NOW
ON AIR

Chu! PRESS

#女性活躍 (8件)

2022.10.05

まるで魔法のような存在!日本の食文化を支える「麹」の魅力を再発見~コロナ禍でさらなる挑戦も~

まるで魔法のような存在!日本の食文化を支える「麹」の魅力を再発見~コロナ禍でさらなる挑戦も~
フレンチトーストとサラダ。
これは私が先日、ある秘密のレシピを使って小学5年生の娘と一緒に作った料理です。ほのかな甘さとしっとり食感で「レストランで出てきそうだね。友達にも自慢できる!」と娘も大満足の洋食メニューですが、実は、このレシピには最近ブームとなっている“和”のエッセンスが含まれているんです。
それはレシピに発酵食品の「甘酒」を使っていること。
今回の記事では、読んだ後に「え!そんなにすごいものだったの?」「私、日本人に生まれて良かったなぁ」と感じてもらえるような、その甘酒の原料ともなっている日本特有のあるモノを紹介します。
 

■ズバリ!日本の“国菌”とも称される「麹」

日本特有のあるモノとはズバリ「麹」です。ちょっと難しい漢字ですが、「こうじ」と読みます。
 
日本人の伝統的な食文化である和食を支える調味料には、味噌、醤油、ミリン、酢、清酒などがありますが、その全てが麹(こうじ)から作られているのを知っていましたか?もちろん、甘酒もそのひとつです。
新型コロナウイルスの脅威が続く中で「免疫力を上げる効果がある」として、チーズやヨーグルトなどの発酵食品が世界中で注目を集めていますが、平均寿命の世界ランキングで第1位に輝き続ける日本人の食卓を支える発酵食品の元が麹(こうじ)の存在です。

味噌は脳や心臓の毛細血管を丈夫にする働きがあり、昔から健康的な食べ物として「みそは医者いらず」ということわざがあります。また、甘酒は「飲む点滴」とも言われますが、その効果は全て麹(こうじ)によって作られた酵素やアミノ酸などの働きによるものなんです。最近では、味噌の材料となる米麹を使った化粧品が開発されるなど、麹(こうじ)の持つ美白効果にも期待が高まっています。
さて、ここからは麹(こうじ)の魅力をさらに深堀していきます。
 

■まるで魔法!?職人に聞く「麹」の奥深い魅力

私の住む福島県に明治6年から150年余り続くこうじ屋さんがあります。白河市の「有限会社山口こうじ店」です。無添加の手作り味噌など麹加工食品の製造と販売を手掛けるだけでなく、フレーバー甘酒など現代の食生活に合わせた商品を次々と生み出している老舗店です。そこで毎日、麹(こうじ)と向き合っている若手職人の山口和真さん(28)を取材しました。
 
「麹菌は宿主によって特性が変わるんです。例えば、米麹だとデンプンを分解する酵素を、大豆麹だとタンパク質を分解する酵素をそれぞれ出して成長します。つまり、麹菌を繁殖させる穀物によって甘み成分が強いものや旨味成分が強いものなどの様々な特徴の発酵食品を生み出せるんです。」と麹職人の山口さんは話します。

話しを聞いて驚いたのは、実は一口に「麹(こうじ)」といっても様々な種類があるということ。麹菌(こうじかび)を米に繁殖させれば「米麹」となり、豆に繁殖させれば「豆麹」に、麦に繁殖させれば「麦麹」となり、様々な食材と組み合わせて発酵させることで調味料や日本酒に生まれ変わります。

まるで“魔法”のような存在だなと感じました。

そして、その魔法のような麹(こうじ)は世界で唯一のものなんです。麹菌は「コウジカビ」と言って、不思議なことに適度な温度と湿度がある日本でしか生息できない固有の菌で、2006年に本醸造学会により、「国菌(こっきん)」に指定されました。つまり、それが原料となる味噌や醤油、日本酒や漬け物などは日本でしか生み出せないものなんです。
 

