが真夏の高校野球の振り返りをしています。
①と②とかなり長めのブログを書きました。いよいよ最終話です!
今日は③甲子園の話です。
まずは、甲子園の事前練習の話です。
野球部は、7月25日に甲子園出場が決まると8月頭には甲子園へ向かいました。
高野連から「この時間ここで練習できますよ」と関西圏の球場での練習を割り当てられます。
私は、初戦の前日8月5日に関西入りし、前日練習の取材へ行きました。
今年の夏、県内出身の幼馴染がスタメンを勝ち取りました。
須賀川出身の3番ファースト樽川くんと8番レフト緑川くん。
中学から同じシニアでプレーしてきました。
緑川くんが樽川くんを誘って聖光学院へ。
入学当初から、ケガに苦しんだ2人でしたが
「一緒に野球やろう」と約束し、互いに励ましあって
最後の夏、初めて2人そろって1桁背番号を掴み取りました。
①と②とかなり長めのブログを書きました。いよいよ最終話です!
今日は③甲子園の話です。
まずは、甲子園の事前練習の話です。
野球部は、7月25日に甲子園出場が決まると8月頭には甲子園へ向かいました。
高野連から「この時間ここで練習できますよ」と関西圏の球場での練習を割り当てられます。
私は、初戦の前日8月5日に関西入りし、前日練習の取材へ行きました。
今年の夏、県内出身の幼馴染がスタメンを勝ち取りました。
須賀川出身の3番ファースト樽川くんと8番レフト緑川くん。
中学から同じシニアでプレーしてきました。
緑川くんが樽川くんを誘って聖光学院へ。
入学当初から、ケガに苦しんだ2人でしたが
「一緒に野球やろう」と約束し、互いに励ましあって
最後の夏、初めて2人そろって1桁背番号を掴み取りました。
樽川くんに取材した際のメモ”2人で1ケタ甲子園” |
2人が頑張れた理由は、お互いの励ましと約束だったんだと思います。
引退したらここに行きたい!という話もしてくれました。
今は高校生活楽しんでいるかな?
取材ノートを見返しながら懐かしくなっています。
続いて、監督の話。
練習後マスコミからの囲み取材が終わった斎藤監督がベンチに座って一息ついていました。
「監督、カフェオレ好きなんですか?」
勇気を振り絞って聞いてみました。
この時、斎藤監督の手には、”カフェオレ”。
実は、県大会の試合後、いつも斎藤監督が手に持っているのは、カフェオレでした。
引退したらここに行きたい!という話もしてくれました。
今は高校生活楽しんでいるかな?
取材ノートを見返しながら懐かしくなっています。
続いて、監督の話。
練習後マスコミからの囲み取材が終わった斎藤監督がベンチに座って一息ついていました。
「監督、カフェオレ好きなんですか?」
勇気を振り絞って聞いてみました。
この時、斎藤監督の手には、”カフェオレ”。
実は、県大会の試合後、いつも斎藤監督が手に持っているのは、カフェオレでした。
県大会の時の取材メモ ”かんとく カフェオレ” |
質問をした際のメモが、こちら。
”カフェオレが好き コーヒーも飲むけど 昔からすき” |
なぜかここだけ赤字で書かれていました。笑
県大会からずっと気になっていたので私にとっては重要な情報だったのかな。
練習を取材できるのは2時間程度。
短い時間の中でも様々なことがありましたが、特に忘れられない”景色”があります。
聖光学院の双子。
1年生秋から4番を務める兄・三好元気くん、
そして、メンバーからは外れてしまいましたが練習に帯同しメンバーを支えていた弟・力(りき)くん。
そっくりな2人ですが元気くんの方はキリっと、力くんの方はほんわかしています。
練習の最後の最後で、グラウンドの端で2人がバッティング練習を始めました。
気が付き、すかさずそっとカメラを回します。
力くんがトスを上げて、元気くんがバッティングをしていました。
陽も落ち始めた頃。
土のグラウンドで元気くんがバットを振ると砂ぼこりが舞い、
力くんが「ナイスバッティング」と声をかける。
2人にとっては日常かもしれませんが
この先も続いてほしいと思う、ずっと見ていたい景色でした。
ここでちょっと
母校であり今回の準優勝校でもある仙台育英のお話です。
聖光学院と入れ替わりで練習が割り当てられていた仙台育英。
聖光の取材をしていると多くの報道陣とともに見慣れたグレーのユニフォームが見えました。
すると。
「あれ!アナウンサーになった卒業生の子だよね?」
その声の持ち主は、仙台育英監督の須江航監督です。
私が仙台育英に在学中、須江監督は仙台育英の弟分・秀光中学校の野球部監督でした。
その時から存在は知っていましたが、お話するのは初めてでしたので、声をかけてもらいびっくりでした。
仙台育英の野球部には秀光出身の生徒も多く、
また、当時応援に行く中で野球部の保護者とも仲良くなっていたので
「チア部だった子が福島でアナウンサーをしている」と、世間話で聞いていたそうです。
いつかゆっくりお話が聞ける日が来たら嬉しいですね。
