2005.09.15
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先日の報道の企画会議での事。X氏は、県外出身の若手記者である。
A「そう言えば、ここ何年かアミメカゲロウの取材に行っていないなぁ。」
B「でも、夕食時の番組であのアミメカゲロウのアップはどうですかねぇ?」
徳光「アミメカゲロウの出る場所って、うちの福島支社の近くだよね。だったら情報カメラでは生で撮れないの?」
B「撮れないんですよ。」
A「橋の下に水銀灯が付けてあってそこに集まるから、最近は上までは余り来ないんですよ。」
徳光「そうか。いや、アップを避けたいなら、橋の辺りにうわ〜っていうのが何となく広い画で撮れれば、それで良いかな、なんてね。」
そこで、まだ写真も映像も見た事が無いX氏がこう言った。
X「そんなに凄いんですか?」
A「凄いんだよ。」
B「そのせいで、昔はスリップ事故が起きたりしたんだから。」
X「え!?そんななんですか。」
A「取材、嫌だったなぁ。カメラに向かってくるんだから。」
X「なんでそうなるんですか?」
A「そりゃ、阿武隈川の水が汚いから大量に発生するんだよ。」
B「水がきれいか汚れているかを示す指標になってるんだ。」
X「そうなんですか…。へぇ〜〜。事故がおきるくらい大きいんですね…。」
徳光「おいX、かげろうって、ゆらゆらする方の陽炎じゃないぞ。」
X「えっ!?」
一同「……わっはっは」
B「カゲロウって虫だぞ、虫!」
X「…なんだ、そうか…。いや〜、橋の上まで、スリップ事故が起きるくらいの陽炎が立ち昇るなんて凄いなと思って。なんで事故が起きたんですか?」
A「大量に発生したところに車が走ると、カゲロウを踏んでタイヤがスリップするから事故が起こるんだよ。」
X「は〜…。で、なんでそんなに大量に発生するんですか?」
B「だから、阿武隈川の水が汚いと、大量に発生するんだって。」
徳光「話聞いてないし…っていうか、出発点が皆と違ってたからな。陽炎だったもん。」
X「なんで水がきれいじゃないと陽炎が発生するのかな?って…。」
A「(笑)でも皆、『アミメ』カゲロウって言ってたじゃん?」
X「いやぁ、そこではアニメのキャラクターになるくらい凄い陽炎なんで『アニメかげろう』と呼ばれているのかと思ったんですよ…。」
アミメカゲロウ。水生昆虫。水がある程度汚くても生きる事が出来る上、汚染物質の一部を栄養源とする為、天敵が生きられないくらい汚れた川では大量発生する可能性が高まる。福島市の阿武隈川ではこの時期30年近く大量発生していて、事故を防ぐ為に橋の下に水銀灯を設置してアミメカゲロウが橋の上に集まらないよう対策をとっている。だが一番は、川の水をきれいにする事。大量発生はそれで防げる。
こうやって、若手記者はまた一つ福島県の「常識」を学ぶのだった。
A「そう言えば、ここ何年かアミメカゲロウの取材に行っていないなぁ。」
B「でも、夕食時の番組であのアミメカゲロウのアップはどうですかねぇ?」
徳光「アミメカゲロウの出る場所って、うちの福島支社の近くだよね。だったら情報カメラでは生で撮れないの?」
B「撮れないんですよ。」
A「橋の下に水銀灯が付けてあってそこに集まるから、最近は上までは余り来ないんですよ。」
徳光「そうか。いや、アップを避けたいなら、橋の辺りにうわ〜っていうのが何となく広い画で撮れれば、それで良いかな、なんてね。」
そこで、まだ写真も映像も見た事が無いX氏がこう言った。
X「そんなに凄いんですか?」
A「凄いんだよ。」
B「そのせいで、昔はスリップ事故が起きたりしたんだから。」
X「え!?そんななんですか。」
A「取材、嫌だったなぁ。カメラに向かってくるんだから。」
X「なんでそうなるんですか?」
A「そりゃ、阿武隈川の水が汚いから大量に発生するんだよ。」
B「水がきれいか汚れているかを示す指標になってるんだ。」
X「そうなんですか…。へぇ〜〜。事故がおきるくらい大きいんですね…。」
徳光「おいX、かげろうって、ゆらゆらする方の陽炎じゃないぞ。」
X「えっ!?」
一同「……わっはっは」
B「カゲロウって虫だぞ、虫!」
X「…なんだ、そうか…。いや〜、橋の上まで、スリップ事故が起きるくらいの陽炎が立ち昇るなんて凄いなと思って。なんで事故が起きたんですか?」
A「大量に発生したところに車が走ると、カゲロウを踏んでタイヤがスリップするから事故が起こるんだよ。」
X「は〜…。で、なんでそんなに大量に発生するんですか?」
B「だから、阿武隈川の水が汚いと、大量に発生するんだって。」
徳光「話聞いてないし…っていうか、出発点が皆と違ってたからな。陽炎だったもん。」
X「なんで水がきれいじゃないと陽炎が発生するのかな?って…。」
A「(笑)でも皆、『アミメ』カゲロウって言ってたじゃん?」
X「いやぁ、そこではアニメのキャラクターになるくらい凄い陽炎なんで『アニメかげろう』と呼ばれているのかと思ったんですよ…。」
アミメカゲロウ。水生昆虫。水がある程度汚くても生きる事が出来る上、汚染物質の一部を栄養源とする為、天敵が生きられないくらい汚れた川では大量発生する可能性が高まる。福島市の阿武隈川ではこの時期30年近く大量発生していて、事故を防ぐ為に橋の下に水銀灯を設置してアミメカゲロウが橋の上に集まらないよう対策をとっている。だが一番は、川の水をきれいにする事。大量発生はそれで防げる。
こうやって、若手記者はまた一つ福島県の「常識」を学ぶのだった。
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