■健康食ブームの中で新たな挑戦

山口こうじ店が販売する商品で全国でも注目されているのが「プレミアム甘酒」のシリーズです。コーヒー甘酒やさつまいも甘酒、かぼちゃ甘酒、ずんだ甘酒など様々な種類が開発されていますが、その中でも私が特に注目しているのが「トマト甘酒」です。最近の健康食ブームに乗って販売されているジュースやピューレで割った甘酒ではなく、原料となるトマトを米麹のみで発酵させた本格的な発酵飲料なんです。実際に飲んでみると、トマトの種類によって瓶を開けた瞬間の香りや甘味の違いを楽しむことができます。
 
<画像:トマト甘酒>
<画像:トマト甘酒>
<画像:コーヒー甘酒>
<画像:コーヒー甘酒>
「固定概念でこれはないだろうと思うことでも、実は普通にできてしまうということが多々あるのです。麹は可能性が無限大です」と話す職人の山口さん。最近は麹(こうじ)の発酵の力を生かして、ラーメンのお供でもある新感覚の「メンマ」をつくることに挑戦しているそうです。

メンマはアジアの亜熱帯にのみ生育する麻竹(マチク)という種類の竹を原料として乳酸菌で発酵させて作られますが、麻竹は日本の環境では生育することはできず国産メンマの生産は難しいとされています。しかし、麹菌の発酵の力を使えば日本で生育する真竹(マダケ)や孟宗竹(モウソウチク)で栄養価が高くておいしい国産メンマが作れるかもしれないという試みです。

「まだ試したことがないだけで、麹(こうじ)の可能性はいくらでもありとても面白いです」と話す職人の山口さん。この国産メンマの開発では、味噌や甘酒のように1度の発酵だけではなく、煮た竹に麹菌をまぶして「竹麹」を作り、さらにそこに「米麹」を加えて2段階発酵する方法を試しているとのこと。

販売時期は未定とのことですが、果たして、麹(こうじ)を使った国産メンマはどんな味がするのでしょうか?楽しみです。

■家庭でも挑戦できること

麹(こうじ)の魅力を知るにつれて逆に心配なこともあります。コロナ禍で「健康食ブーム」が起きているとはいっても、実際には若者世代を中心に“和食離れ”が進み、味噌の消費量も年々減っている現状があります。小学校では、家庭の授業で味噌や醤油などの調味料について触れる程度で、その元となる麹(こうじ)に触れる機会はありません。このままでは、日本の食文化の源となる麹(こうじ)の存在やその魅力を子どもたちに伝えられないまま、廃れてしまうのではないだろうか・・・。
 
そう思った私は今年、娘と一緒に味噌づくりと塩麹づくりにチャレンジしてみました。手づくりは難しいと思っていましたが、手間暇かけることによって私でも出来たのです。

味噌は大豆を煮て潰す工程が大変でしたが、あとは麹(こうじ)や塩を混ぜての発酵熟成を待つのみです。また、塩麹は、娘に毎日混ぜてもらいプクプク麹が生きているのを感じながら10日間くらいで出来上がりました。子どもが麹(こうじ)を知る良い時間となりました。

さらに、冒頭でご紹介したフレンチトースト。砂糖の代わりに甘酒を使って作ったものですが、実は付け合わせサラダにも麹(こうじ)から作られた甘酒と酢にオリーブオイルや塩、胡椒を合わせて作った自家製ドレッシングを使っていて、さらにスープは豆乳と味噌を材料に作ったものなんです。塩や砂糖だけを使うよりも料理に旨味や深みが増し、まろやかな優しい味になります。そして何より、「医者いらず」「飲む点滴」といわれる麹食品ですから健康づくりの恩恵を受けられるのが魅力ですよね。
<画像:小学5年生の娘と麹(こうじ)を使った食材で料理
<画像:小学5年生の娘と麹(こうじ)を使った食材で料理
取材の中で「商品開発では、おいしいもので心が感動し、それが体の健康につながることを意識しています」と麹職人の山口さんは話してくれました。その言葉通り、麹(こうじ)を使った発酵食品を食べることで、私の家族は健康な日々を過ごせているのだと感じます。薬ではないので、体の変化に即効性は感じないかもしれませんが、味覚としては食材が旨味を増し、柔らかくなって美味しくなるのがすぐに分かります。

