2020.03.17
liven up Fukushima with music 2
新型コロナウイルスの感染拡大の懸念から、弊社「中テレ祭り」は延期となりました。ただその中で動いていた企画の一つが、福島市の生んだ偉大な作曲家、古関裕而さんの楽曲と人気ミュージシャンのコラボで福島を盛り上げよう!というものでした。そこで中テレ祭りで皆さんの前で直接…とはいきませんが、テレビを通してご覧頂こうと、この週末の『特別番組 中テレ祭りpresents ふくしまを盛り上げるテレビ』でこのコラボ企画を放送する事にしたのです。その事前の模様を、きのう16日に放送しました。そのロケ話・こぼれ話です。
まずは福島駅そばで人気ミュージシャンと待ち合わせ。そのミュージシャンとは、片平里菜さんです。片平さんは福島市出身で2013年にメジャーデビュー、CM曲や映画の主題歌を手掛けるなど、今後の活躍が期待されるアーティストです。その片平さんとは毎年9月に行われている音楽イベント「風とロック芋煮会」の中の「芋野球」(参加アーティストの有志が、福島県ゆかりのミュージシャンチームとそれ以外の皆さんチームに分かれて、本気で草野球対決するイベント)で、私が場内用に片平「選手」のプレーも実況していたので、一方的には存じ上げていたのですが、会って会話をするのはこれが初めて。なんとも華奢で可愛らしい女性です。
尚なぜ古関裕而さんの楽曲とコラボか、と言いますと、2020年は東京オリンピックイヤーです。56年前の時は、古関裕而さんのテーマ曲がオリンピックを盛り上げました。しかもこの春から古関裕而さんをモデルにしたドラマの放送も控え、福島市も野球・ソフトボールの会場と、古関裕而さんの出身地は盛り上がっています。そこでオリンピックイヤーに古関裕而さんの楽曲の力を借りて、ふくしまを盛り上げよう!という訳です。
まずは福島駅そばで人気ミュージシャンと待ち合わせ。そのミュージシャンとは、片平里菜さんです。片平さんは福島市出身で2013年にメジャーデビュー、CM曲や映画の主題歌を手掛けるなど、今後の活躍が期待されるアーティストです。その片平さんとは毎年9月に行われている音楽イベント「風とロック芋煮会」の中の「芋野球」(参加アーティストの有志が、福島県ゆかりのミュージシャンチームとそれ以外の皆さんチームに分かれて、本気で草野球対決するイベント)で、私が場内用に片平「選手」のプレーも実況していたので、一方的には存じ上げていたのですが、会って会話をするのはこれが初めて。なんとも華奢で可愛らしい女性です。
尚なぜ古関裕而さんの楽曲とコラボか、と言いますと、2020年は東京オリンピックイヤーです。56年前の時は、古関裕而さんのテーマ曲がオリンピックを盛り上げました。しかもこの春から古関裕而さんをモデルにしたドラマの放送も控え、福島市も野球・ソフトボールの会場と、古関裕而さんの出身地は盛り上がっています。そこでオリンピックイヤーに古関裕而さんの楽曲の力を借りて、ふくしまを盛り上げよう!という訳です。
福島駅前の古関裕而さんの銅像前で片平さんとリポートするよ、という最初のシーンを撮影。その後、福島市の古関裕而記念館に行き、片平さんにある方と会っていただきました。その方は、西形吉和さん。古関メロディーをイベントで演奏している「ふくしま古関楽団2020」の代表です。この楽団は、今年の東京オリンピックの開会する日に、古関裕而さんのオリンピックマーチを演奏し、世界に見せようという目標を持っています。
その西形さんに、記念館の中を案内して頂きました。
2階が展示室になっていて、私が初めに驚いたのは、懐中時計型のメトロノームがあった事。という事は、懐に入れて持ち歩けたという事ですよね。古関裕而さんは、これで出先でもリズムをとっていたのでしょうか。
展示室には、再現された古関裕而さん宅の部屋もあります。卓の上には楽譜が色々並んでいます。すると西形さんが、
「生涯5000曲を作ったと言われているんですが、凄い時には3曲同時に作曲をされたそうです。」
と紹介して下さいました。どうも曲ごとに座る位置を変えて、並行作曲をしていたようです。位置を変えて頭を切り替えていたのでしょうか。しかも、
