人気のラーメン店が集結するラーメンイベント「ふくしまラーメンショー2023」が、5月2日から福島市の四季の里で開催されます。4年ぶりの開催となる今回は、全国から9店舗のラーメン店が勢ぞろい！ラーメンの食べ比べも楽しむことが出来ます。
今回は、そのイベントに出店するラーメン店『金澤麺達兼六会「神仙」』を取材しました。



金澤麺達兼六会神仙の本店は、石川県金沢市の金沢中央卸売市場の飲食通りにあります。
創業は2003年7月5日。はじめはあまりお客様に認知されなかったそうです。それから20年、今では数々のラーメンイベントで売上杯数1位を記録し、全国各地、そして海外からもお客さんが足を運んで100人以上の行列を作る超有名人気店です。その人気ぶりから、お店の味を再現したカップラーメンが数量限定で販売されたこともあります。
実際、ふくしまラーメンショーにも5回出店し、4回売上杯数1位で殿堂入りしました。



それでも、店主の河方卓さんは、「今でもやることは創業時と同じです。情熱をこめて一人でも多くの方に喜んでもらえれば、と思ってやっています」と話します。

今回、ふくしまラーメンショーで食べることが出来るのは、【濃厚味噌「炎・炙」肉盛りそば】です。



丼を目の前にすると、匂いを嗅いだだけで食欲がわいてくるようなスパイスの香りが漂ってきます。

濃厚なスープはコクがあってとにかくまろやか。上品な加賀味噌の風味が一気に口の中に広がります。



加賀藩主「前田利家公」の時代から300年以上受け継がれている伝統の加賀味噌を使用しています。加賀味噌は米麴が強く、旨味も強いので、どのようにラーメンと合わせるかが難しかったそうです。ごま、えび、ラードなど約12種類の調味料を入れています。

河方さんは、「味噌ラーメンの弱点は味噌がおいしすぎることだと思います。ラーメンにしようと思っても、みそ汁になってしまう。だから、味噌を使ったラーメンを表現するために、味噌単体ではなく、味噌に胡椒やにんにくなどのパンチを持たせながら、脂と味噌がもつ本来の旨味とスープを調合したときに、これはラーメンだね！と思える味にするのが難しかったです。」と話します。

スープのだしは鶏を主に使用していて、鶏の旨味と野菜の甘みが相乗効果を生み出しています。豚骨も少し入っていますが、味噌の風味を最大限に引き出すことができるよう、バランスを保っています。



麺はモチモチとしていて、小麦の甘みを感じます。馬鈴薯（ばれいしょ）でん粉入りの国産小麦を使用しているため、ほどよくハリがあってしっかりちぢれた麺なので、麺をすするとスープが一緒に口の中に飛び込んできます。スープと麺を一緒に食べた時に、しっかりと味噌の味も楽しめます。



香ばしく炙られた豚バラ肉は、肉の旨味と食感を楽しむことが出来ます。
河方さんは、「豚バラ肉を炙った豚の油が香味油としてスープに溶け出すことで、一層味噌とスープの旨味を引き出します。そのためには、現地で炙るということを最も大事にしています。イベントなのでお店よりもおいしくなると思います。」と話します。
絶対に手作りで、どんな場所でも作り置きせず、必ず店と同じ作り方をすることを強く心掛けているそうです。



ラーメンの名前の通り、豚バラ肉は大きな「炎」で炙られています。その炎を間近で見ることも、ふくしまラーメンショーのひとつの楽しみになるかもしれません。



「自分が人に貢献できて、喜んでもらえるものは、ラーメンしかないと思います。とにかく食べて幸せになってもらいたいということだけを考えています。」と笑顔で話す河方さん。
ラーメンを食べて、喜んでもらいたい。そんなアツい思いが生み出す、唸るほどおいしい伝統と進化のラーメンが、ふくしまラーメンショーに帰ってきます。