東日本大震災と原発事故から11年を迎える福島県。
県内初の震災遺構「浪江町立請戸小学校」が伝える震災の教訓。
2022年春に帰還困難区域の一部で避難指示が解除される大熊町で再びわが家に戻ろうとする夫婦の想い。
今なお、残る課題に向き合い、困難を乗り越え未来に向かって"出発"する人と"出発"の地に焦点をあてます。
特集①福島の誇り「食」の復興と出発
原発事故で大きく傷ついた福島の「食」。この1年でアメリカや台湾で輸入停止が撤廃されるなど、大きな転機を迎えました。ただ、その陰には大変な苦労もありました。中には、自力で海外との交渉を積み重ねた農家も。
そして、そのアメリカはいまー?NNN取材団はアメリカ・ニューヨークで福島県産食材がどう感じられているのかを取材。福島の「食」の未来を考えます。
特集②命を守るため 記憶を未来に繋ぐ
津波で181人の命が失われた浪江町の請戸地区。海のすぐそばの請戸小学校は、震災の教訓を後世に残すため、去年秋、県内で初めて震災遺構となりました。
その小学校を先月、地元浪江町の中学生たちが訪れました。生徒たちは今何を思うのでしょうかー。
そして、その小学校の卒業生は地元で自らの記憶を伝える道を選びました。どんなに時間が過ぎても癒えることのない傷があります。それでも語り部となった女性や請戸小学校を通して防災について考えます。
特集③もう一度ふるさとで 11年目の帰還と選択
11,505人-2011年3月11日の大熊町の人口です。町ではこの春に帰還困難区域の特定復興再生拠点区域で避難指示が解除されます。
ふるさとで余生を過ごしたい。
この日が来るのを待ち望んだ人たちがいます。
一方、11年という歳月の中で結婚し、子どもを産み、新しい人生を歩んだ人がいます。新しいまちづくりのため、胸を痛めながら、思い出の場所や家の解体に携わる人がいます。
11,505通りの歩みがある大熊町-今と未来を見つめます。
特集④処理水放出 信頼回復への道
東京電力福島第一原発に溜まり続けるいわゆる〝処理水〟。汚染水から放射性トリチウム以外を取り除いたこの水を巡り、政府が海洋放出という新たな方針を示しました。
この〝処理水〟について、福島中央テレビがYahoo!と連携して約2000人からとったアンケートの結果によると、賛成・反対を上回ったのが「よくわからない(38.2%)」という答えでした。そして、もう一つ気になるのが「海洋放出後は食べるのを控える」と答えた割合が全体の60%に上ったことです。
この11年間で漁業者や生産者が積み上げてきた「信頼」は振り出しに戻ってしまうのでしょうか?福島が正念場を迎えています。
出演:福島中央テレビ アナウンサー 緒方太郎、野尻英恵、石井佑弥 ほか