日本一のステーキとは？田村市「川合精肉店」店主がコンテストで快挙！家庭で簡単にマネできるコツも伝授

Chu! PRESS

2024.10.01

ミディアムレアの美しい断面〜！

まるで芸術作品のようなステーキを焼き上げるのは、川合達也さん35歳。川合さんは、ことし5月に滋賀県で開催された「ヤンマー杯SCA Asiaアメリカンビーフステーキコンテスト」で、見事日本一に輝いた。このコンテストは世界18か国で行われているもので、ステーキを焼く技術を競い、見た目や味の良さなど5項目で審査される。

ミディアムの焼け具合も審査項目

川合さんは、59年続く昔ながらの精肉店の店主。田村市常葉町の国道288号沿いにある「川合精肉店」だ。肉選びから始まるステーキコンテストで優勝した決め手は、父から学んだ精肉店ならではの肉の目利きだと話す。

実家に戻るも、1年足らずで2代目の父が亡くなった…

3人兄妹の末っ子である川合さん。当初は継ぐことを考えていなかったため、大学卒業後は地元の銀行に就職した。その後、精肉店を継ぐために8年前に実家に戻り、27歳の時に3代目になった。

牛肉や豚肉、鶏肉、馬肉まで、細かい部位を含めると100種類以上をそろえるこだわり。しかし、原発から33km地点の人口が減ってしまった地域。5年後10年後は、過疎化してしまっているだろう…跡を継いだ川合さんは、田舎の精肉店としての将来を考える日々が続いた。

ショーケースの中には50種類ほど！

そんな時に出会ったのが、BBQ検定！魅了された川合さんは、BBQの指導者の資格を取得。肉屋に加え、手ぶらで楽しめる出張BBQ事業を立ち上げた。「焼肉やしゃぶしゃぶ、すき焼きといった肉を食べる文化に、塊肉で味わうBBQというジャンルを加えてほしい」と意気込む。

店内では、BBQ用品も販売している

そんなチャンピオンが作るステーキレシピとは…？優勝したステーキと同じものを作ってもらうことに。家庭でも簡単に取り入れられる、肉を格段に柔らかくするテクニックが盛りだくさん！ぜひチェックしてみたい。

必要なのはこれだけ！

材料は、牛肉のほか、マイタケと塩こうじ、醤油、ニンニク、少しの水。マイタケには肉を柔らかくする酵素がとても多く入っていて、肉の表面に漬け込むだけで食感がかなり変わるという。

マイタケを細かく切って、肉の大きさの1割ほどの塩こうじと醤油、ニンニクを入れる。そこに水を少し加えると、マイタケのタンパク質を分解する酵素が活性化していく。これを肉の表面に塗り込み、袋に入れて常温で30分〜1時間漬け込む。

この作業が美味を生み出す…！

30分ほど経つと、酵素によって肉が柔らかくなり、クタッとした見た目に。ここで筋切りをして、さらに柔らかくする。

そして、味付け！塩コショウやガーリック、オニオン、ジンジャー、パプリカパウダーで構成した川合さん特製のスパイスを、たっぷりかけて焼いていく。キレイな焼き目がついたら、低温でじっくり焼いて完成だ。

パプリカパウダーが、旨みとコクを加える

焼き上がったらすぐに切りたいところだが、ここで少し待つのがさらにおいしくいただくコツ。切ってしまうと断面から肉汁が流れ出てしまうため、1〜2分休ませて肉汁が落ち着くのを待とう。すると、細胞の中にとどまった肉汁が、口の中で噛んだ時にじゅわ〜っと出てきて、旨みを存分に感じられる。

肉に魅了された男性が生み出した傑作

さらに、子どもも笑顔になる絶品の「牛めんちカツ」も販売している。4000品ほどのお惣菜が全国から集まるコンテストで、全国2位にあたる優秀賞に選ばれた一品。旨みのある国産牛と、食感の強いオーストラリア産牛の2種類を混ぜ合わせ、ソースもしっかり練り込んでいる。こちらも、噛んだ瞬間にじゅわ〜っとあふれてくる肉汁がたまらない！

「遠くから来た人にも、手軽に食べてもらいたい」という思いが

川合さんの息子、太一くんも、この「牛めんちカツ」が大好物！跡を継ぐ日も来るのかもしれない。

来年3月にはアメリカ・テキサスで世界大会があり、出場する予定の川合さん。そこで優勝すると、賞金のほかアメリカ全土で販売されるBBQスパイスが作れて億単位のお金が動くとか…地位と名誉が手に入るという、まさにアメリカンドリームだ。父の背中を見せるべく、世界一を目指す川合さんの勇姿！その活躍に期待したい。

Chu!PRESS編集部

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