2021.02.15
The earthquake can't beat Fukushima.
酒類を出す飲食店にとって、福島県の時短要請解除は待ちに待った日でした。しかし通常営業が出来る2日前の夜に、最大震度6強の地震…。お店にとっては新型コロナウイルスに地震と、ダブルパンチを食らったような痛手でした。震度6弱の揺れが襲った郡山市の或るバーでは、酒瓶が300本程割れてしまい、
「1日2日で復旧させたいけど、今の状況では無理ですよね。この先どうしようか。」
とカメラの前で話していた方がいました。ところが、その店が実に地震から2日後、通常営業をするというので、『ゴジてれChu!』のニュースの中で、中継させて頂きました。
郡山市で開業して12年の「Barマリオ」です。ビルの2階にある店で、ボトルキープも含め700本程の酒瓶でお客さんをもてなすバーです。
「1日2日で復旧させたいけど、今の状況では無理ですよね。この先どうしようか。」
とカメラの前で話していた方がいました。ところが、その店が実に地震から2日後、通常営業をするというので、『ゴジてれChu!』のニュースの中で、中継させて頂きました。
郡山市で開業して12年の「Barマリオ」です。ビルの2階にある店で、ボトルキープも含め700本程の酒瓶でお客さんをもてなすバーです。
中継でお邪魔した店の入るビル。入口右の柱のパネルが剥がれ落ちている。 |
「いやぁ、寝ないで片づけましたよ。」
そう話すのは、マスターの服部さんです。地震があった夜11時過ぎは、閉店後のスタッフミーティングをし、新しいスタッフ向けに接客方法などの指導中だったそうです。
「うちの店はスタッフが8人いて、スタッフが酒瓶が落ちないよう押さえてくれたんですが、一番上の棚は手が届かないのでダメでしたね。」
半分近い約300本が、落ちて割れてしまったと言います。もしお客さんがいる時間帯だったら?と伺うと、
「いやぁ、大変なことになっていました。客席の壁に飾ってあるカップやボトルは固定してあるので落ちる心配はないのですが、テーブル席の上の照明が揺れで割れたりしましたから、お客さんがいなくて良かったですよ。」
店内はアルコールの海になり、匂いだけで酔いそうだったと言います。うちのカメラ取材が入ったのは、その少し後の事です。取材陣が帰ったあとからは店のスタッフ皆で、割れた瓶の回収と拭き掃除です。
「でも細かいガラスの破片があるでしょ?雑巾で拭くと、それが手に当たったり刺さったりして…。」
最後はスタッフを帰して、服部さん一人で寝ずに片づけをしたそうです。
「家に帰って風呂に入ったら、手にガラスの破片が刺さっていました。子どもを抱いていたら、傷つけていたかも知れません。」
そう話すのは、マスターの服部さんです。地震があった夜11時過ぎは、閉店後のスタッフミーティングをし、新しいスタッフ向けに接客方法などの指導中だったそうです。
「うちの店はスタッフが8人いて、スタッフが酒瓶が落ちないよう押さえてくれたんですが、一番上の棚は手が届かないのでダメでしたね。」
半分近い約300本が、落ちて割れてしまったと言います。もしお客さんがいる時間帯だったら?と伺うと、
「いやぁ、大変なことになっていました。客席の壁に飾ってあるカップやボトルは固定してあるので落ちる心配はないのですが、テーブル席の上の照明が揺れで割れたりしましたから、お客さんがいなくて良かったですよ。」
店内はアルコールの海になり、匂いだけで酔いそうだったと言います。うちのカメラ取材が入ったのは、その少し後の事です。取材陣が帰ったあとからは店のスタッフ皆で、割れた瓶の回収と拭き掃除です。
「でも細かいガラスの破片があるでしょ?雑巾で拭くと、それが手に当たったり刺さったりして…。」
最後はスタッフを帰して、服部さん一人で寝ずに片づけをしたそうです。