また、現在コーチを務めるのは、私の一つ上の仙台育英の先輩です。
久しぶりの再会についテンションが高まりました(笑)
そしていろんなことがあった練習取材を終え翌日、
ついに「8年ぶり4度目の甲子園」へ。
アルプスから広がる景色や独特の熱気は8年前と全く同じでした。
戻ってこられて嬉しい。うれしい。ただその一心でした。
8年前、チア部として応援に来た時、
甲子園で取材するアナウンサーを見て「絶対私もここで取材したい!」と直感で思いました。
立場が高校のチア部からアナウンサーへ代わったことは、最後まで信じられなかったです。
甲子園では、2試合取材しました。
その中で忘れられないプレーが2つあります。
1回戦の1番ショート髙中くん。
6回オモテ、セカンド寄りのゴロを1回転してファーストへ。捕球からステップ、送球まで完璧でした。
何度も何度も見返しました。
高校生離れしたスーパープレーのあとは、いつも髙中くんは高校生らしい笑顔でした。
2回戦は6番ライト松尾くん。
ライトフライのスーパープレー。1度だけではありません、3回ウラと7回ウラに2度。
特に7回は3失点し、なおも2アウトランナー2塁の場面でした。
聖光アルプスは1塁だったので目の前で起こったプレー。
脳裏に焼き付いています。
あのスライディングキャッチは気持ちが前面に出たプレーだったと記憶しています。
県大会からずっと気になっていたので私にとっては重要な情報だったのかな。
練習を取材できるのは2時間程度。
短い時間の中でも様々なことがありましたが、特に忘れられない”景色”があります。
聖光学院の双子。
1年生秋から4番を務める兄・三好元気くん、
そして、メンバーからは外れてしまいましたが練習に帯同しメンバーを支えていた弟・力(りき)くん。
そっくりな2人ですが元気くんの方はキリっと、力くんの方はほんわかしています。
練習の最後の最後で、グラウンドの端で2人がバッティング練習を始めました。
気が付き、すかさずそっとカメラを回します。
力くんがトスを上げて、元気くんがバッティングをしていました。
陽も落ち始めた頃。
土のグラウンドで元気くんがバットを振ると砂ぼこりが舞い、
力くんが「ナイスバッティング」と声をかける。
2人にとっては日常かもしれませんが
この先も続いてほしいと思う、ずっと見ていたい景色でした。
ここでちょっと
母校であり今回の準優勝校でもある仙台育英のお話です。
聖光学院と入れ替わりで練習が割り当てられていた仙台育英。
聖光の取材をしていると多くの報道陣とともに見慣れたグレーのユニフォームが見えました。
すると。
「あれ!アナウンサーになった卒業生の子だよね?」
その声の持ち主は、仙台育英監督の須江航監督です。
私が仙台育英に在学中、須江監督は仙台育英の弟分・秀光中学校の野球部監督でした。
その時から存在は知っていましたが、お話するのは初めてでしたので、声をかけてもらいびっくりでした。
仙台育英の野球部には秀光出身の生徒も多く、
また、当時応援に行く中で野球部の保護者とも仲良くなっていたので
「チア部だった子が福島でアナウンサーをしている」と、世間話で聞いていたそうです。
いつかゆっくりお話が聞ける日が来たら嬉しいですね。
また、現在コーチを務めるのは、私の一つ上の仙台育英の先輩です。
久しぶりの再会についテンションが高まりました(笑)
そしていろんなことがあった練習取材を終え翌日、
ついに「8年ぶり4度目の甲子園」へ。
アルプスから広がる景色や独特の熱気は8年前と全く同じでした。
戻ってこられて嬉しい。うれしい。ただその一心でした。
8年前、チア部として応援に来た時、
甲子園で取材するアナウンサーを見て「絶対私もここで取材したい!」と直感で思いました。
立場が高校のチア部からアナウンサーへ代わったことは、最後まで信じられなかったです。
甲子園では、2試合取材しました。
その中で忘れられないプレーが2つあります。
1回戦の1番ショート髙中くん。
6回オモテ、セカンド寄りのゴロを1回転してファーストへ。捕球からステップ、送球まで完璧でした。
何度も何度も見返しました。
高校生離れしたスーパープレーのあとは、いつも髙中くんは高校生らしい笑顔でした。
2回戦は6番ライト松尾くん。
ライトフライのスーパープレー。1度だけではありません、3回ウラと7回ウラに2度。
特に7回は3失点し、なおも2アウトランナー2塁の場面でした。
聖光アルプスは1塁だったので目の前で起こったプレー。
脳裏に焼き付いています。
あのスライディングキャッチは気持ちが前面に出たプレーだったと記憶しています。
スコアで9の上にカッコの様な記号を付けているのが”ライトフライ”。 |
放送で使いたいなと思ったプレーには印をつけたりコメントをつけたりしています。松尾くんのプレーにぐるぐる印をつけています。
心揺さぶられたプレー。きっとこの先も忘れないと思います。
