2021.07.29
have lots of fun learning sea creatures and life
『ゴジてれChu!』木曜恒例…と言えば私の場合は「ぶらカメ」なのですが、きょうは宮城と結ぶ「バンデス×Chu!」のコーナーのリポーターを担当しました。今回はお子さんが夏休み期間と言う事で、夏休みにおすすめの新企画展を探して、福島・宮城の皆さんにご紹介しました。その取材&こぼれ話です。
いわきの学べる名所、「アクアマリンふくしま」。 |
お邪魔したのは、いわき市小名浜にある水族館「アクアマリンふくしま」です。ここではいま、「こども魚市場」という、遊びながら学べる企画展を行っています。担当の松崎さんに色々とご案内頂きました。
ご案内頂いた松崎さん。 |
その入口から暫くは、両側を網に囲まれ、壁には魚の絵が描いてあります。
「福島県の海にいる魚を実物大で描いてあるんです。海の上にはアクアマリンなどの小名浜の風景を描いてあります。そのいわきの海に定置網が入った感じと思って頂ければ…。」
「福島県の海にいる魚を実物大で描いてあるんです。海の上にはアクアマリンなどの小名浜の風景を描いてあります。そのいわきの海に定置網が入った感じと思って頂ければ…。」
企画展の入口。定置網に入り込む魚の気分で…。 |
壁には福島の海にいる魚が可愛い絵で(でも実物大)描かれている。 |
その網を抜けると、震災から10年、福島県の水産業を応援するスペースが広がっています。天井からは色々な漁に使う網が下げてあったり、実際に漁で獲った魚を入れるケースが置いてあったりします。
「だからケースには底引き(底曳き)の『曳』のマークが入っているんですよ。」
こういうところで本物を使う所に、企画展への意気込みも感じます。
そのケースをいわば“水槽”に見立ててあります。
「ケースごとに、底引き網漁や刺し網漁など、それぞれのやり方の漁で獲れる魚を展示しているんです。」
「だからケースには底引き(底曳き)の『曳』のマークが入っているんですよ。」
こういうところで本物を使う所に、企画展への意気込みも感じます。
そのケースをいわば“水槽”に見立ててあります。
「ケースごとに、底引き網漁や刺し網漁など、それぞれのやり方の漁で獲れる魚を展示しているんです。」
入口と反対側から撮影。ケース(=水槽)に福島の海にいる魚が…。 |
ケース(=水槽)は「曳」の字入り。 |
例えば刺し網漁だと、ヒラメやスズキ、夏には伊勢海老も獲れるそうです。そういった魚の入ったケースの隣には、刺し網漁に関して説明が書かれたパネルも立っていて、そちらと併せて刺し網漁を分かりやすく理解できる仕組み…って、あれ?ケースに何か入っていますよ。
漁のやり方ごとにパネルの説明と、実際に獲れる魚を展示している。 |
「あれは、食品サンプルです。実際の生き物からどういった食事になるのか、直感的に分かってもらえるように、思い切って入れてみました。命について考えてもらうための展示です。」
…なかなか攻めた展示です。
…なかなか攻めた展示です。
伊勢海老が、グラタンの食品サンプルと…。 |
アナゴの所にはアナゴのにぎりずし(のサンプル)が…。
「アナゴの目の前にお寿司って、なかなかシュールな絵ですよね。ははは…。」
いやいや、シュールな構成をしたのは松崎さん達ですから(^-^;
因みにアナゴは「アナゴ筒(どう)漁」で獲ります。
「アナゴは暗い所が好きなので、こういった筒を利用した漁をします。顔を出しているアナゴは、筒より体が大きいんです。同じ筒に一緒に何匹か入っていますよ。」
確かに、左下には目が見えますね。
「アナゴの目の前にお寿司って、なかなかシュールな絵ですよね。ははは…。」
いやいや、シュールな構成をしたのは松崎さん達ですから(^-^;
因みにアナゴは「アナゴ筒(どう)漁」で獲ります。
「アナゴは暗い所が好きなので、こういった筒を利用した漁をします。顔を出しているアナゴは、筒より体が大きいんです。同じ筒に一緒に何匹か入っていますよ。」
確かに、左下には目が見えますね。
こちらはアナゴの展示(アナゴのにぎりとともに)。漁で使う筒がお気に入りのよう。 |
フグのケースには、ふぐ刺しやふぐ鍋(の食品サンプル)が…
ウグイのケースには、ウグイの甘露煮(の食品サンプル)が…
ウグイのケースには、ウグイの甘露煮(の食品サンプル)が…
ふぐが、ふぐ鍋・ふぐ刺しの食品サンプルと… |
ウグイは悠々と甘露煮のサンプルの上を泳ぐ…。 |
タコのケースには、タコ刺し(の食品サンプル)やたこ焼き(の食品サンプル)まで。
「透明なケースの蓋も作ったんですが、タコに壊され、ひびが入っているんです。
「透明なケースの蓋も作ったんですが、タコに壊され、ひびが入っているんです。
