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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
Episode in Nihonmatsu 3
 二本松エピソードその3です。
 きのうの『ゴジてれ×Sun!』でも再編集版が放送されましたが、10月7日の日曜日には、大山忠作美術館で開かれている『小松美羽展~祈り~』の取材をしてきました。
 この日は風が強かったのですが、小雨が降ったのでしょう、安達太良山には雲がかかっていたものの、そこに虹が!これは吉兆、楽しみです。
 大山忠作美術館の入っている二本松市市民交流センターには、朝から多くの人が列を作っていました。そう、初日のライブペイントの整理券を求める人たちです。早い人は朝6時から並んでいたそう。そこまで人を惹き付けるものは何なのか、美術展で実際に小松さんの描いた絵画を見て、納得しました。
 因みになぜ小松さんがライブペイントをこちらで行うかというと、実は2年に1度行われる「福島ビエンナーレ」という芸術祭の金獅子賞を受賞したのに伴って、という事で、ライブペイントそのものが大山忠作美術館で行われるのは、今後もめったに無いはずです(実際に行われる場所は、同じ階に隣接する市民ギャラリーですが)。しかも3枚に描くのも初めてとの事。どんな絵になるのか、そのパフォーマンスも含め、大変楽しみです。

 これから見に行く方の為に、小松さんが当日マスコミにして下さった絵の解説の一部を載せておきます。急いでメモしたもので、言い回しなど一部違う部分があるかも知れませんが、ご参考になれば幸いです。
小松美羽さん。金獅子賞は獅子と狛犬。小松さんの絵に通じる相応しい賞品だ。
小松美羽さん。金獅子賞は獅子と狛犬。小松さんの絵に通じる相応しい賞品だ。
 展示会入ってすぐ右手にある銅版画が、『四十九日』。小松さんが注目を浴びるきっかけとなった作品です。線描画による非常に細かく描きこまれた作品で、学生時代に制作したものです。
 この絵を描くきっかけは、絵に没頭する学生時代、小松さんの祖父が危篤になった際の事。夢枕に祖父が立ったというのです。
「おじいちゃんが『私はまだ亡くならないので、3日後に、その時の朝方に自分は亡くなるのでその時に来なさい』って言う夢を見たんですね。それで亡くなる前の夜に帰って、で朝行ったらおじいちゃんがちょうど息を引き取る頃だったんですけど、その時に初めて、人の魂が体から抜ける瞬間というのが見えまして…。」
 小松さんは以前、飼っていたウサギが死ぬ時にも「ふわっとしたエネルギー体みたいなものが抜ける瞬間が見えた」と言い、その時に「肉体で考えると動物と人間を区別して考えるが、エネルギー体になった時にはそういう区別・差別の無い世界があるんだ」と気付いたそうです。
「肉体から魂が抜けた時、故人をどう思うか。魂が天に行く前の御迎えの期間の中で、どれだけ祈り、どれだけ故人の事を思い、天に伝えられるか。それが四十九日という期間であり、ラストチャンスであり、四十九日に対する向き合い方になるものを作ってまた祈れたら好いなと思い、その故人の旅路を描いた作品になっています。」
 絵は、ウサギが魂を載せた生き物を先導する様子が描かれています。
 尚その絵の隣には、原版も展示されています。しかし、斜めに切断されています。勿論、本来は切られていてはいけないものです。切断されている理由は、彼女の著書『世界のなかで自分の役割を見つけること』に書かれています。その理由を知った上で、私はもう一度見に行きたいと思っています。

 入って左手にあるのは、『新・風土記』です。本来は出雲大社に奉納されている作品ですが、現在宝物殿の建て替え中という事で展示できたそうです。
 小松さんが遷宮の翌年に出雲大社に行った時の事、八雲たつという位雲の厚い天気の多い場所なのに、社殿の後ろにある「八雲山の向こう側から光が天に向かって上っていく瞬間が見え」たのだそうです。
「その時に『嗚呼、人の祈りは色や光に表すことが出来るんだ』という事に気付いたんです。」
 この作品が以降、小松さんが絵で色を使うきっかけになります。
 十月を神無月と言いますが、そのいなくなった神々は出雲に集まっているので、出雲では「神在月」というと、古典の授業で習った記憶がありますが、小松さんは、その流れは「人間のサイクルとは無関係に行われている」と言います。
「『風土記』は古いものと思われているかも知れませんが、そうではなく、(私が)風土記の場所を転々とした時に、たまたまそこで書く人が終わっているだけで、進行形で続いている事を書く人がいないだけ、『風土記』はずっと繋がれているんだって気付きまして、『新・風土記』と名前を付けて、そのサイクルを、永遠と繋がるものを描いた」そうです。
 絵の上の方にある光るものは、ダイヤモンドです。「宇宙にダイヤモンドで出来ている星も見つかる位、鉱物的にもとても古いもの」である事から、ダイヤモンドを宇宙に見立て、「宇宙と地球にいる人が祈りで繋がっていかれますよう、それが永遠に紡がれますよう」との思いを込めた作品だそうです。


 会場の奥には、有田焼の狛犬があります。小松さんの作った『狛犬』は大英博物館に所蔵されていますが、ここに展示されているのは「大英博物館にあるのと同じ窯で作った自分用のもの」だそうです。
「2体あって、ユニコーン(一角獣)とバイコーン(二角獣)です。狛犬を描く時は、ユニコーンとバイコーンを分けて描きます。ユニコーンは、処女性、清らかさを大切にするもの。バイコーンは不純に近寄る生き物を表しています。そしてこれらが交わる事で、繁栄をしていきます。繰り返し、輪廻の中で繋がっていく事を示した」そうです。…深い。

 長くなりましたので、今日はここまで。(つづく)
高速道脇の木が、強風ですごい事に。分かりづらいが中央には虹が出ている。
高速道脇の木が、強風ですごい事に。分かりづらいが中央には虹が出ている。
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