2022.11.03
the semifinals of Fukushima high school soccer tournament in 2022
スポーツの秋、そして高校サッカーの季節である。
けさは7時発で福島市のあづま球場に行き、福島県中学硬式野球大会の開会式の司会をした後、とんぼ返りで全国高校サッカー選手権福島県大会準決勝の会場、郡山市西部サッカー場へ。配信用の実況をするアナウンサーのお手伝いをする「サブアナ」を担当する為だ。
その観戦記と取材話をちらっと。
尚志4-1聖光学院
技術と精度の高いプレーを見せる尚志と、高い位置で奪ってカウンターを狙う聖光学院の戦い。序盤、聖光学院も惜しいシーンを作るが、尚志が徐々にサイドから崩し始め、前半16分に山本叶多選手がサイドを抉ってゴール前にクロスボールを入れると、それに反応した鈴木虎太郎選手がヘディングシュート! 手元集計で尚志5本目のシュートが先制点となる。
更に前半36分には、再び山本選手がチャンスを作り自らシュート、それを聖光学院の守護神・山本稀石選手が守るが、シュートの勢いが強くて前にこぼれたところを鈴木虎太郎選手がシュート!! 尚志がリードを広げる。
「前半にもう1点取ろう」と尚志の仲村浩二監督が檄を飛ばすと、それに呼応するかのように吉満迅選手がドリブルから3点目をゲット。前半を3-0と尚志がリードして、折り返す。
後半開始時に選手を3人入れ替えた尚志、それに対して1人を交代した聖光学院。後半は聖光学院も攻撃でチャンスを増やしてくる。そして後半6分には、前線でボールを奪うとそのままドリブルから渡邉陽路選手がゴール! 聖光学院が早い段階で1点を返す。
ただその後は尚志もパスを回し始め、32分に吉満選手からのパスに反応した安斎悠人選手がシュート! このゴールが決定的となり、4-1で尚志が決勝進出を決めた。
仲村監督は、「前半は自分たちのやりたいサッカーが出来た。後半、相手の想いが凄く強くてそれをかいくぐる事が出来ず、押し込まれる時間が長かった。」と振り返った。それでも前半3点目の指示に選手が応えた展開については、「2点差だと、1点失ったあと逆転される展開があり得る。3点取れば1点取られてもそういう展開にはならないので、前半で3点取れたのは良かった。」と勝因の一つを語った。そして「こんなに失点した選手権は初めてじゃないかなぁ(準決勝を含め3試合で4失点)。でもいつもより得点もしている。5点取られたら6点取るという攻撃サッカーを掲げています。」と、攻撃力に自信を見せた。「決勝はどちらが来ても、相手をしっかり分析して攻略しつつ、自分たちらしいサッカーをしたい。」と締め括った。
前半2点を挙げた鈴木虎太郎選手(3年)は、Jリーガーで尚志OBの染野唯月選手(全国高校サッカー選手権で得点王になった事も)に憧れて尚志に進学した。先制点の前のチャンスを外した事に関しては苦笑いを見せた鈴木選手だが、自ら「ヘディングが武器」と認める通り「練習していた通りに得点できた」と笑顔を見せた。憧れの染野先輩については「どんなところでも決め切るところが凄い」と話し、「染野さんが(3年時の県大会)決勝でゴールしてチームを全国に導いたように、自分も…。」と意気込みを語った。
ディフェンスの要の一人、山田一景キャプテン(3年)は、「立ち上がりから先制できるよう守備からいって、前半3点取れたのは良かった。ただ要らないミスで失点したので、それは無くしたい。」と反省も口にした。
そんな山田・鈴木両3年生が口にしたのは、3年生の活躍で決勝進出を決めた喜びである(先制点から3点目までが3年生の得点)。鈴木選手が「FW陣が2年生も強力でスタメン争いも激しいんですが、1年多くやっているので」とプライドを見せれば、山田キャプテンも「出られない3年生の応援が痺れた。今出ている3年が頑張らなきゃいけないと感じた。」と話す。部員148人と選手層が分厚い尚志だからこそ、背負うものも大きいしそれが力になっていた。
学法石川0-0(PK8-7)帝京安積
去年と同じカードとなった準決勝第2試合は前半が学法石川、後半は帝京安積が決定的なチャンスを多く作るが、膠着状態が続く我慢の展開。延長戦でも決着がつかず、これまた去年と同じくPK戦へ。
PK戦は5人ずつ蹴って学法石川のシュート1本がゴールポストに、帝京安積のシュート1本がクロスバーに阻まれるという痺れる展開。両チーム合わせて18人が蹴ったPK戦は、最後は学法石川の守護神・池田翔選手が右手一本でシュートを阻み、学法石川が決勝進出を決めた。
