アナウンスルーム

アナウンサーブログ

徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
in collaboration with NHK
 2月3日のブログでもお伝えしたNHKとのコラボ企画、火曜日にはNHK福島放送局の後藤万里子キャスターが中テレに来て出演・リポートしてくれ、きょう7日(金)は私がNHKにお邪魔してきました♪今回はその2回放送分と事前ロケのこぼれ話です。

 
NHK福島放送局へ…。県内他局のスタジオ出演は初めて。しかもNHK!
NHK福島放送局へ…。県内他局のスタジオ出演は初めて。しかもNHK!
 今回取材したのは、会津の金山町(かねやままち)で40年以上マタギ(東北の山岳地帯で、昔ながらのしきたり・狩猟方法を守りながら、自然や命と向き合う狩猟者の事)をしている猪俣昭夫さん(69歳)です。普段は夕方の番組『ゴジてれChu!』でマタギとしての猪俣さんを取材していますが、今回は聖火ランナーに当選した人としての猪俣さんを取材しました。
 聖火ランナーに応募した理由は、或る想いがありました。
「マタギをやっていて、今まではイノシシやシカが山にはいなかったのに、近年出て来るようになったんです。これは周りの人が自然に関心を持たなくなって、それで自然が荒れてきているからだと思うんですね。日本全国、或いは世界の人に、自然にもっともっと関心を持ってもらいたいという想いで、応募したんです。」
 世界的には温暖化などが言われていますが、自然豊かな奥会津でも変化が起きていると、猪俣さんは感じているようです。

 当選した時の気持ちを聞くと、
「いやぁびっくりでしたね。この年齢なので、まさか当たるとは思わなかったんです。」
 当選はメールで来たそうで、そのメールを見せて頂くと、「皆さま如何お過ごしですか」と普通の文面を装いつつ暫く読み進めていくと「聖火ランナーに決まりました」と当選通知の文言が出てきます。しかもメールが届いたのが、12月25日。猪俣さんも
「クリスマスプレゼントをもらった。」
と嬉しそうな表情も見せていました。粋なタイミングで送られてくるものです。
 奥様・娘さん含め、ご家族も喜んでくれた一方、
「走れるか心配」
との声もあったそう。そこで猪俣さん、今では少しずつ練習を始めているそうです。どこで練習しているのか尋ねると、
 
聖火ランナーに選ばれた猪俣さん。前回のブログ、キャプションつけ忘れて御免なさい。
聖火ランナーに選ばれた猪俣さん。前回のブログ、キャプションつけ忘れて御免なさい。
「家の前は車が通るでしょ?知っている人に見られるのが恥ずかしいから…。」
と、自宅からやや離れた、少し山に入った蕎麦畑を貫く一本道を選んでいます。
「ただいつもの年だと、この道は除雪もしないので入れないんです。でも今年は雪が少ないから、除雪は1回だけかな?なのに道には雪が無いんです。私はこれだけ雪が少ないのは初めて、また年上の80~90歳位の人に聞いたら、『過去に1度だけあった』と言うんですが、それ位珍しいです。」
 暖冬の影響は金山町も例外ではありません。
「しかも雪が積もると、道の周りの草は雪の重みで寝ちゃうんです。でも今年は雪が積もらないから、草でも萱でもまっすぐ伸びたままなんです。ここにイノシシとか出ても、姿が見えないので撃てないんです。」
 イノシシは足が短いので、雪が積もるといつも通る道を決め、雪を踏み固めて言わば冬の「けものみち」にして行き来をするようですが、今年はその必要も無いようです。
 
ここが猪俣さんの「人目を忍んだ」練習場所。
ここが猪俣さんの「人目を忍んだ」練習場所。
 蕎麦畑は、標高がやや高い所なので雪が或る程度覆っていますが、そこにはイノシシの足跡が残っています。
「今年は散歩しやすいみたいだね。土が見えている部分は、イノシシが掘り返した所です。」
 冬は土を掘り返して、アザキダイコン等の草の根を食べるのだそうです。
 そんなマタギらしい視点で今年の冬を紹介してもらいつつ、練習で走るところを撮影させて頂きました。走る前は
「山の中を歩くのとアスファルトの平らな所を走るのでは、使う筋肉が違うのかな?練習を始めたころは筋肉痛を起こしました。走りも遅いんですよ。」
と仰っていたのですが、実際に走ってもらうといや速い速い。ついていくのがやっとです。あっという間に、本番で走る距離の200mを駆け抜けます。これは本番も心配ありませんね。
 なお、走る区間が決まるのは今月中旬、聖火ランナーのユニホームは
「当日渡されるんです。『あとは靴と靴下を用意してください』と言われたので、買ったんですよ。」
 
