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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
with a camera in Aizubange Town 1
 『ゴジてれChu!』木曜恒例「ぶらカメ」のコーナー、今回は会津坂下町(あいづばんげまち)にお邪魔してきました。その取材エピソード&こぼれ話です。
町には昔ながらの日本住宅や蔵が見られる。
町には昔ながらの日本住宅や蔵が見られる。
もうコスモスの咲く時期になった。
もうコスモスの咲く時期になった。
 会津坂下町は、会津若松市と喜多方市の間に位置する町です。面積は90平方キロ強、人口1万6千人弱(平成30年現在)で、馬の競りが行われていた事から馬肉、米、日本酒などが有名です。米どころでもある事から、正月には長さ4メートル、高さ2.5メートル、重さ5トンの大俵を引き合う「大俵引き」が行われ、勝敗で米価が上がるか、豊作かを占います。

 また出身の有名人は、演歌歌手の春日八郎や版画家の斎藤清などがいます。
実りの秋を迎えた田の奥に、飯豊連峰。
実りの秋を迎えた田の奥に、飯豊連峰。
街灯には、大俵引きを模ったものも。
街灯には、大俵引きを模ったものも。
 田んぼの美しい景色を見ながらぶらぶらしていると、大きな木の下に小さな祠が祀られている稲荷神社があります。そのすぐ隣の畑では、農作業をしている女性がいます。
田畑の中にぽつんとある稲荷神社。
田畑の中にぽつんとある稲荷神社。
高い木に囲まれるように、祠があった。
高い木に囲まれるように、祠があった。
 会津坂下町に嫁いで50年という女性は、畑で葱の白い部分の成長を促す土寄せをしていました。農作業をしている方の足腰はしっかりしていらっしゃいます。
朝から農作業をしていた女性。
朝から農作業をしていた女性。
葱の白い部分を長くする為、土を寄せていた。
葱の白い部分を長くする為、土を寄せていた。
「これ、持っていったら?」

と葱をお土産にくださいました。表の皮を剥くと、葱から水が滴ります。瑞々しい! しかもマスクの上からも葱の香りがはっきり分かります。話を聞かせて頂いた上お土産まで頂戴して、済みません。有難うございます。

 どうでも良いですが、葱の匂いを嗅ぐと、蕎麦が食べたくなりますね。
一部の葱を掘り出して、お土産に下さった。
一部の葱を掘り出して、お土産に下さった。
一皮むくと、葱から水分が…。瑞々しさが分かる。
一皮むくと、葱から水分が…。瑞々しさが分かる。
 今度は役場のある通りを歩いていると、酒屋さんを見付けます。趣のある外観ですが、中に入ってびっくり。ジャジーな音楽が流れたお洒落なお店です。

「普通のビールが多い酒屋だったのを、いま日本酒メーンの今の形を考えたのが二十年前、いま見えている部分は五年前に完成しました。」

と話すご主人。
町中にある五ノ井酒店。町の家並みにしっくりくる外観だが…
町中にある五ノ井酒店。町の家並みにしっくりくる外観だが…
中はお洒落な作りに。日本酒メーンの酒店に変えたという。
中はお洒落な作りに。日本酒メーンの酒店に変えたという。
「今のお勧めはスノードロップです。ヨーグルトと日本酒を合わせたもので、ここ(会津坂下町)には『会津中央乳業』があるので、そことコラボして造りました。」

会津中央乳業を以前取材したエピソードは、こちらをクリック。
会津中央乳業のかわいいグッズに興味のある方は、こちらをクリック。

 試飲させて頂くと、プレーンでないヨーグルトの甘みと爽やかな酸味の後に、日本酒の味わいと香りがぐっとくる、飲みやすいお酒でした。とろっとした舌触りもヨーグルト入りという感じがします。
スノードロップには、コーン入りなど様々な味のものがある。
スノードロップには、コーン入りなど様々な味のものがある。
こちらの店の酒は一部試飲も出来る。
こちらの店の酒は一部試飲も出来る。
 いま日本酒の消費量が減っているらしく、
「生き残りの一つは、海外での消費拡大。もうアジア圏くらいだったら、輸出ではなく、宅配便で国内に配送する位にもっと身近になると良いと思っています。」

 さて店の入口には可愛いオブジェ?、外には2m以上はあるオブジェがあります。

「外のは秋まつりの山車に載せる為に作った像なんです。ただその像は、毎年作っては、お祭りが終わると廃棄するんですね。最初は幼稚園などに提供したんですが、やはり壊れるので最後は廃棄場所に困るらしいんです。いまは引き取り手もいないので、3年前に作ったものをそのまま置いてあるんです。」

 祭りの山車を盛り上げる像は、地区ごとに手作りするのだそう。でも

「最近は地区の子どもが減ってきていてモチベーションが落ちてきています。やはり作る理由は、子どもが喜んでくれるからですから。」

 どこも少子化は悩みの種ですね…。
日本酒の消費拡大・流通など、問題は山積しているようだ。
日本酒の消費拡大・流通など、問題は山積しているようだ。
店の入口に可愛いオブジェ?が…。
店の入口に可愛いオブジェ?が…。
 入口にあるのは、いまは大学生のお子さんが作ったもの。手先が器用なご一家なんですね。すると先代は「私は駄目駄目。」だそうです(^-^;

