アナウンスルーム

アナウンサーブログ

今野 花織
今野 花織Kaori Konno
高校野球振り返り③~取材メモで振り返る甲子園~
冬になりましたが真夏の高校野球の振り返りをしています。
①と②とかなり長めのブログを書きました。いよいよ最終話です!

今日は③甲子園の話です。
まずは、甲子園の事前練習の話です。
野球部は、7月25日に甲子園出場が決まると8月頭には甲子園へ向かいました。
高野連から「この時間ここで練習できますよ」と関西圏の球場での練習を割り当てられます。
私は、初戦の前日8月5日に関西入りし、前日練習の取材へ行きました。

今年の夏、県内出身の幼馴染がスタメンを勝ち取りました。
須賀川出身の3番ファースト樽川くんと8番レフト緑川くん。
中学から同じシニアでプレーしてきました。

緑川くんが樽川くんを誘って聖光学院へ。
入学当初から、ケガに苦しんだ2人でしたが
「一緒に野球やろう」と約束し、互いに励ましあって
最後の夏、初めて2人そろって1桁背番号を掴み取りました。
樽川くんに取材した際のメモ”2人で1ケタ甲子園”
樽川くんに取材した際のメモ”2人で1ケタ甲子園”
2人が頑張れた理由は、お互いの励ましと約束だったんだと思います。

引退したらここに行きたい!という話もしてくれました。
今は高校生活楽しんでいるかな?
取材ノートを見返しながら懐かしくなっています。

続いて、監督の話。

練習後マスコミからの囲み取材が終わった斎藤監督がベンチに座って一息ついていました。

「監督、カフェオレ好きなんですか?」

勇気を振り絞って聞いてみました。
この時、斎藤監督の手には、”カフェオレ”。

実は、県大会の試合後、いつも斎藤監督が手に持っているのは、カフェオレでした。
県大会の時の取材メモ ”かんとく カフェオレ”
県大会の時の取材メモ ”かんとく カフェオレ”


質問をした際のメモが、こちら。
”カフェオレが好き コーヒーも飲むけど 昔からすき”
”カフェオレが好き コーヒーも飲むけど 昔からすき”
なぜかここだけ赤字で書かれていました。笑
県大会からずっと気になっていたので私にとっては重要な情報だったのかな。

練習を取材できるのは2時間程度。
短い時間の中でも様々なことがありましたが、特に忘れられない”景色”があります。

聖光学院の双子。
1年生秋から4番を務める兄・三好元気くん、
そして、メンバーからは外れてしまいましたが練習に帯同しメンバーを支えていた弟・力(りき)くん。

そっくりな2人ですが元気くんの方はキリっと、力くんの方はほんわかしています。

練習の最後の最後で、グラウンドの端で2人がバッティング練習を始めました。
気が付き、すかさずそっとカメラを回します。

力くんがトスを上げて、元気くんがバッティングをしていました。

陽も落ち始めた頃。

土のグラウンドで元気くんがバットを振ると砂ぼこりが舞い、
力くんが「ナイスバッティング」と声をかける。

2人にとっては日常かもしれませんが
この先も続いてほしいと思う、ずっと見ていたい景色でした。

ここでちょっと
母校であり今回の準優勝校でもある仙台育英のお話です。
聖光学院と入れ替わりで練習が割り当てられていた仙台育英。

聖光の取材をしていると多くの報道陣とともに見慣れたグレーのユニフォームが見えました。

すると。

「あれ!アナウンサーになった卒業生の子だよね?」

その声の持ち主は、仙台育英監督の須江航監督です。

私が仙台育英に在学中、須江監督は仙台育英の弟分・秀光中学校の野球部監督でした。
その時から存在は知っていましたが、お話するのは初めてでしたので、声をかけてもらいびっくりでした。

仙台育英の野球部には秀光出身の生徒も多く、
また、当時応援に行く中で野球部の保護者とも仲良くなっていたので
「チア部だった子が福島でアナウンサーをしている」と、世間話で聞いていたそうです。