畑で土が見えるのは、イノシシが植物の根を掘り起こした跡だという。
畑で土が見えるのは、イノシシが植物の根を掘り起こした跡だという。
 今回は「白」と規定されているそうで、白のソックスとランニングシューズを用意してありました。ランニングシューズを買ったのは、「69年生きてきて初めて」だそうです。履き心地は「軽くてなかなか好い按配」だそうですが、靴の裏を含めて全く汚れていません。
「いや、まだルームランナーで走っているから」
と、外にはおろしていないそう。もしかしたらコースが決まった後の下見の時におろすのか、もしかするとリレー当日まで土をつけないのかもしれませんね。
 
聖火ランナー用に買った白い靴・靴下。「安いやつですよ。」とご謙遜。
聖火ランナー用に買った白い靴・靴下。「安いやつですよ。」とご謙遜。
 準備万端ですが、「トーチキス」をどうするかはまだ思案中。トーチキスとは、聖火をトーチからトーチへ受け渡す事を指し、ランナーは思い思いのポーズをとれるそう。私は猟銃を構えた時のポーズを提案しましたが、果たしてどうなるでしょう?

 因みに猪俣さんは、56年前の東京五輪の事も覚えていて、当時は自宅のテレビで五輪を見ていたそうです。
「最後の聖火ランナーが、聖火台までかなり長い階段を登っていくんですね。そして台に着いて点火した瞬間ですね。あと、途中の聖火リレーも映ったのですが、ランナーの走りを見ようと沿道はすごい人垣なんです。でも聖火を灯すトーチから結構煙が出ていたんです。ですから遠くでランナーが見えなくても、煙が見えるので、ランナーがどの辺りにいるのか分かったんです。」
 これはやはり当時のテレビをじっくり見ていた人だからこその内容と視点です。
 
トーチキス中テレ案。マタギらしさは出ると思いますが…。
トーチキス中テレ案。マタギらしさは出ると思いますが…。
 といった内容を、中テレとNHKで2回放送しました。火曜日に中テレに来て出演してくれたのが、NHK福島放送局の後藤キャスターです。後藤キャスターは福島生まれ福島育ち、一度も福島県外で暮らしたことが無い、生粋の福島っ子です。この方、かなり度胸が良い!本番前に、うちのディレクターから
「後藤さんもトーチキスのポーズを考えてみては如何ですか?」
と言われ、
「実は私、猪俣さんを取材した事があるんです、ヒメマス釣りで。一匹も釣れなかったんですけど…。」(この時の話はNHK福島放送局の後藤キャスターの、2018年8月14日のブログに書かれています。)
 何やらポーズが決まったようです。
「もう前に出たり、自由に動いて構いませんから。」
とディレクターも放送直前に水をむけたところ…後藤さん、本番では猪俣さんに「ヒメマス釣りポーズ」案を、しっかり席の前に出てプレゼンしていました。スタジオのフリートークも臨機応変に展開して頂いて、いやぁ楽しかった。私なんか、正直緊張してえずいていた位なのに…。小・中・高とバレーボールに打ち込んでいたという後藤キャスター、中学時代は全国の舞台も踏んでいるだけあって、やる時はやりますねぇ~。
 やっぱり生放送は、楽しくないといけません。一発勝負の面白さ、久し振りに後藤キャスターに堪能させて頂きました。
 
NHK福島放送局の後藤キャスターと。明るくて本番に強い方でした。
NHK福島放送局の後藤キャスターと。明るくて本番に強い方でした。
 そして金曜日、今度は私がNHK福島放送局のスタジオへ。中テレのスタジオが郡山市にあるのに対し、NHKは福島市にスタジオがあります。
 びっくりしたのは、スタジオの違いです。中テレの場合は、基本的にカメラ1台につきカメラマンが1人ついて、カメラワーク(動き)等も結構あります(ニュースだけでなく第1部でサイコロを転がす等しますから、動かない訳にはいかないのです)。残り時間や指示を伝えるフロアディレクターというスタッフがいて、その指示に従って出演者は喋ります。
 ところがNHK福島放送局のスタジオは横長で、奥行きは余りありません。しかもカメラが無人!フロアディレクターも0人(不慣れな私の出演部分は、特別にスタッフがついて下さいましたが)。ではディレクターの指示はどう伝わるのかというと、イヤホンを通じて直接指示が行くのだそう。また残り時間はモニターの横にデジタル表示されていて、予定時刻通り進んでいるかどうかが秒単位で示されます。私は案の定少し長く喋り、次のコーナーに移った時には「延伸8秒」と真っ赤な文字で表示されていました((+_+))芳賀健太郎アナウンサー、高石桃子キャスター、御免なさい。でもお二人ともリハーサルから色々お気遣い頂き、本番はお互いリハーサルと違う事も話しながら、生放送の「生感」を楽しみながら伝える事が出来たと思っております。私の出演したNHKの『はまなかあいづTODAY』は放送が始まって間もなく15年、私がアナウンサーになって間もなく30年、番組の倍の長さでアナウンサーをしておりますが、あのNHKに、たまたま中継先で映り込むのではなく、出演者として出られる日が来るなんて…。アナウンサーを長くやっていて良かったなと、思えた日でした。と同時に、後藤キャスターが中テレに出演した際も、勝手が違う分相当緊張しただろうなぁと、お察しした次第(NHKでの放送後には、わざわざ挨拶に来て下さいました。その律義さも後藤さんの魅力です)。本当に良い経験になりました。