 町の秋まつりは、ロケ日に宵祭り、ロケ日翌日が本祭りだそう。あら残念。秋まつりが見てみたかったです。
先代は像作りは苦手だそう。
先代は像作りは苦手だそう。
国道49号を入った県道22号(ライヴァン通り)にある。
国道49号を入った県道22号(ライヴァン通り)にある。
 更にぶらぶらしていると、こんな道標を見つけました。

「猪俣公章の墓所」

 猪俣公章は、会津坂下町出身の作曲家。森進一さんの名曲『おふくろさん』を作曲した方としても有名です。折角なので見に行ってみようと思い矢印方向に進んでいると、

「中野竹子の墓」

との案内も出てきました。中野竹子は、戊辰戦争で戦った女性の名前として聞いた事はありますが、正直詳しくは知っておりません。
町中に猪俣公章の墓所との道標を発見。矢印に従って進むと…
町中に猪俣公章の墓所との道標を発見。矢印に従って進むと…
あら、中野竹子の墓まで!!
あら、中野竹子の墓まで!!
 せめてお墓だけでも拝ませて頂こうと案内通りに進むと、法界寺(ほっかいじ)の山門が見えてきました。

 お寺にお邪魔し事情を住職に話すと、住職のお母様が案内して下さいました。
曹洞宗虚空山法界寺。永享10(1438)年開山との事。
曹洞宗虚空山法界寺。永享10(1438)年開山との事。
山門を入ると、お墓の奥に本堂が見える。
山門を入ると、お墓の奥に本堂が見える。
 山門入ってすぐの所にあるのが、猪俣公章氏の眠る猪俣家の墓でした。

「坂本冬美さんやマルシアさんも墓参に見えます。」

 お二方とも猪俣公章氏の内弟子だった方です。

「マルシアさんはそこにお座りになって、先生とお話をしていました。」

 お墓正面に向かって左側に台座のような石があり、そこにマルシアさんが腰をかけたそうです。撮影の為に腰をかけさせて頂くと、ちょうど澄んだ空を背景に墓石を見上げる感じになります。師と仰ぐ公章先生と、どんな話をしたのでしょうか。亡くなった師が近く感じられる場所だったのかも知れません。
猪俣公章氏の墓。左にある平たい石が、マルシアさんが腰かけて故猪俣氏に話しかけた場所。
猪俣公章氏の墓。左にある平たい石が、マルシアさんが腰かけて故猪俣氏に話しかけた場所。
座った位置からは、墓石がこのように見える。
座った位置からは、墓石がこのように見える。
 そしてこちらが、中野竹子の墓です。

「首が埋まっていると聞いております。」

 寺には中野竹子の遺したものが本堂に展示されているという事で、見せて頂きました。
戊辰戦争で亡くなった中野竹子の墓。
戊辰戦争で亡くなった中野竹子の墓。
薙刀の名手だったという。
薙刀の名手だったという。
 中野竹子は江戸生まれで、会津に移ったのは戊辰戦争の少し前。会津藩の文武両道を重んじる藩風に合う、教養と薙刀に秀でた女性だったそうです。
本堂内にある展示室。
本堂内にある展示室。
中野竹子の肖像画。
中野竹子の肖像画。
 戊辰戦争では女性ながら参戦。しかし敵の銃弾に倒れてしまいます。

「介錯を母と妹に頼んだそうですが、それは忍びないと手を下せずにいたところ、坂下の農兵が介錯をしたと、寺には伝わっております。」

 そして竹子の薙刀も残っていて、長さ2m40cm、重さが2.2kgあります。

「女性が扱うには、大変だったと思います。」
妹と奮戦した様子を表した絵。
妹と奮戦した様子を表した絵。
展示品の下に、竹子の使った薙刀が見える。
展示品の下に、竹子の使った薙刀が見える。
 また寺には中野竹子が書いた「書」も幾つか残っています。

「祐筆(秘書)でもあったので、小竹『女史』と書いてあります。」

 こちらの中野竹子の品々は、事前に予約をすれば見学の際に解説もしてくださるそうです。
中野竹子直筆。終わりに「小竹女史」と記してある。
中野竹子直筆。終わりに「小竹女史」と記してある。
内容によって、書体を使い分けている。
内容によって、書体を使い分けている。
 寺の本堂には、中野竹子ら二十数名が戦いの前に泊まったという部屋もあります。

「官軍は鉄砲を使うのが分かっていましたから、薙刀で戦う娘子軍(じょうしぐん・会津藩の女性の兵)に勝ち目が無い事は分かっていたでしょう。どんな気持ちでここで寝た事か…。」

 中野竹子の御霊は、今も寺で弔われています。

 突然のお邪魔にも関わらず、貴重なお話、有難うございました。(つづく)
中野竹子達が泊まったと伝わる部屋。
中野竹子達が泊まったと伝わる部屋。
法界寺は、五ノ井酒店のある県道22号から北に1本入った所にある。
法界寺は、五ノ井酒店のある県道22号から北に1本入った所にある。
 町を歩いていると、山車のようなものが…。もしかして、秋祭りに使われるものなのか?

その2「縁は奇なり。太鼓台からの、お勧め馬肉定食からの、山車との出会いへ…」はこちらをクリック。
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