いつかゆっくりお話が聞ける日が来たら嬉しいですね。

また、現在コーチを務めるのは、私の一つ上の仙台育英の先輩です。
久しぶりの再会についテンションが高まりました(笑)

そしていろんなことがあった練習取材を終え翌日、
ついに「8年ぶり4度目の甲子園」へ。

アルプスから広がる景色や独特の熱気は8年前と全く同じでした。
戻ってこられて嬉しい。うれしい。ただその一心でした。

8年前、チア部として応援に来た時、
甲子園で取材するアナウンサーを見て「絶対私もここで取材したい!」と直感で思いました。

立場が高校のチア部からアナウンサーへ代わったことは、最後まで信じられなかったです。

甲子園では、2試合取材しました。
その中で忘れられないプレーが2つあります。

1回戦の1番ショート髙中くん。
6回オモテ、セカンド寄りのゴロを1回転してファーストへ。捕球からステップ、送球まで完璧でした。
何度も何度も見返しました。
高校生離れしたスーパープレーのあとは、いつも髙中くんは高校生らしい笑顔でした。

2回戦は6番ライト松尾くん。
ライトフライのスーパープレー。1度だけではありません、3回ウラと7回ウラに2度。
特に7回は3失点し、なおも2アウトランナー2塁の場面でした。
聖光アルプスは1塁だったので目の前で起こったプレー。
脳裏に焼き付いています。
あのスライディングキャッチは気持ちが前面に出たプレーだったと記憶しています。
スコアで9の上にカッコの様な記号を付けているのが”ライトフライ”。
スコアで9の上にカッコの様な記号を付けているのが”ライトフライ”。
放送で使いたいなと思ったプレーには印をつけたりコメントをつけたりしています。松尾くんのプレーにぐるぐる印をつけています。

心揺さぶられたプレー。きっとこの先も忘れないと思います。

また、応援席のアルプススタンドで忘れられないこともありました。
2回戦仙台育英戦。聖光学院1対7仙台育英、6点ビハインドでむかえた8回オモテ聖光の攻撃。

全員が同じ方向を見て応援する聖光学院。
一つの応援歌がエンドレスで甲子園に響いていました。
きっとこの状況での応援は「男の勲章」一択だったんでしょう。

♪「泣きたくなるよな辛い 時もあるけど

だけど俺達 がんばってきた

1人でやるんじゃなくて みんなでやろう

だから信じて 勝利のために」

”束になる”をテーマに掲げてきた聖光学院。
男の勲章の歌詞は、
聖光学院の野球そのものをあらわしているように感じ
この夏みた景色が一気に蘇ってきました。

しかし、サイレンとともに応援が途絶えます。

ゲームセット。仙台育英8対2聖光学院。

母校・仙台育英の校歌が流れます。

♪「南冥遥か 天翔る~」

何度も歌ってきて歌詞も覚えていますが口ずさむことはできませんでした。
初めて母校の校歌を聞き、胸が締め付けられる思いになりました。

1塁アルプスにいる私の目の前には、泣き崩れる聖光学院ナイン。
彼ら越しに見えるのは、歓喜にあふれる見慣れた青と黄色のアルプススタンドです。

どっちも好きだし、どっちも勝ってほしい。
ただ、どちらかが勝って、どちらかは負ける。

完全に私の感情は迷子になっていましたね。
放心状態でした。

試合後、斎藤監督、横山部長の計らいで
宿舎でのラストミーティングに立ち会うことができました。

主将・髙中くんが振り絞るのは枯れてしまいハスキーな声。
文章にならない、今伝えたい言葉を振り絞って伝えていました。
今思い出しても目頭が熱くなります。

この貴重な時間に立ち会えたこと、これからも忘れません。

県大会前の取材から始め、この夏みた景色、抱いた感情はどの瞬間も忘れられません。
多くの夢が叶った夏でした。
一言で表すなら間違いなく

「幸せ!」

です。

入社して間もない、スポーツ取材もろくにしたことのない私に
高校野球取材を任せてくださった会社に改めて感謝です。
また、取材に協力してくださったすべての学校、選手、監督、保護者、関係者の皆様、
本当にありがとうございました。

アナウンサーとは思えないつたない文章だったかもしれません。
最後までご覧くださり本当にありがとうございます!

