2023.03.30
two movies
今はドライブをしていても、結構見頃の桜を目にするようになった。国道4号を走っていると、道の駅安達の「万燈桜」が結構良い感じ(因みに7年前の写真はこちらから)。
休みを利用して映画を観に行ったが、2本とも私には「当たり」だったので少々ご紹介をば。
1つは『シン・仮面ライダー』。私の幼少期に『仮面ライダー』はよく見たが、正直仮面ライダーとショッカーの戦いばかりに目が行き、背景の深さには想いが至らないままだった。そのストーリーの深さを、今回の映画もこれまでの『シン・〇〇』シリーズ同様、息をもつかせぬ展開と内容量の多さで描写していく。
仮面ライダーは本郷猛という人間がショッカーによって“改造”されるものの、そこから逃れてショッカーと戦うという大きな設定は昔のテレビ版と変わらない。が、“変身”に関する理屈付けや身体の変化などは、さすが令和版というべきか、そのあたりが冒頭から怒涛のように説得力を持って話が進み、また結構ショッキングな映像で畳みかけてくるので、肩に力が入る。
『シン・仮面ライダー』では、その後ショッカー(SHOCKER)の繰り出す“オーグ”との戦いが続くのだ(因みにオーグとは、人間とほかの生物との合成形態という程度の説明に留めておく。例えば仮面ライダーはバッタとの合成形態。)が、この戦いを見ていて、私は19年前の映画『キューティーハニー』を思い出していた。
『キューティーハニー』も原作が漫画で、テレビアニメ化もされていた。それを実写版映画で作り上げたのが、今回の『シン・仮面ライダー』の脚本・監督でもある庵野秀明氏だ(倖田來未さんの『キューティーハニー』は、この映画から生まれた)。その立ちはだかる敵の個性的な事。色といい、デザインといい、その戦い方といい、そこはやはり庵野氏の個性が迸るのだ。視覚的な面白さ・ユニークさは、作品や使った技術が違えども19年前の庵野氏の確固たる根っこと変わらないのが嬉しい。これぞ庵野作品。『キューティーハニー』を知っていて良かったと思いながら、わくわくして次なる戦いを期待させる(19年前の感想は、こちらをクリック)。
『キューティーハニー』では、主人公の如月ハニーが敵の“クロー”と戦う内に孤独や憎悪という感情を知っていきつつ、それでも愛に行きつく。本郷猛はショッカーを倒す事で相手の命を奪う事と葛藤しながら、優しさと思いやりの中に正義を貫く。そんな主人公の心の煩悶が描かれるのも、共通している(共通と言えば、手塚とおるさん・松尾スズキさん・市川実日子さんは2作品とも出演♪)。
また昔のテレビ版の音楽や効果音が使われているのも、オールドファンには嬉しかった。
個人的にじ~んと来た場面の一つが、浜辺美波さん演じる緑川ルリ子が笑顔を見せた瞬間だ。一人の女性としての表情が垣間見えた時、良かったなぁ、ルリ子にもこんな瞬間があったんだなぁとうるうる。
『シン・仮面ライダー』は全国各地で上映中で、県内では郡山テアトル・イオンシネマ福島・フォーラム福島・ポレポレシネマズいわき小名浜で観られる(但しPG-12、小学生以下の子どもが観る際は保護者などの助言・指導が必要な作品です)。
もう1作は『オットーという男』。堅物で物事のルールに細かい、口うるさい男オットー。しかし家に戻ると、或る深い悩みと闇を抱えている姿が…。そんなオットーが、引っ越してきた家族との出会いをきっかけに、自分の思いもよらない方向に人生の風向きが変わっていき…。
フラッシュバックのように細切れに出て来る過去が、なぜ今のオットーになったのかという理由を紐解き始め、点と点が繋がっていき、段々とオットーに観ているこちらも惹かれていく。恋があり、悲劇があり、友情があり、絆があり、優しさがあり、正しさが貫かれる事への喝采が生まれる。
トム・ハンクスさんが素晴らしいのは言うまでもないのだが、引っ越してきたメキシコ人役のリアナ・トレビーニョさんも凄く魅力的! オットーの家の玄関だけでなく、オットーの心の扉をノックし続け最後に開かせてしまうのは、トレビーニョさんの役柄と演技の賜物だからだ。
最後のエンドロールが温かいので、最後までじっくり作品の余韻が味わえる。
映画『オットーという男』は、県内は残念ながら一部映画館で上映が終わってしまい、フォーラム福島ではまだ観られる。
