福島中央テレビ

2024年10月4日、福島中央テレビの番組「ゴジてれChu!」で長年人気を博していたコーナー「ブンケン歩いてゴミ拾いの旅」がついにフィナーレを迎えました。しかし、その物語は終わりではなく、新たな形で続いていきます。ブンケンさんが旅中に身に着けていた思いのこもったビブスを受け継いだのは、モンゴル出身の画家・オチロさんです。この記事では、彼の初めてのゴミ拾いロケに密着して見えてきた福島県内のゴミ事情や、オチロさんの素顔に迫ります。



■雨の中のスタート、「晴れ男」オチロの決意



オチロさんの初ロケは、あいにくの雨。「僕は普段晴れ男なのですが、今日は雨が降ってしまいました。でも、雨を晴らすくらい元気いっぱいにゴミを拾います！」と笑顔で語るオチロさん。準備体操をして、いよいよ開成山公園から国道49号線を歩く初めてのゴミ拾いがスタートしました。



しかし、雨の日のゴミ拾いは思った以上に大変です。湿気でたばこの吸い殻は地面に張り付き、拾いにくくなっていました。また雨を吸い込んだゴミは想像以上に重く、驚く場面も。「一見きれいに見える道路にも、よく見るとたばこの吸い殻や空き缶、お菓子のゴミがたくさん落ちていました。」と話すオチロさん。この日、国道を歩きながら、はじめて福島県のゴミの現実に触れたのです。


　
「僕は祖国のモンゴルをはじめとして、世界中のいろいろな国を見てきたけれど、こんなに日本ほどきれいな街はないなと思います。でもだからこそ、あとちょっとだと思うからこそ、この旅を通して、一生懸命福島をきれいにしていきたいなと思っています。」と決意を語りました。


■オチロってどんな人？

モンゴル出身のオチロさんは、東京在住の画家です。10歳で日本に来て、18歳まで北海道で過ごしました。現在は東京に拠点を置き、百貨店をはじめとしたさまざまな場所で個展を開くなど精力的に活動を行っています。彼の作品は、赤い背景にキャラクターチックな人物を描くスタイルが特徴的です。



オチロさんはモンゴルの都会で生まれたものの、小さな頃から自然が好きだったと話します。福島にもこれまで何度も足を運んだことがあり、ゴミ拾い旅で美しい自然をさらに体感できることを楽しみにしているそうです。



「福島は、お米が美味しくて大好き。いつも福島のお米を食べているんです。そして、福島の人たちは震災を乗り越えて、復興を頑張ってきた強い県民性のイメージがあります。ゴミ拾い旅を通していろんな人とお話しするのが楽しみです。」目の前に広がる"福島"の風景を嬉しそうに眺めながら、オチロさんはこれからの旅路に胸を膨らませます。

■ゴミ拾いで見えた福島の現実と人々の温かさ



ロケを進める中で、オチロさんは様々な発見をしました。「僕は絵描きだから、細かいところを見る癖があるのかもしれません。普段はそんなに視力が良いわけじゃないけど、ゴミを見つけるのに実は向いているのかも…！」と語ります。同行していた皆川ディレクターも「よく見つけたね！」と感心していました。



また、福島の人々からの温かい声援もオチロさんを支えました。車の窓や向かい側の道路から「オチロさん、頑張って！」と声をかけてくれる人や、クラクションを鳴らして応援してくれる人、わざわざ差し入れを持ってきてくれる人もいました。ある方は、ブンケンさんから引き継いだビブスを見て、すぐにゴミ拾いをしていると気づき、急いで差し入れを買って届けてくれました。



「初めてのゴミ拾い旅なのに、こんなに多くの人から『福島をきれいにしてくれてありがとう』と言われるとは思っていませんでした。ブンケンさんが続けてきた活動のおかげです」と、ブンケンさんが地道に築き上げてきた活動の重みを感じていました。


■オチロのこれからのゴミ拾い旅に期待

オチロさんは一歩ずつ、小さなゴミも丁寧に拾いながら10キロほど歩き続けました。この日は一斉清掃活動の直後だったこともあり、ゴミは少ないほうでした。
これからどんどんハードになっていくだろうゴミ拾い旅に向けて、「僕はもうブンケンさんからビブスももらったし、こんなにも多くの人に応援されているので頑張ります！」と意気込みを語るオチロさん。初日のロケを終え、「思ったよりゴミは少なかったけれど、準備運動としてはいいスタートを切れたんじゃないかな」と振り返りました。



オチロさんの「ゴミ拾いの旅」はまだまだ始まったばかりです。彼の目にどんな光景が映り、どんなゴミが拾われ、どんなふうに福島はきれいになっていくのでしょうか。この旅は福島県の美しさを再発見し、人々の温かさに触れるだけでなく、みなさんと一緒にゴミ問題について考えるきっかけになることでしょう。これからのオチロのゴミ拾い旅に、ぜひ注目してください。



Chu!PRESS編集部