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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
konnyaku in Shirakawa, a devil’s tongue made from the native species of yam
 いよいよ今週末は、高校サッカー選手権の県大会決勝です。実況・ベンチリポートを担当するアナウンサーは準決勝が終わった直後の1週間で、決勝に残った2校の取材をします。その関係で『ゴジてれChu!』のキャスター陣も、取材のある日はレギュラーの役割をほかのアナウンサーに託して決勝戦の中継の準備をします。きょうは実況の石井アナとベンチリポートの永井アナが取材中。永井アナは隔週で月曜中継の担当なので、きょうは永井アナに代わって私がリポートを担当しました。

きょうの中継は、こんなお洒落な店内から。大瀧詠一のLPが!真空管のアンプを使って名曲が流れてくる!!
きょうの中継は、こんなお洒落な店内から。大瀧詠一のLPが!真空管のアンプを使って名曲が流れてくる!!
 お邪魔したのは、白河市天神町にある「大島屋蒟蒻店」。200年以上に亙って蒟蒻を製造し、卸している老舗ですが、お客さんに蒟蒻の良さをもっと知ってほしいと、5年前に自ら販売すべく、お店をオープンさせました。なぜ、いまの時期にこんにゃくの中継?と思う方もいらっしゃるでしょう。実は10月下旬ころから、こんにゃくの原料となるこんにゃく芋の収穫期なのです。

こちら。実はこんにゃくの製造・直売店。看板が無いので、通り過ぎ注意。
こちら。実はこんにゃくの製造・直売店。看板が無いので、通り過ぎ注意。
 こんにゃく芋は干して粉末状にして保存する事で、一年を通してこんにゃくを作る事が出来ます。ただこの時期は粉末にせず、すりおろした芋からこんにゃくを作る事が出来るのです。しかも粉にする時には削ってしまう部分に、セラミドが多く含まれています。従って生芋から作るこんにゃくには、セラミドが多く含まれたまま…という旬の味わい・成分のものなのです。
 しかもこちら大島屋蒟蒻店で作る、生芋からのこんにゃくは、「幻のこんにゃく」とも言われています。その理由は、原料の芋にあります。
「この芋は福島県の矢祭町で生産されているんですが、こんにゃく芋の国内生産量のわずか2%の量の『在来種』なんです。」
 そう話すのは、8代目の吉島祐輔さん。

こちらが矢祭町産、在来種のこんにゃく芋(3年物)。
こちらが矢祭町産、在来種のこんにゃく芋(3年物)。
 その昔(と言っても1980年代位までの話ですが)、こんにゃくの原料は在来種の芋から作られていました。しかし在来種の芋は、病気に弱いという弱点がありました。
「芋がこんにゃくの原料に出来る大きさに育つまでに3年ほどかかるんですが、その3年目に病気にかかっちゃう事もあるんです。」
 農家の苦労が水の泡になる可能性も持つ在来種に対し、病気に強い別の品種が開発されると、確実に収穫できる新品種の芋での生産へと変わっていった為、今では全体の2%しか生産されない”幻の”品種となってしまったのです。
「ただ矢祭町に在来種を生産し続けている農家さんがいたので、その味と歴史を残すには、その芋を買い取って蒟蒻を作れたらな、と思ったんです。」

大島屋蒟蒻店8代目ご夫妻(撮影時のみ、マスクを外して頂きました)。
大島屋蒟蒻店8代目ご夫妻(撮影時のみ、マスクを外して頂きました)。
 大島屋では粉から作るこんにゃくも売っていますが、この芋の収穫期限定の、在来種の生芋をすりおろして作るこんにゃくが、大島屋自慢の「白河蒟蒻」です。ご家族で芋をすりおろすところから自家生産です。まずは刺身で何もつけずに頂きます(そば通が、一口目を麺つゆにつけずに食すみたいですね)。…ぷるんとした食感に、えぐみや雑味がなく、芋から出来ている事を感じさせる味がします。しかも香りが爽やか。こんにゃくにありがちな、マイナスイメージの匂いが全くしないのです。
 奥様の佳津恵さんからは、岩塩とごま油につける食べ方を紹介して頂きました。
「こんにゃく芋の風味を感じるなら、わさび醤油よりこの方が好いと勧められたんです。」
 実際に頂くと、ごま油の香りが広がり、そのコクと岩塩の塩気・旨味が、雑味の無い蒟蒻の味わいを引き立てる感じです。
「お酒に合うと思いません?」
 仰る通り!勿論おかずの中に一品あっても、グレードがアップします。

