2023.05.04
with a camera in Hirata Village 2-2
ツーリング仲間の方から面白い男性がいると伺い、ご自宅まで道案内して頂きました。
地元の面白い方のところへ案内して下さる。 |
案内が終わると、疾風のように去っていった。 |
その方はつい最近まで現役だったという、自称“元”大工のこちらの男性。
「面白いってこれの事かな?」
ご自身が乗るバイクを見せて頂きました。
「面白いってこれの事かな?」
ご自身が乗るバイクを見せて頂きました。
こちらがお目当ての男性。 |
結構大きなバイクを乗りこなすそう。 |
「前のバイクは800㏄だったんだけど、今は1200㏄にしたんです。」
男性の御年79歳! 最近はどこにツーリングしたんですか?
「福島市の土湯に行って、そこから塩川(喜多方市)を回って…300㎞も走ると、お尻が痛くなるね。」
79歳で1200㏄のバイクに跨り300㎞のツーリング!? これは只者ではありません。
男性の御年79歳! 最近はどこにツーリングしたんですか?
「福島市の土湯に行って、そこから塩川(喜多方市)を回って…300㎞も走ると、お尻が痛くなるね。」
79歳で1200㏄のバイクに跨り300㎞のツーリング!? これは只者ではありません。
79歳にして1200㏄のバイクに跨る。 |
1日で300㎞走った事も! |
「私は趣味が多いんですよ。」
そう言われ、案内されたのがお庭。
そう言われ、案内されたのがお庭。
乗りこなすだけあって、姿勢も決まっている。 |
趣味はほかにも…。 |
「庭師に石を運んでもらったんですが、デザインは100分の1スケールの図面を描いて自分でしたんです。」
大きな石では3tトラックでやっと運べたものだそうで、
「これでも土で隠れている部分が多いんですよ。」
向きも、土から出す部分も、全て指示した、まさにご自身が設計した庭です。
大きな石では3tトラックでやっと運べたものだそうで、
「これでも土で隠れている部分が多いんですよ。」
向きも、土から出す部分も、全て指示した、まさにご自身が設計した庭です。
ご自身がデザインして造った庭。 |
石の角度、土の盛り方なども全て指示。 |
ほかにも鯉を育てたり、指さす方には
「去年私が作ったんです。」
「去年私が作ったんです。」
立派な鯉も育てている。 |
指の先には… |
自宅の門を一人で作ったり、さすが“元”大工でいらっしゃる。
「この家も私が建てたんです。どうぞ。」
中に入ると、階段室とリビングダイニングキッチンが広がります。
「この家も私が建てたんです。どうぞ。」
中に入ると、階段室とリビングダイニングキッチンが広がります。
こちらの門も、最近一人で作ったそう。 |
自分で建てた我が家をご案内。 |
玄関を入ると、まず立派な木の“置物”が(←正式な名前を知らずに、済みません)。
「家の柱2本分が取れたけやきの木の、根っこなんです。」
確かに立派です。
「家の柱2本分が取れたけやきの木の、根っこなんです。」
確かに立派です。
家の柱をとったけやきの木の根で作ったと言う。 |
リビング・ダイニングも広々。 |
そしてリビングダイニングには色々写真が飾ってあります。
「孫が高校まで野球をやっていたんです。」
3年の夏は直前の別の大会でデッドボールを受け怪我をしてしまい、甲子園出場はなりませんでしたが、背番号1番のエースで3番だったそうです。自慢のお孫さんなんですね。
「孫が高校まで野球をやっていたんです。」
3年の夏は直前の別の大会でデッドボールを受け怪我をしてしまい、甲子園出場はなりませんでしたが、背番号1番のエースで3番だったそうです。自慢のお孫さんなんですね。
自慢のお孫さんの写真も…。 |
高校球児だった3年時はエースで3番! |
こちらの階段もご自身で全部作ったそう。
「既成の階段を組み立てるのは若い大工でも出来るんですが、一から削って組み立てて…は難しいんです。」
手すりの彫刻もご自身で施し、
「既成の階段を組み立てるのは若い大工でも出来るんですが、一から削って組み立てて…は難しいんです。」
手すりの彫刻もご自身で施し、
階段も、自慢の一つ。 |
彫りも、ご自身で。 |
「階段は、釘を使っていないんです。」
踏板と桁板を組み合わせる部分は寸分違わず切る・削る、が必要な匠の技です。
踏板と桁板を組み合わせる部分は寸分違わず切る・削る、が必要な匠の技です。
ぴたりとはめこむのに、技術が要る。 |
釘を使っていないそう。 |
続いて和室も案内して下さいます。
「あ、これは孫の使っていたグラブね。
「あ、これは孫の使っていたグラブね。
和室にお邪魔すると… |
お孫さんの高校時代のグラブが。 |
高校に入ってキャッチボールをしたけど、受けると痛いし、ボールが曲がるから怖いんだ。」
因みにバットケースは、息子さん(お孫さんのお父さんで、その1のチームリーダーの家を建てた方ですね)が作ったそう。
で、ご本人が見せたかったのはこの和室の設えです。
因みにバットケースは、息子さん(お孫さんのお父さんで、その1のチームリーダーの家を建てた方ですね)が作ったそう。
で、ご本人が見せたかったのはこの和室の設えです。
グラブをはめる度にこれを見て、お孫さんは自分を奮い立たせたのであろう。 |
バットケースは息子さん(お孫さんのお父さん)制作。 |
「流儀があって、左が床の場合、右の違い棚は左が上。天袋も寸法はこれこれと、きちっと決まっているんです、というのも昔は侍の家では討ち取った敵の首を入れたという話も残っていて、それが入る寸法が九寸なんぼと決まっていて、適当に作れないんです…。」
ちょっと想像してしまいます…。
「これも私が作ったんです。」
あ、これ見た事があります!
ちょっと想像してしまいます…。
「これも私が作ったんです。」
あ、これ見た事があります!
床の間も、ご自身で作った。天袋に関するちょっと怖い話も…。 |
違い棚に、凄い拵えが! |
実は今年の1月に「ぶらカメ」で西会津町の十一塩屋という創業110年の老舗旅館を取材した際、こまどり姉妹や北島三郎が泊まった事もある「松の間」に同じ設えがあったのです!(その時は設えを紹介していませんが、十一塩屋のエピソードはこちらをクリック。)
西会津町の老舗旅館にお邪魔した時も、床の間の違い棚に… |
こんな大工さんの遊び心が設えてあった。 |
調べてみると、この違い棚を繋ぐ柱を「海老塚(えびづか)」と呼ぶそうで、そこにこのような意匠を凝らすのが、大工の遊び心でもあり腕の見せ所でもあります。これ、1本の木から作ってあるんです。詰まり後から玉を入れるのではなく、彫り出し、削り出して、中に玉が収まる形に仕上げています。湿気を含んで中央で止まっていますが、乾燥するとこの玉を上下に動かす事が出来ます。因みに違い棚の上の端にあるのは
「筆転ばし(筆返し)って言って、筆が転がって落ちないようにしたものです。」
「筆転ばし(筆返し)って言って、筆が転がって落ちないようにしたものです。」
大工さんって本当に器用ですね~。 |
上には、筆が落ちない意匠も。 |
これだけのものを作れるって、大工さんのお仕事は凄い! |
ここに、多趣味ぶりを示すものも…。 |
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