自分で味噌や甘酒、塩麹を作るのは少し大変ですが、今やスーパーで買えるものばかりです。塩を塩麹に砂糖を甘酒に変えてみるだけでも、麹の恩恵を受けることができるのではないでしょうか。

ユネスコ無形文化遺産に登録された、世界に誇るべき和食文化。目に見えないからこそ気づかないうちになくなってしまわないように、子育て世代である私たちが、日々の食生活の中で丁寧に麹(こうじ)と向き合い、和食文化の素晴らしさを次の時代を生きる子どもたちへと受け渡していく努力を続けていきたいと思います。
取材協力:有限会社山口こうじ店
執筆者:株式会社ケイリーパートナーズ 及川直美

※この記事はケイリーパートナーズと福島中央テレビの共同連携企画です。
福島中央テレビでは、テレビ番組やイベント、web サイトで福島県内で活躍する働く女性の姿や声を発信する女性活躍推進を目指すキャンペーン【MyLife〜はたらくで、かがやく〜】を展開中です。

▼『My Life~はたらくで、かがやく』特設サイトはコチラ
全文を読む
もっと見る
すべて
#グランケット桑折
#いちい
#ふくしま子育て応援隊
#SDGs
#中テレ祭り
#きぼう
#会津若松市出身
#ヱビスビール
#印象派展郡山
#印象派展
#モネ
#米粉ピザ
#Pizza TT Brothers
#開成山公園
#Park-PFI制度
#神尾佑 酒に交われば
#峰の雪酒造
#三春酒造
#ねこ駅長
#ふにゃ~り日和
#矢澤酒造店
#お弁当
#お惣菜
#リオン・ドール
#中テレ社内見学
#マルト
#からあげ伊達屋
#桜八
#Hawaiian Cafe HERO
#ハワイアンパンケーキ
#PR
#ふくしま発酵旅
#cafe nda焙
#味噌博士
#三五八漬け
#ライスバーガー
#海カフェ
#石焼き芋
#おなはまタンタンめん
#古民家らーめん 福寿庵
#ネコマ マウンテン
#ゲレ食
#道の駅ふくしま
#干支パフェ
#1位づくしの温泉旅
#万葉亭
#八幡屋
#土湯温泉
#野地温泉ホテル
#庄助の宿 瀧の湯
#男山酒造店
#朝日ドライブイン
#朝ドラ
#會津おでん
#ご当地グルメ
#高校サッカー
#七日町通
#抹茶専門カフェ
#カレーパン
#ゴロゴロ系
#石林
#フカヒレ
#曙酒造
#海ごみ
#SDGs
#TOKIO-BA
#船
#榮川酒造
#スポーツ
#豊国酒造
#24時間テレビ
#メタバース
#美容
#らーめんHOME
#出汁
#宮泉銘醸
#千駒酒造
#七転び八起き
#納屋カフェ
#桃
#割烹食堂 かいね
#ご褒美ランチ
#FANTASTICS畑
#日本酒
#アナウンサー
#冷やしラーメン
#会津坂下町
#子育て
#笹の川酒造
#TOKIO-BA×ゴジてれ
#国分太一
#白河うどんマーケット 櫓
#手打ちうどん
#檜物屋酒造店
#ぶっとんでるいきもの展
#小名浜潮目交流館
#伊集院光
#大内宿
#塔のへつり
#白河
#末廣酒造
#古代エジプト美術館展
#いわき市立美術館
#クロワッサン
#SHARE
#人気酒造
#古民家カフェ
#モリアオガエル
#有賀醸造
#東や3代目
#中華一番
#四家酒造店
#食べログ百名店
#本場広島お好み焼き かっちゃん
#天ぷら 佐久間
#ごみ削減
#鈴木酒造店
#グップラ
#ブンケン歩いてゴミ拾いの旅
#鶴乃江酒造
