作品・見どころ

バンクシー 《モンキー・パーラメント》Monkey Parliament(部分) 2009年 個人蔵

――― それはまるで
“映画のセット”のような美術展

体感せよ!街角ストリートのバンクシー

“壁に絵を描く”という行為に、人類は先史以来、魅了されてきました。学校の教科書で目にする洞窟壁画はアートの始まりであり、祖先の高い表現能力を示す芸術です。その痕跡は、数万年前のものとは思えないほど自由そのものです。

そのような絵をハッと思い出させてくれるのが、現代のストリートで表現を続けるアート界の異端児“バンクシー” です。2018年に、少女と赤い風船を描いた作品が高額落札されるや、額に仕込まれたシュレッダーで突如細断。瞬く間に世界中で報道され、話題をさらいました。日本では、バンクシー作品と思われるネズミの絵が発見されると、大手メディアやSNSで拡散、認知度が上がりました。しかし創作活動の全貌や動機など、その真相が分かる者は依然少なく、謎に包まれた存在です。

※東京展の再現展示(郡山展スタッフが撮影)

本展は、世界各都市を巡回し人気を博した「ジ・アート・オブ・バンクシー展」の傑作群を、日本オリジナルの切り口で紹介する意欲的な展覧会です。プライベート・コレクターの秘蔵作品の展示に加え、活動の主戦場である“ストリート” に焦点を当てた、テレビ局ならではの街並み再現展示で没入空間を体感していただきます。―― それはまるで“映画のセット”。

※東京展の再現展示(郡山展スタッフが撮影)

ストリート・アーティストの先人であり、現代アートの巨匠でもあるヘリングやバスキアの次世代として、いま世界で最も注目を集める時代の先駆者“バンクシー”。その活動の意味を、幅広い世代に楽しく理解していただける貴重な機会となります!

会場に世界各地のストリート作品が出現

“世界中に分散するバンクシーのストリート・アート。その代表作品を選りすぐって、テレビ局の美術チームが、美術館とは異なる会場空間でリアルサイズに再現します。バンクシーのストリート作品を見るために世界一周の旅へ出なくとも、活動の3大地域と言われるヨーロッパ、アメリカ、そして中東の街並みをこの会場で体感いただけます。

故郷イギリスのブリストルからロンドン、映画にもなったニューヨークでの活動や自主企画で一世を風靡したロサンゼルス、そして幾度も訪れては作品を残し続けている中東。映画のセットのようなリアルな街並みを会場に出現させ、撮影OKの新感覚没入型展示を創出します。

※東京展の再現展示(郡山展スタッフが撮影)

※東京展の再現展示(郡山展スタッフが撮影)

プライベート・コレクターの
秘蔵作品が初お目見え

街なかや美術館でも通常は見ることのできない、プライベート・コレクターの秘蔵作品を一挙公開。バンクシーに代わって作品の真贋を認証するペスト・コントロールにより本物認定された作品の数々で、バンクシーの足跡とその謎に迫ります。

バンクシー 《モンキー・パーラメント》Monkey Parliament 2009年 個人蔵

会場でリアルサイズに再現するストリート作品と、コレクターからお借りする額装作品の比較展示は、本展でしか見られない貴重な体験となります。また、キャンバス、段ボール、鉄板、木板、紙、石の彫刻、リトグラフ、ポスター、アルバム・ジャケットほか、バンクシーの作品制作風景を収めた写真を含め、多種多様な表現手法や出展品にもご期待ください。そして今回特別出展として、イギリスのファッション・デザイナーで、アートに造詣が深くバンクシー好きで知られる、ポール・スミス氏からお借りする希少な油彩画《コンジェスチョン・チャージ(混雑税)》も必見です!

バンクシー《コンジェスチョン・チャージ(混雑税)》Congestion Charge 2004年ポール・スミス蔵©