タコの展示。中の網は、タコを獲る為の籠網。 |
刺身やたこ焼きのサンプルとともに…。 |
タコは高い所に上がって来るので、このケースの方が水槽のタコより間近に見られますよ。水面より上に芝状のものを貼ってありますが、これがあるとタコはこれ以上上がってこられないんです。」
ヒラメは、刺し網で獲る「刺し網漁」の魚でもあり、「栽培漁業」の魚でもあります。
「ヒラメやエゾアワビは一定の大きさに育ててから海に放して、海で大きくなったのを獲っているんです。鮭も稚魚を放流してから獲りますが、それと同じです。ヒラメなどは栽培漁業をしている事が知られていないんですよ。」
ほかにも震災・原発事故以降の漁業を説明するパネルなどもあって、大人も意外と知らない福島の海について学ぶことが出来ます。
ヒラメは、刺し網で獲る「刺し網漁」の魚でもあり、「栽培漁業」の魚でもあります。
「ヒラメやエゾアワビは一定の大きさに育ててから海に放して、海で大きくなったのを獲っているんです。鮭も稚魚を放流してから獲りますが、それと同じです。ヒラメなどは栽培漁業をしている事が知られていないんですよ。」
ほかにも震災・原発事故以降の漁業を説明するパネルなどもあって、大人も意外と知らない福島の海について学ぶことが出来ます。
タコは水面までしか上がれないが、その分間近で見られる。 |
ヒラメは”栽培”をしながら漁をする、いわば育てて、頂く「循環型」の漁だ。 |
そして「魚市場」の企画展コーナーを出たところに、何やらブースがあります。これは?
「日替わりでクイズを出していて、1日1人1回答えるチャンスがあります。見事正解すると、ガチャガチャが出来て、その出て来た番号で、こちらの特製『ふくしまの魚たちカード』を差し上げています。」
カードは33種類あり、一部(24番~33番)はプレミアカードとして、枚数をわざと少なくしているそう。
このクイズ形式のカードプレゼントを企画したのには、理由がありました。
「実はこういう企画では、生き物自体はよく見て頂けるんですが、パネルはあまり読んで頂けない傾向があるんです。そこでクイズ形式にすれば、パネルも読んで頂けるのかな、って…。」
パネルを読む事で、生き物や福島の海に対する知識も深めてもらいたいというアクアマリンの皆さんの『想い』があったのです。
「日替わりでクイズを出していて、1日1人1回答えるチャンスがあります。見事正解すると、ガチャガチャが出来て、その出て来た番号で、こちらの特製『ふくしまの魚たちカード』を差し上げています。」
カードは33種類あり、一部(24番~33番)はプレミアカードとして、枚数をわざと少なくしているそう。
このクイズ形式のカードプレゼントを企画したのには、理由がありました。
「実はこういう企画では、生き物自体はよく見て頂けるんですが、パネルはあまり読んで頂けない傾向があるんです。そこでクイズ形式にすれば、パネルも読んで頂けるのかな、って…。」
パネルを読む事で、生き物や福島の海に対する知識も深めてもらいたいというアクアマリンの皆さんの『想い』があったのです。
企画展の出口には、……ん?クイズ?? |
正解すると抽選でさかなのカードが貰える(1人1日1枚まで) |
「パネルを読めば必ず正解できますし、間違っちゃったらもう一度見て来て良い事にしています。」
要はパネルを通して理解を深めてもらう事が目的なので、当たり・外れそのものを楽しむ企画にはしていないそうです。
私もロケ中パネルを読んでいたので、幸いにも正解。スタッフからメダルをもらって、そのメダルでもってガチャガチャをすると、中から番号の書かれた紙が入ったカプセルが…。それを見た松崎さんはじめスタッフが大盛り上がり。
「これは本当にレアですよ。」
当たったのは、32番のシーラカンス。実はアクアマリンふくしまは、シーラカンス研究を盛んに進めていて、公認キャラクターもシーラカンスをモチーフにした「権兵衛(ごんべえ)」(シーラカンスのふるさと、アフリカ・コモロ諸島での呼び名『ゴンベッサ』に因んでいる)にしている位。アクアマリンふくしまらしい一枚をゲットしたのです。ただ松崎さんが一言、
「厳密には、33枚のカードの内このシーラカンスだけ、福島の魚じゃないんですけどね…。」
研究はしていますが、福島沖には生息が確認されていないからです。でもレアカードが出た分、アクアマリンの特徴の一つをこうして紹介出来ましたし、それはそれで好しとしましょう。
要はパネルを通して理解を深めてもらう事が目的なので、当たり・外れそのものを楽しむ企画にはしていないそうです。
私もロケ中パネルを読んでいたので、幸いにも正解。スタッフからメダルをもらって、そのメダルでもってガチャガチャをすると、中から番号の書かれた紙が入ったカプセルが…。それを見た松崎さんはじめスタッフが大盛り上がり。