#二本松ドライブイン
#スタミナラーメン
#大和川酒造店
#日本酒の神様
#大天狗酒造
#仁井田本家
#メダカ
#郡山ブラック
#しょうや
#ラーメン
#成
#たもや
#麺や 笑華
#枡はん
#昼ふろや
#麺屋 信成
#角麺
#らぁ麺おかむら
#皐月亭
#あさくさらーメン
#サムライ
#トラクター
#醤油プリン
#南相馬市
#ジェラート
#フードロス
#只見線
#途中下車
#キャンプ飯
#会津
#ふくしまラーメンショー
#風とロック
#スノーピーク
#天栄村
#女性活躍
#田楽カフェ
#須賀川市
#手打ち蕎麦
#会津観光
##中テレ祭り
#Libretto
#ギフト
#無印良品
#冷凍食品
#MyLife
#JR只見線
#再開通
#テロワージュふくしま
#食と酒
#氷の神殿
#飯坂
#みりょくいちば
#激安スーパー
##永井麻葵
#福島応援
#マルシェ
#桑折町
#メルバ
#鬼ぐるみ
#エコ食材
#会津四季もち
#豆腐もち
#中華街展
#うすい百貨店
#田村市都路町
#パワースポット
#福、笑い
#甘酒
#いちご
#ロールケーキ
#酪王カフェオレ
#赤べこ
#二本松市
#木幡の幡祭り
#ゴジてれ
#矢吹町
#パン屋
#教育
#タイ料理
#焼き立てパン
#キャンピングカー
#おでん
#コンニャク
#鉄道
#Chu!PRESS編集部
#ごみ排出量
#全国ワースト2位
#福島県知事選
#台風
#避難
#キッザニア
#職業体験
#Chu!PRESS編集部
#バンクシーって誰?展
#オンライン特別授業
#スイーツ
#グルメ
#にゃん旅鉄道
#いわき市
#文具女子
#風とロック芋煮会
#相馬野馬追
#ドローン
#ブンケン
#蕎麦
#ヘルシー
#神獣ベコたち
#ガシャポン
#張子
#会津鉄道
#フラのまち
#新名物
#サクマ&ピース
#サクピー
#中テレアプリ
#福島の桜
#富岡町
#三春滝桜
#カフェ
#復興
#起業支援
##SDGs
##いわき市
#狛犬
#福島の桃
#いなかといいなか交流ツアー
#就職活動
#いわきサンシャインマラソン
#海ごみ削減プロジェクト
#常磐もの
#ミデッテ
#イチゴ
#海の幸
#相馬市観光
#舞妓
#京都
#大京都展
#クリスマス
#いなか暮らし
#体験交流
#旅
#中テレクリスマスドリーム
#やなせたかしの世界
#佐久間宣行
#アルコ&ピース平子祐希
#ふくしま麺フェア
#まるや
#イベント
##Chu!PRESS編集部
#ChuTube
#岡田
#伝統野菜
#バスケットボール
#福島ファイヤーボンズ
#歌唱王
#こおりやま街の学校
#オンライン
#ドラマ
#映画
#ミネアポリス美術館日本絵画の名品展
#YouTube
#オリンピック
##スイーツ
#野球
#ドライブインシアター
#tuperatuperaのかおてん.
#驚き
#癒し
#会社見学
#防災
#豪雨
#特産
#UFO
#ゴルフ
#スタジオジブリ
#ナウシカ
#ガンダム
#BBQ
#おうち時間
#かわいい
#ダンロップ・スリクソン福島オープン
#豪雨災害
#Chuリズム
#新型コロナ
#妖怪
#クマ
#意外
#デリバリー
#梅雨
#カビ対策
#サウナ
#冷やしグルメ
#潮干狩り
#名物
#お取り寄せ
#高校生クイズ
#テイクアウト
#専門店
おすすめ情報