NOW
ON AIR

Chu! PRESS

#子育て (4件)

2023.08.09

「出産したら居場所はない?」元アナウンサーの育休体験記~男性社員の育休取得率を高めるために~

「出産したら居場所はない?」元アナウンサーの育休体験記~男性社員の育休取得率を高めるために~
福島中央テレビの大野智子です。私は2018年に娘を出産し、産休育休を経て2020年に職場復帰しました。2021年7月に25年間担当したアナウンサーの仕事(報道部)から異動し、現在は経営企画部で人事、働き方改革推進や健康増進対策業務などを担当しています。今年4月からは福島民友新聞社と共同で立ち上げた「ふくしま子育て応援隊」のプロジェクトメンバーにも加わり、子育て世代のためのイベントの企画や運営などにも携わっています。今回の記事では、私の経験を元に「少子化」の課題について考えていきたいと思います。

私が福島中央テレビにアナウンサーとして入社したのは1996年。その頃は結婚や出産を機に退職する女性も多く、本社では私が入社以来20年以上、育児休業を取って働き続ける女性は1人もいませんでした。突然発生する事件や災害に対応するテレビ局の仕事は時に激務が続きます。そうした職業柄、出産後も働く自分の姿は全く想像できず、誰に言われた訳でもなく「出産したら居場所はない」と本気で思っていました。
(写真:アナウンサー時代/写真左)
(写真:アナウンサー時代/写真左)
こうした状況は福島中央テレビだけに限りません。厚生労働省が私が入社した当時の1990年代後半に行った調査では、第一子を出産後に仕事を続ける女性の割合は38.1%、育休の取得率も49.1%(1996年)という低い数字でした。しかし、この20年で女性の働き方は変わっています。女性の育休の取得率は80%を超え、第一子出産後も仕事を継続する女性の割合は69.5%まで増えています。
(出典:厚労省/2022年/「育児休業取得率等データ」より)
(出典:厚労省/2022年/「育児休業取得率等データ」より)
そうした時代の流れや自分の年齢的なリミットもあり、「子どもが欲しい」という思いが芽生えたのは40歳になった頃でした。その後、念願かなって娘を授かれたことは、いま考えても人生最大の幸運です。

一方で、私の出産の少し前に、夫が勤め先の都合で職を失いました。夫は独立開業を考え、少しでも早く進めようとしていました。そんな夫に私は「いまは仕事ではなく育児を一緒にしてほしい」と伝えました。当初は悩んでいた夫も、独立開業を一旦見送ることにしてくれました。病院で沐浴指導を受け、家事を分担し、新生児期は夜中のおむつ替えやミルクを夫が担当してくれたことで、私はしっかりと休みをとり眠ることができました。生後2・3カ月になると、布団に置くと泣く子だったので、夫と順番に娘を抱っこしたまま壁に寄りかかって浅い眠りを取っていた時期もありました。さらに娘の体重が増えなくて悩んだり、私が乳腺炎になったり。生後5カ月くらいからは娘の夜泣きが酷くなり、抱っこ紐をつけた夫が夜中に散歩に出かけて寝かせることも度々あって、夫は昼夜逆転の生活でした。
(写真:病院で沐浴指導を受ける夫)
(写真:病院で沐浴指導を受ける夫)
ほぼ1年間一緒に育児をしてから、夫は独立開業しました。振り返ると産後半年は特に、昼夜の感覚がない赤ちゃんのお世話が24時間体制なのに、私はホルモンバランスも崩れて頑張りたい気持ちはあっても体が頑張れず、一人では乗り切れなかったと思います。夫は「とてもいい時間を過ごせた」と言います。それは、育児の大変さを経験し、家族を守るために家事を分担すること大切さを実感したから出てきた言葉だったと感じます。そして、その経験があるからこそ、私の職場復帰後も、夫は家事や育児に協力的です。