「家に帰って風呂に入ったら、手にガラスの破片が刺さっていました。子どもを抱いていたら、傷つけていたかも知れません。」
Barマリオのマスター服部さん。この笑顔を取り戻すまでが一苦労だった。 |
ところが営業再開に向けては課題もありました。
「酒の卸の店も、地震でめちゃくちゃになっちゃって、思うように卸せなかったんです。」
そんな中助けてくれたのは、同業者や店のお客さんだったそう。
「『お見舞い』としてボトルを提供して下さって…いやぁ、本当に有難かったです。」
それでカウンターの奥の棚には、ずらりと酒瓶が何事も無かったように並んで、通常営業へと漕ぎつけたのです。
「酒の卸の店も、地震でめちゃくちゃになっちゃって、思うように卸せなかったんです。」
そんな中助けてくれたのは、同業者や店のお客さんだったそう。
「『お見舞い』としてボトルを提供して下さって…いやぁ、本当に有難かったです。」
それでカウンターの奥の棚には、ずらりと酒瓶が何事も無かったように並んで、通常営業へと漕ぎつけたのです。
同業者やお客さんの”お見舞い”で、地震前と遜色ない品揃えに…。 |
ただ地震の影響で、完全なスタートではありませんでした。一つが、服部さんこだわりの店のグッズです。
「全部店仕様のものを作ったんです。グラスも薄いものが良いと思って、注文して作ったグラスにロゴなどを入れていたのですが割れてしまって…。既成のグラスでないので、作り直すにも数か月かかりますかね。」
「全部店仕様のものを作ったんです。グラスも薄いものが良いと思って、注文して作ったグラスにロゴなどを入れていたのですが割れてしまって…。既成のグラスでないので、作り直すにも数か月かかりますかね。」
グッズは店オリジナルのもの。灰皿やマッチなどは無事だった。 |
また床も、何歩か歩くと靴底から歩く度に音がするように。拭き取っても拭き取り切れなかったアルコールが残っています。
「リキュールや甘めの酒が、完全には取れないんですよね。」
でも服部さんと店のスタッフで僅か2日で通常営業まで漕ぎつけたのは、お客さんや同業者の支えもあっての事。
「店では日常と違う空間を提供したい、そう思ってやってきたんですが、その空間が地震でやられて、日常に戻された空間になってしまいました。でも、お陰でだいぶ非日常を演出する事が出来ました。」
店は夜の2時まで営業すると言います。実は中継中も3~4人のお客さんが早速訪れていました(映らない場所に座っていたお客さんもいたのです。)
「リキュールや甘めの酒が、完全には取れないんですよね。」
でも服部さんと店のスタッフで僅か2日で通常営業まで漕ぎつけたのは、お客さんや同業者の支えもあっての事。
「店では日常と違う空間を提供したい、そう思ってやってきたんですが、その空間が地震でやられて、日常に戻された空間になってしまいました。でも、お陰でだいぶ非日常を演出する事が出来ました。」
店は夜の2時まで営業すると言います。実は中継中も3~4人のお客さんが早速訪れていました(映らない場所に座っていたお客さんもいたのです。)
地震から2日後とは思えない。歩くと、床から少しアルコールの痕跡が伺える。 |
アーケード街は、まだ照明の点いていないお店もあり、2月いっぱいの休業を知らせる貼り紙もありました。地震の影響で、アーケードの一部で雨漏りをしている箇所もありました。しかし少しずつ日常を取り戻したい人の為に、看板に火を灯してお客さんを迎えるお店もあるのです。そんな心意気に感動できた中継でした。
Barマリオは、郡山駅西口から駅前通りを進み一つ目の角を右に曲がった、駅前グリーンビルの2階にあります。
Barマリオは、郡山駅西口から駅前通りを進み一つ目の角を右に曲がった、駅前グリーンビルの2階にあります。
Barマリオは夜6時から2時まで営業中。 |
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