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2023.07.19

歴史と文化が詰まっている酒蔵 「山廃」をいち早く取り入れた会津若松市の「末廣酒造」【神尾佑 酒に交われば】

歴史と文化が詰まっている酒蔵 「山廃」をいち早く取り入れた会津若松市の「末廣酒造」【神尾佑 酒に交われば】
福島県出身の俳優・神尾佑(ゆう)さんが県内の酒蔵を訪ね、その酒蔵にまつわる物語を紐解いていく番組「神尾佑 酒に交われば」。

日本酒王国福島県には、50を超える酒蔵がある。今回訪れたのは、会津若松市の「末廣酒造」。博物館のような酒蔵の物語だ。
蔵見学が可能、喫茶も併設
蔵見学が可能、喫茶も併設
舞台は、会津藩の御用酒蔵に始まり、以来170年以上続く「末廣酒造 嘉永蔵(かえいぐら)」。明治と大正に建てられた蔵と日本家屋七棟は、国の有形文化財になっている。
立派な杉玉
立派な杉玉
1909年(明治42年)に建てられた主屋は、その時代にはめずらしい木造3階建。堂々たる佇まいだ。レンガ作りの門を抜けて中に入る。
代々の歴史を大切につないでいく
代々の歴史を大切につないでいく
今の主は、七代目・新城 猪之吉(しんじょう いのきち)さん。「ここには歴史が全部詰まっている。会津の文化を守り続けている」と話す。この「嘉永蔵」では昔ながらの酒造りを続ける一方で、隣の会津美里町に約30年前に「博士蔵(はかせぐら)」を設立。長年培った技と最新テクノロジーを組み合わせ、時代に合った酒を醸している。
生産の拠点
生産の拠点
「嘉永蔵」では、1日に6回、無料でガイド付きの蔵見学を行なっている。それに倣って、営業部の一条 幸司さんに案内してもらった。鐘を合図に開始だ。
代表的な酒米「山田錦」
代表的な酒米「山田錦」
まずは、米の比較。酒造りに使う米は120種類くらいあり、酒米は食用の米と比べると全体的に稲穂が長い。通常30%〜40%ほど外側を削り落とすため、米自体も大粒だ。粒が大きければ、雑味の少ない中心部分「心白(しんぱく)」も大きい。
かつて実際に使っていた道具たち
かつて実際に使っていた道具たち
昔の道具の展示室では、末廣酒造が大正時代にいち早く取り入れた「山廃(やまはい)」を学んだ。日本酒のもととなる酒母は、約9割が人工の乳酸菌を使う「速醸酒母」で、残り1割が自然界の乳酸菌を育てる「生酛(きもと)系」。江戸時代に始まった「生酛造り」は、蒸米や麹をすり潰してドロドロした状態にして自然の乳酸を造る方法になる。
力を使う大変な作業
力を使う大変な作業
そして、このすり潰す作業を「山卸(やまおろし)」と呼ぶ。回すように手早く行う、結構な重労働だ。この「山卸」を廃止し、麹の力で乳酸を生み出すことに成功したのが「山廃仕込み」。「生酛や山廃の酒は、自然の乳酸が酒の味わいに影響するため、酸味の強い酒が結構多い」と一条さんは話す。
独特の空気感
独特の空気感
続いて、のれんの先の暗いスペースへ。44年前からの大吟醸酒を貯蔵している「古酒貯蔵庫」だ。販売当時の酒の値段に、年数かける1000円をプラスするという特別な値段で販売している。どうしても味わってみたい人には、比較的リーズナブルな古酒も。
グラスに注いでも美しい琥珀色
グラスに注いでも美しい琥珀色
こちらは、1989年醸造の長期熟成酒「流転 純米大吟醸」。琥珀色が印象的な辛口タイプの酒だ。「紹興酒に近い感じがするが、そこまで甘ったるくなく、スッキリとしている」と神尾さんは話す。
「こんな空間があるとは、下から想像もできない」
「こんな空間があるとは、下から想像もできない」
