2020.02.07
in collaboration with NHK
2月3日のブログでもお伝えしたNHKとのコラボ企画、火曜日にはNHK福島放送局の後藤万里子キャスターが中テレに来て出演・リポートしてくれ、きょう7日(金)は私がNHKにお邪魔してきました♪今回はその2回放送分と事前ロケのこぼれ話です。
NHK福島放送局へ…。県内他局のスタジオ出演は初めて。しかもNHK! |
今回取材したのは、会津の金山町(かねやままち)で40年以上マタギ(東北の山岳地帯で、昔ながらのしきたり・狩猟方法を守りながら、自然や命と向き合う狩猟者の事)をしている猪俣昭夫さん(69歳)です。普段は夕方の番組『ゴジてれChu!』でマタギとしての猪俣さんを取材していますが、今回は聖火ランナーに当選した人としての猪俣さんを取材しました。
聖火ランナーに応募した理由は、或る想いがありました。
「マタギをやっていて、今まではイノシシやシカが山にはいなかったのに、近年出て来るようになったんです。これは周りの人が自然に関心を持たなくなって、それで自然が荒れてきているからだと思うんですね。日本全国、或いは世界の人に、自然にもっともっと関心を持ってもらいたいという想いで、応募したんです。」
世界的には温暖化などが言われていますが、自然豊かな奥会津でも変化が起きていると、猪俣さんは感じているようです。
当選した時の気持ちを聞くと、
「いやぁびっくりでしたね。この年齢なので、まさか当たるとは思わなかったんです。」
当選はメールで来たそうで、そのメールを見せて頂くと、「皆さま如何お過ごしですか」と普通の文面を装いつつ暫く読み進めていくと「聖火ランナーに決まりました」と当選通知の文言が出てきます。しかもメールが届いたのが、12月25日。猪俣さんも
「クリスマスプレゼントをもらった。」
と嬉しそうな表情も見せていました。粋なタイミングで送られてくるものです。
奥様・娘さん含め、ご家族も喜んでくれた一方、
「走れるか心配」
との声もあったそう。そこで猪俣さん、今では少しずつ練習を始めているそうです。どこで練習しているのか尋ねると、
聖火ランナーに応募した理由は、或る想いがありました。
「マタギをやっていて、今まではイノシシやシカが山にはいなかったのに、近年出て来るようになったんです。これは周りの人が自然に関心を持たなくなって、それで自然が荒れてきているからだと思うんですね。日本全国、或いは世界の人に、自然にもっともっと関心を持ってもらいたいという想いで、応募したんです。」
世界的には温暖化などが言われていますが、自然豊かな奥会津でも変化が起きていると、猪俣さんは感じているようです。
当選した時の気持ちを聞くと、
「いやぁびっくりでしたね。この年齢なので、まさか当たるとは思わなかったんです。」
当選はメールで来たそうで、そのメールを見せて頂くと、「皆さま如何お過ごしですか」と普通の文面を装いつつ暫く読み進めていくと「聖火ランナーに決まりました」と当選通知の文言が出てきます。しかもメールが届いたのが、12月25日。猪俣さんも
「クリスマスプレゼントをもらった。」
と嬉しそうな表情も見せていました。粋なタイミングで送られてくるものです。
奥様・娘さん含め、ご家族も喜んでくれた一方、
「走れるか心配」
との声もあったそう。そこで猪俣さん、今では少しずつ練習を始めているそうです。どこで練習しているのか尋ねると、
聖火ランナーに選ばれた猪俣さん。前回のブログ、キャプションつけ忘れて御免なさい。 |
「家の前は車が通るでしょ?知っている人に見られるのが恥ずかしいから…。」
と、自宅からやや離れた、少し山に入った蕎麦畑を貫く一本道を選んでいます。
「ただいつもの年だと、この道は除雪もしないので入れないんです。でも今年は雪が少ないから、除雪は1回だけかな?なのに道には雪が無いんです。私はこれだけ雪が少ないのは初めて、また年上の80~90歳位の人に聞いたら、『過去に1度だけあった』と言うんですが、それ位珍しいです。」
暖冬の影響は金山町も例外ではありません。
「しかも雪が積もると、道の周りの草は雪の重みで寝ちゃうんです。でも今年は雪が積もらないから、草でも萱でもまっすぐ伸びたままなんです。ここにイノシシとか出ても、姿が見えないので撃てないんです。」