 中テレ・NHKをご覧頂いた皆さん、本当に有難う御座いました。


 更にその後は、折角福島まで来たので、中合福島で行われている「ズームイン!!サタデー 全国うまいもの博」の会場へ移動し、YouTubeの生配信に参加。どんな話が飛び出したかは、アーカイブで見られますので、是非そちらもご覧ください。
NHK福島放送局『はまなかあいづTODAY』のスタジオで。高石キャスター(左)と芳賀アナウンサー。
NHK福島放送局『はまなかあいづTODAY』のスタジオで。高石キャスター(左)と芳賀アナウンサー。
全文を読む
コメントを投稿してよろしいですか?
利用規約

中テレ会員サービス(以下「本サービス」)は、株式会社福島中央テレビ(以下「当社」)が提供する、ホームページ、各種ネットサービスを対象とします。
ユーザーは本規約の内容をよくご確認頂いた上で、本サービスをご利用ください。
当社は、ユーザーが本サービスをご利用されることにより本規約の内容を承諾したものとみなし、以後ユーザーと当社との間にて本規約が適用されるものとします。

1.    本サービスのご利用にあたって
本サービスへの登録は無料で行えますが、ユーザーの端末機からのアクセス、メッセージなどの受信に必要な通信費はユーザー自身の負担となる他、一部コンテンツは有料でご利用いただくものになります。ユーザーが本サービスの利用に際して行った一切の行為、その結果および当該行為によって被った損害について、当社は何等の責任も負わないものとします。

2.    個人情報の取り扱いについて
ユーザー情報は、当社からのサービス提供または利用者のサービス向上を図るための資料(個人が特定されない統計資料)等、当社の正当な業務遂行上必要な範囲に限定して利用し、その範囲を超えた個人情報の取扱い(目的外利用)を行いません。ユーザー情報自体の取り扱いについては、別途当社が定める「個人情報保護基本方針」に従い、適切に扱います。

3.アカウントの管理について
ユーザーは、本サービスのログインパスワード等の会員アカウント情報について、自己の責任において管理及び保管するものとし、第三者に開示あるいは貸与、譲渡、売買等をしてはならないものとします。アカウントの管理不十分または第三者の使用等によりユーザーに損害が生じた場合、その責任は故意・過失の有無にかかわらずユーザーが負うものとし、当社は一切その責任を負いません。

4.登録の変更・退会について
ユーザーは、登録情報に変更が生じた場合や、退会を希望する場合、当社が指定する所定の方法によって登録情報を変更または退会の手続きを行うことができます。

5.未成年による利用について
未成年者のユーザーは、本サービスの利用の一切につき、親権者等の法定代理人の同意のもと利用しなければなりません。未成年者のユーザーが、法定代理人の同意がないにもかかわらず同意があると偽り、または年齢について成年と偽って本サービスを使用した場合、その他行為能力者であることを信じさせるための詐術を用いた場合、本サービスに関する一切の法律行為を取り消すことはできません。本規約の同意時に未成年であったユーザーが成年に達した後に本サービスを利用した場合、当社は、当該ユーザーが本サービスに関する一切の法律行為を追認したものとみなします。