「部屋をご覧ください。楽器がないでしょ?」
部屋で曲を作る時には楽器を使っていなかったそうです。片平さんは
「私には全く出来ない事です。楽器という相棒が無いと、曲が書けないですねぇ。」
と感心しきり。因みに片平さんは家族が音楽好きという事もあって、手元にギターがあったそう。それを弾きながら、自然とギターを覚えていったそうです。
館内では古関裕而さんの作った曲も流れていて、母校の応援歌『紺碧の空』も時折聞こえます。すると西形さんが、
「確かこの曲、なかなか完成しなかったそうなんですね。応援団などにも『試合の日が迫っているんですよ。』なんてせっつかれながら出来上がったのが、あの名曲なんです。」
とエピソードを教えてくれました。古関裕而さんでも、曲作りに苦しんだ事もあったのですね。
学校に関する曲と言えば、古関裕而さんは多くの校歌も作曲しています。その理由の一つとして、校歌は永遠に残り歌い継がれるので、積極的に校歌を作ったそうです。校歌を依頼されると、断らなかったとか…。自作の曲への愛情と、込めた想いが伝わって来ますね。
その西形さんに、記念館の中を案内して頂きました。
2階が展示室になっていて、私が初めに驚いたのは、懐中時計型のメトロノームがあった事。という事は、懐に入れて持ち歩けたという事ですよね。古関裕而さんは、これで出先でもリズムをとっていたのでしょうか。
展示室には、再現された古関裕而さん宅の部屋もあります。卓の上には楽譜が色々並んでいます。すると西形さんが、
「生涯5000曲を作ったと言われているんですが、凄い時には3曲同時に作曲をされたそうです。」
と紹介して下さいました。どうも曲ごとに座る位置を変えて、並行作曲をしていたようです。位置を変えて頭を切り替えていたのでしょうか。しかも、
「部屋をご覧ください。楽器がないでしょ?」
部屋で曲を作る時には楽器を使っていなかったそうです。片平さんは
「私には全く出来ない事です。楽器という相棒が無いと、曲が書けないですねぇ。」
と感心しきり。因みに片平さんは家族が音楽好きという事もあって、手元にギターがあったそう。それを弾きながら、自然とギターを覚えていったそうです。
館内では古関裕而さんの作った曲も流れていて、母校の応援歌『紺碧の空』も時折聞こえます。すると西形さんが、
「確かこの曲、なかなか完成しなかったそうなんですね。応援団などにも『試合の日が迫っているんですよ。』なんてせっつかれながら出来上がったのが、あの名曲なんです。」
とエピソードを教えてくれました。古関裕而さんでも、曲作りに苦しんだ事もあったのですね。
学校に関する曲と言えば、古関裕而さんは多くの校歌も作曲しています。その理由の一つとして、校歌は永遠に残り歌い継がれるので、積極的に校歌を作ったそうです。校歌を依頼されると、断らなかったとか…。自作の曲への愛情と、込めた想いが伝わって来ますね。
古関裕而記念館。展示室は見応えがある。 |
話は少々脱線しますが、校歌と言えば、この企画の取材が決まる前の話、今年度の全国高校サッカー選手権大会の放送を見ていた時の事です。この全国大会では、決勝に勝ち上がった2校だけ、試合前に校歌が流れます。まずは青森山田高校、字幕で歌詞や作曲者の名前が出ます。何と、古関裕而作曲です。青森の学校の校歌まで作っていたんだ…と思いながら見ていると、続く対戦相手、静岡学園高校。な、な、何とこちらも作曲古関裕而!決勝に上がった2校の校歌はともに古関裕而さんが作曲していたのです。すると西形さんも、中継を見ていて気付いたとの事。福島県民的なテレビの見方?だったのでしょうか。因みに古関裕而さんは、校歌を県内外300曲以上書いたそう…。片平さんは、
「私の小中学校の校歌も、古関裕而さん作曲なんです。何回も歌っていたので、自然とDNAが刷り込まれているのかなと思います。」
と話してくれました。古関裕而さん、意外に身近です。
古関裕而記念館には、その他にも当時のレコードや楽譜、手紙など、様々な「お宝」が展示されていて、古関裕而さんに関するイメージがどんどん膨らみます。しかもこちら、入館無料なんですよ!年末年始を除いて無休だそうですので、お時間の或る時に是非行ってみては如何でしょう?