そして、七代目・猪之吉さんと共の主屋の2階へ。かつて蒸米を冷ましていた蔵は、定期的にコンサートなどが開かれるイベントホールに化した。木と土蔵と床の木も”反響”には大事だということで、試しに「パン!パン!」と拍手してみると反響音がすごい。演劇にも良さそうだ。
オルゴールの音は格調高いという
オルゴールの音は格調高いという
奥には、六代目が40年ほど前まで住んでいたという和室が。その隣には、明治時代のイギリス製のオルゴールや1965年(昭和40年)のステレオを置く音楽室がある。まだ現役で動くという。
見どころが、あちらこちらに
見どころが、あちらこちらに
こちらは、18畳と17畳の二間続きの大広間だ。まさに、新城家の歴史と文化が詰まった場所。昔は漆器屋と秤屋と酒屋を営む「新城猪之吉商店」で、漆器は明治時代の万博で高い評価を得たという。1953年(昭和28年)に漆器屋と秤屋を辞め、酒屋一本に。「末廣酒造」になった。
ベルギーとアメリカの万博で受賞した
ベルギーとアメリカの万博で受賞した
大広間には、最後の会津藩主である松平 容保公の直筆の書も飾られている。「せいじが 清く 正しく 美しく」と書かれている。
左側には名前も記されている
左側には名前も記されている
さらに、親戚には細菌学者の野口 英世博士が。一時帰国した際にこの部屋で撮ったという写真が飾られていた。
真ん中よりやや左に座る黒い服の男性が野口博士
真ん中よりやや左に座る黒い服の男性が野口博士
せっかくの機会。大の酒好きだった世界の野口博士が座った場所で、酒をいただくことにしよう。
まさにこの場所に、野口博士が座っていた!
まさにこの場所に、野口博士が座っていた!
まずは「末廣酒造」の酒造りの技を集結した「大吟醸 玄宰(げんさい)」。「香りを同時に楽しむために、ワイングラスで飲んでほしい」と七代目・猪之吉さんは話す。
小さなグラスだと、香りがわかりにくい
小さなグラスだと、香りがわかりにくい
ワインを飲むようにグラスを回すと、甘くて良い香りが漂ってくる。香りだけで満足できるレベルだ。でも、ひと口いただくとスッキリとした辛口が感じられる。
「香りが甘いけど、飲み口がスッキリ」
「香りが甘いけど、飲み口がスッキリ」
2015年のミラノ万博で大吟醸酒をイタリア料理と共に出したところ、「こんなにおいしいイタリアンを初めて食べた。日本酒とマッチングすることによって、イタリアンの味の深みがわかった」と現地の人に言われたという。「イタリア料理のおいしさが日本酒によって導かれたと。これは嬉しかった」と七代目・猪之吉さんは振り返る。
「山廃仕込み」の酒
「山廃仕込み」の酒
続いて、自然の乳酸で醸した「山廃純米吟醸 末廣」。こちらは、冷と45〜50度くらいのお燗、さらに形の違う器で飲み比べてみるのがおすすめだという。
冷をお猪口でいただくと、山廃がもっている乳酸のうまみが最初からやってくる。そして、お燗。飲み口が狭いお猪口で飲むと、立ちのぼる香りが鼻に直接入ってくるが、平口の盃で飲むと香りが分散され、ほのかでまろやかに感じられる。
お燗が苦手な人には盃がおすすめ
お燗が苦手な人には盃がおすすめ
「酒には、その土地の歴史と文化が詰まっている」それを実感させてくれる酒蔵「末廣酒造」は、まるで蔵のミュージアムだ。
敷地内には、明治時代の酒蔵を改装した喫茶・杏(きょう)もある。歴史や文化を感じるとともに、大吟醸酒をたっぷり使ったシフォンケーキや、日本酒の仕込み水で淹れたブレンドコーヒーなども楽しんでみたい。

Chu!PRESS編集部
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