今年中に番外編出します♪では。
全文を読む
コメントを投稿してよろしいですか?
利用規約

中テレ会員サービス(以下「本サービス」)は、株式会社福島中央テレビ(以下「当社」)が提供する、ホームページ、各種ネットサービスを対象とします。
ユーザーは本規約の内容をよくご確認頂いた上で、本サービスをご利用ください。
当社は、ユーザーが本サービスをご利用されることにより本規約の内容を承諾したものとみなし、以後ユーザーと当社との間にて本規約が適用されるものとします。

1.    本サービスのご利用にあたって
本サービスへの登録は無料で行えますが、ユーザーの端末機からのアクセス、メッセージなどの受信に必要な通信費はユーザー自身の負担となる他、一部コンテンツは有料でご利用いただくものになります。ユーザーが本サービスの利用に際して行った一切の行為、その結果および当該行為によって被った損害について、当社は何等の責任も負わないものとします。

2.    個人情報の取り扱いについて
ユーザー情報は、当社からのサービス提供または利用者のサービス向上を図るための資料(個人が特定されない統計資料)等、当社の正当な業務遂行上必要な範囲に限定して利用し、その範囲を超えた個人情報の取扱い(目的外利用)を行いません。ユーザー情報自体の取り扱いについては、別途当社が定める「個人情報保護基本方針」に従い、適切に扱います。

3.アカウントの管理について
ユーザーは、本サービスのログインパスワード等の会員アカウント情報について、自己の責任において管理及び保管するものとし、第三者に開示あるいは貸与、譲渡、売買等をしてはならないものとします。アカウントの管理不十分または第三者の使用等によりユーザーに損害が生じた場合、その責任は故意・過失の有無にかかわらずユーザーが負うものとし、当社は一切その責任を負いません。

4.登録の変更・退会について
ユーザーは、登録情報に変更が生じた場合や、退会を希望する場合、当社が指定する所定の方法によって登録情報を変更または退会の手続きを行うことができます。

5.未成年による利用について
未成年者のユーザーは、本サービスの利用の一切につき、親権者等の法定代理人の同意のもと利用しなければなりません。未成年者のユーザーが、法定代理人の同意がないにもかかわらず同意があると偽り、または年齢について成年と偽って本サービスを使用した場合、その他行為能力者であることを信じさせるための詐術を用いた場合、本サービスに関する一切の法律行為を取り消すことはできません。本規約の同意時に未成年であったユーザーが成年に達した後に本サービスを利用した場合、当社は、当該ユーザーが本サービスに関する一切の法律行為を追認したものとみなします。

6.知的財産権について
本サービスに関する一切の特許権、実用新案権、意匠権、著作権、商標権等の知的財産権(それらの権利を取得し、またはそれらの権利につき登録等を出願する権利を含みます。以下「知的財産権」)は全て当社または当該権利を有する第三者に帰属します。ユーザーは、本サービスを利用するにあたって、一切の権利を取得することはないものとし、当社は、ユーザーに対し、本サービスに関する知的財産権について、本サービスを本規約に従ってユーザーの端末機においてのみ使用できる譲渡不能の権利として許諾するものです。したがって、ユーザーは個人で楽しむ目的(著作権法第30条第1項の範囲での私的使用)でのみ本サービスを利用できます。また、ユーザーは本サービスについて当社から提供された状態でのみ利用するものとし、本サービスに関する情報の全部または一部を、当社の了解を得ずに、複製、改変、貸与、配布等により転用してはなりません。