「私の小中学校の校歌も、古関裕而さん作曲なんです。何回も歌っていたので、自然とDNAが刷り込まれているのかなと思います。」
と話してくれました。古関裕而さん、意外に身近です。
古関裕而記念館には、その他にも当時のレコードや楽譜、手紙など、様々な「お宝」が展示されていて、古関裕而さんに関するイメージがどんどん膨らみます。しかもこちら、入館無料なんですよ!年末年始を除いて無休だそうですので、お時間の或る時に是非行ってみては如何でしょう?
祈念館の1階で。片平里菜さん・西形吉和さん(右)と。後ろは駅前の古関像のモデルが…。 |
古関裕而さんへの理解を深めたところで、この日のロケは終了。別の日に、今回の企画で演奏をしてくれる県立郡山商業高校の管弦楽部を訪れました。
実は郡商(ぐんしょう、という名で地元では親しまれています)管弦楽部も最近、ふくしま古関楽団2020に加わったばかり。しかも『郡商青春歌』を作曲したのが古関裕而さんです。因みに郡山商業出身者には、舟木一夫さんの『高校三年生』などを作詞した丘灯至夫さんもいます。その縁もあり、東京オリンピックイヤーに古関裕而さんの曲で、ふくしま古関楽団に加わった郡山商業高校管弦楽部の皆さんの演奏、古関さんと同じ出身地で古関さん作曲の校歌を歌ってきた片平里菜さんの歌で、ふくしまを盛り上げよう!という企画なのです(漸く皆さんにも、企画意図や参加くださる人々の繋がりが分かって頂けましたね)。
今回の郡山商業高校のロケに片平さんが来ているのは内緒。まずはディレクターや私らが顔を出し、管弦楽部の皆さんと打合せ。そして「片平さんがあとでこの映像を見ながら感想を言う段取りですので、是非盛り上がっていきましょう」的な事をしれっと言います(内緒なので)。管弦楽部の皆さん、素直に「そんな感じなんだぁ。」という表情。まだ緊張している感じです。
「では本番行きますね~。」
と言って一旦部室を出ると、そこには片平さんもスタンバイ。でもこちらは心臓バクバク、何て言ったって撮り直し不可、一発勝負のサプライズです。
私とスタッフで部室に入って行き、打合せ通りの流れで盛り上げて、
「片平さんに会えるの、楽しみですか?」
と聞くと、部員からは一斉に大きな拍手!一拍おいて、
「その片平さん、来ています、どうぞ。」
の合図で、片平さん登場。ちょっと恥ずかしそうにはにかみながらの登場に、部員の皆さんは
「えっ!?」
という反応のあと、
「きゃ~」
「かわいい」
「顔、小っちゃい」
等のリアクションが。サプライズ成功です!いやぁ、緊張で口の中が乾きました(^^; と同時に、ほぼ私、力を使い果たしました。
実は郡商(ぐんしょう、という名で地元では親しまれています)管弦楽部も最近、ふくしま古関楽団2020に加わったばかり。しかも『郡商青春歌』を作曲したのが古関裕而さんです。因みに郡山商業出身者には、舟木一夫さんの『高校三年生』などを作詞した丘灯至夫さんもいます。その縁もあり、東京オリンピックイヤーに古関裕而さんの曲で、ふくしま古関楽団に加わった郡山商業高校管弦楽部の皆さんの演奏、古関さんと同じ出身地で古関さん作曲の校歌を歌ってきた片平里菜さんの歌で、ふくしまを盛り上げよう!という企画なのです(漸く皆さんにも、企画意図や参加くださる人々の繋がりが分かって頂けましたね)。
今回の郡山商業高校のロケに片平さんが来ているのは内緒。まずはディレクターや私らが顔を出し、管弦楽部の皆さんと打合せ。そして「片平さんがあとでこの映像を見ながら感想を言う段取りですので、是非盛り上がっていきましょう」的な事をしれっと言います(内緒なので)。管弦楽部の皆さん、素直に「そんな感じなんだぁ。」という表情。まだ緊張している感じです。
「では本番行きますね~。」
と言って一旦部室を出ると、そこには片平さんもスタンバイ。でもこちらは心臓バクバク、何て言ったって撮り直し不可、一発勝負のサプライズです。
私とスタッフで部室に入って行き、打合せ通りの流れで盛り上げて、
「片平さんに会えるの、楽しみですか?」
