こんにちは！福島中央テレビ東京支社のカズトモです！
今回は東京で開催されている「ジャパンモビリティショー2023」のリポートです。会場で展示された本田技研工業の先進的な乗り物を紹介したいと思います。

ところで、福島県の交通事故による死亡者数って全国ワースト２位ということを知っていましたか？エアバッグや衝突軽減ブレーキなど自動車の安全技術の進化で、全国的には年々交通事故死者数は減少傾向にある中で、福島県での交通事故死者数は増加（2023年１月～９月末調査）していて、特に高齢者の割合が半数を占めているという状況なんです。

福島県の特徴として、病院や買い物をする場所が駅前の中心市街地よりも郊外に多く、電車や路線バスなどの公共交通機関が充実していない地域も多いことから、自家用の車がないと目的地まで思うように移動できないという事情があります。そうしたことから、高齢を理由に運転免許証を返納する人の割合は決して多くはなく、高齢者の事故対策が課題となっています。
 

■高齢者の救世主になる!?最新の自動走行モビリティ

そうした課題を解決できるかもしれない先進技術を、東京で開催されているジャパンモビリティショー2023（一般公開10月28日～11月5日）で見つけました。

こちらはHondaが開発した自動走行マイクロモビリティ「CI-MEV」。
車両の様々な場所に搭載されているカメラで交差点やカーブ、歩行者、他の車両など様々な状況を認識。目的地まで安全に走行できる道をリアルタイムで導き出してくれます。また、乗っている人との会話を理解する「CI（協調人工知能）」の技術も備えていて、まるで熟練のドライバーが運転してくれるように目的地まで安全に自動走行してくれると言います。

歳を取って運転が難しくなったり歩くのがつらくなったりしても、このモビリティがあれば安全に通院や買い物ができるようになるかもしれません。本田技研工業は2030年頃の実用化を見据え、現在は茨城県常総市で実証実験を続け「移動と暮らしの進化」「交通事故ゼロ」を両立する技術を磨いていくそうです。
 

■まるで“歩いている”ような感覚

そして、もうひとつ気になったのが、ハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」というものです。

ハンズフリーというと携帯電話の機能で耳にする言葉ですが、これは両手を使わずに座ったまま体重移動するだけで全方向へ移動できるモビリティです。「次世代型の車いす」と呼ぶメディアもありますが、高齢者や障がいのある人だけでなく、長い距離を歩かなければいけない仕事をする人、例えば大きな商業施設の清掃担当者やガイドさん向けにも活躍するかもしれません。

座面の高さも調整することが可能で、立っている人と同じ目線で周囲の人とのコミュニケーションも取りやすく、走行音は静かで動きもスムーズ。さらに、万一のときの転倒を防ぐ技術も搭載されています。動力となるのはバッテリーで、１回で数時間の走行が可能。交換用のバッテリーがあればすぐに走行を継続できるのもメリットの一つです。

こうした先進技術が実用化される日はすぐそこまで来ています。近い将来、福島の交通事故が減り、日常生活への不安が少なくなる日がやってくるかもしれません。

Chu!PRESS編集部