また、応援席のアルプススタンドで忘れられないこともありました。
2回戦仙台育英戦。聖光学院1対7仙台育英、6点ビハインドでむかえた8回オモテ聖光の攻撃。
全員が同じ方向を見て応援する聖光学院。
一つの応援歌がエンドレスで甲子園に響いていました。
きっとこの状況での応援は「男の勲章」一択だったんでしょう。
♪「泣きたくなるよな辛い 時もあるけど
だけど俺達 がんばってきた
1人でやるんじゃなくて みんなでやろう
だから信じて 勝利のために」
”束になる”をテーマに掲げてきた聖光学院。
男の勲章の歌詞は、
聖光学院の野球そのものをあらわしているように感じ
この夏みた景色が一気に蘇ってきました。
しかし、サイレンとともに応援が途絶えます。
ゲームセット。仙台育英8対2聖光学院。
母校・仙台育英の校歌が流れます。
♪「南冥遥か 天翔る~」
何度も歌ってきて歌詞も覚えていますが口ずさむことはできませんでした。
初めて母校の校歌を聞き、胸が締め付けられる思いになりました。
1塁アルプスにいる私の目の前には、泣き崩れる聖光学院ナイン。
彼ら越しに見えるのは、歓喜にあふれる見慣れた青と黄色のアルプススタンドです。
どっちも好きだし、どっちも勝ってほしい。
ただ、どちらかが勝って、どちらかは負ける。
完全に私の感情は迷子になっていましたね。
放心状態でした。
試合後、斎藤監督、横山部長の計らいで
宿舎でのラストミーティングに立ち会うことができました。
主将・髙中くんが振り絞るのは枯れてしまいハスキーな声。
文章にならない、今伝えたい言葉を振り絞って伝えていました。
今思い出しても目頭が熱くなります。
この貴重な時間に立ち会えたこと、これからも忘れません。
県大会前の取材から始め、この夏みた景色、抱いた感情はどの瞬間も忘れられません。
多くの夢が叶った夏でした。
一言で表すなら間違いなく
「幸せ!」
です。
入社して間もない、スポーツ取材もろくにしたことのない私に
高校野球取材を任せてくださった会社に改めて感謝です。
また、取材に協力してくださったすべての学校、選手、監督、保護者、関係者の皆様、
本当にありがとうございました。
アナウンサーとは思えないつたない文章だったかもしれません。
最後までご覧くださり本当にありがとうございます!
今年中に番外編出します♪では。
心揺さぶられたプレー。きっとこの先も忘れないと思います。
また、応援席のアルプススタンドで忘れられないこともありました。
2回戦仙台育英戦。聖光学院1対7仙台育英、6点ビハインドでむかえた8回オモテ聖光の攻撃。
全員が同じ方向を見て応援する聖光学院。
一つの応援歌がエンドレスで甲子園に響いていました。
きっとこの状況での応援は「男の勲章」一択だったんでしょう。
♪「泣きたくなるよな辛い 時もあるけど
だけど俺達 がんばってきた
1人でやるんじゃなくて みんなでやろう
だから信じて 勝利のために」
”束になる”をテーマに掲げてきた聖光学院。
男の勲章の歌詞は、
聖光学院の野球そのものをあらわしているように感じ
この夏みた景色が一気に蘇ってきました。
しかし、サイレンとともに応援が途絶えます。
ゲームセット。仙台育英8対2聖光学院。
母校・仙台育英の校歌が流れます。
♪「南冥遥か 天翔る~」
何度も歌ってきて歌詞も覚えていますが口ずさむことはできませんでした。
初めて母校の校歌を聞き、胸が締め付けられる思いになりました。
1塁アルプスにいる私の目の前には、泣き崩れる聖光学院ナイン。
彼ら越しに見えるのは、歓喜にあふれる見慣れた青と黄色のアルプススタンドです。
どっちも好きだし、どっちも勝ってほしい。
ただ、どちらかが勝って、どちらかは負ける。
完全に私の感情は迷子になっていましたね。
放心状態でした。
試合後、斎藤監督、横山部長の計らいで
宿舎でのラストミーティングに立ち会うことができました。
主将・髙中くんが振り絞るのは枯れてしまいハスキーな声。
文章にならない、今伝えたい言葉を振り絞って伝えていました。
今思い出しても目頭が熱くなります。
この貴重な時間に立ち会えたこと、これからも忘れません。
県大会前の取材から始め、この夏みた景色、抱いた感情はどの瞬間も忘れられません。
多くの夢が叶った夏でした。
一言で表すなら間違いなく
「幸せ!」
です。
入社して間もない、スポーツ取材もろくにしたことのない私に
高校野球取材を任せてくださった会社に改めて感謝です。
また、取材に協力してくださったすべての学校、選手、監督、保護者、関係者の皆様、
本当にありがとうございました。
アナウンサーとは思えないつたない文章だったかもしれません。
最後までご覧くださり本当にありがとうございます!
今年中に番外編出します♪では。
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