試合後、学法石川の稲田正信監督は「前半点を取れなかったので、この試合展開は覚悟していた。タフに0で耐えて1点目指すサッカーをやっているので、0失点が良かった。」PK戦については、「今回はお互い隅を狙って1本ずつ外れていたので、(勝てたのは)運ですね。」と振り返った。
最後PK戦で相手シュートを止めたGKの池田選手は、昨年度からの正キーパー(去年の決勝の話はこちらをクリック)。「去年も(帝京安積に)PKで勝っていて、今年も皆が(自分が最後止める)前に決めてくれたから、最後止められました。」と笑顔を見せた。そんな池田選手は1年生の時に、全国大会初戦のPK戦も経験している。「全国大会の時のPK戦は未熟で、初戦勝利を逃した。去年も(県大会決勝で)負けている。今年は優勝で夢の舞台に立ちたい。入学時の『打倒尚志』という目標を果たしたい。」と闘志を燃やす。
そして稲田監督も尚志同様、「背負うもの」の大きさをこう話す。「スタンドにいる出られない選手、保護者、去年・一昨年のOBも来てくれていて、そういった見えない力がある。(選手権は)自分たちだけの問題じゃないというのを(選手は)分かっている。選手権は誰かの為に戦う試合であり、それを戦えるのが大きな経験になる。(この選手権で、チーム内の)他者理解が進みました。選手権は、選手を大人にしてくれる大会です。」そして決勝の対戦相手は、尚志。準決勝に続いて決勝も、去年と同じカードだ。その決勝に向けては、「王者相手なので。迫力ある攻撃を止めないとどうしようもない。ただここまで失点0で来ている。いわき湯本戦で(1-0と)ぎりぎりのゲームを取れたという自信がチームにはある。同じ高校生なので、チャンスはある。心の面でもう一勝負出来たら良い。」とリベンジを狙う。
決勝戦、尚志 対 学法石川は、6日(日)郡山市西部サッカー場で午後0:10キックオフ。中テレでは正午から試合の模様を生中継するほか、中テレアプリ・高校サッカー特設ページ・中テレ公式YouTubeチャンネル・民放公式テレビ配信サービス「TVer」・インターネットスポーツメディア「スポーツブル」でも配信。お好きなツールでお楽しみ下さい。
けさは7時発で福島市のあづま球場に行き、福島県中学硬式野球大会の開会式の司会をした後、とんぼ返りで全国高校サッカー選手権福島県大会準決勝の会場、郡山市西部サッカー場へ。配信用の実況をするアナウンサーのお手伝いをする「サブアナ」を担当する為だ。
その観戦記と取材話をちらっと。
尚志4-1聖光学院
技術と精度の高いプレーを見せる尚志と、高い位置で奪ってカウンターを狙う聖光学院の戦い。序盤、聖光学院も惜しいシーンを作るが、尚志が徐々にサイドから崩し始め、前半16分に山本叶多選手がサイドを抉ってゴール前にクロスボールを入れると、それに反応した鈴木虎太郎選手がヘディングシュート! 手元集計で尚志5本目のシュートが先制点となる。
更に前半36分には、再び山本選手がチャンスを作り自らシュート、それを聖光学院の守護神・山本稀石選手が守るが、シュートの勢いが強くて前にこぼれたところを鈴木虎太郎選手がシュート!! 尚志がリードを広げる。
「前半にもう1点取ろう」と尚志の仲村浩二監督が檄を飛ばすと、それに呼応するかのように吉満迅選手がドリブルから3点目をゲット。前半を3-0と尚志がリードして、折り返す。
後半開始時に選手を3人入れ替えた尚志、それに対して1人を交代した聖光学院。後半は聖光学院も攻撃でチャンスを増やしてくる。そして後半6分には、前線でボールを奪うとそのままドリブルから渡邉陽路選手がゴール! 聖光学院が早い段階で1点を返す。
ただその後は尚志もパスを回し始め、32分に吉満選手からのパスに反応した安斎悠人選手がシュート! このゴールが決定的となり、4-1で尚志が決勝進出を決めた。
仲村監督は、「前半は自分たちのやりたいサッカーが出来た。後半、相手の想いが凄く強くてそれをかいくぐる事が出来ず、押し込まれる時間が長かった。」と振り返った。それでも前半3点目の指示に選手が応えた展開については、「2点差だと、1点失ったあと逆転される展開があり得る。3点取れば1点取られてもそういう展開にはならないので、前半で3点取れたのは良かった。」と勝因の一つを語った。そして「こんなに失点した選手権は初めてじゃないかなぁ(準決勝を含め3試合で4失点)。でもいつもより得点もしている。5点取られたら6点取るという攻撃サッカーを掲げています。」と、攻撃力に自信を見せた。「決勝はどちらが来ても、相手をしっかり分析して攻略しつつ、自分たちらしいサッカーをしたい。」と締め括った。
