2002.06.25
言葉って…
先日、東京に芝居を観に行って参りました。テアトルエコーの『ら抜きの殺意』という芝居です。以前、福島県でも上演された事があるので、ご覧になった方もいらっしゃると思います。久しぶりに、時間を忘れて笑える芝居を観ました。
テアトルエコーとの最初の出会いは、大学2年か3年の時。ノエル・カワードの『陽気な幽霊』というこれまた面白い(…っていうかぁ、傑作!)芝居でした。死別した奥さんが新しい恋人の出来た主人公の前に現れるのですが、主人公には死んだ奥さんが見えるのに、新しい恋人には見えない。わっはっは、これが芝居ならではの面白さ。だって観客にも見えるんですよ、見えないはずの死んだ奥さんが(当たり前ですが)。その瞬間から、主人公の立場と観客の立場を同時に楽しめちゃう。これはテレビや映画より、絶対芝居向きの設定だと思いませんか?芝居の楽しさを教えてもらった作品でした。
しかも当時のテアトルエコーの劇場は今よりもこじんまりしていて、幕間にお菓子とお茶を配ってくれていました。劇場にいる時間全てを楽しんでいって欲しいという気持ちが伝わってくるような劇団です。そうそう、その時は最前列で芝居を見ていたのですが、こじんまりした空間故に、舞台のセットが客席に迫り出す最後の場面には一瞬席を立って逃げたくなる位驚いた記憶があります。納谷悟朗さんや熊倉一雄さん、故山田康雄さんなどの名優揃いの劇団でもあります。
ら抜きとは、見れる・来れる・食べれる…などの「ら抜き言葉」の事。主人公の(自称)サラリーマンは、正しい日本語に敏感な人。ところが、ひょんな事から「ら抜き言葉」を連発する上司や、敬語が使えない同僚に囲まれる職場で働く事に。その内、言葉をめぐって殺気立った雰囲気が社内に立ち込め…という筋の芝居です。
途中途中に流れる音楽の歌詞が全部「ららら…」だったり、慣用句の誤用なども絡めたりして笑わせてくれるのですが、最後には「他人に自分の真意を正確に伝える言葉とは?」と考えさせられる展開になっていき、いやはや腹を抱えながらも余韻があとあとまで残る好い芝居でした。それに台詞にエネルギーがこもった、台詞で楽しませてくれる芝居という点も大満足でした。
それにしても日本語と言うのは奥深く、いまだに「知らなかった…」とどきっとする事があります。恥ずかしながら、入社した頃は堂々と「来れる」と放送で言っちゃいましたし(「見れる」・「食べれる」はら抜き言葉だと知っていたのですが…)、「はだざむい」と口にした事もあります。この時期は「つゆざむ」ですが、秋には「つゆさむ」という言葉があるのもつい最近知りました。実は登場人物を笑う自分に、笑う資格が無かったりして…と、今またどきりとしました。
言葉って奥深い。
テアトルエコーとの最初の出会いは、大学2年か3年の時。ノエル・カワードの『陽気な幽霊』というこれまた面白い(…っていうかぁ、傑作!)芝居でした。死別した奥さんが新しい恋人の出来た主人公の前に現れるのですが、主人公には死んだ奥さんが見えるのに、新しい恋人には見えない。わっはっは、これが芝居ならではの面白さ。だって観客にも見えるんですよ、見えないはずの死んだ奥さんが(当たり前ですが)。その瞬間から、主人公の立場と観客の立場を同時に楽しめちゃう。これはテレビや映画より、絶対芝居向きの設定だと思いませんか?芝居の楽しさを教えてもらった作品でした。
しかも当時のテアトルエコーの劇場は今よりもこじんまりしていて、幕間にお菓子とお茶を配ってくれていました。劇場にいる時間全てを楽しんでいって欲しいという気持ちが伝わってくるような劇団です。そうそう、その時は最前列で芝居を見ていたのですが、こじんまりした空間故に、舞台のセットが客席に迫り出す最後の場面には一瞬席を立って逃げたくなる位驚いた記憶があります。納谷悟朗さんや熊倉一雄さん、故山田康雄さんなどの名優揃いの劇団でもあります。
ら抜きとは、見れる・来れる・食べれる…などの「ら抜き言葉」の事。主人公の(自称)サラリーマンは、正しい日本語に敏感な人。ところが、ひょんな事から「ら抜き言葉」を連発する上司や、敬語が使えない同僚に囲まれる職場で働く事に。その内、言葉をめぐって殺気立った雰囲気が社内に立ち込め…という筋の芝居です。
途中途中に流れる音楽の歌詞が全部「ららら…」だったり、慣用句の誤用なども絡めたりして笑わせてくれるのですが、最後には「他人に自分の真意を正確に伝える言葉とは?」と考えさせられる展開になっていき、いやはや腹を抱えながらも余韻があとあとまで残る好い芝居でした。それに台詞にエネルギーがこもった、台詞で楽しませてくれる芝居という点も大満足でした。
それにしても日本語と言うのは奥深く、いまだに「知らなかった…」とどきっとする事があります。恥ずかしながら、入社した頃は堂々と「来れる」と放送で言っちゃいましたし(「見れる」・「食べれる」はら抜き言葉だと知っていたのですが…)、「はだざむい」と口にした事もあります。この時期は「つゆざむ」ですが、秋には「つゆさむ」という言葉があるのもつい最近知りました。実は登場人物を笑う自分に、笑う資格が無かったりして…と、今またどきりとしました。
言葉って奥深い。
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