Chu! PRESS
2022.10.27
未曾有の日々の陣頭指揮…胸震わせた女子高校生の言葉 元福島知事単独インタビュー【#選挙報道は投票日の前に!】
世界最悪レベルの原発事故が発生した福島。発生直後から陣頭指揮を執った当時の福島県知事が福島中央テレビの取材に応じた。福島の行く末を世界が注視する中で、県民を二分する問題にも向き合った。そして、多忙を極める公務の中で胸を震わせたのは福島の女子高校生が考案したある台詞だった。激動の日々で大切にしてきた知事としてのポリシーは、いつの時代にも通ずるリーダーとしての資質だった。
■2期の重責 カメラ前に振り返る
その人物はグレーの乗用車を運転してインタビュー会場であるホテルに到着した。元・福島県知事の佐藤雄平氏(74)。「黄門さま」として親しまれた故・渡部恒三衆議院議員の懐刀として秘書を長年務めた後、参議院議員を経て、2006年から福島県知事を2期にわたって担った。
「今は健康であることが前提だから散歩は欠かさず、時々ゴルフもやるね。」当時と比べるとほっそりとした印象を受けるが、雑談中に見せる朗らかな笑顔と伸びやかな声は変わらない。
退任後に地元紙などの取材を受ける機会はあったが、テレビカメラの前で語るのは久しぶりだという。退任から8年が経った今だからこそ語れる、激動の中でも曲げなかったポリシーとは…。
その人物はグレーの乗用車を運転してインタビュー会場であるホテルに到着した。元・福島県知事の佐藤雄平氏(74)。「黄門さま」として親しまれた故・渡部恒三衆議院議員の懐刀として秘書を長年務めた後、参議院議員を経て、2006年から福島県知事を2期にわたって担った。
「今は健康であることが前提だから散歩は欠かさず、時々ゴルフもやるね。」当時と比べるとほっそりとした印象を受けるが、雑談中に見せる朗らかな笑顔と伸びやかな声は変わらない。
退任後に地元紙などの取材を受ける機会はあったが、テレビカメラの前で語るのは久しぶりだという。退任から8年が経った今だからこそ語れる、激動の中でも曲げなかったポリシーとは…。
■劇的に変化「24時間365日が仕事」
インタビュー会場には在任中の一幕を切り取った3枚のパネルを展示した。そのうちの1枚は2014年の退任時、職員に別れを告げた際の写真。「やっぱり疲れた顔しているね。」この3か月前、政治生命をかけた苦渋の決断を下したばかりだった。
雄平氏は就任後から積極的に企業誘致を展開した。当時の取材テープには「福島県の営業本部長」と名乗りながら名刺交換する姿も記録されている。地域の経済活性化や人口減少を食い止める雇用の確保に力を尽くした。
その公務が劇的に変化したのが2011年3月11日午後2時46分。長く険しい東日本大震災・福島第一原発事故の対応が始まった瞬間だった。
「知事は事務的な責任者であって政治的な責任者でもある。だから知事の時代は1年365日、極端な話をすると24時間が仕事という気持ちでいたね。」
インタビュー会場には在任中の一幕を切り取った3枚のパネルを展示した。そのうちの1枚は2014年の退任時、職員に別れを告げた際の写真。「やっぱり疲れた顔しているね。」この3か月前、政治生命をかけた苦渋の決断を下したばかりだった。
雄平氏は就任後から積極的に企業誘致を展開した。当時の取材テープには「福島県の営業本部長」と名乗りながら名刺交換する姿も記録されている。地域の経済活性化や人口減少を食い止める雇用の確保に力を尽くした。
その公務が劇的に変化したのが2011年3月11日午後2時46分。長く険しい東日本大震災・福島第一原発事故の対応が始まった瞬間だった。
「知事は事務的な責任者であって政治的な責任者でもある。だから知事の時代は1年365日、極端な話をすると24時間が仕事という気持ちでいたね。」
■「胸に響いた…」女子高校生考案のセリフ
「知事!何とかして!お願いします!」原発事故で避難した女性から避難所でかけられた言葉だ。福島第一原発事故後、最大で16万5000人が県内外に避難するなど混沌とする中で、福島のトップとして、国との闘いが続いた。
「あのセリフは胸に響いたな…。」インタビュー中、少し遠くを見ながら振り返った出来事がある。福島第一原発事故の5か月後に開催されたふくしま総文(全国高校総合文化祭)の開会式で披露された構成劇「ふくしまからのメッセージ」の一節だ。
「福島で生まれて 福島で育って
福島で働いて 福島で結婚して
福島で子どもを産んで 福島で育てて
福島で子どもを育てて
福島で孫を見て 福島でひ孫を見て
福島で最後を過ごす
それが私の夢なのです」
高校生が自ら考えた生の声に勇気づけられた雄平氏は、県内の18歳以下を対象にした医療費無料化を国に求めて実現に奔走する。県内の市町村から上がってくる声をまとめ、校庭や通学路の除染などについても財政支援を求めた。複合災害に遭った福島に寄り添い続ける姿勢を担保させるため「福島復興再生特別措置法」の立法にも力を尽くした。
「知事!何とかして!お願いします!」原発事故で避難した女性から避難所でかけられた言葉だ。福島第一原発事故後、最大で16万5000人が県内外に避難するなど混沌とする中で、福島のトップとして、国との闘いが続いた。
