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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
the final of Fukushima high school soccer tournament in 2022
 第101回全国高校サッカー選手権福島県大会の決勝が行われ、福島県の代表が決まった。その観戦記を少し…。

 今年の実況席は初のダブル解説。福島東高校が全国ベスト8時のメンバーで元Jリーガーの萬代宏樹氏、その時の監督の齊藤勝氏。実況担当は石井アナ。お手伝いのサブアナが私。福島東ベスト8の時、私は初戦の大分戦の実況と、2回戦以降のベンチリポートを担当していた。

その時のエピソードは、準々決勝敗退時がこちら。
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今年の実況席。左から萬代氏・齊藤氏・石井アナ・私。
今年の実況席。左から萬代氏・齊藤氏・石井アナ・私。
決勝
尚志4-1学法石川
(尚志は2年連続13度目の出場)

 決勝の舞台は、郡山市の西部サッカー場。秋晴れでやや上空風は強いものの、この時期としては良いコンディションの下行われた。スターティングイレブンは、準決勝と尚志が同じ、学法石川が一人、谷唯煌選手をスーパーサブにして遠藤令唯選手を先発に起用したほかは同じだった。
 試合は開始直後に動く。尚志が立ち上がりからサイド攻撃からチャンスを作り、コーナーキックからのこぼれ球に白石蓮選手がミドルシュート。これが学法石川の選手に当たってコースが変わったのもあり、ゴールネットを揺らす。前半3分に尚志が先制する。
 更に尚志は巧みなパスワークや1対1の強さで学法石川のディフェンスをかいくぐる。そして中央の岡野楽央選手がマークを受けながら鈴木虎太郎選手につなぐと、鈴木選手が相手選手を背負ってタメを作る間に追い越した岡野選手へパス、岡野選手が前にいる吉満迅選手へスルーパス、パスを受けた吉満選手が2人のDFの間を抜けていき、ゴール右ポスト近く、角度のない所からゴール左へ流し込むようなシュート。前半29分に尚志が2点差と広げると、学法石川は後半開始を待たずに谷選手をピッチへ。2-0のまま前半を終了する。
 後半も尚志の攻撃を凌ぎながら反撃の機会を伺う学法石川だが、味方へ戻すパスを2点目を挙げた吉満選手がさらうと、そのまま左サイドから斜めにゴール方向へドリブルで入り込み、中央を上がって来た笹生悠太選手にグラウンダーのパス、それを笹生選手がキーパーの動きを見てダイレクトにゴール右へ流し込み、大きな3点目を挙げる。
 それでも諦めない学法石川は、コーナーキックのチャンスに阿部吉平選手のキックがそのままゴールへ。残り20分で反撃ののろしをあげる。
 ここから暫く学法石川の押せ押せの時間が続いたが、後半39分、右サイドをワンタッチ・ツータッチでパスをつないだ尚志は、網代陽勇選手がディフェンスの裏にボールが抜けたと見るや走り込み、マーカー一人を振り切ってそのままシュート。これが駄目押しゴールとなり、4-1で尚志が2年連続13度目の選手権出場を決めた。

 試合後、サッカー関係者に「早い時間に楽になっちゃって」と声を掛けられると「いや、どきどきしてましたよ。」と笑顔で応じる場面も見られた尚志・仲村浩二監督は、「選手が一気に緊張感が取れて、相当でかい先制点でした。」と振り返った。
 今年、尚志は「点を取られても、それ以上に取る攻撃サッカー」を掲げて来た。「去年はインターハイ・プレミア参入戦、いずれも全部PK戦で負けたんですが(インターハイ…0-0(PK3-5)宮崎・日商学園、プレミアリーグプレーオフ…0-0(PK4-5)JFAアカデミー福島U-18)、0-0だったのが納得いかなかった。だから今年は点を取ろうという話を選手にしたんです。」夏のインターハイ県大会は4試合で18得点1失点で優勝、全国大会は初戦敗退だったが、それでも山梨学院に1-1(PK4-5)と1得点を挙げた。
 今年も選手権出場を決めたが、「毎試合失点は初めてじゃないですか? 攻撃は引き続きやりますが、全国大会に向けては守備にフォーカスしないと…。」と反省を口にした。「攻撃は誰を使ってもOK、同じポジションに必ず2人、を目指してきた。ポジション争いをさせてあまり(選手を)固定しないでやってきて、巧く行った。全員がレベルアップしました。ただセットプレー(の守備)は練習したのに1失点した。学法石川のストロングポイントであるロングスローとコーナーキックと分かっていたのに、それを消し切れなかったのが納得いかないので、分析をして修正したいと思います。」
 そして選手権大会の目標を聞かれると、間髪入れずに「全国制覇を目標に。」と語った。尚志は過去2度全国ベスト4まで行き、国立競技場を経験している。

 「いやぁ、完敗です。」学法石川の稲田正信監督は、私と目が合うとさばさばした表情を作ってみせた。
 「1失点目が早かったですね。」開始3分での失点はさすがに“想定外”だったようだ。「尚志は去年と違う強さでした。こちらは5試合でメンバーはほぼ変わらずですが、尚志は層が厚い。(控えに回した)谷を出して後半勝負を狙ったんですが、勝負弱さ、選手層、連戦への対応、全てにおいて足りないですね。ああいう(尚志のような強い)チームを毎年作るには、相当やらないと…。」と表情を引き締める。「ただ決勝まで来て敗れたのは、良い勉強をした、高い授業料を払ったという事です。決勝に来ないと分からない事がありますから。学法石川も部員は100人以上いますが、本当に(尚志のように)戦えるのかと、この敗戦を機に選手が意識をしてくれるか、です。」

 選手権県大会決勝のデータを昭和51(1976)年の首都圏開催以降で振り返ると、2年連続で同じカードとなったのは過去6回(58・59回大会の郡山商業・磐城、60・61回大会の安積商業・勿来工業、67・68回大会の郡山商業・平工業、74・75回大会の福島東・郡山商業、84・85回大会の湯本・尚志、92・93回大会の富岡・尚志)、そのいずれも2年目は前年度準優勝校がリベンジを果たしている。つまり同じカードで2年連続優勝したチームは首都圏開催になってから45年間1チームも無かった。しかし今回、尚志が去年に続き同カードを連勝した事で、尚志は初めてそのジンクスを破った。
 が、考えようによっては、来年度の決勝も同カードとなって学法石川が勝てば、「2年以上連続で同じカードとなった場合、準優勝校がリベンジを果たす」というジンクスは復活する事になる。
 相当マニアックな高校選手権県決勝のプチ歴史でした(^-^;

 尚、首都圏開催以降の過去46回の内、35回は先制点を撮ったチームがそのまま優勝している(.761)。今年先制した尚志が優勝した事で、「先制したチームが優勝」する確率は.766へと上がった。
 また県大会で夏冬2冠に輝いたチームは過去46年間45回(令和2年が新型コロナで大会が中止の為、1回少ない)の内、郡山商業・磐城・郡山北工業・福島東・尚志の5校、21回。尚志が今年どちらも優勝した事で、11回目の2冠を達成した。
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