と聞くと、部員からは一斉に大きな拍手!一拍おいて、
「その片平さん、来ています、どうぞ。」
の合図で、片平さん登場。ちょっと恥ずかしそうにはにかみながらの登場に、部員の皆さんは
「えっ!?」
という反応のあと、
「きゃ~」
「かわいい」
「顔、小っちゃい」
等のリアクションが。サプライズ成功です!いやぁ、緊張で口の中が乾きました(^^; と同時に、ほぼ私、力を使い果たしました。
当日片平さんの歌の為に演奏して頂くのは、『栄冠は君に輝く』と『高原列車は行く』の2曲です。そこで実際に管弦楽部の皆さんに、その2曲を片平さんの前で披露してもらいました。『高原列車は行く』は、猪苗代町を走っていた沼尻鉄道がモデルで、丘灯至夫さん作詞です。演奏を聴いていると、コントラバスの音がレールのがたごと、という音にも似て、身体に響きます。演奏を聞き終えると、片平さんも
「音楽って耳だけで聴くんじゃなく、身体で聴くんだと実感して、ざわざわしました。皆さんと一緒に歌うのが、すごく楽しみになりました。頑張らなきゃと思いました。」
と感動の様子。
そして学校を去る時、片平さんは
「あの音の厚み、凄いですね。何だかあの演奏に巧くリードされる感じで歌えそうです♪」
と話していました。なるほど、演奏にまさに「ノッていく」事もあるのでしょうね。
…この時の練習映像がまさか、本番で片平さんが一緒に歌う演奏映像となるとは思っていませんでした。
皆さんもご存じのように、新型コロナウイルスの影響で中テレ祭りの延期が決まり、また安倍総理の学校休業要請に郡商の部活動も停止。全体練習が出来ない上、もし演奏してもらうとなると人が大勢集まる事になり、それを避ける為にも、今回特別番組での生コラボは取りやめとなりました。それでも管弦楽部の皆さんは、一緒に演奏したいと自宅で練習を重ねていたそうです。その話を聞くと、一緒にコラボさせてあげたい気持ちは募りますが、今回は致し方ありません(T_T)
それでもこの企画自体は別の形でも成立させて放送したい!いう事で、この事前ロケの演奏映像にのせて片平さんが歌を生披露してくれます。
『特別番組 中テレ祭りpresents ふくしまを盛り上げるテレビ』、古関裕而さんの楽曲・片平里菜さんの歌声・郡山商業高校管弦楽部の演奏音源のコラボは、今度の土曜日21日午後2時からの放送でお送りします。是非ご覧下さい。
「音楽って耳だけで聴くんじゃなく、身体で聴くんだと実感して、ざわざわしました。皆さんと一緒に歌うのが、すごく楽しみになりました。頑張らなきゃと思いました。」
と感動の様子。
そして学校を去る時、片平さんは
「あの音の厚み、凄いですね。何だかあの演奏に巧くリードされる感じで歌えそうです♪」
と話していました。なるほど、演奏にまさに「ノッていく」事もあるのでしょうね。
…この時の練習映像がまさか、本番で片平さんが一緒に歌う演奏映像となるとは思っていませんでした。
皆さんもご存じのように、新型コロナウイルスの影響で中テレ祭りの延期が決まり、また安倍総理の学校休業要請に郡商の部活動も停止。全体練習が出来ない上、もし演奏してもらうとなると人が大勢集まる事になり、それを避ける為にも、今回特別番組での生コラボは取りやめとなりました。それでも管弦楽部の皆さんは、一緒に演奏したいと自宅で練習を重ねていたそうです。その話を聞くと、一緒にコラボさせてあげたい気持ちは募りますが、今回は致し方ありません(T_T)
それでもこの企画自体は別の形でも成立させて放送したい!いう事で、この事前ロケの演奏映像にのせて片平さんが歌を生披露してくれます。
『特別番組 中テレ祭りpresents ふくしまを盛り上げるテレビ』、古関裕而さんの楽曲・片平里菜さんの歌声・郡山商業高校管弦楽部の演奏音源のコラボは、今度の土曜日21日午後2時からの放送でお送りします。是非ご覧下さい。
郡山商業高校管弦楽部の皆さんと。思いは届けます! |
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