いまの時代、育児は母親だけが行うものではありません。妊娠や出産後に退職した女性たちの多くが「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めた」と答えているという国の調査結果があり、その意識はまだまだ低いと感じざるを得ません。必要なのは男性も当り前に育児休業を取得できる「環境」です。しかし、女性の育児休業の取得率が80%を超えているのに対して、男性の取得率は17.1%にとどまっています。この数字を福島中央テレビでは50%以上にしたいと考えています。
(写真:郡山市のペップキッズこおりやまにて娘との時間を過ごす)
(写真:郡山市のペップキッズこおりやまにて娘との時間を過ごす)
さらに、育児休業制度を積極的に活用してもらうための情報提供や実際に育児休業を取得した男性社員の事例を「見える化」しようと、『中テレ育PAPA通信』の発行を始めました。「あの人が育休取ったなら俺も取ろうかな」と感じてもらい、上司にもワーク・ライフ・バランスへの意識を高めてもらうことで男性社員が育児休業を取得しやすい社内環境を作るためです。

そうした取り組みの成果が少しずつ表れてきています。この3年間で、妻が出産した男性社員11人中5人が育児休業を取得しました。その取り組みが評価され、福島中央テレビは今年「子育てサポート企業」として厚生労働省から認められ「くるみん認定」を受けました。子育てをサポートすることは国の未来へと繋がること、認定を受けたことをとても誇らしく思います。そして、仕事と子育ての両立を会社が推進することで、私が感じていた「出産後は居場所がなくなるのでは?」といった漠然とした不安にも、しっかりとした“答え”を与えてくれます。

国の調査でも「夫の家事・育児時間が長いほど、妻の仕事を続ける割合が高くなり、また第二子以降の出生割合も高い傾向にある」という結果が出ています。自身の経験から言えば、生後半年くらいは夫婦揃っての育児が理想だと思います。また、今後は男女ともに妊娠や出産を目指す社員に会社として手を差し伸べることが出来る「妊活応援」の環境も整えていければと考えています。もっと言えば、「ダイバーシティ」の考え方が広まり、多様性という考えのもとで多くの人が互いに支えあえる環境を醸成していければと思います。