「これは本当にレアですよ。」
当たったのは、32番のシーラカンス。実はアクアマリンふくしまは、シーラカンス研究を盛んに進めていて、公認キャラクターもシーラカンスをモチーフにした「権兵衛(ごんべえ)」(シーラカンスのふるさと、アフリカ・コモロ諸島での呼び名『ゴンベッサ』に因んでいる)にしている位。アクアマリンふくしまらしい一枚をゲットしたのです。ただ松崎さんが一言、
「厳密には、33枚のカードの内このシーラカンスだけ、福島の魚じゃないんですけどね…。」
研究はしていますが、福島沖には生息が確認されていないからです。でもレアカードが出た分、アクアマリンの特徴の一つをこうして紹介出来ましたし、それはそれで好しとしましょう。
ガチャガチャは久しぶり♪出て来た数字に、アクアマリンのスタッフが盛り上がる。 |
偶然出て来たのは、レアなシーラカンスカード。アクアマリンにぴったりのカードだ。 |
この企画展は11月末までアクアマリンふくしまで開かれています。開館は9時~午後5時半(入場は午後4時半まで)で、年中無休です。入場料のみで、企画展自体に別の料金はかかりません。
因みにこの企画展に限らず、こちらでは食と命を考える好評企画を行っています。それがこちら。釣り体験です。自分で釣った魚を、その場で頂けるというもの。
「自分で釣ると、魚嫌いだった子どもが『美味しい』と言って魚を食べて、親御さんがびっくりする事がよくあるんです。わざわざ後から手紙を頂く事もあります。」
因みにこの企画展に限らず、こちらでは食と命を考える好評企画を行っています。それがこちら。釣り体験です。自分で釣った魚を、その場で頂けるというもの。
「自分で釣ると、魚嫌いだった子どもが『美味しい』と言って魚を食べて、親御さんがびっくりする事がよくあるんです。わざわざ後から手紙を頂く事もあります。」
こちらは常に開催されている「釣り体験」。 |
釣った魚は、その場でから揚げにされて提供されます。食べられる分だけ釣る事が出来、1匹につき100円(調理代込み)、釣り竿代1000円がかかります。
「今は新型コロナウイルスの予防策として密にしないよう、時間ごとに1回に7組のみの予約制です。ただ人気で、朝9時の入館と同時に予約にいらっしゃる家族も多くて、予約した後、それまでの時間をほかの見学に充てる方もいらっしゃいます。」
釣りをしたい方は、早めの入館・予約をした方が好いかも知れません(今は新型コロナウイルス感染予防で、調理体験は実施していません)。
「今は新型コロナウイルスの予防策として密にしないよう、時間ごとに1回に7組のみの予約制です。ただ人気で、朝9時の入館と同時に予約にいらっしゃる家族も多くて、予約した後、それまでの時間をほかの見学に充てる方もいらっしゃいます。」
釣りをしたい方は、早めの入館・予約をした方が好いかも知れません(今は新型コロナウイルス感染予防で、調理体験は実施していません)。
ものの10秒程で釣れた鯵。ずっと跳ね回っている元気な魚だった。 |
釣った魚はから揚げにしてくれる。 |
更にもう一つ、おまけ情報。
アクアマリンふくしまの公式ツイッターに或る生き物の画像を載せたところ、「美味しそう」「完全にお寿司」といったコメントが多く寄せられたそう。それが、
アクアマリンふくしまの公式ツイッターに或る生き物の画像を載せたところ、「美味しそう」「完全にお寿司」といったコメントが多く寄せられたそう。それが、
こちらが「潮目の大水槽」。福島県沖でぶつかる親潮と黒潮、2つの大きい水槽にそれぞれの潮流に生きる魚介類を展示している。 |
ウオノシラミ属の深海の甲殻類のこの生き物。海老の仲間だそうで、確かに言われると、サーモンの握りずしに見えてきます。実際の大きさは5センチ前後だそうで、
「本来は魚にしらみのようにくっついて生活するんです。たまたまくっついていた魚から離れた状態で見つかったんです。」
それでウオノ”シラミ”属…。本当はくっつくべき魚を大海原で見つけたい気持ちなのかも知れませんね。
皆さんも、サーモンの握りずし風深海の甲殻類、実際に見に行ってみては如何でしょうか?潮目の大水槽の手前に展示されています。
「本来は魚にしらみのようにくっついて生活するんです。たまたまくっついていた魚から離れた状態で見つかったんです。」
それでウオノ”シラミ”属…。本当はくっつくべき魚を大海原で見つけたい気持ちなのかも知れませんね。
皆さんも、サーモンの握りずし風深海の甲殻類、実際に見に行ってみては如何でしょうか?潮目の大水槽の手前に展示されています。
皆さんは何に見えますか?(アクアマリン提供写真) |
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