7.ユーザーによる情報の提供やアップロードについて
ユーザーは、本サービスの利用にあたってアップロードする文章、画像、動画、音声、音楽その他の情報(以下総称して「ユーザーコンテンツ」)について、その行為における適法な権利を有していること、及びユーザーコンテンツが第三者の知的財産権、所有権その他の権利を侵害していないことについて、当社に対し表明し、保証するものとします。ユーザーコンテンツに関する著作権は、当該投稿等を行ったユーザー自身に留保されるものとし、事前に著作権譲渡について当社がユーザーから許諾または同意を得たものを除き、当社は当該ユーザーコンテンツに関する著作権を取得することはありません。ただし、当社は、本サービスの提供、維持、改善またはプロモーション等に必要な範囲において、ユーザーコンテンツを複製、翻案、自動公衆送信などを、無償、無期限かつ地域非限定で行うことができるものとします。ユーザーは、当社及び当社から権利を承継または許諾された物に対し、著作者人格権を行使しないものとします。

8.禁止行為について
ユーザーは、本規約の他の条項に定めるものの他、本サービスの利用にあたって、以下の行為またはそのおそれのある行為を行ってはならないものとします。
(1)他のユーザー、当社または第三者に不利益または損害を与える行為
(2)公序良俗に反する行為
(3)法令に違反する行為
(4)当社の書面による事前の承認を得ずに、本サービスに関連して営利を追求する行為
(5)当社による本サービスの運営を妨害する行為
(6)本サービスの信用を失墜、毀損させる行為
(7)当社の承認した以外の方法で本サービスを利用する行為
(8)本サービスを譲渡、貸与、公衆送信、使用許諾する行為
(9)本サービスを複製、翻案、編集、改変する行為
(10)コンピュータウイルス等を本サービスで利用し使用をしたり、第三者に提供したりする行為、あるいはそのおそれのある行為
(11)その他、当社が不適切と判断する行為 

9.免責事項について
当社は、本サービスに関する情報およびデータの正常性、信頼性、正確性を保証するものではありません。本サービスにかかる情報によりユーザーまたは第三者に損害が生じた場合であっても、その損害についていかなる責任も負いません。また、当社は、本サービスの利用に起因するソフトウェア、ハードウェア上の事故、ユーザー間またはユーザーと第三者の間において生じたトラブル、その他の事故等による全ての損害についても、いかなる責任も負いません。

10.損害賠償について
本規約に違反して権利侵害等の問題が発生した場合、ユーザーは、自己の負担と責任においてかかる問題を解決するとともに、当社に何等の迷惑または損害を与えないものとし、仮に当社に損害を与えたときは、当社に対して当該損害の全てを賠償していただきます。

11.当社による本サービスの提供中止について
当社は、ユーザーが本規約に違反した場合、当該ユーザーに対してあらかじめ通知することなく、本サービスの全部または一部の内容の提供を中止することができるものとします。当該中止についてユーザーに損害が生じた場合であっても、当社はいかなる責任も負いません。

12.本サービスの変更・一時中断・廃止について
当社は、本サービスの内容を必要に応じて変更することがあります。また、メンテナンスや内容更新のため本サービスの提供を一時中断、あるいは本サービスの廃止を行う場合があります。当該変更または一時中断、廃止によってユーザーまたは第三者に損害が生じた場合であっても、当社はいかなる責任も負いません。

13.本規約の改訂
当社は、随時本規約を改訂できるものとします。当社は本規約を改訂した場合、その都度、改定後の本規約を掲示することによってユーザーに告知するものとし、改定後の本規約は当該掲示の時点で効力を生じるものとします。

14.準拠法、協議、管轄
本規約の解釈および運用は日本法に準拠します。 本サービスに関連してユーザー、当社ないし第三者との間で疑義、問題が生じた場合、その都度誠意をもって協議し、解決を図るものとします。 協議によっても疑義、問題が解決しない場合、これらに関する紛争は当社の本社所在地を管轄する地方裁判所または簡易裁判所を第1審の専属的合意管轄裁判所とします。
 
附則
本規約は2022年9月30日から実施します。