前半2点を挙げた鈴木虎太郎選手(3年)は、Jリーガーで尚志OBの染野唯月選手(全国高校サッカー選手権で得点王になった事も)に憧れて尚志に進学した。先制点の前のチャンスを外した事に関しては苦笑いを見せた鈴木選手だが、自ら「ヘディングが武器」と認める通り「練習していた通りに得点できた」と笑顔を見せた。憧れの染野先輩については「どんなところでも決め切るところが凄い」と話し、「染野さんが(3年時の県大会)決勝でゴールしてチームを全国に導いたように、自分も…。」と意気込みを語った。
ディフェンスの要の一人、山田一景キャプテン(3年)は、「立ち上がりから先制できるよう守備からいって、前半3点取れたのは良かった。ただ要らないミスで失点したので、それは無くしたい。」と反省も口にした。
そんな山田・鈴木両3年生が口にしたのは、3年生の活躍で決勝進出を決めた喜びである(先制点から3点目までが3年生の得点)。鈴木選手が「FW陣が2年生も強力でスタメン争いも激しいんですが、1年多くやっているので」とプライドを見せれば、山田キャプテンも「出られない3年生の応援が痺れた。今出ている3年が頑張らなきゃいけないと感じた。」と話す。部員148人と選手層が分厚い尚志だからこそ、背負うものも大きいしそれが力になっていた。
学法石川0-0(PK8-7)帝京安積
去年と同じカードとなった準決勝第2試合は前半が学法石川、後半は帝京安積が決定的なチャンスを多く作るが、膠着状態が続く我慢の展開。延長戦でも決着がつかず、これまた去年と同じくPK戦へ。
PK戦は5人ずつ蹴って学法石川のシュート1本がゴールポストに、帝京安積のシュート1本がクロスバーに阻まれるという痺れる展開。両チーム合わせて18人が蹴ったPK戦は、最後は学法石川の守護神・池田翔選手が右手一本でシュートを阻み、学法石川が決勝進出を決めた。
試合後、学法石川の稲田正信監督は「前半点を取れなかったので、この試合展開は覚悟していた。タフに0で耐えて1点目指すサッカーをやっているので、0失点が良かった。」PK戦については、「今回はお互い隅を狙って1本ずつ外れていたので、(勝てたのは)運ですね。」と振り返った。
最後PK戦で相手シュートを止めたGKの池田選手は、昨年度からの正キーパー(去年の決勝の話はこちらをクリック)。「去年も(帝京安積に)PKで勝っていて、今年も皆が(自分が最後止める)前に決めてくれたから、最後止められました。」と笑顔を見せた。そんな池田選手は1年生の時に、全国大会初戦のPK戦も経験している。「全国大会の時のPK戦は未熟で、初戦勝利を逃した。去年も(県大会決勝で)負けている。今年は優勝で夢の舞台に立ちたい。入学時の『打倒尚志』という目標を果たしたい。」と闘志を燃やす。
そして稲田監督も尚志同様、「背負うもの」の大きさをこう話す。「スタンドにいる出られない選手、保護者、去年・一昨年のOBも来てくれていて、そういった見えない力がある。(選手権は)自分たちだけの問題じゃないというのを(選手は)分かっている。選手権は誰かの為に戦う試合であり、それを戦えるのが大きな経験になる。(この選手権で、チーム内の)他者理解が進みました。選手権は、選手を大人にしてくれる大会です。」そして決勝の対戦相手は、尚志。準決勝に続いて決勝も、去年と同じカードだ。その決勝に向けては、「王者相手なので。迫力ある攻撃を止めないとどうしようもない。ただここまで失点0で来ている。いわき湯本戦で(1-0と)ぎりぎりのゲームを取れたという自信がチームにはある。同じ高校生なので、チャンスはある。心の面でもう一勝負出来たら良い。」とリベンジを狙う。
決勝戦、尚志 対 学法石川は、6日(日)郡山市西部サッカー場で午後0:10キックオフ。中テレでは正午から試合の模様を生中継するほか、中テレアプリ・高校サッカー特設ページ・中テレ公式YouTubeチャンネル・民放公式テレビ配信サービス「TVer」・インターネットスポーツメディア「スポーツブル」でも配信。お好きなツールでお楽しみ下さい。
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