「あのセリフは胸に響いたな…。」インタビュー中、少し遠くを見ながら振り返った出来事がある。福島第一原発事故の5か月後に開催されたふくしま総文(全国高校総合文化祭)の開会式で披露された構成劇「ふくしまからのメッセージ」の一節だ。
「福島で生まれて 福島で育って
福島で働いて 福島で結婚して
福島で子どもを産んで 福島で育てて
福島で子どもを育てて
福島で孫を見て 福島でひ孫を見て
福島で最後を過ごす
それが私の夢なのです」
高校生が自ら考えた生の声に勇気づけられた雄平氏は、県内の18歳以下を対象にした医療費無料化を国に求めて実現に奔走する。県内の市町村から上がってくる声をまとめ、校庭や通学路の除染などについても財政支援を求めた。複合災害に遭った福島に寄り添い続ける姿勢を担保させるため「福島復興再生特別措置法」の立法にも力を尽くした。
■重い決断でのポリシーは「惻隠力」
復興の舵取り役ともなった知事の責任は日増しに重くなり、幾度となく難しい決断も迫られた。雄平氏が険しい表情で振り返ったのは、退任の理由の一つといえる2014年9月の出来事だ。
「在任中、本当に難しかった決断は中間貯蔵施設だった。」福島県内の除染で出た土などを一時的に保管する中間貯蔵施設をめぐる決断だ。当時は生活圏のいたる所に仮置きされていて、県民からは放射線への不安の声が渦巻いていた。国は福島第一原発が立地する大熊町・双葉町にまたがる敷地での受け入れを求めた。
「誰しもが故郷に汚染土なんて置きたくない。1~2年じゃなく最長30年も置くわけだからな。」
県民の意見が二分するような問題に対して最終的な決断を迫られた。この時、雄平氏は知事としての自らのポリシーを大事にしたという。
「色々な人と会って色々な話を聞いた。特に若い世代の意見は大事にしたな。意見が二分する問題に向き合う時は惻隠力(人を思いやる気持ち)が特に県知事には求められるんだ。」
地元住民や被災自治体の首長らと対話を重ねた末に建設の受け入れを決断し国に告げた。県のトップとして政治生命をかけた苦渋の決断。福島復興に向けた大きな課題に目途をつけて、雄平氏は知事の職を辞すことにした。
復興の舵取り役ともなった知事の責任は日増しに重くなり、幾度となく難しい決断も迫られた。雄平氏が険しい表情で振り返ったのは、退任の理由の一つといえる2014年9月の出来事だ。
「在任中、本当に難しかった決断は中間貯蔵施設だった。」福島県内の除染で出た土などを一時的に保管する中間貯蔵施設をめぐる決断だ。当時は生活圏のいたる所に仮置きされていて、県民からは放射線への不安の声が渦巻いていた。国は福島第一原発が立地する大熊町・双葉町にまたがる敷地での受け入れを求めた。
「誰しもが故郷に汚染土なんて置きたくない。1~2年じゃなく最長30年も置くわけだからな。」
県民の意見が二分するような問題に対して最終的な決断を迫られた。この時、雄平氏は知事としての自らのポリシーを大事にしたという。
「色々な人と会って色々な話を聞いた。特に若い世代の意見は大事にしたな。意見が二分する問題に向き合う時は惻隠力(人を思いやる気持ち)が特に県知事には求められるんだ。」
地元住民や被災自治体の首長らと対話を重ねた末に建設の受け入れを決断し国に告げた。県のトップとして政治生命をかけた苦渋の決断。福島復興に向けた大きな課題に目途をつけて、雄平氏は知事の職を辞すことにした。
■新知事へ…雄平氏が贈る言葉
東日本大震災の発生から11年半の月日が経った。今も福島復興には難題が付きまとい、福島第一原発の廃炉作業も英知を結集しながら手探りで行われている。物価高騰に新型コロナ対策、人口減少と福島県知事が向き合う問題は枚挙に暇がない。
知事には政治生命をかけた決断が迫られる瞬間がやってくる。その時にどう決断するか―雄平氏が語った惻隠力はどの時代のリーダーにも求められる資質ではないだろうか?
東日本大震災の発生から11年半の月日が経った。今も福島復興には難題が付きまとい、福島第一原発の廃炉作業も英知を結集しながら手探りで行われている。物価高騰に新型コロナ対策、人口減少と福島県知事が向き合う問題は枚挙に暇がない。
知事には政治生命をかけた決断が迫られる瞬間がやってくる。その時にどう決断するか―雄平氏が語った惻隠力はどの時代のリーダーにも求められる資質ではないだろうか?
どんな福島の未来を望んでいますか?最後にそう尋ねると微笑みながらこう締めくくった。「福島県に生まれて育って良かった、福島県に住んでみたいなという県づくりだよね。」
福島県知事選挙は30日(日)が投開票日で、現職と新人2人が選挙戦を繰り広げている。激動の時代に陣頭指揮を執った雄平氏は行く末を静かに見守っている。
福島県知事選挙は30日(日)が投開票日で、現職と新人2人が選挙戦を繰り広げている。激動の時代に陣頭指揮を執った雄平氏は行く末を静かに見守っている。
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