2005.10.18
Isshin and Aya’s work
映画『メゾン・ド・ヒミコ』を観る。
私は犬童一心監督が大好きである。切っ掛けは(遅まきながら)ジョゼ虎。あんなに直截に、正直に恋愛を、そして男を描いた映画を初めて観た。胸が締め付けられた。映画館を出ても引きずった。周りの人に「良い、良い」と触れて回ったら、映画を観た上にDVDまで買う同僚も出た。人物の描き方が実に優しく、且つ(一方で)正確ゆえに冷徹というか冷静というか、突き放すと表現すべきか、相応しい言葉が未だに見つからないのだが、そうだ、「厳正に」、厳正に現実と人間を見つめる目を持っていらっしゃるという印象。
『金魚の一生』を観て、その印象は確信に変わった(と言っても、ど素人の単なる思い込みです、はい)。
『二人が喋ってる。』や『手を握る泥棒の物語』を観て、人が他人の素や本音を探る過程をじっくり描く魅力を再認識。
で、『メゾン・ド・ヒミコ』。出演がセカチューの柴咲コウさんに、脚本がジョゼ虎の渡辺あやさん!!となれば、観るしかない。
しみじみ、美しくて、良い映画です。『空中庭園』を動(揺さぶる)とするなら、『メゾン・ド・ヒミコ』は静(震わす)。舞台はゲイバー「卑弥呼」の二代目ママ(?)が作った、ゲイ専門の老人ホームが舞台。登場人物も当然ゲイがらみ。でもとても魅力的。ルビイ(歌澤寅右衛門)さん、惚れました。明るくて、お孫さんがいる筈と信じている(それが正しかったのかどうかは、映画で結論が明示されます)好いお爺ちゃんで……。政木(柳澤愼一)さんはとてもダンディ…と思っていたら、何と『奥様は魔女』のダーリン役の声の方(これだけは30歳代後半以上の方は知った上で観た方が、数倍楽しめます)!ダンディな筈ですわ。
切ない場面も出てきます。細かくは言えませんが、恋愛の場面、沙織(柴咲コウ)さんがとある騒がしい場所で激怒する場面、そして葉書の束の場面…。
ラストも含め、じ〜んと来る映画でした。
因みに私が行ったのは、犬童監督と卑弥呼役の田中泯さんのトークショーのある回。卑弥呼役が決まるまで、他のスタッフが一人として候補を挙げられなかった中で、監督自身が運命的に田中さんに出会った話や、田中さんがゲイを演じるにあたって行き当たった(行き着いた?)「モデル」の話とか、監督がただ一人注文を付けずにいた出演者が田中さんだった話とか、田中さんと柴咲さんとのやり取りは「寧ろ『こうなるんだ』と二人の会話を記録している感じで、監督と言うより観ていて楽しかった」という話とか、大変興味深かった。
直に犬童監督が見られただけでも十分満足だったのだが、お二方の話を聞いたり、番組で一緒に出させていただいている羽鳥アナが映画に出ているのを見たりして、「世の中にはこういう凄い人がいる一方で、自分はこの一生で一体何が出来るのだろうか?」とちょっぴり悩んでしまった。
私は犬童一心監督が大好きである。切っ掛けは(遅まきながら)ジョゼ虎。あんなに直截に、正直に恋愛を、そして男を描いた映画を初めて観た。胸が締め付けられた。映画館を出ても引きずった。周りの人に「良い、良い」と触れて回ったら、映画を観た上にDVDまで買う同僚も出た。人物の描き方が実に優しく、且つ(一方で)正確ゆえに冷徹というか冷静というか、突き放すと表現すべきか、相応しい言葉が未だに見つからないのだが、そうだ、「厳正に」、厳正に現実と人間を見つめる目を持っていらっしゃるという印象。
『金魚の一生』を観て、その印象は確信に変わった(と言っても、ど素人の単なる思い込みです、はい)。
『二人が喋ってる。』や『手を握る泥棒の物語』を観て、人が他人の素や本音を探る過程をじっくり描く魅力を再認識。
で、『メゾン・ド・ヒミコ』。出演がセカチューの柴咲コウさんに、脚本がジョゼ虎の渡辺あやさん!!となれば、観るしかない。
しみじみ、美しくて、良い映画です。『空中庭園』を動(揺さぶる)とするなら、『メゾン・ド・ヒミコ』は静(震わす)。舞台はゲイバー「卑弥呼」の二代目ママ(?)が作った、ゲイ専門の老人ホームが舞台。登場人物も当然ゲイがらみ。でもとても魅力的。ルビイ(歌澤寅右衛門)さん、惚れました。明るくて、お孫さんがいる筈と信じている(それが正しかったのかどうかは、映画で結論が明示されます)好いお爺ちゃんで……。政木(柳澤愼一)さんはとてもダンディ…と思っていたら、何と『奥様は魔女』のダーリン役の声の方(これだけは30歳代後半以上の方は知った上で観た方が、数倍楽しめます)!ダンディな筈ですわ。
切ない場面も出てきます。細かくは言えませんが、恋愛の場面、沙織(柴咲コウ)さんがとある騒がしい場所で激怒する場面、そして葉書の束の場面…。
ラストも含め、じ〜んと来る映画でした。
因みに私が行ったのは、犬童監督と卑弥呼役の田中泯さんのトークショーのある回。卑弥呼役が決まるまで、他のスタッフが一人として候補を挙げられなかった中で、監督自身が運命的に田中さんに出会った話や、田中さんがゲイを演じるにあたって行き当たった(行き着いた?)「モデル」の話とか、監督がただ一人注文を付けずにいた出演者が田中さんだった話とか、田中さんと柴咲さんとのやり取りは「寧ろ『こうなるんだ』と二人の会話を記録している感じで、監督と言うより観ていて楽しかった」という話とか、大変興味深かった。
直に犬童監督が見られただけでも十分満足だったのだが、お二方の話を聞いたり、番組で一緒に出させていただいている羽鳥アナが映画に出ているのを見たりして、「世の中にはこういう凄い人がいる一方で、自分はこの一生で一体何が出来るのだろうか?」とちょっぴり悩んでしまった。
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