6.知的財産権について
本サービスに関する一切の特許権、実用新案権、意匠権、著作権、商標権等の知的財産権(それらの権利を取得し、またはそれらの権利につき登録等を出願する権利を含みます。以下「知的財産権」)は全て当社または当該権利を有する第三者に帰属します。ユーザーは、本サービスを利用するにあたって、一切の権利を取得することはないものとし、当社は、ユーザーに対し、本サービスに関する知的財産権について、本サービスを本規約に従ってユーザーの端末機においてのみ使用できる譲渡不能の権利として許諾するものです。したがって、ユーザーは個人で楽しむ目的(著作権法第30条第1項の範囲での私的使用)でのみ本サービスを利用できます。また、ユーザーは本サービスについて当社から提供された状態でのみ利用するものとし、本サービスに関する情報の全部または一部を、当社の了解を得ずに、複製、改変、貸与、配布等により転用してはなりません。

7.ユーザーによる情報の提供やアップロードについて
ユーザーは、本サービスの利用にあたってアップロードする文章、画像、動画、音声、音楽その他の情報(以下総称して「ユーザーコンテンツ」)について、その行為における適法な権利を有していること、及びユーザーコンテンツが第三者の知的財産権、所有権その他の権利を侵害していないことについて、当社に対し表明し、保証するものとします。ユーザーコンテンツに関する著作権は、当該投稿等を行ったユーザー自身に留保されるものとし、事前に著作権譲渡について当社がユーザーから許諾または同意を得たものを除き、当社は当該ユーザーコンテンツに関する著作権を取得することはありません。ただし、当社は、本サービスの提供、維持、改善またはプロモーション等に必要な範囲において、ユーザーコンテンツを複製、翻案、自動公衆送信などを、無償、無期限かつ地域非限定で行うことができるものとします。ユーザーは、当社及び当社から権利を承継または許諾された物に対し、著作者人格権を行使しないものとします。

8.禁止行為について
ユーザーは、本規約の他の条項に定めるものの他、本サービスの利用にあたって、以下の行為またはそのおそれのある行為を行ってはならないものとします。
(1)他のユーザー、当社または第三者に不利益または損害を与える行為
(2)公序良俗に反する行為
(3)法令に違反する行為
(4)当社の書面による事前の承認を得ずに、本サービスに関連して営利を追求する行為
(5)当社による本サービスの運営を妨害する行為
(6)本サービスの信用を失墜、毀損させる行為
(7)当社の承認した以外の方法で本サービスを利用する行為
(8)本サービスを譲渡、貸与、公衆送信、使用許諾する行為
(9)本サービスを複製、翻案、編集、改変する行為
(10)コンピュータウイルス等を本サービスで利用し使用をしたり、第三者に提供したりする行為、あるいはそのおそれのある行為
(11)その他、当社が不適切と判断する行為 

9.免責事項について
当社は、本サービスに関する情報およびデータの正常性、信頼性、正確性を保証するものではありません。本サービスにかかる情報によりユーザーまたは第三者に損害が生じた場合であっても、その損害についていかなる責任も負いません。また、当社は、本サービスの利用に起因するソフトウェア、ハードウェア上の事故、ユーザー間またはユーザーと第三者の間において生じたトラブル、その他の事故等による全ての損害についても、いかなる責任も負いません。

10.損害賠償について
本規約に違反して権利侵害等の問題が発生した場合、ユーザーは、自己の負担と責任においてかかる問題を解決するとともに、当社に何等の迷惑または損害を与えないものとし、仮に当社に損害を与えたときは、当社に対して当該損害の全てを賠償していただきます。

11.当社による本サービスの提供中止について
当社は、ユーザーが本規約に違反した場合、当該ユーザーに対してあらかじめ通知することなく、本サービスの全部または一部の内容の提供を中止することができるものとします。当該中止についてユーザーに損害が生じた場合であっても、当社はいかなる責任も負いません。

12.本サービスの変更・一時中断・廃止について
当社は、本サービスの内容を必要に応じて変更することがあります。また、メンテナンスや内容更新のため本サービスの提供を一時中断、あるいは本サービスの廃止を行う場合があります。当該変更または一時中断、廃止によってユーザーまたは第三者に損害が生じた場合であっても、当社はいかなる責任も負いません。

13.本規約の改訂
当社は、随時本規約を改訂できるものとします。当社は本規約を改訂した場合、その都度、改定後の本規約を掲示することによってユーザーに告知するものとし、改定後の本規約は当該掲示の時点で効力を生じるものとします。

14.準拠法、協議、管轄
本規約の解釈および運用は日本法に準拠します。 本サービスに関連してユーザー、当社ないし第三者との間で疑義、問題が生じた場合、その都度誠意をもって協議し、解決を図るものとします。 協議によっても疑義、問題が解決しない場合、これらに関する紛争は当社の本社所在地を管轄する地方裁判所または簡易裁判所を第1審の専属的合意管轄裁判所とします。
 
附則
本規約は2022年9月30日から実施します。