在来種の生芋から作った「白河蒟蒻」。旬の今だけの限定。「幻のこんにゃく」とも。
在来種の生芋から作った「白河蒟蒻」。旬の今だけの限定。「幻のこんにゃく」とも。
 更に佳津恵さんがお勧めする頂き方が、スムージー。蒟蒻と豆乳(味付き。若しくは蜂蜜などを加えてもOK)を同量(100g)ずつ入れ、ブレンダー等でかき混ぜます。好みできな粉などを加えて出来上がり。味は、ベースは豆乳なんですが、蒟蒻の風味もして、ぷちぷちっとした食感も楽しいですよ。セラミドが豊富にとれるスムージーは、佳津恵さんも毎朝飲んでいるとの事。蒟蒻も簡単にとれますし、お肌が気になる人も含めてヘルシーな一杯では?佳津恵さん曰く、
「豆乳が無ければ、牛乳や甘酒など、家にあるもので大丈夫ですよ。」
との事。色々な合わせ方も楽しめそうです。
 生芋から作るこの時期ならではの「白河蒟蒻」は1つ500円ですが、芋の稀少さや出来るまでの手間暇、何よりこの美味しさなどを考えると、納得の値段です。

店内には、こんにゃく芋の粉から作る通年物もある。値段は150円から。
店内には、こんにゃく芋の粉から作る通年物もある。値段は150円から。
 この在来種の生芋から作る「白河蒟蒻」は、大島屋蒟蒻店や郡山市のうすい百貨店、須賀川市の農産物直売所「はたけんぼ」等で買う事が出来ます。お取り寄せは大島屋蒟蒻店のウェブサイトでも出来ます。販売されるのは、11月から2月頃までの期間限定です。

店内には、粉にする前に干したこんにゃく芋も。昔はこうやって保存用の原料を作った。
店内には、粉にする前に干したこんにゃく芋も。昔はこうやって保存用の原料を作った。
 また店では、テークアウト用として玉こん(1串150円)、みそ田楽(1串100円)も販売しています。この味噌がゆずではなくレモン入りなのは、奥様のアイディア。これが美味しい。この田楽用の味噌を買いたいという人もいるそうです。
 因みに店は金・土・日のみ、午前11時から午後5時までオープン。理由は、
「他の日は蒟蒻を作っています。」
 …なるほど。ただ明日11月3日は営業するという事です。場所は国道294号沿いの、セブンイレブンのある交差点の向かい側にあります。ただ店の看板が出ていません(白河市中央公民館の入口を示す表示が目印!?住所は、白河市天神町6になります)。店内は12畳ほどの広さですが、古い家の梁などを活かしつつ、黒い壁にはアンティークな掛け時計や、額の前にドライフラワーを吊るして一枚の立体感ある絵に見立てる等、ご主人のセンスが光ります。白河市の南湖公園は、いまが紅葉の見ごろ。市の観光物産協会によると、今週いっぱい見頃との事ですので、紅葉を見がてら、或いは白河ラーメンを食べに行きがてら、美味しい蒟蒻でヘルシーな秋を過ごしてみては如何でしょう。
内装がお洒落。8代目のセンスが光る。
内装がお洒落。8代目のセンスが光る。
 そして8代目の祐輔さんは、中継したきょう11月2日が誕生日。奥様の佳津恵さんは
「お祝いしますけど、きょうは誕生日のお祝いより中継に精力を傾けていました。」
との事。これは失礼いたしました。そしておめでとう御座います。

棚の上のナショナルの(←古い)ラジオは「今でも聞ける」そう。このアンティーク調の店内に、こんにゃくが並ぶ。
棚の上のナショナルの(←古い)ラジオは「今でも聞ける」そう。このアンティーク調の店内に、こんにゃくが並ぶ。
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