イノシシは足が短いので、雪が積もるといつも通る道を決め、雪を踏み固めて言わば冬の「けものみち」にして行き来をするようですが、今年はその必要も無いようです。
と、自宅からやや離れた、少し山に入った蕎麦畑を貫く一本道を選んでいます。
「ただいつもの年だと、この道は除雪もしないので入れないんです。でも今年は雪が少ないから、除雪は1回だけかな?なのに道には雪が無いんです。私はこれだけ雪が少ないのは初めて、また年上の80~90歳位の人に聞いたら、『過去に1度だけあった』と言うんですが、それ位珍しいです。」
暖冬の影響は金山町も例外ではありません。
「しかも雪が積もると、道の周りの草は雪の重みで寝ちゃうんです。でも今年は雪が積もらないから、草でも萱でもまっすぐ伸びたままなんです。ここにイノシシとか出ても、姿が見えないので撃てないんです。」
イノシシは足が短いので、雪が積もるといつも通る道を決め、雪を踏み固めて言わば冬の「けものみち」にして行き来をするようですが、今年はその必要も無いようです。
ここが猪俣さんの「人目を忍んだ」練習場所。 |
蕎麦畑は、標高がやや高い所なので雪が或る程度覆っていますが、そこにはイノシシの足跡が残っています。
「今年は散歩しやすいみたいだね。土が見えている部分は、イノシシが掘り返した所です。」
冬は土を掘り返して、アザキダイコン等の草の根を食べるのだそうです。
そんなマタギらしい視点で今年の冬を紹介してもらいつつ、練習で走るところを撮影させて頂きました。走る前は
「山の中を歩くのとアスファルトの平らな所を走るのでは、使う筋肉が違うのかな?練習を始めたころは筋肉痛を起こしました。走りも遅いんですよ。」
と仰っていたのですが、実際に走ってもらうといや速い速い。ついていくのがやっとです。あっという間に、本番で走る距離の200mを駆け抜けます。これは本番も心配ありませんね。
なお、走る区間が決まるのは今月中旬、聖火ランナーのユニホームは
「当日渡されるんです。『あとは靴と靴下を用意してください』と言われたので、買ったんですよ。」
「今年は散歩しやすいみたいだね。土が見えている部分は、イノシシが掘り返した所です。」
冬は土を掘り返して、アザキダイコン等の草の根を食べるのだそうです。
そんなマタギらしい視点で今年の冬を紹介してもらいつつ、練習で走るところを撮影させて頂きました。走る前は
「山の中を歩くのとアスファルトの平らな所を走るのでは、使う筋肉が違うのかな?練習を始めたころは筋肉痛を起こしました。走りも遅いんですよ。」
と仰っていたのですが、実際に走ってもらうといや速い速い。ついていくのがやっとです。あっという間に、本番で走る距離の200mを駆け抜けます。これは本番も心配ありませんね。
なお、走る区間が決まるのは今月中旬、聖火ランナーのユニホームは
「当日渡されるんです。『あとは靴と靴下を用意してください』と言われたので、買ったんですよ。」
畑で土が見えるのは、イノシシが植物の根を掘り起こした跡だという。 |
今回は「白」と規定されているそうで、白のソックスとランニングシューズを用意してありました。ランニングシューズを買ったのは、「69年生きてきて初めて」だそうです。履き心地は「軽くてなかなか好い按配」だそうですが、靴の裏を含めて全く汚れていません。
「いや、まだルームランナーで走っているから」
と、外にはおろしていないそう。もしかしたらコースが決まった後の下見の時におろすのか、もしかするとリレー当日まで土をつけないのかもしれませんね。
「いや、まだルームランナーで走っているから」
と、外にはおろしていないそう。もしかしたらコースが決まった後の下見の時におろすのか、もしかするとリレー当日まで土をつけないのかもしれませんね。
聖火ランナー用に買った白い靴・靴下。「安いやつですよ。」とご謙遜。 |
準備万端ですが、「トーチキス」をどうするかはまだ思案中。トーチキスとは、聖火をトーチからトーチへ受け渡す事を指し、ランナーは思い思いのポーズをとれるそう。私は猟銃を構えた時のポーズを提案しましたが、果たしてどうなるでしょう?
