【神尾佑酒に交われば】開拓者精神で挑戦し続ける！新感覚の日本酒とウイスキーを醸す郡山市の「笹の川酒造」

Chu! PRESS

#笹の川酒造 (1件)

2023.08.02

福島県出身の俳優・神尾佑（ゆう）さんが県内の酒蔵を訪ね、その酒蔵にまつわる物語を紐解いていく番組「神尾佑酒に交われば」。

日本酒王国福島県には、50を超える酒蔵がある。今回訪れたのは、郡山市の「笹の川酒造」。新しいことに挑戦し続ける酒蔵の物語だ。

郡山駅から南へ5kmの地に蔵を構える

日本酒が古来「酒々（ささ）」と呼ばれていたことに由来する「笹の川酒造」。ここには、2つの酒造りの蔵がある。1つは、江戸時代から続く日本酒の「酒蔵」。もう1つが、戦後に始まったウイスキーの「蒸留所」だ。

この蔵の名を付けた酒もある

日本酒を醸しているのは、昭和30年代に建てられた「明和蔵（めいわぐら）」。250年以上前の明和2年に創業した。

前回は画面越し、神尾さんと直接会うのは初めて

仕込み部屋で迎えてくれたのが、常務で杜氏の山口敏子さんだ。2020年の夏、新型コロナの蔓延による日本酒の危機的状況をリモートで聞いていたことがあり、それ以来の再会になる。最近はようやく飲食店向けの出荷が回復してきて、安堵していると話す。

等間隔に並ぶタンク

神尾さんが「巨大モグラ叩きコーナーみたい」と呟くように、床の下にはタンクが並ぶ。冬の間は仕込みに使い、搾りを終えた後には原酒を貯蔵している。床から放たれる独特の光沢は、毎年「柿渋」を塗り重ねているから。酒を腐敗させる「火落ち菌」を抑える効果があるといい、酒蔵では欠かせない。

タンク群の中を歩くのは圧巻！

仕込み部屋の下には、原酒の貯蔵タンクがズラリと並ぶ。原酒の多くはこの後に水を加えて火入れをし、瓶詰めされる。1つのタンクから取れる一升瓶の数は、なんと4000本以上にものぼるという。

液体急速冷凍機

そんな「笹の川酒造」では、次々と新たな試みをしている。2022年6月には、マイナス30度のアルコールで酒を凍らせてから出荷する「瞬香秀凍（しゅんかしゅうとう）」シリーズを発売。この急速冷凍機に入れると、40分以下で720mlの瓶を凍らせることができる。

搾りたての酒を凍らせた

「搾りたてのフレッシュな味を閉じ込めて、飲みたい時にフレッシュな味を飲んでほしい！」そんな思いが詰まった「瞬香秀凍大吟醸生原酒」をいただこう。冷凍庫から冷蔵庫に移し、一晩かけて溶かすと、華やかさを存分に堪能することができる。まさに新感覚だ。

口に含むと…「あーおいしいわ！」

そして、こちらも新たな試みの酒「いち」。ロック推奨、燗ツケ厳禁という「福島一辛口の酒」に仕上げている。ロックでいただいてみると…直球に「日本酒です！」という主張を感じられると神尾さんは話す。福島牛のステーキ肉など、濃厚な料理がよく合う。

おつまみが欲しくなる一杯

こうした新しいことに挑戦する原点は、明治時代。5代目の山口哲蔵氏の存在が大きいという。山口氏は、郡山のまちづくりに貢献した「開成社」の25人のうちの1人。「開成社」は、不毛の地だった郡山に猪苗代湖から水を引くなど郡山発展の礎となった安積開拓をけん引した。「その開拓者精神が脈々と続いていて、新しいことを作り上げていきたいという思いがある」と山口さんは話す。