2018.10.18
Episode in Nihonmatus 2
私が三木聡監督の事を知ったのは、たまたま見た映画『亀は意外と速く泳ぐ』だった(ブログを遡ったら、2005年8月5日でした)。『ジョゼと虎と魚たち』に出ていた上野樹里さんを恐らくコメディエンヌとして初主演に起用、後に知名度が更に上がった蒼井優さんや松重豊さんが共演、画面の独特の色調、ぶっとんだ発想、挟まる小ネタ、世間知らず・常識外れ・間違っているのはどっち?と価値観を揺るがす台詞と演出、笑って考えて濃い時間で、それでいて他にはない味わいの映画を作る方だ。
その三木監督の久しぶりの監督・脚本映画が、『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』。予備知識なしで見に行った感想。最初、ロックバンドのボーカルを演じる阿部サダヲさんと声の小さなストリートミュージシャン演じる吉岡里帆さんが出会うまでは何の話か?という展開なのだが、そこから先は三木ワールド。三木作品ファンには嬉しいふせえりさん、松尾スズキさん、岩松了さん、森下能幸さん、麻生久美子さんが登場しただけで、ストーリーとは別に拍手を送りたくなり(「いよっ!待ってました!」)期待感が否が応でも高まる(勿論演出に沿った怪演・快演を見せていて、皆さんの存在感と意義はしっかり「立って」います)。そして今回も幾つもの台詞に核心を突かれどきっとさせられ(「やらない理由」や「不燃物」等)、登場人物の背景の設定にぐっとくる伏線があり、なぜ主人公が無茶をするのか等一つ一つに理由があり…、でも吉岡さんの驚き方や、怪しい街中に「展示」されている小道具に笑い(つげ義春チックな看板も登場)、物語の幹と枝葉の絡み加減が何とも絶妙で、私には面白探しをしながらストーリーを楽しむ、何とも充実した2時間弱だった。
因みに風とロックでもおなじみ富澤タクさん(楽曲の提供も!)や、映画『フラガール』にも出演していた池津祥子さんといった福島県出身の方も登場します。福島県では『フォーラム福島』『ポレポレシネマズいわき小名浜』で上映中。
そうです、ここまではどこが二本松のエピソードだ?ですね。ここから先が二本松話。
郡山に帰る途中に、寄ってきました、安達ケ原ふるさと村。こちらでは二本松市の『重陽の芸術祭2018』に合わせて、前回ご紹介した小松美羽さんの作品が展示されていて、しかもこの期間は無料で見る事が出来ます(先人館で展示されています)。個人的には対の神獣が描かれた『門番』の絵が魅力的でした。門番なのですが、左の神獣は生まれたばかりの子供を抱えています(母なのでしょう、乳房も見えます)。神獣は子々孫々、門番として、その土地にとって大切なものを守っていくのでしょうし、また自らの子もまた守り育てながら、門番としての役割を全うするのでしょう。見ているだけでそんな想像が勝手に巡り始める、温かくも迫力のある絵でした。
また黒塚・鬼婆伝説にまつわる手塚治虫さんの作品の複写等も見る事が出来ます。
今の時期、菊人形以外にも色々見るものがありますね。紅葉を見がてら、芸術の秋を楽しむのにも好さそうです。近々、先日放送した小松美羽さんの展示会の「こぼれ話」を書くつもりです。
尚、今度の日曜日21日の『ゴジてれ×Sun!』では、火曜日には放送出来なかった分も入った再編集版「小松美羽展~祈り~」をお送りします。こちらもお見逃しなく!
その三木監督の久しぶりの監督・脚本映画が、『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』。予備知識なしで見に行った感想。最初、ロックバンドのボーカルを演じる阿部サダヲさんと声の小さなストリートミュージシャン演じる吉岡里帆さんが出会うまでは何の話か?という展開なのだが、そこから先は三木ワールド。三木作品ファンには嬉しいふせえりさん、松尾スズキさん、岩松了さん、森下能幸さん、麻生久美子さんが登場しただけで、ストーリーとは別に拍手を送りたくなり(「いよっ!待ってました!」)期待感が否が応でも高まる(勿論演出に沿った怪演・快演を見せていて、皆さんの存在感と意義はしっかり「立って」います)。そして今回も幾つもの台詞に核心を突かれどきっとさせられ(「やらない理由」や「不燃物」等)、登場人物の背景の設定にぐっとくる伏線があり、なぜ主人公が無茶をするのか等一つ一つに理由があり…、でも吉岡さんの驚き方や、怪しい街中に「展示」されている小道具に笑い(つげ義春チックな看板も登場)、物語の幹と枝葉の絡み加減が何とも絶妙で、私には面白探しをしながらストーリーを楽しむ、何とも充実した2時間弱だった。
因みに風とロックでもおなじみ富澤タクさん(楽曲の提供も!)や、映画『フラガール』にも出演していた池津祥子さんといった福島県出身の方も登場します。福島県では『フォーラム福島』『ポレポレシネマズいわき小名浜』で上映中。
そうです、ここまではどこが二本松のエピソードだ?ですね。ここから先が二本松話。
郡山に帰る途中に、寄ってきました、安達ケ原ふるさと村。こちらでは二本松市の『重陽の芸術祭2018』に合わせて、前回ご紹介した小松美羽さんの作品が展示されていて、しかもこの期間は無料で見る事が出来ます(先人館で展示されています)。個人的には対の神獣が描かれた『門番』の絵が魅力的でした。門番なのですが、左の神獣は生まれたばかりの子供を抱えています(母なのでしょう、乳房も見えます)。神獣は子々孫々、門番として、その土地にとって大切なものを守っていくのでしょうし、また自らの子もまた守り育てながら、門番としての役割を全うするのでしょう。見ているだけでそんな想像が勝手に巡り始める、温かくも迫力のある絵でした。
また黒塚・鬼婆伝説にまつわる手塚治虫さんの作品の複写等も見る事が出来ます。
今の時期、菊人形以外にも色々見るものがありますね。紅葉を見がてら、芸術の秋を楽しむのにも好さそうです。近々、先日放送した小松美羽さんの展示会の「こぼれ話」を書くつもりです。
尚、今度の日曜日21日の『ゴジてれ×Sun!』では、火曜日には放送出来なかった分も入った再編集版「小松美羽展~祈り~」をお送りします。こちらもお見逃しなく!
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