因みに猪俣さんは、56年前の東京五輪の事も覚えていて、当時は自宅のテレビで五輪を見ていたそうです。
「最後の聖火ランナーが、聖火台までかなり長い階段を登っていくんですね。そして台に着いて点火した瞬間ですね。あと、途中の聖火リレーも映ったのですが、ランナーの走りを見ようと沿道はすごい人垣なんです。でも聖火を灯すトーチから結構煙が出ていたんです。ですから遠くでランナーが見えなくても、煙が見えるので、ランナーがどの辺りにいるのか分かったんです。」
これはやはり当時のテレビをじっくり見ていた人だからこその内容と視点です。
因みに猪俣さんは、56年前の東京五輪の事も覚えていて、当時は自宅のテレビで五輪を見ていたそうです。
「最後の聖火ランナーが、聖火台までかなり長い階段を登っていくんですね。そして台に着いて点火した瞬間ですね。あと、途中の聖火リレーも映ったのですが、ランナーの走りを見ようと沿道はすごい人垣なんです。でも聖火を灯すトーチから結構煙が出ていたんです。ですから遠くでランナーが見えなくても、煙が見えるので、ランナーがどの辺りにいるのか分かったんです。」
これはやはり当時のテレビをじっくり見ていた人だからこその内容と視点です。
トーチキス中テレ案。マタギらしさは出ると思いますが…。 |
といった内容を、中テレとNHKで2回放送しました。火曜日に中テレに来て出演してくれたのが、NHK福島放送局の後藤キャスターです。後藤キャスターは福島生まれ福島育ち、一度も福島県外で暮らしたことが無い、生粋の福島っ子です。この方、かなり度胸が良い!本番前に、うちのディレクターから
「後藤さんもトーチキスのポーズを考えてみては如何ですか?」
と言われ、
「実は私、猪俣さんを取材した事があるんです、ヒメマス釣りで。一匹も釣れなかったんですけど…。」(この時の話はNHK福島放送局の後藤キャスターの、2018年8月14日のブログに書かれています。)
何やらポーズが決まったようです。
「もう前に出たり、自由に動いて構いませんから。」
とディレクターも放送直前に水をむけたところ…後藤さん、本番では猪俣さんに「ヒメマス釣りポーズ」案を、しっかり席の前に出てプレゼンしていました。スタジオのフリートークも臨機応変に展開して頂いて、いやぁ楽しかった。私なんか、正直緊張してえずいていた位なのに…。小・中・高とバレーボールに打ち込んでいたという後藤キャスター、中学時代は全国の舞台も踏んでいるだけあって、やる時はやりますねぇ~。
やっぱり生放送は、楽しくないといけません。一発勝負の面白さ、久し振りに後藤キャスターに堪能させて頂きました。
「後藤さんもトーチキスのポーズを考えてみては如何ですか?」
と言われ、
「実は私、猪俣さんを取材した事があるんです、ヒメマス釣りで。一匹も釣れなかったんですけど…。」(この時の話はNHK福島放送局の後藤キャスターの、2018年8月14日のブログに書かれています。)
何やらポーズが決まったようです。
「もう前に出たり、自由に動いて構いませんから。」
とディレクターも放送直前に水をむけたところ…後藤さん、本番では猪俣さんに「ヒメマス釣りポーズ」案を、しっかり席の前に出てプレゼンしていました。スタジオのフリートークも臨機応変に展開して頂いて、いやぁ楽しかった。私なんか、正直緊張してえずいていた位なのに…。小・中・高とバレーボールに打ち込んでいたという後藤キャスター、中学時代は全国の舞台も踏んでいるだけあって、やる時はやりますねぇ~。
やっぱり生放送は、楽しくないといけません。一発勝負の面白さ、久し振りに後藤キャスターに堪能させて頂きました。
NHK福島放送局の後藤キャスターと。明るくて本番に強い方でした。 |
そして金曜日、今度は私がNHK福島放送局のスタジオへ。中テレのスタジオが郡山市にあるのに対し、NHKは福島市にスタジオがあります。
びっくりしたのは、スタジオの違いです。中テレの場合は、基本的にカメラ1台につきカメラマンが1人ついて、カメラワーク(動き)等も結構あります(ニュースだけでなく第1部でサイコロを転がす等しますから、動かない訳にはいかないのです)。残り時間や指示を伝えるフロアディレクターというスタッフがいて、その指示に従って出演者は喋ります。
