物価高にも負けず、激安で商品を届ける郡山市の小さなスーパー。舞台裏から見えてきた、その秘密とは…？

Chu! PRESS

2023.02.20

#みりょくいちば

#激安スーパー

物価高にも負けず、激安で商品を届ける郡山市の小さなスーパー。舞台裏から見えてきた、その秘密とは…？

郡山市安積町荒井にある「みりょくいちば」。地域密着型の小さなスーパーだ。

「郡山で一番安い店を目指す」がモットー

平日の午前中でも、多くのお客さんで混み合う店内。地元の人はもちろん、飲食店の経営者も通っている。なかには、遠方からやってきたり、毎日3回来店したりする人も。

毎日市場で買い付けした商品が並ぶ

それもそのはず！並べられているのは、キャベツ1玉88円（税別）、ベビーリーフが58円（税別）、福島産のキンキが1匹120円（税別）、手羽中が100g78円（税別）…などと、どれも激安！

魅力的な値段の野菜が所狭しと並ぶ

肉や魚も充実！

日によって安い商品は替わるというが、その安さの秘密を伺いに、鈴木美伸リポーターが仕事中の菅野力也社長を直撃することに！

作業中の菅野社長を発見！

すると、「地域密着型」や「自社努力」といういくつかのキーワードが…
ここから見えてきたのは、3つの「激安の訳」だ。

いかにお客さんの負担を軽減するか…

激安の訳①人件費削減のため、できることは自分でやる

お客さんに負担するのではなく自社努力でコストダウンを図ったり、社長自ら率先して現場に出て人件費を抑えたり。

スタッフの数はわずか4人！

激安の訳②電気代や経費の節約

また、店の照明を半分にしたり、寒さが厳しい日も暖房を付けていなかったり。広告などは、毎日SNSで発信することにより代用。そうした部分のコストを削って安さに反映しているという。

削れるコストは徹底的に削る！

激安の訳③市場の人との信頼関係で安くする

さらに、菅野社長からは「市場の人にも助けてもらっている」との話も。そこで、買い付けの様子を探りに市場へ同行させてもらうことに！

まだ外は暗い、午前5時30分

まずは、欲しい商品の買い付けから。商品を確認し、市場の人と話をしながら仕入れていく。日ごと、季節ごとで商品も価格も移り変わるが、その中で日々やり取りしながら「たくさん買って、安くしてもらう」。この持ちつ持たれつの信頼関係も、激安の訳と言えそうだ。

できる範囲で買ってもらう分、できるだけ安くする

午前7時30分。朝の仕入れを終えた菅野社長は、休む暇なく、買った商品を店の倉庫へ。それらに値段を付け、午前9時開店。
店内では1玉98円（税別）で白菜が売られている中、裏ではこんなやり取りが…

ん…200円で!?

仕入れたばかりの小さな白菜。小ぶりではあるものの、状態はキレイ！それらを約10kgずつ詰め込んで、なんと1袋200円（税別）で販売するという。3つ限定なので、赤字のリスクもないとか…。

キレイな白菜が1袋に6つも!?

競売などでB級品扱いの商品をたくさん仕入れた時は、こうしたゲリラセールも行われるとのこと。
このカリフォルニアオレンジも、規格外の商品で見た目は若干良くないものの、中身はキレイ！本来なら4個で348円（税別）ほどで販売するものを、今回はなんと1個10円（税別）で売っちゃうという！

試食した鈴木リポーターも「甘い！おいしい！」と驚き

10円と聞いて次々とオレンジを手に取る、多くのお客さんの姿が見られた。

しかし、どうしてこんなに激安で販売するのか？
それは、「『買い付けする時に、お客さんに喜んでもらえるような買い方をした方がいい』という教えがあったから」と菅野社長は話す。

常に心に刻んでいる教えがある

これを教えてくれたのは、30年以上この地域で親しまれていた店の以前のオーナー。
実は、2年前まで人材派遣会社の営業マンだった菅野社長。勤めていた会社が、後継者問題で廃業しようとしていたスーパーを引き継ぐことになったのを機に、勤務替えしてスーパー経営に携わるようになった。

前職の頃の菅野社長

旧店舗。こちらも価格設定がうれしい話題の店だった

何もわからないところからのスタート…地元の人たちが長年利用したスーパーを守るために、以前のオーナーや市場の人たちにいろいろ教わり、今があるそう。

「いつ来ても安い」それが理想であり、日々の目標

激安の秘密…それは「地元の人たちへ還元したい」という社長の思いやりの気持ちにあった。

お客さんと会話できること、そして仕入れてきたものをお客さんが買ってくれて商品がなくなることが楽しいと話す菅野社長。
物価高の時代の中「安さを維持しなければならない」というプレッシャーはあるものの、「とにかく安く売りたい！」という気持ちが先行。とにかくお客さんに喜んでもらうことを大切に、良い商品をできるだけ安く。「いつ来ても安いね」と言われるスーパーが理想だ。

Chu!PRESS編集部

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