人手不足で長時間労働が常態化し、ワーク・ライフ・バランスが悪化することでさらに少子化が進むという悪循環が、いまの日本の大きな課題です。働きやすい環境はもちろん「子育てしやすい会社」を目指すこと、そしてそれを地域に広めていくことが私たちメディアの役割だと感じます。そんな思いを胸に、今年発足した「ふくしま子育て応援隊」の一員として、みなさまと一緒に地域を盛り上げることにも力を尽くしていきたいと思います。
全文を読む
もっと見る
すべて
#ふくしま子育て応援隊
#SDGs
#中テレ祭り
#きぼう
#会津若松市出身
#ヱビスビール
#印象派展郡山
#印象派展
#モネ
#米粉ピザ
#Pizza TT Brothers
#開成山公園
#Park-PFI制度
#神尾佑 酒に交われば
#峰の雪酒造
#三春酒造
#ねこ駅長
#ふにゃ~り日和
#矢澤酒造店
#お弁当
#お惣菜
#リオン・ドール
#中テレ社内見学
#マルト
#からあげ伊達屋
#桜八
#Hawaiian Cafe HERO
#ハワイアンパンケーキ
#PR
#ふくしま発酵旅
#cafe nda焙
#味噌博士
#三五八漬け
#ライスバーガー
#海カフェ
#石焼き芋
#おなはまタンタンめん
#古民家らーめん 福寿庵
#ネコマ マウンテン
#ゲレ食
#道の駅ふくしま
#干支パフェ
#1位づくしの温泉旅
#万葉亭
#八幡屋
#土湯温泉
#野地温泉ホテル
#庄助の宿 瀧の湯
#男山酒造店
#朝日ドライブイン
#朝ドラ
#會津おでん
#ご当地グルメ
#高校サッカー
#七日町通
#抹茶専門カフェ
#カレーパン
#ゴロゴロ系
#石林
#フカヒレ
#曙酒造
#海ごみ
#SDGs
#TOKIO-BA
#船
#榮川酒造
#スポーツ
#豊国酒造
#24時間テレビ
#メタバース
#美容
#らーめんHOME
#出汁
#宮泉銘醸
#千駒酒造
#七転び八起き
#納屋カフェ
#桃
#割烹食堂 かいね
#ご褒美ランチ
#FANTASTICS畑
#日本酒
#アナウンサー
#冷やしラーメン
#会津坂下町
#子育て
#笹の川酒造
#TOKIO-BA×ゴジてれ
#国分太一
#白河うどんマーケット 櫓
#手打ちうどん
#檜物屋酒造店
#ぶっとんでるいきもの展
#小名浜潮目交流館
#伊集院光
#大内宿
#塔のへつり
#白河
#末廣酒造
#古代エジプト美術館展
#いわき市立美術館
#クロワッサン
#SHARE
#人気酒造
#古民家カフェ
#モリアオガエル
#有賀醸造
#東や3代目
#中華一番
#四家酒造店
#食べログ百名店
#本場広島お好み焼き かっちゃん
#天ぷら 佐久間
#ごみ削減
#鈴木酒造店
#グップラ
#ブンケン歩いてゴミ拾いの旅
#鶴乃江酒造
#二本松ドライブイン
#スタミナラーメン
#大和川酒造店
#日本酒の神様
#大天狗酒造
#仁井田本家
#メダカ
#郡山ブラック
#しょうや
#ラーメン
#成
#たもや
#麺や 笑華
#枡はん
#昼ふろや
#麺屋 信成
#角麺
#らぁ麺おかむら
#皐月亭
#あさくさらーメン
#サムライ
#トラクター
#醤油プリン
#南相馬市
#ジェラート
#フードロス
#只見線
#途中下車
#キャンプ飯
#会津
#ふくしまラーメンショー
#風とロック
#スノーピーク
#天栄村
#女性活躍
#田楽カフェ
#須賀川市
#手打ち蕎麦
#会津観光
##中テレ祭り
#Libretto
#ギフト
#無印良品
#冷凍食品
#MyLife
#JR只見線
#再開通
#テロワージュふくしま
#食と酒
#氷の神殿
#飯坂
#みりょくいちば
#激安スーパー
##永井麻葵
#福島応援
#マルシェ
#桑折町
#メルバ
#鬼ぐるみ
#エコ食材
#会津四季もち
#豆腐もち
#中華街展
#うすい百貨店
#田村市都路町
#パワースポット
#福、笑い
#甘酒
#いちご
#ロールケーキ
#酪王カフェオレ
#赤べこ
#二本松市
#木幡の幡祭り
#ゴジてれ
#矢吹町
#パン屋
#教育
#タイ料理
#焼き立てパン
#キャンピングカー
#おでん
#コンニャク
#鉄道
#Chu!PRESS編集部
#ごみ排出量
#全国ワースト2位
#福島県知事選
#台風
#避難
#キッザニア
#職業体験
#Chu!PRESS編集部
#バンクシーって誰?展
#オンライン特別授業
#スイーツ
#グルメ
#にゃん旅鉄道
#いわき市
#文具女子
#風とロック芋煮会
#相馬野馬追
#ドローン
#ブンケン
#蕎麦
#ヘルシー
#神獣ベコたち
#ガシャポン
#張子
#会津鉄道
#フラのまち
#新名物
#サクマ&ピース
#サクピー
#中テレアプリ
#福島の桜
#富岡町
#三春滝桜
#カフェ
#復興
#起業支援
##SDGs
##いわき市
#狛犬
#福島の桃
#いなかといいなか交流ツアー
#就職活動
#いわきサンシャインマラソン
#海ごみ削減プロジェクト
#常磐もの
#ミデッテ
#イチゴ
#海の幸
#相馬市観光
#舞妓
#京都
#大京都展
#クリスマス
#いなか暮らし
#体験交流
#旅
#中テレクリスマスドリーム
#やなせたかしの世界
#佐久間宣行
#アルコ&ピース平子祐希
#ふくしま麺フェア
#まるや
#イベント
##Chu!PRESS編集部
#ChuTube
#岡田
#伝統野菜
#バスケットボール
#福島ファイヤーボンズ
#歌唱王
#こおりやま街の学校
#オンライン
#ドラマ
#映画
#ミネアポリス美術館日本絵画の名品展
#YouTube
#オリンピック
##スイーツ
#野球
#ドライブインシアター
#tuperatuperaのかおてん.
#驚き
#癒し
#会社見学
#防災
#豪雨
#特産
#UFO
#ゴルフ
#スタジオジブリ
#ナウシカ
#ガンダム
#BBQ
#おうち時間
#かわいい
#ダンロップ・スリクソン福島オープン
#豪雨災害
#Chuリズム
#新型コロナ
#妖怪
#クマ
#意外
#デリバリー
#梅雨
#カビ対策
#サウナ
#冷やしグルメ
#潮干狩り
#名物
#お取り寄せ
#高校生クイズ
#テイクアウト
#専門店
おすすめ情報