ところがNHK福島放送局のスタジオは横長で、奥行きは余りありません。しかもカメラが無人!フロアディレクターも0人(不慣れな私の出演部分は、特別にスタッフがついて下さいましたが)。ではディレクターの指示はどう伝わるのかというと、イヤホンを通じて直接指示が行くのだそう。また残り時間はモニターの横にデジタル表示されていて、予定時刻通り進んでいるかどうかが秒単位で示されます。私は案の定少し長く喋り、次のコーナーに移った時には「延伸8秒」と真っ赤な文字で表示されていました((+_+))芳賀健太郎アナウンサー、高石桃子キャスター、御免なさい。でもお二人ともリハーサルから色々お気遣い頂き、本番はお互いリハーサルと違う事も話しながら、生放送の「生感」を楽しみながら伝える事が出来たと思っております。私の出演したNHKの『はまなかあいづTODAY』は放送が始まって間もなく15年、私がアナウンサーになって間もなく30年、番組の倍の長さでアナウンサーをしておりますが、あのNHKに、たまたま中継先で映り込むのではなく、出演者として出られる日が来るなんて…。アナウンサーを長くやっていて良かったなと、思えた日でした。と同時に、後藤キャスターが中テレに出演した際も、勝手が違う分相当緊張しただろうなぁと、お察しした次第(NHKでの放送後には、わざわざ挨拶に来て下さいました。その律義さも後藤さんの魅力です)。本当に良い経験になりました。
中テレ・NHKをご覧頂いた皆さん、本当に有難う御座いました。
更にその後は、折角福島まで来たので、中合福島で行われている「ズームイン!!サタデー 全国うまいもの博」の会場へ移動し、YouTubeの生配信に参加。どんな話が飛び出したかは、アーカイブで見られますので、是非そちらもご覧ください。
びっくりしたのは、スタジオの違いです。中テレの場合は、基本的にカメラ1台につきカメラマンが1人ついて、カメラワーク(動き)等も結構あります(ニュースだけでなく第1部でサイコロを転がす等しますから、動かない訳にはいかないのです)。残り時間や指示を伝えるフロアディレクターというスタッフがいて、その指示に従って出演者は喋ります。
ところがNHK福島放送局のスタジオは横長で、奥行きは余りありません。しかもカメラが無人!フロアディレクターも0人(不慣れな私の出演部分は、特別にスタッフがついて下さいましたが)。ではディレクターの指示はどう伝わるのかというと、イヤホンを通じて直接指示が行くのだそう。また残り時間はモニターの横にデジタル表示されていて、予定時刻通り進んでいるかどうかが秒単位で示されます。私は案の定少し長く喋り、次のコーナーに移った時には「延伸8秒」と真っ赤な文字で表示されていました((+_+))芳賀健太郎アナウンサー、高石桃子キャスター、御免なさい。でもお二人ともリハーサルから色々お気遣い頂き、本番はお互いリハーサルと違う事も話しながら、生放送の「生感」を楽しみながら伝える事が出来たと思っております。私の出演したNHKの『はまなかあいづTODAY』は放送が始まって間もなく15年、私がアナウンサーになって間もなく30年、番組の倍の長さでアナウンサーをしておりますが、あのNHKに、たまたま中継先で映り込むのではなく、出演者として出られる日が来るなんて…。アナウンサーを長くやっていて良かったなと、思えた日でした。と同時に、後藤キャスターが中テレに出演した際も、勝手が違う分相当緊張しただろうなぁと、お察しした次第(NHKでの放送後には、わざわざ挨拶に来て下さいました。その律義さも後藤さんの魅力です)。本当に良い経験になりました。
中テレ・NHKをご覧頂いた皆さん、本当に有難う御座いました。
更にその後は、折角福島まで来たので、中合福島で行われている「ズームイン!!サタデー 全国うまいもの博」の会場へ移動し、YouTubeの生配信に参加。どんな話が飛び出したかは、アーカイブで見られますので、是非そちらもご覧ください。
NHK福島放送局『はまなかあいづTODAY』のスタジオで。高石キャスター(左)と芳賀アナウンサー。 |
全文を読む