休みを利用して映画を観に行ったが、2本とも私には「当たり」だったので少々ご紹介をば。
1つは『シン・仮面ライダー』。私の幼少期に『仮面ライダー』はよく見たが、正直仮面ライダーとショッカーの戦いばかりに目が行き、背景の深さには想いが至らないままだった。そのストーリーの深さを、今回の映画もこれまでの『シン・〇〇』シリーズ同様、息をもつかせぬ展開と内容量の多さで描写していく。
仮面ライダーは本郷猛という人間がショッカーによって“改造”されるものの、そこから逃れてショッカーと戦うという大きな設定は昔のテレビ版と変わらない。が、“変身”に関する理屈付けや身体の変化などは、さすが令和版というべきか、そのあたりが冒頭から怒涛のように説得力を持って話が進み、また結構ショッキングな映像で畳みかけてくるので、肩に力が入る。
『シン・仮面ライダー』では、その後ショッカー(SHOCKER)の繰り出す“オーグ”との戦いが続くのだ(因みにオーグとは、人間とほかの生物との合成形態という程度の説明に留めておく。例えば仮面ライダーはバッタとの合成形態。)が、この戦いを見ていて、私は19年前の映画『キューティーハニー』を思い出していた。
『キューティーハニー』も原作が漫画で、テレビアニメ化もされていた。それを実写版映画で作り上げたのが、今回の『シン・仮面ライダー』の脚本・監督でもある庵野秀明氏だ(倖田來未さんの『キューティーハニー』は、この映画から生まれた)。その立ちはだかる敵の個性的な事。色といい、デザインといい、その戦い方といい、そこはやはり庵野氏の個性が迸るのだ。視覚的な面白さ・ユニークさは、作品や使った技術が違えども19年前の庵野氏の確固たる根っこと変わらないのが嬉しい。これぞ庵野作品。『キューティーハニー』を知っていて良かったと思いながら、わくわくして次なる戦いを期待させる(19年前の感想は、こちらをクリック)。
『キューティーハニー』では、主人公の如月ハニーが敵の“クロー”と戦う内に孤独や憎悪という感情を知っていきつつ、それでも愛に行きつく。本郷猛はショッカーを倒す事で相手の命を奪う事と葛藤しながら、優しさと思いやりの中に正義を貫く。そんな主人公の心の煩悶が描かれるのも、共通している(共通と言えば、手塚とおるさん・松尾スズキさん・市川実日子さんは2作品とも出演♪)。
また昔のテレビ版の音楽や効果音が使われているのも、オールドファンには嬉しかった。
個人的にじ~んと来た場面の一つが、浜辺美波さん演じる緑川ルリ子が笑顔を見せた瞬間だ。一人の女性としての表情が垣間見えた時、良かったなぁ、ルリ子にもこんな瞬間があったんだなぁとうるうる。
『シン・仮面ライダー』は全国各地で上映中で、県内では郡山テアトル・イオンシネマ福島・フォーラム福島・ポレポレシネマズいわき小名浜で観られる(但しPG-12、小学生以下の子どもが観る際は保護者などの助言・指導が必要な作品です)。
もう1作は『オットーという男』。堅物で物事のルールに細かい、口うるさい男オットー。しかし家に戻ると、或る深い悩みと闇を抱えている姿が…。そんなオットーが、引っ越してきた家族との出会いをきっかけに、自分の思いもよらない方向に人生の風向きが変わっていき…。
フラッシュバックのように細切れに出て来る過去が、なぜ今のオットーになったのかという理由を紐解き始め、点と点が繋がっていき、段々とオットーに観ているこちらも惹かれていく。恋があり、悲劇があり、友情があり、絆があり、優しさがあり、正しさが貫かれる事への喝采が生まれる。
トム・ハンクスさんが素晴らしいのは言うまでもないのだが、引っ越してきたメキシコ人役のリアナ・トレビーニョさんも凄く魅力的! オットーの家の玄関だけでなく、オットーの心の扉をノックし続け最後に開かせてしまうのは、トレビーニョさんの役柄と演技の賜物だからだ。
最後のエンドロールが温かいので、最後までじっくり作品の余韻が味わえる。
映画『オットーという男』は、県内は残念ながら一部映画館で上映が終わってしまい、フォーラム福島ではまだ観られる。
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